データが送信されてから受信されるまでの遅延時間。通常ミリ秒(ms)で表される。
レイテンシは、ネットワーク通信における遅延時間を表す重要な指標です。特にリアルタイム性が求められる用途では、帯域幅以上に重要な要素となります。
レイテンシとは、データパケットが送信者から受信者に到達するまでの時間を指します。
レイテンシは「距離」に例えられます。物理的な距離が遠いほど、信号の到達時間が長くなります。
データがネットワークを通過する際の遅延:
往復時間: 送信から応答受信までの時間
ping 測定: 最も一般的な測定方法
実用的指標: 実際の体感速度に近い
片道時間: 送信から受信までの一方向の時間
RTT の約半分: 理論値として使用
測定困難: 精密な時刻同期が必要
CPU 処理時間: データ処理にかかる時間
ルーター処理: パケット転送判断の時間
アプリケーション処理: ソフトウェアでの処理時間
物理的距離: 光の速度による制限
: 光ファイバー、銅線、無線
理論限界: 光速の約 67%(光ファイバー)
データサイズ: パケットサイズによる影響
回線速度: 帯域幅との関係
シリアライゼーション: データの連続送信時間
バッファ待機: ルーターでの待機時間
トラフィック量: 混雑による影響
QoS 設定: 優先制御による改善
オンラインゲームでの快適性:
優秀: 10ms 以下
良好: 20ms 以下
普通: 50ms 以下
困難: 100ms 以上
良好: 50ms 以下
普通: 100ms 以下
許容: 150ms 以下
快適: 50ms 以下
普通: 100ms 以下
困難: 200ms 以上
優秀: 20ms 以下
良好: 50ms 以下
許容: 100ms 以下
低遅延: 1-3 秒
標準: 10-30 秒
許容: 60 秒以下
HFT(高頻度取引): 1ms 以下
一般的な取引: 10ms 以下
リテール取引: 100ms 以下
最も基本的な測定ツール:
# 基本的なping
ping google.com
# 詳細なping(Windows)
ping -n 10 -l 1472 google.com
# 詳細なping(Linux/Mac)
ping -c 10 -s 1472 google.com
経路ごとのレイテンシ測定:
- **ホップ単位**: 各中継点での遅延
- **経路分析**: ボトルネックの特定
- **地理的情報**: 物理的な経路確認
継続的な経路監視:
- **リアルタイム**: 常時監視
- **統計情報**: 平均・最大・最小値
- **パケットロス**: 損失率の測定
帯域幅とレイテンシの総合測定:
- **スループット**: 実効速度測定
- **ジッター**: 遅延のばらつき
- **詳細分析**: 多角的な性能評価
世界規模のネットワーク測定:
- **グローバル視点**: 世界各地からの測定
- **長期監視**: 継続的なデータ収集
- **公開データ**: 研究・分析用途
企業向け監視ツール:
- **エンドツーエンド**: 全経路の可視化
- **アプリケーション層**: 実際の体験測定
- **アラート機能**: 異常検知
- **距離短縮**: より近いサーバーの選択
- **高品質回線**: 光ファイバーの使用
- **専用線**: 共有帯域の回避
- **BGP 最適化**: 最短経路の選択
- **CDN 活用**: エッジサーバーの利用
- **ピアリング**: 直接接続の増加
- **高性能 CPU**: 処理速度向上
- **SSD 使用**: ストレージ遅延削減
- **メモリ増設**: キャッシュ効率向上
- **バッファサイズ**: 適切な設定
- **プロトコル選択**: UDP vs TCP
- **圧縮無効化**: CPU 負荷削減
- **先読み処理**: 事前データ取得
- **キャッシュ戦略**: 頻繁なデータの保存
- **圧縮技術**: データサイズ削減
- **並列処理**: 複数処理の同時実行
- **バックグラウンド処理**: UI 応答性向上
- **ストリーミング**: 部分的データ送信
レイテンシのばらつきを表す指標:
- **音声品質**: 通話の安定性
- **動画再生**: スムーズな再生
- **ゲーム体験**: 操作の一貫性
- **バッファリング**: 遅延の平準化
- **QoS 制御**: 優先度管理
- **帯域確保**: 安定した通信環境
- **東京-大阪**: 約 10-15ms
- **東京-札幌**: 約 20-30ms
- **東京-沖縄**: 約 30-40ms
- **日本-韓国**: 約 30-50ms
- **日本-アメリカ西海岸**: 約 100-150ms
- **日本-ヨーロッパ**: 約 200-300ms
- **太平洋横断**: 約 80-120ms
- **大西洋横断**: 約 60-100ms
- **冗長性**: 複数経路による安定性
- **時間帯**: ピーク時間の回避
- **負荷状況**: システム負荷の考慮
- **測定回数**: 複数回の平均値
- **サーバー選択**: 適切な測定先
- **プロトコル**: ICMP vs TCP/UDP
- **パケットサイズ**: 実用的なサイズ
- **経路問題**: 迂回ルートの使用
- **混雑**: トラフィック過多
- **機器故障**: 中継機器の問題
- **CPU 負荷**: 処理能力不足
- **メモリ不足**: スワップの発生
- **ストレージ**: 低速ディスクの影響
- **DNS 変更**: 高速 DNS サーバーの使用
- **MTU 調整**: 最適なパケットサイズ
- **不要サービス停止**: リソース解放
- **回線変更**: より高品質な回線
- **ハードウェア更新**: 性能向上
- **ネットワーク設計**: アーキテクチャ見直し
レイテンシは、現代のデジタル体験において極めて重要な要素です。用途に応じた適切な目標値の設定と、継続的な監視・最適化により、快適なネットワーク環境を維持できます。特にリアルタイム性が求められる用途では、帯域幅以上にレイテンシの管理が重要となります。