DDR5 PMIC/VRM(ディーディーアールゴピーミック)
DDR5オンボードPower Management IC。PMIC(Power Management IC・DIMM上)・1.1V VDDQ + 1.1V VPP + 1.8V VDD2・Richtek RT6030 PMIC(XMP 3.0・DDR5-7200+)・RT6029(UDIMM)・Renesas P8915/P8950・MPS MP2972・Rohm BU78CXXX・SPD Hub・Locked/Unlocked PMIC(Unlocked=OC用)・OC PMIC対応マザボ判定・G.Skill Trident Z5 Neo DDR5-8200対応、2026年OC必須。
概要
DDR5 PMIC/VRM は、メモリモジュール上に実装される電源管理 IC である。
1.1 V VDDQ、1.1 V VPP、1.8 V VDD2 の三軸電圧を安定供給し、データレートが 5 Gbps 以上に達する DDR5 の動作を支える。
PMIC は DIMM への電源配線を最小化し、熱設計を簡素化する。VRM はマザーボード側で電圧を変換し、PMIC へ供給する。
2025年に登場した RT6030 は XMP 3.0 対応で DDR5‑7200+ をサポートし、2026年の G.Skill Trident Z5 Neo DDR5‑8200 では Unlocked PMIC が必須となる。
主な特徴・仕組み
- 電圧レベル:1.1 V VDDQ、1.1 V VPP、1.8 V VDD2
- 電流容量:RT6030 5.5 A、RT6029 4.5 A、P8915 3.3 A
- クロック帯域:100 MHz 〜 400 MHz
- ロック機能:Locked PMIC では OC が制限され、Unlocked PMIC ではオーバークロックが可能
- パッケージ:BGA 10 × 10、QFN 8 × 8
- 熱設計:1.2 kW までの消費電力に耐えるパッケージ
- インタフェース:I²C 0.3 V で設定可能
- 電源安定化:3 段階のスイッチング制御
- 保護機能:過電圧保護 1.3 V、過電流保護 6 A
- 互換性:DDR5‑4800 〜 DDR5‑8200 まで対応
スペック/製品比較表
| モデル | VDDQ | VPP | VDD2 | 電流 | クロック | 主要用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| RT6030 | 1.1 V | 1.1 V | 1.8 V | 5.5 A | 400 MHz | XMP 3.0 DDR5‑7200+ |
| RT6029 | 1.1 V | 1.1 V | 1.8 V | 4.5 A | 300 MHz | UDIMM DDR5‑6000 |
| P8915 | 1.1 V | 1.1 V | 1.8 V | 3.3 A | 200 MHz | 低消費電力モジュール |
| P8950 | 1.1 V | 1.1 V | 1.8 V | 3.8 A | 250 MHz | 高性能モジュール |
| MP2972 | 1.1 V | 1.1 V | 1.8 V | 4.0 A | 350 MHz | エンタープライズ向け |
| BU78CXXX | 1.1 V | 1.1 V | 1.8 V | 2.5 A | 150 MHz | コスト重視型 |
| SPD Hub | 1.1 V | 1.1 V | 1.8 V | 3.0 A | 180 MHz | SPD 読み取り専用 |
| G.Skill Trident Z5 Neo | 1.1 V | 1.1 V | 1.8 V | 5.5 A | 400 MHz | Unlocked PMIC DDR5‑8200 |
具体例・対応製品
- メモリモジュール
- G.Skill Trident Z5 Neo DDR5‑8200 (Unlocked PMIC)
- Corsair Dominator Platinum RGB DDR5‑7200 (RT6030)
- Kingston Fury Beast DDR5‑6000 (RT6029)
- マザーボード
- ASUS ROG X670E Hero (RT6030 付き)
- MSI MEG Z790‑ACE (RT6029 付き)
- Gigabyte AORUS Z790 Master (P8915 付き)
- ケース・クーラー
- Noctua NH‑D15 (高い放熱性能で PMIC の熱負荷を低減)
- Corsair iCUE H150i (水冷で安定した電源供給)
自作PCでの選び方・注意点
- ① 目的のデータレートを確認し、対応 PMIC を選択
- ② Unlocked PMIC が必要かどうかを判断
- ③ 電源ユニットの出力が 1.2 kW 以上か確認
- ④ マザーボードの VRM タイプと PMIC の互換性をチェック
- ⑤ ケース内の放熱設計を確認し、クーラーを追加
- ⑥ 電源ケーブルの長さと太さを最適化
- ⑦ BIOS で PMIC の設定項目があるか確認
- ⑧ 過電圧保護が有効か確認
- ⑨ 予備の電源モジュールを用意
- ⑩ 公式ドキュメントで推奨設定を参照
関連用語との違い
- PMIC:メモリモジュール上に実装される電源管理 IC。
- VRM:マザーボード側で電圧を変換し、PMIC へ供給する。
- DIMM:メモリモジュール本体。
- XMP:Intel のオーバークロックプロファイル。
- SPD:メモリモジュールの設定情報を格納する EEPROM。
よくある質問
Q1. Unlocked PMIC とは何ですか?
A1. Unlocked PMIC は電圧制御が制限されず、オーバークロック時に高い電圧を供給できるため、DDR5‑8200 などの高速モジュールで必要になる。
Q2. RT6030 と RT6029 の違いは?
A2. RT6030 は 5.5 A の電流容量と 400 MHz のクロック帯域を持ち、XMP 3.0 対応。RT6029 は 4.5 A、300 MHz で UDIMM 用に設計されている。
Q3. 2026年に登場した G.Skill Trident Z5 Neo はどのような特徴ですか?
A3. DDR5‑8200 で Unlocked PMIC を搭載し、1.1 V VDDQ の安定供給と 5.5 A の電流容量を実現。オーバークロック時の電圧制御が可能で、次世代の高性能をサポート。
まとめ
DDR5 PMIC/VRM は、1.1 V VDDQ、1.1 V VPP、1.8 V VDD2 の三軸電圧を安定供給し、DDR5 の高速化を実現する。RT6030、RT6029、P8915 など多彩なモデルがあり、Unlocked PMIC の採用が 2026年以降の高レートモジュールで不可欠になる。自作PC では電源容量、放熱設計、互換性を総合的に検討し、最適な構成を選択することが重要である。