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Multi-Head Latent Attention(MLA)(マルチヘッドレイテントアテンション)

DeepSeek-V2が提案したKVキャッシュ圧縮型アテンション機構。Key/Valueをlow-rank潜在ベクトルへ圧縮してKVキャッシュサイズを大幅削減し、MHAと同等の表現力を維持しながら推論メモリコストを87%以上削減する手法。

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2026/6/6 更新
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Multi-Head Latent Attention(MLA)とは

MLA(Multi-Head Latent Attention)は、DeepSeek-V2(2024年5月)で初採用されたアテンション機構。KVキャッシュの爆発的なメモリ消費を低ランク圧縮で解決し、MHA(Multi-Head Attention)と同等の性能を維持しながら推論コストを抜本的に削減する。

KVキャッシュ問題の背景

LLM推論ではオートリグレッション(逐次トークン生成)のためにKey/Valueをキャッシュする必要がある。MHAではヘッド数×レイヤー数×シーケンス長に比例してKVキャッシュが増大し、バッチ処理・長文処理時にGPUメモリが律速要因になる問題があった。

MLAの圧縮アーキテクチャ

低ランク潜在ベクトルへの圧縮

MLAの核心は、Key/Valueを共有の低ランク潜在ベクトルc_KVに圧縮して保存し、推論時に線形射影で復元する点にある。d_cをd_h×h(全ヘッドのKV次元)より大幅に小さく設定することで、KVキャッシュサイズを圧縮する。

RoPEとの互換性

RoPE(Rotary Position Embedding)は潜在ベクトルに直接適用できないため、MLAはRoPE用のキーを別途保持するデカップルドアーキテクチャを採用している。これにより位置情報エンコーディングの精度を犠牲にせず圧縮の恩恵を受けられる。

性能効果

DeepSeek-V2の報告:

  • KVキャッシュ:MHA比で93.3%削減(h=128ヘッドの場合)
  • スループット:MHA比で最大5.76倍向上(バッチ効率改善)
  • 精度:LongBench等でMHAと同等以上を確認

DeepSeek-V3/R1での継承

DeepSeek-V3(2024年12月)、DeepSeek-R1(2025年1月)でもMLAを継続採用。671Bパラメータのモデルを2,048枚のH800で訓練・提供できているのもMLAによるメモリ効率化が寄与している。

GQA・MQAとの比較

手法アプローチKVキャッシュ削減率性能への影響
MHAヘッドごと独立0%(基準)最高性能
GQAヘッドグループ共有50〜75%わずかな劣化
MQA全ヘッドで1セット85〜90%劣化あり
MLA低ランク潜在圧縮90〜93%MHA同等

まとめ

MLAはKVキャッシュ問題に対するエレガントな解法。DeepSeekの成功により、他の大手LLM開発組織もMLA採用を検討・実験中であり、2025年以降のLLMアーキテクチャのデファクトスタンダードになりうる革新技術として注目されている。

この記事について
カテゴリーAI・機械学習
難易度上級
作成日2026/6/6