リアルタイムストリーミング(リアルタイムストリーミング)
低遅延ライブ配信。WebRTC(Zoom/Discord/Jitsi)・LL-HLS(Low Latency HLS)・CMAF・RTMP→SRT移行・Ant Media Server・LiveKit・mediasoupが代表で、2026年はWHIP/WHEP規格対応配信基盤が標準化。
概要
リアルタイムストリーミングは、低遅延でライブ映像を配信する技術群を指す。代表的なプロトコルに WebRTC、LL‑HLS、SRT、WHIP/WHEP がある。2026年には WHIP/WHEP が標準化され、クラウドベースの配信基盤が一層統一化される見込みだ。配信側はサーバーソフトウェアとして Ant Media Server 3.0、LiveKit 1.2、mediasoup 3.0 などが選択され、受信側は Zoom 2025、Discord 2026、Jitsi Meet 2025 などが代表的なクライアントとなる。
主な特徴・仕組み
- 遅延:WebRTC は 30 ms 未満、LL‑HLS は 200 ms 前後、SRT は 100 ms 前後を実現。WHIP/WHEP は 150 ms 前後を目指す。
- 帯域:4K 60fps で 30 Mbps、1080p 60fps で 10 Mbps、720p 60fps で 5 Mbps が一般的。SRT は 1 Gbps まで拡張可能。
- エラー耐性:SRT は UDP 上で再送制御を行い、パケットロスが 5 % 以内で安定配信を保証。WebRTC は DTLS‑SRTP により暗号化と再送を組み合わせる。
- スケーラビリティ:LL‑HLS は CDN を利用し、数十万視聴者へ同時配信が可能。WebRTC はピアツーピアで拡張が難しいが、SFU(Selective Forwarding Unit)を併用すると 10 000 視聴者まで対応できる。
- 互換性:WHIP/WHEP は HTTP/3 をベースにしているため、既存の REST API で簡単に統合できる。SRT は RTMP からの移行をスムーズに行える。
スペック/製品比較表
| プロトコル | 遅延 | 最大解像度 | 帯域 | 主要サーバー | 主要クライアント |
|---|---|---|---|---|---|
| WebRTC | 30 ms | 4K 60fps | 30 Mbps | Ant Media Server 3.0 | Zoom 2025 |
| LL‑HLS | 200 ms | 4K 30fps | 15 Mbps | LiveKit 1.2 | Discord 2026 |
| SRT | 100 ms | 4K 60fps | 30 Mbps | mediasoup 3.0 | Jitsi Meet 2025 |
| WHIP/WHEP | 150 ms | 4K 60fps | 30 Mbps | Ant Media Server 3.0 | Zoom 2025 |
具体例・対応製品
- Ant Media Server 3.0:WebRTC と SRT を同時に扱い、1 Gbps までのビデオストリームを 10 000 視聴者へ配信。CPU 要件は 4 コア 3.0 GHz、RAM 16 GB。
- LiveKit 1.2:LL‑HLS をベースにした低遅延配信を実現。GPU なしで 4K 60fps を 8 Mbps で配信。推奨ハードウェアは 2 コア 2.5 GHz、RAM 8 GB。
- mediasoup 3.0:SFU を採用し、WebRTC ピア数を 10 000 まで拡張。CPU 8 コア 3.5 GHz、RAM 32 GB が推奨。
- Zoom 2025:WebRTC と WHIP/WHEP をサポート。最大 100 人の同時参加で 4K 30fps を 20 Mbps で配信。
- Discord 2026:WebRTC と LL‑HLS を併用。最大 200 人の同時参加で 1080p 60fps を 12 Mbps で配信。
自作PCでの選び方・注意点
- CPU:リアルタイムエンコードは 3 GHz 以上の 4 コア以上が望ましい。SRT で 1 Gbps を扱う場合は 8 コア 3.5 GHz が推奨。
- GPU:NVENC 付き RTX 3060 以上で 4K 60fps を 30 Mbps でエンコード。CPU エンコードは 10 Mbps で十分。
- RAM:最低 16 GB。SRT で 1 Gbps を扱う場合は 32 GB が安全。
- ネットワーク:10 Gbps LAN で 1 Gbps のアップロードを確保。Wi‑Fi 6E は 1 Gbps を超える帯域を提供。
- ストレージ:NVMe SSD 1 TB 以上。録画用に 4 TB の SATA SSD を併設すると安心。
- 電源:650 W 以上の 80 + Gold 以上。GPU と CPU の同時負荷を考慮。
- 冷却:水冷クーラー 240 mm 以上。高負荷時に 70 ℃ を超えないように設計。
- OS:Linux (Ubuntu 22.04 LTS) が最適。SRT と WHIP/WHEP のサポートが充実。
- ソフトウェア:ffmpeg 5.0 以上、GStreamer 1.20 以上をインストール。SRT ライブラリは 1.4.0 以上。
- セキュリティ:TLS 1.3 を必須にし、ファイアウォールで 1935 ポート(RTMP)と 1935 ポート(SRT)を開放。
関連用語との違い
- RTMP:従来のライブ配信プロトコルで、遅延が 1 秒以上。SRT への移行が進む。
- HLS:HTTP ベースで遅延が 5 秒以上。LL‑HLS は 200 ms まで短縮。
- WebRTC:ピアツーピアで低遅延を実現。サーバー側は SFU が必要。
- WHIP/WHEP:HTTP/3 ベースで、配信と受信を統一した API を提供。2026年に標準化予定。
よくある質問
Q1: SRT と WebRTC の違いは何ですか?
A1: SRT は UDP 上で再送制御を行い、パケットロスが 5 % 以内で安定。WebRTC はピアツーピアで遅延 30 ms 以内を目指す。
Q2: LL‑HLS を使うメリットは?
A2: CDN を利用して数十万視聴者へ同時配信が可能。遅延 200 ms 前後で、低コストにスケールアウトできる。
Q3: WHIP/WHEP はいつ標準化されますか?
A3: 2026年に IETF で標準化が予定され、主要クラウドプロバイダーがサポートを開始する見込み。
まとめ
リアルタイムストリーミングは、低遅延と高帯域を両立するために WebRTC、LL‑HLS、SRT、WHIP/WHEP など多様なプロトコルが存在する。2026年の標準化により、配信基盤はさらに統一化され、開発者はより簡単に高品質なライブ配信を実現できる。自作PCで構築する場合は CPU、GPU、RAM、ネットワークを十分に確保し、最新のソフトウェアとセキュリティ設定を行うことで、安定した配信環境を構築できる。