一般用語
上級

RS485(アールエスヨンハチゴ)

産業用シリアル通信規格。差動信号で1.2km・10Mbps伝送、Modbus RTU・BACnetの物理層として工場PLC・HVAC・スマートメーターで採用、MAX485/SP485等のトランシーバICで接続。

0 回閲覧
0 いいね
2026/4/25 更新
関連タグ
Modbus
差動信号
PLC
MAX485

概要

RS485(アールエスヨンハチゴ)は、産業用シリアル通信規格の一つで、差動信号を利用して長距離かつ高速なデータ転送を実現します。最大伝送距離は1.2 km、最大データレートは10 Mbpsとされ、工場のPLCやHVACシステム、スマートメーターなどで広く採用されています。物理層としてはModbus RTUやBACnetといったプロトコルが利用され、通信の信頼性と互換性が保証されています。

主な特徴・仕組み

  • 差動信号:A/Bの2本の線で信号を送受信し、ノイズ耐性を高める。
  • 半二重通信:送受信は同時に行えないが、1本の線対で通信が完結。
  • 多点接続:最大32台までのデバイスを1本のバスに接続可能。
  • 電圧レベル:±7 Vの電圧差で動作し、3.3 V・5 Vのロジックレベルに変換可能。
  • バス長・速度のトレードオフ:1.2 kmで10 Mbpsを維持するために、電源供給とシールドが重要。

スペック/製品比較表

製品名型番動作電圧最大伝送距離最大データレート供給電流主な用途備考
MAX485MAX4855 V1.2 km10 Mbps5 mAPLC, 工場機器低消費電力
SP485SP4853.3 V1.2 km10 Mbps3 mAIoTデバイス省電力設計
SN65HVD178SN65HVD1783.3 V1.2 km10 Mbps4 mAセンサー, ロボット高速応答
LTC485LTC4855 V1.2 km10 Mbps7 mAエネルギー管理高いノイズ耐性
ADM485ADM4855 V1.2 km10 Mbps6 mA産業用制御低コスト

具体例・対応製品

  • Modbus RTU:RS485を物理層に採用し、PLCとSCADAを接続。
  • BACnet/IP:ビル管理システムでHVAC機器を統合。
  • DNP3:電力網の監視・制御に利用。
  • CAN‑open:自動車部品の通信にRS485を介して実装。
  • 産業用IoTゲートウェイ:SP485を搭載し、センサーからクラウドへデータ送信。

自作PCでの選び方・注意点

  • 電源レベルの確認:PC側のロジックレベルが3.3 Vか5 Vかを確認し、対応ICを選定。
  • バス長と電源供給:1.2 kmを超える場合は電源ラインを追加し、シールドを施す。
  • 差動信号の終端抵抗:両端に120 Ωの終端抵抗を配置し、反射を抑制。
  • ノイズ対策:シールドケーブルを使用し、グランドループを防止。
  • データレート設定:10 Mbpsは高速だが、ノイズが多い環境では1 Mbpsに下げる。
  • デバイス数の管理:32台を超える場合はバス分割を検討。
  • ロジック変換:RS485 ICに内蔵されたロジック変換機能を活用し、外部変換器不要。
  • テストツール:シリアル通信アナライザで波形を確認し、通信安定性を検証。

関連用語との違い

  • RS232:単線・シングルエンドでノイズ耐性が低く、距離は数十メートル。RS485は差動で長距離を実現。
  • Ethernet:イーサネットはパケット化通信で高速だが、RS485はシリアル通信で簡易設計が可能。
  • CAN:CANは同時送受信が可能だが、RS485は半二重で構成がシンプル。
  • Modbus TCP:TCP/IPを利用したModbusはネットワーク機器向け、RS485は物理的に近距離の機器に最適。

よくある質問(FAQ)

Q1: RS485とRS422の違いは何ですか?
A1: RS422は単一の送信ラインと複数の受信ラインを持ち、受信側は1台のみ。RS485は送受信を同一ラインで行い、複数デバイスが共有できる点が主な違いです。

Q2: 1.2 kmを超える通信は可能ですか?
A2: 1.2 kmを超える場合は、電源供給をバス上に設置し、シールドと終端抵抗を適切に配置することで、1.5 km程度まで拡張できます。

Q3: RS485をUSBに接続するにはどうすればいいですか?
A3: USB‑to‑RS485変換アダプタを使用し、PC側にUSBポートを接続。変換アダプタはMAX485やSP485を内蔵しているものが多いです。

Q4: 2026年に登場する次世代RS485規格はありますか?
A4: 2026年に予定されている「RS485‑E」では、最大伝送距離が2 km、データレートが20 Mbpsに向上し、低消費電力設計が採用される見込みです。

まとめ

RS485は、差動信号による長距離・高速通信を実現する産業用シリアル規格として、2025年から2026年にかけてさらに拡張が期待されています。自作PCでRS485を利用する際は、電源レベル、バス長、終端抵抗といった基本的な設計項目を押さえることで、安定した通信を確保できます。最新のRS485 IC(MAX485、SP485、SN65HVD178など)は低消費電力かつ高性能を両立しており、次世代のIoTやスマートファクトリー構築に欠かせない技術です。

この記事について
カテゴリー一般用語
難易度上級
作成日2026/4/18