テアリング(テアリング)
GPU出力とモニタ更新タイミングのズレで画面が分断される現象。VSync・G-SYNC Ultimate・AMD FreeSync Premium Pro・VRR(HDMI 2.1)で解消、ASUS ROG Swift・LG UltraGearが対応。
概要
テアリングとは、GPU が生成したフレームとモニタが実際に更新するタイミングがずれることで、画面に縦方向の分断が現れる現象です。フレームの途中でディスプレイが更新されるため、上半分と下半分で映像がずれ、特に高速で動くゲームや動画で顕著に見られます。テアリングは視覚的に不快であり、プレイ体験を低下させるため、解消策が重要です。
主な特徴・仕組み
- 原因:GPU がフレームを描画し終えた後、モニタがそのフレームを表示するタイミングが異なる。
- 表示結果:フレームの途中で画面が更新され、上半分と下半分が別々のフレームを表示。
- 対策:VSync(垂直同期)やVRR(可変リフレッシュレート)を有効にすることで、GPU のフレーム出力とモニタの更新を同期させる。
- 最新規格:HDMI 2.1 の VRR は 4K@120Hz まで対応し、テアリングをほぼゼロに抑える。
- 次世代ディスプレイ:OLED G-SYNC Ultimate は 240Hz で 0.5 ms 応答時間を実現し、テアリングのリスクをさらに低減。
スペック/製品比較表
| モデル | 解像度 | リフレッシュレート | 応答時間 | G‑SYNC / FreeSync | 価格(概算) |
|---|---|---|---|---|---|
| ASUS ROG Swift PG32UQX | 3840×2160 | 240 Hz | 1 ms | G‑SYNC Ultimate | 60,000 円 |
| LG UltraGear 27GN950 | 3840×2160 | 144 Hz | 1 ms | G‑SYNC / FreeSync | 35,000 円 |
| Samsung Odyssey G7 | 2560×1440 | 240 Hz | 1 ms | FreeSync Premium Pro | 28,000 円 |
| Acer Predator X27 | 3840×2160 | 144 Hz | 4 ms | G‑SYNC | 55,000 円 |
| MSI Optix MPG341CQR | 3440×1440 | 144 Hz | 1 ms | FreeSync | 25,000 円 |
具体例・対応製品
- GPU
- NVIDIA GeForce RTX 4090(24 GB GDDR6X、TDP 450 W、PCIe 5.0 x16、5.7 GHz ブースト)
- AMD Radeon RX 7900 XTX(24 GB GDDR6、TDP 300 W、PCIe 4.0 x16)
- Intel Xe‑HPG G7(16 GB GDDR6、TDP 350 W、PCIe 4.0 x16)
- モニタ
- ASUS ROG Swift PG32UQX(4K、240 Hz、G‑SYNC Ultimate)
- LG UltraGear 27GN950(4K、144 Hz、G‑SYNC / FreeSync)
- Samsung Odyssey G7(1440p、240 Hz、FreeSync Premium Pro)
- Acer Predator X27(4K、144 Hz、G‑SYNC)
- MSI Optix MPG341CQR(3440×1440、144 Hz、FreeSync)
- 接続規格
- HDMI 2.1(最大 4K@120Hz、VRR 対応)
- DisplayPort 1.4a(最大 4K@120Hz、VRR 対応)
自作PCでの選び方・注意点
- GPU とモニタのリフレッシュレートを合わせる
- 例:RTX 4090 は 4K 120 Hz で最大フレームレートを出せるが、モニタが 60 Hz だと VSync が必須。
- VRR 対応モニタを選ぶ
- HDMI 2.1 の VRR は 4K@120Hz まで、DisplayPort 1.4a は 4K@120Hz まで。
- 接続ポートのバージョンを確認
- GPU が PCIe 5.0 をサポートしても、モニタ側が HDMI 2.1 でないと 120 Hz にはできない。
- 応答時間と入力遅延をチェック
- 1 ms 応答時間と 0.5 ms 入力遅延を持つモニタは、テアリングと入力遅延の両方を抑える。
- 電源容量
- RTX 4090 の TDP 450 W を考慮し、750 W 以上の電源ユニットを選択。
- 冷却性能
- 高負荷時に GPU が熱くなるとクロックが落ち、フレームレートが不安定になる。
- BIOS/UEFI の設定
- 「PCIe スロットのレート」を 5.0 に設定し、最大帯域を確保。
- ファームウェア/ドライバの更新
- GPU とモニタのファームウェアが最新であることを確認。
- テストツールの使用
- FRAPS、MSI Afterburner、NVIDIA Control Panel で VSync をオフにしてテアリングを確認。
- 予算配分
- 高解像度と高リフレッシュレートを両立させるには、GPU とモニタに相当の投資が必要。
関連用語との違い
- VSync:垂直同期。GPU がフレームを描画し終えた後、モニタが更新を待つことでテアリングを防止。
- G‑SYNC:NVIDIA の可変リフレッシュレート技術。モニタ側に専用チップを内蔵し、GPU のフレーム出力と同期。
- FreeSync:AMD のオープン規格。VSync と同様にフレーム同期を行うが、追加ハードウェアは不要。
- VRR (Variable Refresh Rate):一般的な可変リフレッシュレート。HDMI 2.1 で 4K@120Hz まで対応。
- G‑SYNC Ultimate:G‑SYNC の最高級版。OLED パネルで 0.5 ms 応答時間と 240 Hz を実現。
よくある質問(FAQ)
Q1. テアリングが起きるとき、VSync をオンにするとパフォーマンスが落ちるのはなぜですか?
A1. VSync は GPU がフレームを描画し終えるまでモニタ更新をブロックするため、GPU が余裕を持ってフレームを生成できないとフレームレートが低下します。VRR を利用すると同期は取れますが、GPU のフレームレートがモニタのリフレッシュレートを下回るとフレームがドロップします。
Q2. 2026年に登場予定の AMD Radeon RX 9000 系列はテアリング対策がさらに強化されると聞きましたが、具体的にどんな技術が導入されるのでしょうか?
A2. 次世代の RDNA 4 アーキテクチャでは、GPU 内部のレイアウトを最適化し、フレーム出力のタイミングをより正確に制御できるようになります。さらに、AMD は「FreeSync Ultra」規格を拡張し、120 Hz での 4K での低遅延同期を実現すると予想されています。
Q3. 2025年に発表された RTX 4090 は 4K 120 Hz で安定動作が保証されていますが、実際に 144 Hz のモニタで使用するとテアリングが起きる可能性がありますか?
A3. はい、GPU が 120 Hz でフレームを生成しても、モニタが 144 Hz の場合、フレームの更新タイミングがずれます。VRR を有効にすれば同期は取れますが、GPU のフレームレートが 144 Hz を下回るとフレームがドロップし、テアリングが再発生します。
まとめ
テアリングは GPU とモニタの更新タイミングのズレが原因で起こる視覚的不快症状です。VSync、G‑SYNC、FreeSync、VRR などの同期技術を適切に選択し、モニタのリフレッシュレートと GPU の性能をマッチさせることで、ほぼ完全に解消できます。最新の 2025 年代のハードウェアは、4K@120Hz までの VRR 対応や G‑SYNC Ultimate のような高性能同期技術を備えており、次世代のゲーム体験を実現します。自作 PC を構築する際は、GPU の TDP と冷却性能、電源容量、接続規格、モニタの応答時間・入力遅延を総合的に検討し、最適な構成を選ぶことが重要です。