iSCSI/NVMe-oF ストレージ(アイエスシーエスアイエヌブイエムイーオーエフ)
ネットワークストレージプロトコル。iSCSI(SCSI over TCP/IP・port 3260)・NVMe-oF(NVMe over Fabric)・NVMe/TCP(2018年・L4)・NVMe/RDMA(RoCE v2・InfiniBand)・NVMe/FC(Fibre Channel)・Chelsio T6/T7・Mellanox ConnectX-6/7・Synology iSCSI Manager・TrueNAS SCALE iSCSI・ESXi VMFS・StarWind VSAN対応、2026年NVMe/TCPクラウドNAS普及。
概要
iSCSI と NVMe‑oF は、ストレージをネットワーク経由で利用するためのプロトコルである。
iSCSI は TCP/IP 上で SCSI コマンドを送受信し、標準ポート 3260 を使用する。
NVMe‑oF は NVMe コマンドをファブリック上に置き換え、TCP、RoCE v2、InfiniBand、Fibre Channel など複数のトランスポートをサポートする。
2025年以降、NVMe/TCP がクラウド NAS で広く採用され、2026年には多くのハードウェアベンダーが対応を発表した。
主な特徴・仕組み
- 低レイテンシ:NVMe コマンドは 1 〜 2 µs 以内で処理され、従来の SATA より 10 倍以上高速。
- スケーラビリティ:RoCE v2 で 100Gbps の InfiniBand を利用すると、1 つのリンクで 10 台以上の NVMe デバイスを接続可能。
- トランスポートの柔軟性:TCP、RDMA、FC など選択でき、既存のネットワークインフラを再利用できる。
- 統合管理:Synology iSCSI Manager、TrueNAS SCALE、ESXi VMFS などで統一的に設定・監視が行える。
- クラウド連携:StarWind VSAN は NVMe/TCP をベースに、仮想化環境とクラウドストレージをシームレスに接続。
スペック/製品比較表
| 製品 | トランスポート | 速度 | 主要用途 | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|
| Chelsio T6 | RoCE v2 | 100Gbps | データセンターネットワーク | 15,000円 |
| Chelsio T7 | RoCE v2 | 200Gbps | 高性能ストレージ | 25,000円 |
| Mellanox ConnectX‑6 | RoCE v2 | 200Gbps | 低レイテンシアプリ | 20,000円 |
| Mellanox ConnectX‑7 | RoCE v2 | 400Gbps | 次世代 AI ワークロード | 35,000円 |
| Synology DS920+ | iSCSI / NVMe/TCP | 1Gbps / 10Gbps | 家庭用 NAS | 30,000円 |
具体例・対応製品
- Chelsio T6:RoCE v2 で 100Gbps を実現し、NVMe 4.0 互換。
- Chelsio T7:200Gbps で NVMe 5.0 をサポート。
- Mellanox ConnectX‑6:InfiniBand 100Gbps と NVMe/TCP を同時に処理。
- Mellanox ConnectX‑7:400Gbps で NVMe 6.0 を実装。
- Synology DS920+:iSCSI 3260 と NVMe/TCP 2026 を同時に提供。
- TrueNAS SCALE:NVMe/TCP で 10Gbps 以上のスループットを実現。
- StarWind VSAN:NVMe/TCP を利用した仮想化ストレージ。
- ESXi VMFS:NVMe/TCP で 8Gbps 以上のパフォーマンスを提供。
自作PCでの選び方・注意点
- ネットワークインフラ:既存の 10GbE か 40GbE かを確認し、トランスポートに合わせてカードを選択。
- CPU とメモリ:NVMe/TCP では 2.5GHz 以上の CPU と 16GB 以上のメモリが推奨。
- 電源容量:RoCE v2 カードは 150W 程度の消費電力があるため、電源容量を確保。
- レイテンシ測定:iPerf3 で 1 µs 以内のレイテンシを確認。
- ドライバとファームウェア:最新バージョンを適用し、互換性を確保。
- セキュリティ:iSCSI では CHAP 認証を有効化し、NVMe/TCP では TLS 1.3 を設定。
- 管理ソフトウェア:Synology iSCSI Manager、TrueNAS SCALE の GUI を活用。
- 拡張性:将来 400Gbps へのアップグレードを見越し、Mellanox ConnectX‑7 を選択。
- コストパフォーマンス:Chelsio T6 は 15,000円 で 100Gbps を提供し、予算重視の構成に適合。
- サポート体制:ベンダーの SLA を確認し、24 時間体制のサポートがあるかをチェック。
関連用語との違い
- iSCSI 3260:TCP 上で SCSI コマンドを送る方式。NVMe/TCP は NVMe コマンドを直接送るため、レイテンシが低い。
- RoCE v2:RDMA over Converged Ethernet。InfiniBand 互換で 100Gbps を実現。
- ConnectX‑7:Mellanox の 400Gbps カード。RoCE v2 と NVMe/TCP を同時に処理。
- NVMe 4.0 / 5.0:NVMe コマンドセットのバージョン。NVMe/TCP では 4.0 以上が必要。
よくある質問
Q1. iSCSI と NVMe/TCP の主な違いは何ですか?
A1. iSCSI は SCSI コマンドを TCP で送るため、レイテンシが数 µs。NVMe/TCP は NVMe コマンドを直接送るため、1 µs 以内の低レイテンシが実現できる。
Q2. 2026年に NVMe/TCP が普及した理由は?
A2. 2026年に多くのクラウド NAS ベンダーが NVMe/TCP を標準化し、既存の 10GbE インフラで 10Gbps 以上のスループットを提供できたため。
Q3. RoCE v2 と InfiniBand の違いは?
A3. RoCE v2 は Ethernet 上で RDMA を実現し、既存の IP ネットワークを再利用できる。InfiniBand は専用のファブリックで、より高い帯域幅と低レイテンシを提供。
まとめ
iSCSI と NVMe‑oF は、ネットワーク経由でストレージを高速に利用するための代表的プロトコルである。
2025年以降、NVMe/TCP がクラウド NAS で主流となり、2026年には多くのハードウェアが対応。
Chelsio T6、Mellanox ConnectX‑6/7 などのカードは、RoCE v2 と NVMe/TCP を同時にサポートし、低レイテンシと高帯域幅を両立。
自作PC で構築する際は、ネットワークインフラ、CPU・メモリ、電源容量、セキュリティ設定を総合的に検討し、将来の拡張性を見越した選択が重要。
次世代のストレージ環境では、NVMe/TCP が標準化され、従来の iSCSI よりも大幅に高速化されたデータ転送が可能になる。