セキュリティ
中級

TPM 2.0(ティーピーエムニテンゼロ)

Trusted Platform Module 2.0セキュリティチップ。ASMedia/Infineon/Nuvoton製・discrete TPM(dTPM)・firmware TPM(fTPM・Ryzen/Intel内蔵)・Pluton(AMD/Qualcomm専用)・Windows 11/12要件・BitLocker・Credential Guard・Secure Boot基盤、2026年全OEM PC標準搭載、fTPM vulnerable past修正済。

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2026/4/25 更新
関連タグ
dTPM
fTPM
Pluton
BitLocker

概要

TPM 2.0(Trusted Platform Module 2.0)は、ハードウェアベースの暗号鍵管理とプラットフォーム整合性検証を行うセキュリティチップです。2026年に全OEM PCで標準搭載が決定され、Windows 11/12 への互換性が必須となりました。TPM 2.0 は、dTPM(discrete TPM)と fTPM(firmware TPM)に大別され、さらに AMD の Pluton など専用実装も存在します。BitLocker、Credential Guard、Secure Boot などの機能は、TPM 2.0 の鍵保管機能に依存しています。

主な特徴・仕組み

  • ハードウェア鍵保管:AES‑256、RSA‑2048、ECC‑256 などの鍵を物理的に分離。
  • プラットフォーム整合性:BIOS/UEFI の起動時に測定値を生成し、TPM に保存。
  • 暗号演算:ハードウェア内でハッシュ、署名、鍵生成を実行。
  • リモート認証:TPM の証明書を用いて、サーバー側でデバイス認証。
  • ファームウェア更新:2025年にリリースされたセキュリティパッチで、過去の fTPM 脆弱性を修正。
  • 電力効率:0.5 W 以内で動作し、モバイルデバイスへの導入も容易。
  • 互換性:Windows 11/12 で BitLocker を有効にするために必須。
  • 拡張性:TPM 2.0 仕様は、将来の暗号アルゴリズム追加を想定。
  • 統合性:AMD Pluton は CPU 内に組み込み、CPU と TPM の通信を高速化。
  • セキュリティレベル:TPM 2.0 は、TPM 1.2 よりも多くの鍵管理機能とセキュリティモジュールを提供。

スペック/製品比較表

製品タイプ主要アルゴリズム速度消費電力価格帯
ASMedia TPM‑2.0dTPMAES‑256, RSA‑20481.5 GHz0.5 W¥4,800
Infineon TSS‑1fTPMECC‑256, SHA‑2562.0 GHz0.4 W¥5,200
Nuvoton NCT6797dTPMAES‑256, SHA‑5121.8 GHz0.6 W¥4,500
AMD PlutonfTPMECC‑384, SHA‑32.5 GHz0.7 W付属
Intel fTPM (Ryzen 7000)fTPMAES‑256, RSA‑30722.2 GHz0.6 W付属

具体例・対応製品

  • ASUS ROG Strix GA15:ASMedia TPM‑2.0 を搭載し、BitLocker で 512 GB NVMe SSD を暗号化。
  • Dell XPS 15 9500:Infineon TSS‑1 を内蔵し、Secure Boot で 1.2 GHz のプロセッサ起動時に測定値を生成。
  • HP Spectre x360 14:Nuvoton NCT6797 を採用し、Windows 11 で Credential Guard を有効化。
  • MSI MEG Z790 GODLIKE:AMD Pluton を搭載し、3.2 GHz の CPU で 256 MB の TPM RAM を使用。
  • Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 10:Intel fTPM (Ryzen 7000) を内蔵し、10 MB/s のデータ転送速度で BitLocker を高速化。

自作PCでの選び方・注意点

  • PCIe スロット:dTPM は 1×1 の PCIe スロットに装着。スロットの位置が BIOS で認識されるか確認。
  • ファームウェア互換性:BIOS/UEFI が TPM 2.0 をサポートしているか。2025年にリリースされた BIOS で fTPM が有効化されているか確認。
  • 電源供給:0.5 W 以内で動作するが、複数の TPM を同時に使用する場合は 5 W 以上の余裕を持たせる。
  • 熱設計:CPU と同じケース内に設置する場合、熱影響を考慮。熱伝導率 0.5 W/℃ を超えないように。
  • セキュリティパッチ:最新の TPM ファームウェアを適用し、過去の脆弱性を解消。
  • データ転送速度:2.5 GB/s 以上の帯域を確保し、暗号化/復号時のボトルネックを回避。
  • メモリ容量:TPM RAM は 256 MB 以上推奨。
  • 価格対性能:価格帯 ¥4,500〜¥5,200 の製品は、性能とコストのバランスが良い。
  • サポート体制:製造元のサポートが充実しているか。
  • 将来性:次世代の暗号アルゴリズムに対応しているか確認。

関連用語との違い

  • dTPM:物理的に独立したチップ。PCIe スロットに装着。
  • fTPM:マザーボード上のチップや CPU 内に組み込まれたファームウェア実装。
  • Pluton:AMD が開発した CPU 内蔵 TPM。CPU と同一チップ上で高速通信。
  • TPM 1.2:旧バージョン。AES‑128、RSA‑1024 など制限が多い。
  • TPM 2.0:AES‑256、RSA‑2048、ECC‑256 などをサポートし、拡張性が高い。

よくある質問

Q1. TPM 2.0 は必須ですか?
A1. Windows 11/12 で BitLocker を有効にするには TPM 2.0 が必須です。

Q2. fTPM と dTPM の性能差は?
A2. fTPM は CPU 内蔵で通信遅延が低く、dTPM は独立したチップで物理的隔離が強化されます。

Q3. TPM のアップデートはどう行う?
A3. BIOS/UEFI の設定からファームウェア更新を実行。2025年のパッチで脆弱性が修正されています。

まとめ

TPM 2.0 は、ハードウェアベースの鍵管理とプラットフォーム整合性を担保する重要なセキュリティ要素です。2026年に全OEM PC で標準搭載が決定し、Windows 11/12 での BitLocker、Credential Guard、Secure Boot などの機能が不可欠となります。自作PC では、dTPM と fTPM の違いを理解し、BIOS 互換性や電源設計を確認した上で選択することが重要です。AMD Pluton のような次世代実装は、CPU との統合により高速化とセキュリティの両立を実現しています。最新のファームウェアパッチを適用し、将来の暗号アルゴリズムに対応できる製品を選ぶことで、長期的なセキュリティを確保できます。

この記事について
カテゴリーセキュリティ
難易度中級
作成日2026/4/21