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Voyage-3(ボヤージュスリー)

Voyage AI社が2024年に公開した商用テキスト埋め込みモデル。1,024次元・最大16,000トークン入力対応で、MTEB英語ベンチマークでトップクラスの性能を持つAPI提供型 Embedding サービス。

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2026/6/20 更新
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埋め込みモデル
Embedding
Voyage AI
API
RAG
ベクトル検索

Voyage-3とは

Voyage-3は、Voyage AI社が2024年9月に公開した商用テキスト埋め込みモデルである。APIサービスとして提供され、OpenAI text-embedding-3-large を上回る英語検索性能を持つ。Anthropic(Claude開発元)が公式に推奨するEmbeddingプロバイダであり、RAGパイプラインでClaudeと組み合わせる際の第一選択として位置づけられている。

主な特徴

  • 高い検索精度: MTEB Retrieval(英語)で67.3 nDCG@10を記録。OpenAI text-embedding-3-large(64.6)を上回る
  • 長文対応: 最大16,000トークンの入力に対応。論文・法務文書・技術ドキュメント等の長い文書もトランケーションなしで埋め込み可能
  • 1,024次元出力: Matryoshka Representation Learning対応で、256/512/1024次元から選択可能。ストレージとのトレードオフ調整が容易
  • バリエーション: voyage-3(汎用)、voyage-3-lite(軽量・低コスト)、voyage-code-3(コード特化)、voyage-finance-2(金融特化)、voyage-law-2(法務特化)
  • Anthropic公式推奨: Claude APIドキュメントでEmbeddingプロバイダとしてVoyage AIを推奨
  • 価格: $0.06 / 1M tokens(voyage-3)、$0.02 / 1M tokens(voyage-3-lite)

モデルバリエーション比較

モデル用途最大入力次元価格(/1M tokens)
voyage-3汎用16,0001,024$0.06
voyage-3-lite軽量汎用16,000512$0.02
voyage-code-3コード検索16,0001,024$0.06
voyage-finance-2金融16,0001,024$0.12
voyage-law-2法務16,0001,024$0.12

利用方法

import voyageai

client = voyageai.Client(api_key="your-api-key")

documents = ["Voyage-3は高性能な埋め込みモデルです", "RAGでの検索精度が高い"]
result = client.embed(documents, model="voyage-3", input_type="document")

# result.embeddings → list of 1024-dim vectors
# クエリ側は input_type="query" を指定
query_result = client.embed(["埋め込みモデルとは"], model="voyage-3", input_type="query")

LangChain・LlamaIndex・Haystack等の主要RAGフレームワークでもインテグレーション済み。

他モデルとのベンチマーク比較

ベンチマークVoyage-3OpenAI 3-largeBGE-M3Cohere v3
MTEB Retrieval(英語)67.364.658.464.5
BEIR 14タスク平均54.252.151.852.0
多言語(MIRACL)62.158.371.856.2
コード検索(CodeSearchNet)71.5*62.3——

*voyage-code-3のスコア。英語検索ではトップクラスだが、多言語ではBGE-M3に劣る。

ユースケース

  1. RAGパイプライン: Claude + Voyage-3 の組み合わせでAnthropicエコシステム統一。APIキー2つで完結
  2. コード検索: voyage-code-3はGitHubリポジトリのコード検索・類似コード検出に特化
  3. 法務・金融ドメイン: 専門モデル(voyage-law-2/voyage-finance-2)で業界固有の用語・文脈を正確に捉える
  4. セマンティックキャッシュ: クエリの埋め込みを比較し、類似した過去クエリのLLM応答をキャッシュから返す

選び方・注意点

  • APIサービスのみ: ローカル実行不可。データプライバシー要件が厳しい場合はBGE-M3やGTE-Qwen2のオンプレミスモデルを検討
  • コスト: 大量ドキュメントのバッチ埋め込みでは累積コストに注意。100万ドキュメント(平均500トークン)で約$30
  • レイテンシ: API呼び出しのためローカルモデル比で50-200ms程度のオーバーヘッド。リアルタイム検索では許容範囲
  • 多言語: 英語以外の性能はBGE-M3に劣る。日本語中心のRAGではBGE-M3も検討

よくある質問(FAQ)

Q1: OpenAI Embeddingから乗り換えるべき? A: 英語検索精度はVoyage-3が上回る(MTEB +2.7ポイント)。Claudeを使っているならエコシステム統一のメリットもある。ただしOpenAIの方がドキュメント・コミュニティが豊富で移行コストは考慮すべき。

Q2: Matryoshka次元削減でどの程度性能が落ちる? A: 1024→512次元で約1-2%の検索精度低下、512→256次元でさらに2-3%低下。ストレージを50-75%削減できるため、大規模コレクションではトレードオフとして合理的。

Q3: voyage-code-3はどの言語に対応? A: Python・JavaScript・TypeScript・Go・Rust・Java・C++等の主要言語に対応。自然言語クエリ→コードの cross-modal 検索も高精度。GitHubコードサーチの代替として使える。

まとめ

  • Voyage-3はMTEB英語検索ベンチマークでトップクラスのAPI提供型埋め込みモデル
  • Anthropic公式推奨でClaude + Voyage-3のRAGパイプラインが容易に構築可能
  • コード・法務・金融等のドメイン特化バリエーションが豊富
  • ローカル実行不可・多言語性能はBGE-M3に劣る点が注意
この記事について
カテゴリーAI・機械学習
難易度上級
作成日2026/6/20