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埋め込みモデルは、文書や質問を数値のベクトルに変換し、意味の近い内容を検索するために使います。社内文書の検索やRAGでは、回答を作る生成AIとは別に、検索対象を探すモデルを選びます。
最初に、検索対象がテキストだけか、図や表を含むページ画像も必要かを決めましょう。そのうえで、クラウドに送信できる情報か、手元のPCで動かす必要があるか、日本語の実資料で必要な精度を満たすかを比べます。
一般的なRAGでは、文書を分割して埋め込みを作り、質問に近い文書を検索します。必要に応じて検索結果を再順位付けし、その内容を生成モデルに渡して回答を作ります。
| 段階 | 役割 | 失敗したときの例 |
|---|---|---|
| 文書の取り込み | PDFや文書から文字・画像を用意する | 表や図の内容が抽出されない |
| 埋め込みと索引 | 文書を検索用のベクトルにする | 分割や設定が合わず関連箇所を拾えない |
| 検索・再順位付け | 質問に合う候補を選ぶ | 必要な文書が上位に入らない |
| 回答生成 | 得られた文書を使い回答する | 検索結果を正しく反映しない |
埋め込みモデルを変えると既存の索引を作り直す必要が生じる場合があります。ベクトルの次元だけが同じでも、異なるモデルの出力をそのまま比較できるとは限りません。互換性を公式資料で確認し、モデル・版・前処理を索引と一緒に記録します。
| 選択肢 | 確認すること |
|---|---|
| クラウドAPI | 送信できるデータ、保持・契約条件、利用量、料金、地域、レート制限 |
| ローカル実行 | ライセンス、必要なメモリ、対応OS・GPU・実行ソフト、更新と運用 |
| 併用 | データを分ける基準、索引とモデルの対応、外部送信の有無 |
ローカル実行でも、モデルのダウンロードや外部ライブラリの取得にはネットワークを使う場合があります。機密情報を扱うときは、導入時と検索時の通信先・ログ・アクセス権を確認しましょう。
次の表は公式資料から確認できる用途の違いです。日本語の正解率や速度の順位を、同一条件の実測として示すものではありません。
| モデル・サービス | 主な使い方 | 確認先 |
|---|---|---|
| OpenAI text-embedding-3 | テキストのクラウド埋め込み | モデル一覧と入力・課金条件 |
| Voyageのテキスト埋め込み | クラウドでのテキスト検索 | 公式モデル一覧で対象モデル・次元・入力種別を確認 |
| BAAI BGE-M3 | ローカルなどで利用できる多言語テキスト向けモデル | モデルカードとライセンス |
| multilingual-e5-large | 多言語テキスト検索 | モデルカードのquery/passageの入力条件 |
| Ruri v3 | 日本語テキスト向けモデルの系列 | モデルカードで版・サイズ・利用条件を確認 |
| Nemotron 3 Embed | テキスト検索の埋め込み | NVIDIAのモデルカードで利用条件を確認 |
| Nemotron 3.5 Embed | テキストや文書ページ画像を検索対象にできるモデル | NVIDIAのモデルカードで画像処理とライセンスを確認 |
利用条件や配布版は変わり得ます。モデル名だけで商用利用可否や必要VRAMを決めず、使う版のライセンス、依存ライブラリ、対象ハードウェアを確認してください。
NVIDIAの3.5 Embed 1B BF16モデルカードでは、文書側にテキスト、ページ画像、または両方を入力でき、検索クエリはテキスト入力とされています。図表を画像として扱う検索を検討する場合は、PDFのページ画像への変換、入力サイズ、画像処理、索引を含めた実行経路を確認します。
モデル名の「1B」だけから全体のパラメーター数や必要VRAMを断定しないでください。重みの形式、画像処理、実行時の作業領域、同時処理数でメモリ使用量は変わります。モデルカードの利用条件はOpenMDW 1.1で、ベースモデルの条件とは区別して確認します。
llama.cppの対応PRはモデル対応の開発記録です。PRのマージ、実際に入手するbuild、画像を含む入力経路の対応を別々に確認してください。テキスト埋め込みの成功だけで、画像入りPDFの検索が動くとは判断できません。
実際に検索したい資料を、権限と機密性を確認したうえで用意します。テキスト中心の文書と、図表が必要なページを分けます。
代表的な日本語の質問と、見つかるべき文書・ページを対応付けます。試験用の質問は、調整に使うものと最終評価用を分けます。
同じ質問で上位に正しい文書が含まれる割合を比較し、見つからなかった例を確認します。
索引作成時間、ピークメモリ、質問あたりの遅延、利用料金や運用費を別に記録します。
モデルによっては、検索文と文書に異なる接頭辞や入力種別を指定します。例えばmultilingual-e5-largeのモデルカードは、検索文にquery:、文書にpassage:を付ける例を示しています。使うモデルの指示を確認し、比較条件に含めてください。
PDFから文字を抽出できる場合でも、表の列関係や図の意味が欠けることがあります。文字情報だけで答えられる質問と、画像やレイアウトが必要な質問を別々に用意し、それぞれの検索結果を確認します。
画像検索を加えると、ページ画像の作成・保存、画像処理、索引容量、実行時間が増える可能性があります。検索精度だけでなく、運用に必要な時間とメモリも同じ条件で比較しましょう。
APIでは、入力量のほか、再索引の頻度、レート制限、データの送信先と契約条件を確認します。公開価格は変更されるため、利用前に各社の料金表で確認してください。
ローカルではAPI呼び出し料金を避けられる場合がありますが、GPUやメモリ、電力、保守時間が必要です。公開モデルであってもライセンスは一律ではありません。モデル本体・派生版・実行ライブラリの利用条件をそれぞれ確認します。
一般に検索用の数値表現を作るモデルです。回答文の生成は別のモデルや処理が担当します。
文書や質問によって結果が変わります。日本語向けモデルと多言語モデルを候補に、自分の資料と質問で検索結果を比べてください。
抽出方法によっては図表の情報や構造が失われます。必要なページを用いて、テキスト検索と画像を使う検索を別々に試してください。
同じ次元数でも互換とは限りません。提供者の互換性情報を確認し、不明な場合はモデル・版ごとに索引を分けるか、文書の埋め込みを作り直します。
モデルが画像入力を想定していても、配布形式・実行ソフト・build・画像処理経路に対応が必要です。使う構成で読み込みと検索を確認してください。
埋め込みモデルは、文書と質問を検索用に変換する役割です。クラウドかローカルか、テキストだけか画像も扱うかを先に決め、日本語の実資料で検索品質・時間・メモリ・費用を分けて比較しましょう。

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