初自作で気を付けたいこと2——コスパって何だろう

roadrunner

パーツリスト


総計

電源 0W/推奨 0W 以上

推奨 0W 以上

¥0

なんとなくまた初自作時に注意を受けたり今から思ったりすることがあったので、第二弾を書いてみます。(第一弾はこちら、第三弾はこちらです)

今回は表題の通り“コスパ”についてです。

前回の話にも若干つながるので、興味があれば上のリンクをクリックしてくださればー。

今回のお話のテーマは

必ずしも、コスパ=費用対効果、ではない

ということについてです。ある意味当たり前の話なので、わかっとるがな、という人は読まなくてもいいと思います。

●コスパ、とは、cost performanceと書きます。当たり前ですが。。

日本語では費用対効果と訳されることが多いですね。まあ日本語のニュアンスを汲むならむしろgood dealですけど……あえてこの言葉(cost performance)のまま考えてみます。

自作PC界隈では、このうちcost=“費用”とはかかるお金のこと、performance=“効果”は得られる性能ないし仕事量、という形で理解されていると思います。というかこういう形で理解されている界隈が多いと思います。

ただ、costもperformanceも、そのような限定された意味で捉えると、コスパ自体を見誤ってしまうことがあります。

特にcostについて考えてみると、色々なことが見えてきますので、以下、二つに分けて考えてみます。

➊まずcostの直接的な“費用の面から考えます。

具体例があった方がわかりやすいので、例えばRyzen 5600XIntel 11600Kを比較して考えてみます。

この二つは性能面では多少5600Xのほうが勝っているところもありますが、総じて甲乙つけがたく、私が探せる範囲でベンチマークを含めたレビューを見る限り、ゲーム性能の面だけで見ればほぼ互角か多少5600Xのほうが高く、クリエイティブ系では5600X、日常使用では11600Kという感じですが、ほぼ微々たる差だと言えます。(参考記事はこちらなど)

で、値段は11600Kのほうが安い。5600Xは定価4万円超え(41800円)ですが、11600Kは33000円ぐらい(10月14日現在、並行輸入品除く)です。

ならば11600Kの方がコスパがいい、こっちを選ばない手はない、と考えられます。総合的に見れば多少5600Xのほうが性能が高くても、それに近い性能をかなり抑え目の価格で手に入れられる、となれば、よく言われることですが、その値段分をグラフィックボードの費用に回した方が良い、という話の流れになります。

この言い分には一定説得力があり、特に何か非になるような内容ではありません。

しかし、例えばマザーボードの費用と合わせて考えてみる際、同グレード品の値段を見ると、若干ではありますがIntel11世代向けのマザーボードのほうが値段が高い傾向にあります。なぜか、というのは難しく一概には言えないのですが、特にX570とZ590の比較で言えば、単純にX570のほうがかなり先に出ていて価格がこなれてきている、という点があると思います。

例えば二つのMSI UNIFYシリーズを見てみると、10月14日現在の定価で見ればX570のほうは31600円ぐらい、Z590は37000円後半です。

少なくともUNIFYという同グレードの、ハイエンドチップセットのマザーボードを購入しようとすれば、それだけでCPUの差額の大部分が埋まってしまいます。(ただ、もちろんZ590のほうが後発で、各種パーツの品質が盛られているという点もありますので、一概に、同じレベルの製品だ、とも言いづらい面はあります。。)

他パーツに関しても、特にCPUクーラーについて考えた場合、11600Kのほうが消費電力が大きいゆえ、発熱も大きく、性能をきちんと発揮してもらうためにはグレードのより高いクーラーを購入する必要がありますが、5600Xはその点、発熱をほとんど気にしなくてもよいため、かの有名な虎徹さんでも十二分に性能を発揮してくれます。(ただ、Ryzen系統は冷やす分だけ性能高くなる傾向にあるので、余裕があるのであればAS500Plus以上の空冷または水冷クーラーをオススメします)

何というか、どうもRyzenを持てはやすような言い方になってしまいましたが、消費電力を除けば11600Kも悪くない選択肢だと思いますので、あとは好みかなーという気がします。

要するに、どちらを選ぶにしても、“費用”を考える場合には、まずは他パーツとの兼ね合いを考え、総合的にパーツを選ばないと真の費用は出てこない、ということを気を付けなければならないということです。

考えてみれば当たり前のことですね。

➋次にcostの“費用”ではない面から考えます。

こちらの方がむしろ、パフォーマンスとの兼ね合いで直接的な交換関係にあることが多いです。

costの“費用”ではない面とは何か、と言えば、端的に言えば運用の労力です。自作PCにかかる労力とは、ざっと考えてみても、組み立てや実運用時の温度管理、OS管理や各パーツのメンテナンスから故障時の修理や保証関係に至るまで、多くの面でいわゆる機械いじりに類する作業になります。

しかし、この労力、機械いじりが趣味にあたる人にとってはむしろ効用になります。つまりcostではなくperformanceの側にこの労力が移ってしまうわけです。これだけのお金でこれだけ機械いじりができる、うれしい、みたいな心境ですね。まあジャンク弄りが好きな人とかがこれにあたる感じになります。

端的に言えば、この話は労力と効用の天秤の話ですね。

私自身、最初は、新しく出るRyzenというCPUがどうも性能がとてもよいようだ、じゃあ買ってみよう、というところから始まっているので、作る作業に必ずしも好ましい感情を抱いていたわけではありません。

が、CPUをはじめそれなりに“費用”をかけたパーツがそろうことになり、組んで無事起動した後に、こいつらをきちんと運用しなければ、という気持ちになりまして、そこから改めて各パーツの仕様やら性能やら色々と調べるに至り、いまでは弄ったり組んだりするほうがむしろ目的になりつつあります。(私の現在のメイン構成はこちら

こうした場合、私のメインその他のデスク周りは確かに総合的な金額自体はかかってしまっていますが(30万超ぐらい)、そこで使ったパーツの勉強をしたり、実際に弄ったりする時間分、いままで他のことになんとなくぼーっと使っていた時間がつぎ込まれることになり、また使うお金も目的が明確になった分、いままで何となく買い食いしたりして浪費されていたお金をきちんと管理するようになり、結果的に、日常的に非常に満足度の高い時間を過ごす結果となりました。つまり上記の金額は、少なくともここ一年弱の私自身にとって、金額以上に有意義なものであった=コストパフォーマンスの高い出費だった、という印象になります。

しかし逆に、機械いじりが好ましいと思えない人も当然いるでしょう。その人にとっては、いったん自作した後はできるかぎり中身に対する労力や時間をかけたくないはずです。そういう人がなるべく安く、と、マザーボードや電源を疎かにして選んでしまうと、相対的に故障のリスクが高くなるわけで、安く済ませた分労力が余計にかかるリスクが増えてしまうわけです。そうなると、総合的に見れば、引き換えに得られるパフォーマンス以上にコストがかかってしまっていることになり、いわゆる“損をした”と感じてしまう状態になってしまいかねません。

私の例も、機械いじりの嫌いな人の例も、わかりやすく伝えるために若干誇張気味に書きましたが、この両サイドの間(あるいはどちらかを突き抜けるかも)で自分がどのような立ち位置にいるのか、ということを正確に見極めないと、真のコストパフォーマンスは測れません。

“コスパ”を大事にしようというのなら、自作をするというだけでも一般的に見れば大変な労力なので、なぜ自分はわざわざ自作をするのか、という点について、つまり自身の欲求について、よくよく考えてみる必要がありますそれは単純な費用より、よほど大きな労力(=cost)にも効用(=performance)にもなりうるものです

また、自身の欲求の変化にも敏感になると、よりより“コスパ”生活を送ることができると思います。面倒を見てるうちに面白くなってきたのであれば、その欲求にしたがっていろいろ弄ったり調べたりパーツを購入してみたりする、逆に飽きてきてしまうのであれば、その段階からなるべくPCに対する時間や労力、費用をかけない運用にシフトしていく。そうやって自作PCと付き合っていけば、案外長く続くものです。

他の道具に比べて、決してかかる費用が高いとは言えないものの、安くもないものです。この記事が、その費用に見合う満足度の高いPCライフの一助となるのであれば幸いです。


シェア

#ゲーミングの自作PC

#ゲーミングの自作PCをさらに表示