AI・機械学習
上級

Byte Latent Transformer(バイトレイテントトランスフォーマー)

Metaが2024年12月に発表したトークナイザーフリーのLLMアーキテクチャ。生バイト列を直接処理し、エントロピーベースの動的パッチングで計算効率を高める。

0 回閲覧
0 いいね
2026/6/8 更新
関連タグ
LLM
アーキテクチャ
Meta
トークナイザーフリー
バイト処理

Byte Latent Transformer(BLT)とは

Byte Latent Transformer(BLT)は、Meta AI Researchが2024年12月に発表したトークナイザーフリーのLLMアーキテクチャです。従来のLLMがBPE(Byte Pair Encoding)等のトークナイザーで文字列を事前分割するのに対し、BLTは生バイト列(ASCII/UTF-8)をそのまま直接処理します。

主要コンポーネント

BLTは4段階のモジュールで構成されます。

Local Encoder: 生バイト列を小さなTransformerで局所的に符号化し、パッチ表現を生成します。軽量設計でエントロピーの低い繰り返し部分を効率的に圧縮します。

Dynamic Patcher: エントロピーモデルを用いて次バイトの予測困難度を推定し、情報密度の高い箇所ほど細かいパッチ(短いスパン)に分割します。従来の固定長トークンと異なり、コンテンツに応じて粒度が動的に変化します。

Latent Transformer: BLTの中核となる大規模Transformerで、パッチ表現のシーケンスを処理します。FLOPの大半がここに集中するため、全体の計算量はパッチ数に依存し、バイト数に比例しません。

Local Decoder: Latent Transformerの出力から各バイトの確率分布を復元します。

技術的優位性

  • 語彙サイズ256: ASCIIバイト値のみを語彙とするため語彙埋め込みが極めて小さい
  • 言語非依存: トークナイザーが特定言語に最適化されていないため、低資源言語・コード・数式で安定した性能
  • ノイズ・スペルバリエーション耐性: 文字レベルの操作(タイポ・スペル変化)に対して頑健
  • FLOP固定: 同一計算量でBPEベースLlama3モデルと同等以上の性能をArena-HardおよびMMLU-Proで実証

パフォーマンス比較

モデルMMLU-ProArena-Hard語彙サイズ
Llama3 8B (BPE)基準基準128K
BLT 8B同等+2pt256

同等FLOPでの比較においてBLTはスペルタスク(+15%)やコード(+8%)で明確な優位を示しています。

制限事項

  • Local Encoder/Decoderのオーバーヘッドにより推論レイテンシが増加する場合がある
  • 長文書では動的パッチング計算コストが増大する
  • 既存BPEモデルとの直接的なファインチューニング互換性がない

関連技術

BLTはMegabyte(Meta 2023)の後継として位置づけられ、DeepSeekのMLA(Multi-head Latent Attention)と組み合わせることでメモリ効率をさらに改善できます。2025年現在、BLTをベースにした商用モデルはまだ登場していませんが、Llama 5での採用が検討されていると報告されています。

この記事について
カテゴリーAI・機械学習
難易度上級
作成日2026/6/8