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Multi-Token Prediction(LLM訓練目標)(マルチトークンプレディクション)
LLMの訓練時に次の1トークンではなく複数トークンを同時予測する目標関数。Meta FAIRが2024年提案。DeepSeek-V3やLlama 4が採用し、投機的デコーディングによる推論高速化を可能にする。
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2026/6/8 更新
関連タグ
LLM
訓練目標
投機的デコーディング
Meta
推論高速化
Multi-Token Prediction(MTP)とは
Multi-Token Prediction(MTP)は、Meta FAIRのFabio Charton・Timothée Lacroixら(2024年4月、arXiv:2404.19737)が提案したLLMの訓練目標です。従来のNext Token Prediction(NTP)が次の1トークンだけを予測するのに対し、MTPは各位置で次のN個のトークンを同時に予測します。
従来手法との違い
Next Token Prediction(NTP)
入力: [A, B, C, D]
予測: B(1ステップ先のみ)
損失: Cross-Entropy(B_pred, B_true)
Multi-Token Prediction(MTP, N=4)
入力: [A, B, C, D]
予測: B, C, D, E(同時に4ステップ先まで)
損失: CE(B) + CE(C) + CE(D) + CE(E)
訓練上のメリット
勾配信号の増大: 各ステップで複数の損失が加算されるため、特に稀少トークンに対する勾配が安定する。
長距離依存の学習: 複数ステップ先を予測する必要があるため、モデルが長距離の文脈依存関係を学習しやすくなる。
表現品質の改善: 中間層の表現が単純なNext-Token予測より情報密度が高くなることがCosineSimilarity分析で示されている。
推論時のMTPヘッド活用
訓練後、MTPヘッドは投機的デコーディング(Speculative Decoding)のドラフトモデルとして再利用できます。
1. メインモデルが隠れ状態を計算
2. MTPヘッドが候補トークンをN個ドラフト生成
3. メインモデルが並列検証(accept/reject)
4. acceptされたトークンをまとめて出力
Meta論文では1.8倍の推論スループット改善を報告。外部ドラフトモデルが不要なため、モデルサイズ・分布のミスマッチ問題が発生しない。
採用モデル
- DeepSeek-V3(2024-12): N=1のMTPを採用(次の1トークンをMTPヘッドで予測する補助損失)。訓練安定性の向上に貢献
- Llama 4(Meta, 2025-04): MTP採用を公式発表。Scout/Maverick両モデルで推論高速化に活用
- Gemma 3(Google, 2025): 公開情報では言及なし(未採用または非開示)
実装上の考慮点
- MTPヘッド数Nを増やすほど訓練コストが増加するが、N=4〜8で収益逓減が顕著
- 大規模モデル(70B+)ではN=1〜2でも十分な推論高速化が得られると報告
- 投機的デコーディング利用時は、ドラフト受理率がコンテキストの予測可能性に依存