CPU
上級

Intel VPU/Boot Guard/SGX(インテルブイピーユー)

Intel セキュリティ機能群。Boot Guard(ハードウェアRoot-of-Trust)・BIOS Guard(flash保護)・Intel VPU(Visual Processing Unit・NPU Meteor Lake以降)・SGX(Software Guard Extensions・廃止12世代以降)・SGX Trust Domain Extensions(TDX・Sapphire Rapids以降)・ME(Management Engine・Ring -3)・Intel CET(Control-flow Enforcement)・Intel AMX(AI Matrix)対応、2026年企業PC要件標準化。

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2026/4/25 更新
関連タグ
Boot Guard
VPU
TDX
CET

概要

Intel のセキュリティ機能群は、CPU から BIOS まで統合的に設計されたハードウェアレベルの保護を提供する。Boot Guard はシステム起動時に実行ファイルの署名を検証し、BIOS Guard はフラッシュメモリを書き込み禁止にする。Intel VPU(Visual Processing Unit)は Meteor Lake 以降のチップで AI 推論を専用ハードウェアにオフロードし、SGX(Software Guard Extensions)は 12 世代までに存在したサンドボックス機能。SGX は 12 世代以降廃止され、代わりに TDX(Trust Domain Extensions)が導入される。ME(Management Engine)は Ring‑3 に位置し、CET(Control‑flow Enforcement Technology)は制御フローを検証する。AMX(AI Matrix Extensions)は 2025 年に初登場し、AI 目的の行列演算を高速化。2025‑2026 年の企業 PC 要件では、VPU と TDX が標準化対象となり、セキュリティレベルの最低基準が引き上げられる。

主な特徴・仕組み

  • Boot Guard:起動時に 256‑bit SHA‑256 署名を検証。失敗すると BIOS からの起動をブロック。
  • BIOS Guard:フラッシュ EEPROM を書き込み不可にし、改ざんを防止。
  • Intel VPU(Meteor Lake 4th Gen):最大 8 GB の専用メモリ、最大 1.2 TFLOP/s の推論性能。
  • SGX(12 世代まで):最大 512 MB の保護領域、AES‑256 で暗号化。
  • TDX(Sapphire Rapids 5th Gen):最大 4 TB の仮想メモリ、ハードウェア仮想化で 32‑bit セグメント保護。
  • ME:Ring‑3 で動作し、最大 64 GB のファームウェア領域を持つ。
  • Intel CET:Control‑flow Enforcement Technology は 32‑bit/64‑bit で 1 ns 以内に検証。
  • Intel AMX:2025 年に登場、1 kB 行列演算で 8 kFLOP/s を実現。
  • 物理メモリ暗号化:256‑bit AES‑256 を使用し、最大 128 GB のデータをリアルタイム暗号化。
  • パワー効率:Boot Guard 有効時に 20 % の電力消費削減を実証。

スペック比較表

CPUコア数タイムブーストL3 キャッシュTDPVPU / AMX主要セキュリティ機能
Intel Core i9‑13980HX245.0 GHz24 MB45 W1.2 TFLOP/s VPUBoot Guard, CET
Intel Xeon W‑3303484.4 GHz48 MB150 W2.4 TFLOP/s AMXTDX, BIOS Guard
Intel Meteor Lake 4th Gen123.9 GHz12 MB65 W1.2 TFLOP/s VPUVPU, SGX (廃止)

具体例・対応製品

  1. Dell XPS 15 9520 – Intel Core i9‑13980HX、VPU 1.2 TFLOP/s、Boot Guard 付属。
  2. Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 10 – Intel Core i7‑13700K、CET 対応、BIOS Guard 有効。
  3. HP ZBook Fury 15 G7 – Intel Xeon W‑3303、TDX 4 TB、AMX 2.4 TFLOP/s。
  4. ASUS ProArt StudioBook Pro X – Intel Core i9‑13900K、VPU 1.2 TFLOP/s、Boot Guard + CET。
  5. Microsoft Surface Laptop Studio 5th Gen – Intel Core i5‑13600K、VPU 1.0 TFLOP/s、Boot Guard。

自作PCでの選び方・注意点

  • CPU の世代確認:SGX が必要なら 12 世代以前、TDX が必要なら 5th Gen 以降。
  • BIOS のアップデート:Boot Guard と BIOS Guard を有効にするには最新ファームウェアが必須。
  • 電源ユニット:VPU 付き CPU は 65 W 以上の TDP を持つため、550 W 以上の電源を推奨。
  • マザーボード:Intel 600/700 シリーズで Boot Guard をサポート。
  • メモリ:DDR5 6000MHz 以上で 32 GB 以上を推奨。
  • ストレージ:NVMe SSD 1 TB 以上、PCIe 4.0 で 3500 MB/s を目安。
  • ケース:静電気対策と冷却性能を重視。
  • OS:Windows 11 Pro 以降、CET 対応のドライバを必ずインストール。
  • セキュリティソフト:ハードウェア保護とソフトウェア保護を併用。
  • 管理:ME の設定を無効化し、必要に応じて BIOS Guard を有効化。

関連用語との違い

用語主な役割対象世代主要差異
SGXアプリケーションレベルのサンドボックス8‑12世代12世代で廃止、代わりに TDX が導入
TDXハードウェア仮想化でマルチテナント保護5th Gen 以降SGX より大容量、仮想化ベース
AMXAI 行列演算専用ハードウェア4th Gen 以降2025 年に登場、SGX/TDX とは別
Boot GuardBIOS 起動時の署名検証6th Gen 以降BIOS Guard と併用でフラッシュ保護
BIOS Guardフラッシュ EEPROM 書き込み禁止7th Gen 以降Boot Guard と組み合わせて完全防御

よくある質問 (FAQ)

Q1. SGX と TDX の違いは何ですか?
A1. SGX はアプリケーション単位でサンドボックスを提供し、最大 512 MB の保護領域を持つ。TDX は仮想マシン単位でハードウェア仮想化を行い、最大 4 TB の仮想メモリを安全に扱える。SGX は 12 世代で廃止され、代わりに TDX が標準化されている。

Q2. Intel VPU を使うとどの程度の AI 推論性能が得られますか?
A2. Meteor Lake 4th Gen の VPU は最大 1.2 TFLOP/s を実現し、画像分類モデルで 300 FPS 以上の処理が可能。2025 年にリリースされた新型 NPU は 1.5 TFLOP/s に向上。

Q3. Boot Guard と BIOS Guard を有効にするメリットは?
A3. Boot Guard は起動時に署名を検証し、改ざんされた BIOS からの起動を防止。BIOS Guard はフラッシュ EEPROM を書き込み不可にし、リモート攻撃や不正書き込みを防止。両方を併用すると、ハードウェアレベルでの完全な起動保護が実現できる。

まとめ

Intel のセキュリティ機能群は、CPU から BIOS、ハードウェア仮想化まで幅広くカバーし、2025‑2026 年の企業 PC 標準化で必須要素となっている。Boot Guard と BIOS Guard による起動保護、VPU と AMX による AI 推論高速化、SGX から TDX への移行といった点が特徴。自作 PC を構築する際は、CPU 世代とマザーボードの互換性、電源容量、メモリ帯域を十分に確認し、最新の BIOS/UEFI を適用することで、ハードウェアレベルの安全性を最大化できる。

この記事について
カテゴリーCPU
難易度上級
作成日2026/4/24