グリス塗り方 Pattern別(グリスヌリカタ)
CPU グリス塗布パターン。Pea Method(米粒1個・中央塗布・最少量・拡散自然・LGA1700/AM5標準推奨)・X Pattern(対角5本線・8C+ CPU向け)・Line Method(縦/横3本・Threadripper sTR5 大型IHS)・Spread Method(均一塗布・最古典・空気混入リスク)・Dot 5(中央+4 corner・CPU 95℃以下)・Spreader Card($5・薄く均一に・Liquid Metal用)・グリス量0.2-0.4g typical・Liquid Metal専用ブラシ塗布(Conductonaut)・2026年 Pea Method/Spread bag最易、 Threadripper はLine Method推奨。
概要
CPU グリス塗布は、熱伝導性能と安定稼働を左右する重要な作業です。2025年から2026年にかけて、LGA1700/AM5プラットフォームで「Pea Method」が標準推奨となり、Threadripper 系列では「Line Method」が必須化しました。液体金属を採用する場合は専用ブラシで「Conductonaut」塗布が主流です。各パターンはCPUのIHSサイズや発熱量、冷却設計に合わせて最適化されており、正しい塗布量(0.2–0.4 g)と手順が性能差を生むため、初心者から上級者まで必ず把握すべき知識です。
主な特徴・仕組み
- Pea Method:米粒1個(直径 ≈ 1 mm)を中央に塗布。最少量で拡散自然に拡がる。LGA1700/AM5で標準推奨。
- X Pattern:対角線5本を引き、CPU 8コア以上向けに熱を広げる。
- Line Method:縦横3本の線を引く。Threadripper sTR5 など大型IHSに最適。
- Spread Method:均一に塗布。古典的だが空気混入リスクが高い。
- Dot 5:中央+4コーナーに塗布。95 ℃以下を維持するためのバランス。
- Spreader Card:$5程度で購入でき、液体金属用に薄く均一に塗布。
- グリス量:0.2–0.4 gが典型。量が多すぎると拡散が不均一。
- Liquid Metal専用ブラシ:Conductonautを使用すると、金属の微細な塗布が可能。
- 2025年の動向:LGA1700/AM5でPea Methodが標準化。
- 2026年の動向:液体金属専用ブラシが普及し、Thermal Grizzly Kryonautの使用率が30 %増。
- 2025年のThreadripper:Line Methodが推奨。
スペック比較表
| パターン | 適用CPU | 推奨グリス量 | 主なメリット | 主なデメリット |
|---|---|---|---|---|
| Pea Method | LGA1700/AM5 | 0.2 g | 最少量で拡散自然 | 低発熱CPU向け |
| X Pattern | 8コア以上 | 0.3 g | 熱分散が広い | 複雑な手順 |
| Line Method | Threadripper | 0.4 g | 大型IHSに最適 | 量が多い |
| Spread Method | 低発熱CPU | 0.3 g | 均一塗布 | 空気混入リスク |
| Dot 5 | 4コア以上 | 0.25 g | コーナー熱対策 | 手間が増 |
具体例・対応製品
- Intel Core i9‑13980HX
- TDP = 450 W、LGA1700、32 MB L3
- 2025年にリリース、Pea Methodで0.2 g塗布が最適。
- AMD Ryzen 9 9950X3D
- 24 core/32 thread、AM5、95 W TDP
- X Patternで0.3 g塗布し、熱効率 ≈ 0.8 W/g。
- AMD Threadripper Pro 3995WX
- 64 core、96 MB L3、280 W TDP、IHS ≈ 1.2 cm²
- Line Methodで0.4 gを縦横3本に塗布。
- NVIDIA RTX 5090
- 24 GB GDDR7、TDP = 450 W、VRM 6 V 120 A
- GPU側はグリスは不要だが、CPU側はPea Methodで安定。
- DDR5‑6000
- 6000 MT/s、32 GB、TDP = 45 W
- 低発熱でSpread Methodが適合。
自作PCでの選び方・注意点
- CPUのIHSサイズ:大きいほどLine Method、狭いほどPea Methodが向きます。
- 発熱量(TDP):高いほど熱拡散が重要。X PatternやLine Methodを選択。
- 冷却設計:水冷の水冷ヘッドは薄いグリス層を好むため、Spread Methodは避ける。
- 液体金属を採用する場合:必ず専用ブラシで塗布し、金属が接触しないように保護膜を貼る。
- 塗布量:0.2–0.4 gを超えると拡散が不均一。計量スプーンで正確に測定。
- 作業環境:埃や湿度が高いと熱伝導が低下。換気と乾燥環境を確保。
- 再塗布頻度:長期運用で熱膨張があるため、年1回のチェックが推奨。
関連用語との違い
- Thermal Paste(熱伝導グリス):一般的な塗布で、Pea Method・X Patternはその中での塗布パターン。
- Liquid Metal(液体金属):銅とインジウムを混合した金属で、熱伝導率が高いが腐食リスクがある。
- Thermal Pad(熱パッド):グリスではなく、厚み調整が可能なパッド。CPUとヒートシンク間の隙間を埋める。
- Spreader Card:液体金属専用に設計された薄いカード。グリスと比べて均一性が高い。
よくある質問(FAQ)
Q1. Pea MethodとX Patternの違いは何ですか?
A1. Pea Methodは中央1個の米粒を塗布し、拡散自然で最小量を使用します。X Patternは対角線5本に分散塗布し、8コア以上のCPUで熱拡散を広げます。
Q2. Threadripper ProでLine Methodを使うメリットは?
A2. IHSが大きく熱が集中しやすいので、縦横3本の線で熱を均等に分散させ、最大TDP280 Wに対して安定した温度を保ちます。
Q3. 液体金属を使う際に注意すべき点は?
A3. Conductonaut専用ブラシで薄く塗布し、金属がCPU外部に拡散しないように保護膜を貼ります。加えて、アルミニウムや銅の表面は腐食しやすいため、使用後は必ず清掃します。
まとめ
CPUグリス塗布は単なる作業ではなく、熱管理の設計図です。2025年以降、LGA1700/AM5ではPea Methodが標準化、ThreadripperはLine Methodが必須化し、液体金属は専用ブラシでの塗布が主流になっています。CPUのIHSサイズ、TDP、冷却設計を踏まえて最適なパターンを選び、0.2–0.4 gの正確な塗布量で熱伝導性能を最大化しましょう。正しい塗布は長期安定稼働と高いパフォーマンスの両立を実現します。