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FM-TOWNS(エフエムタウンズ)

富士通が 1989 年発売した Intel 80386 搭載のマルチメディア PC。CD-ROM 標準搭載 / 16 色拡張 / PCM 音源を備え、ゲーム / 教育市場で 1989-1997 年に展開、国産マルチメディア PC の先駆けとなった機種。

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2026/5/9 更新
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Computer
Fujitsu
FM-TOWNS
Intel 80386
Multimedia
1989
CD-ROM

概要

FM-TOWNS(エフエム タウンズ)は、富士通が 1989 年 2 月に発売した Intel 80386 搭載のマルチメディアパーソナルコンピュータです。同社の FM-77 / FM-7 系統(8-bit / 16-bit ホビー機、1981-1989)の後継として、「マルチメディア PC」をコンセプトに、当時としては画期的なハードウェア仕様で展開されました。「TOWNS」は「Fujitsu Multimedia Towns(タウンズ、街)」を意味し、CD-ROM の大容量を活用したマルチメディアコンテンツ群を「街並みのような体験」として提供する思想が反映されています。

最大の特徴は、世界で初めて CD-ROM ドライブ(SCSI 接続、640MB 容量)を PC として標準搭載したことです。当時のフロッピーディスク(1.44MB)の 450 倍の容量を活用したマルチメディアコンテンツ(動画 / 高品質音声 / 大量画像 / 大規模ゲームソフト)を実現し、PC で初めて「動画 + 音声 + ゲーム」を一体化した体験を可能にしました。Sega Mega-CD(1991)・Apple PowerPC Mac(1994)・Microsoft MS-DOS 6.x の MSCDEX(1990)よりも 1-2 年先行しており、PC マルチメディア時代の先駆けとなった重要な機種です。

ハードウェア仕様は、Intel 80386SX / DX 16-25MHz・1-4MB RAM・640×480 / 720×512 32,768 色グラフィック・640MB CD-ROM 標準搭載・PCM 6 チャネル + FM 音源 6 チャネル + ノイズ + MIDI 出力・ステレオスピーカー内蔵・1.44MB / 1.25MB FDD 1-2 基・350W 電源・専用バス TOWNS Bus などです。OS は Towns OS(独自 GUI OS)+ MS-DOS 互換モード(Towns DOS)+ 後年 Windows 3.1 / 95(限定対応)が動作可能でした。

主要派生機種としては、FM-TOWNS(初代、1989)・FM-TOWNS II(1991、486SX 33MHz、ハイレゾ拡張)・FM-TOWNS マーティー(1993、家庭用ゲーム機形態派生、$650)・FM-TOWNS UX / GX / HG / HC(教育向け / 一般向け派生)・FreshGT(1996、最終機種、Pentium 100MHz)などがありました。教育市場での採用も多く、富士通の教育 PC として全国の小中高校に大量導入されました。

ソフトウェア面では、富士通自身の Towns OS(GUI 操作)+ Towns 専用ゲーム(Pet Mind / 銀河英雄伝説 / 弟切草 PC / コブラ / 卒業 / Falcom 系移植)+ MS-DOS 移植アプリが揃いました。ゲーム業界では、CD-ROM の大容量 + マルチメディアハードを活かした作品が多く、PC-9801 や X68000 にはない「動画ゲーム」「ハイブリッド音声 / アニメーション」分野で独自の存在感を放ちました。

しかし、1990 年代後半に Windows 95 + DOS/V 互換機 + Sound Blaster + 標準 CD-ROM ドライブの組み合わせが普及すると、FM-TOWNS の独自ハードウェアの優位性が崩れました。1997 年の FreshGT 生産終了で FM-TOWNS 系統は終焉、累計約 100-150 万台出荷の中堅機種として日本のレトロ PC コミュニティに記憶されています。

主な特徴・仕組み

  • メーカー: 富士通(Fujitsu)。
  • プロセッサ: Intel 80386SX / DX 16-25MHz(初代)→ 486SX / DX(II)→ Pentium 100MHz(FreshGT)。
  • メモリ: 1-4MB RAM(初代)→ 16MB(後期)。
  • ディスプレイ: 640×480 / 720×512 32,768 色、専用ハイレゾモード。
  • CD-ROM: SCSI 接続 1x(初代)→ 4x(後期)、640MB 容量、標準搭載で世界初。
  • 音源: PCM 6ch + FM 6ch + ノイズ + MIDI 出力。
  • スピーカー: 内蔵ステレオ、ハイクオリティアンプ。
  • バス: TOWNS Bus(独自)。
  • OS: Towns OS(GUI)+ MS-DOS 互換 + Windows 3.1 / 95(限定)。
  • 派生: TOWNS / TOWNS II / マーティー / UX / GX / HG / FreshGT。
  • 教育市場: 全国小中高校に大量導入。
  • 出荷: 1989-1997 年累計約 100-150 万台。
  • 終焉: 1997 年 FreshGT 生産終了。

FM-TOWNS 主要派生機

モデル公開年プロセッサ特徴
FM-TOWNS198980386SX 16MHz初代、CD-ROM 標準
TOWNS II199180486SX 33MHzハイレゾ拡張
TOWNS マーティー199380386SX 16MHz家庭用ゲーム機形態
TOWNS HG199280486DX 25MHz高機能版
FreshGT1996Pentium 100MHz最終機種

自作PCユーザー向けの注意点

FM-TOWNS は現在新規購入できませんが、レトロ国産 PC コレクター・1990 年代日本のマルチメディア PC 環境再現マニアにとっては魅力的な機種です。中古市場では FM-TOWNS / TOWNS II / マーティーが ¥20,000-150,000 で稀に流通中、状態 / 完備性により価格は変動します。

エミュレータ環境としては Tsugaru-FM-Towns Emulator(クロスプラットフォーム、最新)・UNZ(Windows、古典)・Free TownsTowns(Linux 系)などが利用可能です。FM-TOWNS ROM / OS / 当時のソフトウェアで完全再現でき、Towns 系名作ゲーム(銀河英雄伝説 / 弟切草 PC / 卒業 / Falcom 移植)・教育ソフトを実体験できます。

関連用語との違い

  • NEC PC-9801: 同時代日本市場のビジネス機、業務向け。
  • Sharp X68000: 同時代日本市場のホビー / ゲーム機、別系統 16-bit。
  • FM-77 / FM-7: 富士通の前世代 8-bit / 16-bit、別系統。
  • Apple PowerPC Mac(1994): Mac の CD-ROM 標準搭載化、TOWNS の 5 年後。
  • Sega Mega-CD(1991): ゲーム機の CD-ROM 化、TOWNS の 2 年後。

よくある質問(FAQ)

Q1: なぜ FM-TOWNS は世界初の CD-ROM 標準 PC とされるのですか? A: 1989 年の発売時点で CD-ROM ドライブを標準搭載した PC は世界に存在しませんでした。Apple Macintosh(1994)・PC-9801 NF(1994)・IBM PC 系(1990 年代後半)よりも 1-5 年先行する画期的な実装でした。

Q2: TOWNS マーティーとは何ですか? A: 1993 年発売の家庭用ゲーム機形態の FM-TOWNS で、$650(¥69,800)で展開されました。リビング設置を想定したコンソール型筐体で、スーパーファミコン / メガドライブ / PC エンジンと並ぶ家庭用ゲーム機としても展開されましたが、ゲーム専用機との競合で商業的には限定的でした。

Q3: 現代で FM-TOWNS を試す方法は? A: Tsugaru-FM-Towns(無料・クロスプラットフォーム)で完全再現可能です。FM-TOWNS ROM + Towns OS イメージ + 当時のゲーム / 教育ソフトで体験でき、レトロ国産マルチメディア PC の感動を再現できます。

まとめ

  • 富士通 1989 年発売の Intel 80386 マルチメディア PC
  • 世界初の CD-ROM 標準搭載 PC として歴史的に重要
  • 教育 / ゲーム / マルチメディア市場で 1989-1997 年に展開
  • Windows 95 + DOS/V で衰退、累計約 100-150 万台出荷
この記事について
カテゴリー一般用語
難易度上級
作成日2026/5/9