Formlabs Form 4(フォームラボフォームフォー)
Formlabsが2024年に発売した光造形(MSLA)方式プロ向け3Dプリンター。前モデルForm 3比で最大4倍の印刷速度と4K LCDエンジンにより、歯科・医療・エンジニアリング分野での精密造形に使われる。
Formlabs Form 4 とは
Formlabs Form 4は、アメリカFormlabs(マサチューセッツ州)が2024年3月に発売したプロ用光造形3Dプリンターです。前モデルForm 3/3+(SLA方式)からMSLA(マスク式LCD光造形)にアーキテクチャを刷新し、印刷速度を最大4倍に向上させながら同等以上の造形精度を実現しました。
SLA vs MSLA:Form 4の方式変更の意味
| 方式 | 光源 | 走査 | 速度 | 精度 |
|---|---|---|---|---|
| SLA(Form 3/3+) | レーザー1本 | ガルバノミラー走査 | 低速 | ±0.05mm |
| MSLA(Form 4) | LCDパネル全面照射 | レイヤー一括硬化 | 高速 | ±0.1mm |
| DLP | DMDプロジェクター | 一括硬化 | 高速 | ±0.05mm |
MSLAは1層を全面一括で硬化させるため速度が劇的に向上しますが、従来のMSLAはLCDの解像度と寿命が課題でした。Form 4は独自の「Light Processing Unit 4(LPU 4)」と高輝度モノクロ4K LCD、UV透過コーティングを組み合わせてこれを克服しています。
主要スペック
| 項目 | Form 4 | Form 3+ |
|---|---|---|
| 方式 | MSLA | SLA |
| XY解像度 | 50μm | 25μm |
| 最小レイヤー厚 | 25μm | 25μm |
| 造形サイズ | 197×122×210mm | 145×145×185mm |
| 印刷速度 | 最大70mm/h(Z軸) | 最大17mm/h |
| 寸法精度 | ±0.1mm | ±0.05mm |
| 対応レジン種類 | 40種以上 | 30種以上 |
| 本体価格(2025年) | 約¥549,000 | 約¥479,000 |
対応レジンと用途
Formlabsは自社製専用レジン(カートリッジ式)を40種以上展開しており、Form 4は全レジンに対応します。
エンジニアリング系:
- Tough 2000 Resin: 靭性重視、ABS代替
- Rigid 10K Resin: 剛性10,000MPa、CFRP代替
- High Temp Resin: 耐熱238°C([email protected])
医療・歯科系(FDA認可取得済み):
- Dental LT Clear Resin V2: 長期口腔内装着可
- BioMed Clear Resin: 生体適合性クラスVI準拠
- Dental Model Resin: 歯型模型用高精度
汎用・プロトタイプ系:
- Standard Resin(透明・白・グレー): 汎用
- Flexible 80A Resin: 硬度80A Shore(ゴム状)
PreForm スライサーと自動サポート
Formlabs純正スライサー「PreForm」はサポート構造を自動生成し、素材・精度・速度のバランスを自動最適化します。
- AIサポート自動配置(手動調整も可能)
- Dashboard(クラウド)経由でプリンター遠隔管理
- 複数台の一元管理(フリート管理)
- 造形後のウォッシュ・硬化ステップを Form Wash / Form Cure と連携
産業・専門分野での採用
Form 4は日本国内でも以下の分野で採用が進んでいます。
- 歯科医院: 歯型・プロビジョナルクラウン(仮歯)の当日製作
- 整形外科・義肢装具: カスタム装具の少量生産
- 製品デザイン: 精密プロトタイプの短納期製作
- 教育機関: 工学部・医学部の実習用造形
よくある質問(FAQ)
Q1: FDMプリンター(BambuやCreality)とForm 4はどう違いますか? A: FDMは熱で溶かしたフィラメントを積層するため速く安価ですが表面に積層段差が残ります。Form 4は光硬化レジンで積層痕が目立たず、機能部品や医療モデルに求められる滑らかな表面と精密な寸法を実現します。
Q2: ランニングコストはどれくらいですか? A: レジン1Lあたり¥22,000〜¥44,000(素材による)、レジンタンク交換が約150〜200L使用ごとに¥25,000前後。Form Wash用IPA消耗品も必要です。FDMフィラメント比5〜15倍のコストが目安です。
Q3: Form 3+からのアップグレードは必要ですか? A: 速度を重視する場合は明確なメリットがあります。精度重視かつ現行ワークフローに満足しているなら無理にアップグレードする必要はありません。Form 3+は販売継続中で価格も下がっています。