LS-120 SuperDisk(エルエスイチニーゼロスーパーディスク)
米 Imation が 1996 年発売の 120MB 磁気フロッピー後継メディア。レーザーサーボで磁気ヘッド位置決め精度向上、3.5 インチフロッピー読書互換で Zip Drive 対抗、2003 年に衰退した記録媒体。
概要
LS-120 SuperDisk(エルエス 120 スーパーディスク)は、米 Imation が 1996 年に発売した 120MB 容量のリムーバブル磁気ストレージです。Imation は 3M(Minnesota Mining and Manufacturing)から 1996 年に分社した記録媒体専業メーカーで、SuperDisk は同社設立直後のフラッグシップ製品として展開されました。
最大の特徴は 3.5 インチフロッピーディスクと同じ物理サイズで、通常のフロッピーディスク(1.44MB / 720KB)も読み書き可能な完全互換性を維持しつつ、120MB の大容量メディアを記録できる点です。これは LS(Laser Servo)テクノロジーと呼ばれる、メディアにレーザーで予め記録された位置基準パターンを磁気ヘッドが読み取って位置決めする方式により、従来のフロッピーディスクの 80 倍以上のトラック密度を実現したことで成立しました。
主な競合は Iomega Zip Drive(100MB、1994 年発売)で、SuperDisk は「フロッピー互換」「OEM 内蔵対応」「Imation バックアップ」を武器に Zip と争いましたが、Zip がコンシューマ市場でブランドを確立していた状況を覆せず、シェア拡大に苦戦しました。Compaq Presario / HP Pavilion / Toshiba Portege 等の OEM PC で内蔵採用例があったものの、2000 年代以降の CD-R / DVD-R / USB フラッシュメモリの台頭に勝てず、2003 年に出荷終了した記録媒体です。
主な特徴・仕組み
- 容量: 120MB(LS-120 メディア)、240MB(LS-240、後期)。
- フロッピー互換: 1.44MB / 720KB の標準 3.5 インチ FD 読書可能。
- 機構: Laser Servo(LS)で磁気ヘッド位置決め精度向上。
- 物理サイズ: 標準 3.5 インチ FD と同寸法、互換性維持。
- 転送速度: 約 0.5MB/s(LS-120)、約 1MB/s(LS-240)。
- 接続: 内蔵 IDE / ATAPI、外付け USB / パラレル / SCSI。
- 価格(1996): ドライブ約 $200、メディア $15-20 / 120MB。
- 主な OEM: Compaq / HP / Toshiba / IBM 内蔵採用例あり。
主要 1990 年代後半 100MB クラス記録媒体比較
| 製品 | 容量 | フロッピー互換 | 転送速度 | 結末 |
|---|---|---|---|---|
| LS-120 SuperDisk | 120MB | あり | 0.5MB/s | 2003 終了 |
| Iomega Zip 100 | 100MB | なし | 1.4MB/s | 2010 衰退 |
| Sony HiFD | 200MB | あり | 3.6MB/s | 2001 大失敗 |
| MO 128MB | 128MB | なし | 1MB/s | 2010 衰退 |
| 標準 3.5" FD | 1.44MB | - | 60KB/s | 2010 終焉 |
自作PCユーザー向けの注意点
LS-120 SuperDisk は現在新規購入できませんが、レトロ自作 PC ビルダー(1990 年代末-2000 年代初頭の Win98 / 2000 / XP 環境)で重要な選択肢として人気があります。中古市場では SuperDisk ドライブが ¥3,000-10,000、メディアが ¥500-2,000 / 枚で稀に流通中です。
注意点として、LS-240(240MB 後期版)はメディア / ドライブともに極めて少なく、入手は事実上困難です。また LS シリーズは Imation サポート終了で公式ドライバ入手も困難になっており、Windows 7 以降では非対応のドライブも多数あります。レトロ Win98 / Me / 2000 環境のフロッピー後継を再現する用途に限定して使うのが現実的です。
関連用語との違い
- Iomega Zip Drive(1994): 主要競合、フロッピー非互換だがブランド力で勝利。
- Sony HiFD(1998): 200MB クラスの後発競合、初期不良で大失敗。
- MO 128MB(1990 年代): 光磁気方式で別技術系統、SuperDisk は磁気のみ。
- USB フラッシュメモリ(2000): SuperDisk / Zip を駆逐した後継。
よくある質問(FAQ)
Q1: なぜ SuperDisk は Zip Drive に負けたのですか? A: Zip Drive のブランド先行 + DTP / 学生市場での先行普及 + メディア互換性のメリットが想定より評価されなかったためです。フロッピー互換は「容量が小さい時代の互換」として時代遅れになりつつあった点も致命的でした。
Q2: フロッピー互換とは具体的にどう便利ですか? A: 既存の 1.44MB / 720KB フロッピーをそのまま読み書きでき、フロッピー → SuperDisk への移行がスムーズに行えました。学校 / 企業の既存資産を活かせる利点でしたが、結果的に普及に繋がりませんでした。
Q3: 現代の PC で SuperDisk を使えますか? A: USB 接続版は古い Windows ドライバを工夫すれば動作する場合があります。IDE 内蔵版は古い PC ケース + IDE ケーブルが必要、ドライバ取得も困難で実用的ではありません。
まとめ
- Imation 1996 年発売、120MB 磁気リムーバブル
- 3.5 インチフロッピーと完全互換 + Laser Servo で大容量
- Iomega Zip Drive 主要競合だが普及に敗北
- 2003 年出荷終了、現在はレトロ用途のみ