DDR5 OC tRCD/tRP/tCWL(ティーアールシーディー)
DDR5 セカンダリタイミング詳細。tRCD(Row to Column Delay・36-48・低いほど高速)・tRP(Row Precharge・36-48)・tRAS(Row Active Time・96-120)・tCWL(CAS Write Latency・36-44)・tRRD_S/L(Row to Row Delay)・tFAW(4 Activate Window)・tWR(Write Recovery)・Refresh Cycle・DDR5-8000 36-48-48-96 1.45V・Hynix A-die OC上限 9000+対応、2026年マニュアルOC定番。
概要
DDR5は4Gbit/s以上のデータレートを実現するために、タイミングパラメータを細分化した。
tRCD(Row to Column Delay)、tRP(Row Precharge)、tCWL(CAS Write Latency)は、セルへのアクセス速度を決定する主要なタイミングである。
DDR5-8000では、tRCD 36‑48、tRP 36‑48、tRAS 96‑120、tCWL 36‑44 が標準設定で、1.45 Vで動作する。
OC(Over‑Clock)により、Hynix A‑dieは9000 MHz以上を実現し、2026年に公開されたマニュアルで定格が確立された。
主な特徴・仕組み
- tRCD 36‑48:行から列への遅延。数値が低いほどアクセスが速い。
- tRP 36‑48:行のプリチャージ時間。低値は列切り替えを高速化。
- tRAS 96‑120:行がアクティブに保持される時間。メモリの安定性に寄与。
- tCWL 36‑44:書き込み命令の遅延。書き込みパフォーマンスを左右。
- tRRD_S/L:Row‑to‑Row Delay。複数行同時アクセス時の制御。
- tFAW:4つのアクティベーションが同時に発生できるウィンドウ。
- tWR:書き込み後のリカバリ時間。
- Refresh Cycle:セルのリフレッシュ頻度。
- 1.45 V:DDR5の標準電圧。
- DDR5-8000 36‑48‑48‑96:代表的なタイミングセット。
- Hynix A‑die OC上限 9000+:2026年マニュアルで定義。
スペック/製品比較表
| 製品 | クロック | tRCD | tRP | tCWL | 電圧 |
|---|---|---|---|---|---|
| DDR5‑8000 | 8000 MHz | 36‑48 | 36‑48 | 36‑44 | 1.45 V |
| DDR5‑8400 | 8400 MHz | 36‑48 | 36‑48 | 36‑44 | 1.45 V |
| DDR5‑9000 | 9000 MHz | 36‑48 | 36‑48 | 36‑44 | 1.45 V |
| DDR5‑9600 | 9600 MHz | 36‑48 | 36‑48 | 36‑44 | 1.45 V |
具体例・対応製品
- G.Skill Trident Z5 DDR5‑8000:tRCD 36、tRP 36、tCWL 36。
- Corsair Dominator Platinum DDR5‑8400:tRCD 36、tRP 36、tCWL 36。
- Kingston Fury Beast DDR5‑9000:tRCD 36、tRP 36、tCWL 36。
- Samsung 990 Pro SSD:DDR5 DRAMコントローラを内蔵し、tRCD 36、tRP 36、tCWL 36。
- Hynix A‑die DDR5‑9600:OC上限 9600 MHz、tRCD 36、tRP 36、tCWL 36。
自作PCでの選び方・注意点
- マザーボードのOC設定:BIOSでtRCD/tRP/tCWLを手動で調整できるか確認。
- 電源ユニット:1.45 Vで安定供給できるか。
- 冷却対策:高クロックは熱増大。CPUクーラーとケースファンを併用。
- 互換性:CPUとチップセットがDDR5-9600まで対応しているか。
- リフレッシュ設定:高クロック時はリフレッシュ周期を短縮。
- メモリモジュールの密度:8 GB/モジュールが一般的だが、16 GB/モジュールも増加。
- BIOSアップデート:最新のマザーボードファームウェアが必要。
- テストツール:MemTest86で安定性確認。
関連用語との違い
- tRCD vs tRP:tRCDは行から列への遅延、tRPは行のプリチャージ時間。
- tCWL vs tCL:tCWLは書き込み遅延、tCLは読み取り遅延。
- tRRD_S/L:Sは短い、Lは長いRow‑to‑Row Delay。
- tFAW:4アクティベーションウィンドウ。
- tWR:書き込み後のリカバリ。
よくある質問
Q1. DDR5-8000とDDR5-8400の性能差はどれくらいですか?
A1. クロック差は400 MHzで、実際のスループットは約5 %程度。
Q2. OCでtRCDを36に設定すると安定性はどう変わりますか?
A2. 低値は高速だが、温度上昇と電圧変動で不安定になる可能性がある。
Q3. 2026年マニュアルで定義されたOC上限はどのように確認できますか?
A3. メモリモジュールのデータシートに記載されている。
まとめ
DDR5のOCにおけるtRCD、tRP、tCWLは、メモリアクセス速度を直接左右する重要パラメータである。2025年から2026年にかけて、Hynix A‑dieをはじめとする製品が9000 MHz以上を実現し、次世代PCのパフォーマンスを大幅に向上させている。自作PCで高クロックを狙う際は、マザーボードのOC設定、電源安定性、冷却対策を徹底し、テストツールで安定性を確認することが不可欠である。DDR5-8000を基準に、各製品のタイミングを比較し、最適な構成を選択することで、最新のゲームやクリエイティブアプリケーションで最高の体験を実現できる。