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パススルー(パススルー)

仮想マシンにPCIeデバイスを直接割り当てる技術。Intel VT-d/AMD-ViのIOMMUを使い、RTX 4090をゲストOSで専有する等が可能で、Proxmox・Unraid・QEMU/KVMで活用される。

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2026/4/25 更新
関連タグ
IOMMU
VT-d
仮想化
GPU

概要

パススルーは、仮想マシンにPCIeデバイスを直接割り当てる技術で、仮想化環境で高性能GPUを専有することが可能です。Intel VT‑d/AMD‑ViのIOMMU(Input/Output Memory Management Unit)を利用し、ホストOSとゲストOS間でデバイスのアドレス空間を分離します。これにより、RTX 4090やA100などの高性能GPUをゲストOSでフル活用でき、ゲームやAI推論、CAD・3Dレンダリングなどの負荷の高いタスクに最適です。Proxmox、Unraid、QEMU/KVM などで広く採用されています。

主な特徴・仕組み

  • IOMMUによるデバイス隔離
    IOMMU は PCIe バス上のデバイスと仮想マシンのメモリ領域をマッピングし、デバイスへの直接アクセスを制御します。これにより、デバイスドライバの競合や不正アクセスを防止します。
  • GPU の専有
    通常の仮想化では GPU を共有モードで利用しますが、パススルーではゲストOSが GPU を完全に掌握します。
  • 低レイテンシ
    物理デバイスに直接アクセスするため、GPU へのレイテンシが 10 µs 程度に抑えられます。
  • ハードウェア要件
    • CPU:Intel Core Ultra 9 285K(VT‑d 対応)
    • CPU:AMD Ryzen 9 7950X(AMD‑Vi 対応)
    • マザーボード:ASUS ROG Strix X670E‑E Gaming
    • GPU:NVIDIA RTX 4090(24 GB GDDR6X、PCIe 5.0 x16)
    • メモリ:DDR5‑6000(32 GB)
    • ストレージ:Samsung 990 Pro(2 TB、PCIe 4.0 x4、1.2 TB/s 連続読み込み)
  • 仮想化ソフトウェア
    • Proxmox VE 7.x
    • Unraid 6.x
    • QEMU/KVM 6.2

スペック/製品比較表

製品CPUIOMMUGPUPCIe スペックTDPメモリ帯域CUDA コア動作周波数
RTX 4090Intel Core Ultra 9 285KVT‑d24 GB GDDR6XPCIe 5.0 x16450 W1 TB/s16 3841.2 GHz
NVIDIA A100AMD Ryzen 9 7950XAMD‑Vi40 GB HBM2PCIe 4.0 x16400 W1.6 TB/s6 9121.3 GHz
RTX 3080Intel Core i9‑12900KVT‑d10 GB GDDR6XPCIe 4.0 x16320 W760 GB/s8 7041.71 GHz
RTX 3090AMD Ryzen 9 5900XAMD‑Vi24 GB GDDR6XPCIe 4.0 x16350 W936 GB/s10 4961.70 GHz
RTX 4060 TiIntel Core i7‑13700KVT‑d8 GB GDDR6PCIe 4.0 x16200 W448 GB/s4 3521.80 GHz

具体例・対応製品

  • ゲーム開発者:Unreal Engine 5 を使用し、RTX 4090 をパススルーでレンダリング。
  • AI研究者:TensorFlow 2.12 を QEMU/KVM で実行し、NVIDIA A100 をゲストに割り当て。
  • 3D アーティスト:Blender 3.6 を Proxmox で動かし、RTX 3080 を専有。
  • 仮想デスクトップ環境:Citrix Virtual Apps を Unraid で構築し、RTX 3090 をパススルー。
  • エッジコンピューティング:Jetson AGX Xavier をパススルーで仮想化し、AI 推論を高速化。

自作PCでの選び方・注意点

  • CPU の IOMMU 対応
    • Intel:VT‑d(Core Ultra 9 285K、i9‑13900K)
    • AMD:AMD‑Vi(Ryzen 9 7950X、Threadripper 3990X)
  • マザーボードの PCIe スロット
    • PCIe 5.0 x16 スロットが必要な場合は、最新の X670E などを選択。
  • 電源容量
    • RTX 4090 では 450 W 以上、全体で 850 W 以上を推奨。
  • 冷却対策
    • 高TDP GPU には液体冷却または高性能ファンを装備。
  • BIOS 設定
    • IOMMU を有効化し、SR-IOV を無効化。
  • OS のカーネルバージョン
    • Linux 5.15 以降、Windows 10 22H2 以降で安定。
  • ドライバ
    • NVIDIA 公式ドライバ 525.x 以降、AMD 21.20 以降。
  • 仮想化ソフトウェアのバージョン
    • Proxmox 7.3、Unraid 6.9、QEMU 6.2 以上。
  • ネットワーク
    • 10 GbE 以上のイーサネットで高速データ転送を確保。
  • スケーラビリティ
    • 未来の GPU(2026年リリース予定)に備え、PCIe 5.0 x16 以上を採用。

関連用語との違い

用語定義主な違い
GPU 共有複数仮想マシンが同時に GPU を使用パススルーは専有
SR‑IOV仮想関数を作成し、仮想マシンに割り当てIOMMU で完全な隔離を実現
VT‑d / AMD‑ViIOMMU の実装パススルーはこれらを前提に動作
PCI Passthrough同義語パススルーは同一概念

よくある質問(FAQ)

Q1. パススルーは Windows でも使える?
A1. はい。Windows 10/11 22H2 以降で、Hyper‑V か Windows Subsystem for Linux で動作します。ドライバは公式 NVIDIA/AMD ドライバをインストールしてください。

Q2. 1 台の GPU を複数仮想マシンで共有したい場合は?
A2. パススルーは専有が前提です。共有したい場合は SR‑IOV や GPU 共有モードを選択してください。

Q3. 2025年にリリース予定の RTX 4095 でパススルーは可能?
A3. RTX 4095 は PCIe 5.0 x16 を採用予定で、VT‑d/AMD‑Vi 対応の CPU とマザーボードであればパススルーは実現できます。

Q4. パススルーに必要な BIOS 設定は?
A4. IOMMU を有効化し、VT‑d/AMD‑Vi をオンに。PCIe スロットのレイアウトを「PCIe 5.0」または「PCIe 4.0」に設定。

まとめ

パススルーは、仮想マシンに物理 PCIe デバイスを直接割り当てることで、ゲストOSが GPU をフルに利用できる技術です。Intel VT‑d や AMD‑Vi の IOMMU を活用し、RTX 4090 や A100 などの高性能 GPU を専有することで、ゲーム開発、AI 推論、3D アート制作などの負荷の高い作業を仮想環境でスムーズに実行できます。

最新のマザーボードと CPU を組み合わせ、十分な電源と冷却を確保すれば、2026 年に登場予定の次世代 GPU も容易に導入可能です。自作 PC でパススルーを実現するには、IOMMU 対応の CPU、PCIe 5.0 スロット、十分な電源容量、そして最新の仮想化ソフトウェアが不可欠です。

パススルーは、仮想化と高性能 GPU を組み合わせることで、従来の物理マシンに匹敵するパフォーマンスを仮想環境で実現する鍵となります。自作 PC での構築を検討する際は、上記のポイントを参考に、最適な構成を選択してください。

この記事について
カテゴリーCPU
難易度上級
作成日2026/4/17