電源フェーズ(デンゲンフェーズ)
VRM多相電源設計。ASUS ROG Maximus Z890 Extreme 24+2+2相(Vishay SiC850A 110A DrMOS)・MSI MEG Z890 GODLIKE 26+2+1相・GIGABYTE X870E AORUS MASTER 22+2+2相・ASRock X870E Taichi 25+2+1相が2026年代表、Doubler不要のteamed phase採用で安定。
概要
電源フェーズ(デンゲンフェーズ)は、VRM(Voltage Regulator Module)における多相電源設計の一形態である。
CPUやGPUに供給される電圧を安定化させるために、複数のフェーズを並列に配置し、電流を分散させることで発熱を抑え、ノイズを低減する。
2026年に登場した代表的なマザーボードでは、Doubler不要の「teamed phase」構成が採用され、24+2+2相や26+2+1相といった高相数設計が実現している。
主な特徴・仕組み
- 高相数設計により、1相あたりの電流負荷を低減し、温度を安定化
- DrMOS(ドレイン・リード・ミニマム・オフ・スイッチ)を採用し、スイッチング損失を最小化
- 24+2+2相構成は、24相の高電流フェーズと2相の低電流補助フェーズを組み合わせ、電圧リップルを抑制
- 26+2+1相は、26相のメインフェーズと2相の補助フェーズ、1相のオーバーホール用フェーズで構成
- 22+2+2相・25+2+1相は、同様に高相数と補助フェーズを組み合わせて安定供給
- DrMOS 110Aは、1相あたり110Aまでの電流を扱えるため、CPUの高負荷時でも安定
- 5V、3.3V、1.2V、12Vの各電圧ラインに対し、専用フェーズを割り当て
- 5W、10W、20Wのフェーズ制御で、電力損失を抑制
- 24Vラインは、電源ユニットからの入力電圧を分圧して供給
- 850Vの高電圧ラインは、電源変換時に発生する電圧を低減
スペック/製品比較表
| 製品名 | フェーズ構成 | DrMOS | 最大電流 (A) | 主要特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ASUS ROG Maximus Z890 Extreme | 24+2+2相 | Vishay SiC850A | 110 | teamed phase |
| MSI MEG Z890 GODLIKE | 26+2+1相 | Vishay SiC850A | 110 | 高相数設計 |
| GIGABYTE X870E AORUS MASTER | 22+2+2相 | Vishay SiC850A | 110 | 低ノイズ |
| ASRock X870E Taichi | 25+2+1相 | Vishay SiC850A | 110 | 高温環境対応 |
| ASUS ROG Strix Z790-E Gaming | 12+2+1相 | Vishay SiC850A | 100 | コストパフォーマンス |
具体例・対応製品
- ASUS ROG Maximus Z890 Extreme:24+2+2相設計で、最新のCPUに対し110Aまでの電流を供給。
- MSI MEG Z890 GODLIKE:26+2+1相で、オーバークロック時の安定性が高い。
- GIGABYTE X870E AORUS MASTER:22+2+2相で、低ノイズ設計が特徴。
- ASRock X870E Taichi:25+2+1相で、熱設計が優れており、長時間稼働に適する。
- ASUS ROG Strix Z790-E Gaming:12+2+1相で、一般ユーザー向けにバランスの取れた設計。
自作PCでの選び方・注意点
- CPUのTDP:高TDPのCPU(例:Intel Core Ultra 9 285K 140W)には、相数が多いマザーボードを選択。
- 電源容量:電源ユニットは、最大出力がCPU・GPUの合計に対し余裕を持たせる。
- 冷却環境:高相数設計は熱分散が重要。ケース内のエアフローを確保。
- BIOS設定:VRMオーバークロック設定は、各フェーズの電流制限を確認。
- ケーブル管理:高電流ラインは、太めのケーブルを使用し、接続部を確実に。
- 電圧リップル:低リップル設計のマザーボードを選ぶことで、安定性が向上。
- 将来性:次世代CPUに対応するため、2026年以降のマザーボードを検討。
- 価格帯:高相数設計は価格が上がる傾向。予算と性能のバランスを考慮。
- 保証とサポート:メーカー保証が長い製品を選択すると安心。
- レビュー確認:実際のオーバークロック性能を確認できるレビューを参照。
関連用語との違い
- VRM:電圧レギュレータ全体を指す。フェーズ数はVRMの一部。
- DrMOS:スイッチング素子。フェーズ数と直接関係はないが、フェーズ性能に影響。
- Teamed Phase:複数フェーズを組み合わせて1相のように動作させる技術。
- Doubler:フェーズ数を2倍にする技術。Doubler不要のteamed phaseは、設計がシンプル。
よくある質問
Q1. 24+2+2相と26+2+1相の違いは何ですか?
A1. 24+2+2相は24相のメインフェーズと2相の補助フェーズを2つ持ち、リップル低減に優れる。26+2+1相は26相のメインフェーズと2相の補助フェーズ、1相のオーバーホール用フェーズで構成され、オーバークロック時の安定性が高い。
Q2. DrMOS 110Aはどの程度の電流を扱えるのですか?
A2. 1相あたり110Aまでの電流を扱えるため、CPUの高負荷時でも安定供給が可能。
Q3. 2026年のマザーボードはどのように選べば良いですか?
A3. 高相数設計とteamed phaseを採用した製品を中心に、CPUのTDPと電源容量を照らし合わせて選択。
まとめ
電源フェーズは、VRMの多相設計によりCPU・GPUへの電圧供給を安定化させる技術である。2026年に登場した代表的マザーボードは、Doubler不要のteamed phaseを採用し、24+2+2相や26+2+1相といった高相数設計で、最新世代のCPUに対しても高い安定性と低温を実現している。自作PCを構築する際は、CPUのTDP、電源容量、冷却環境を総合的に判断し、適切なフェーズ数とDrMOS性能を備えたマザーボードを選ぶことが重要である。