概要
リングバスは、Intelが開発したマルチプロセッサシステム向けの相互接続技術の一つです。各プロセッサがリング状に接続され、データはリング上を一方方向に順次伝播することで通信します。主に、SMP(対称型マルチプロセッサ)アーキテクチャにおいて、プロセッサ間の高速なデータ転送を実現するために使用されました。
リングバスは、各プロセッサ(またはI/Oデバイス)がリング上のノードとして接続される構成です。データはリングを一周して宛先まで転送され、途中のノードではデータが通過し、宛先ノードで受信されます。アービトラメントは分散型で行われ、各ノードがリング上の送信権を決定します。初期のリングバスは、特にメモリコントローラをプロセッサに内蔵したシステムで利用され、プロセッサとメモリ間の帯域幅を向上させました。後に、より高速で柔軟なインターコネクト技術(例:QPI, UPI)に置き換わっていきます。リングバスの設計においては、リングの遅延、アービトラメントの効率、そしてノード間の距離を考慮する必要があります。
かつては、Intelのマルチプロセッササーバやワークステーションで採用されていました。しかし現在では、より高性能な相互接続技術に置き換えられているため、新規設計ではほぼ使用されていません。歴史的なシステムを研究する際や、レガシーハードウェアの動作原理を理解する上で有用です。
リングバスは、リング上の単一障害によりシステム全体が停止する可能性があります。また、リングの規模が大きくなると、データの伝播遅延が長くなり、パフォーマンスが低下する可能性があります。データ転送の方向が片方向であるため、双方向通信には工夫が必要です。