AI・機械学習
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RWKVモデル(アールダブリューケーブイモデル)

BlinkDLが開発したRNN系LLMアーキテクチャ。学習はTransformerと同じ並列処理、推論はRNN再帰で定数メモリを実現する。RWKV-6-14BはLlama 2と競合し、rwkv.cppでCPU単体動作も可能。

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2026/6/8 更新
関連タグ
RNN
Transformer
線形アテンション
CPUインファレンス
LLM

RWKV とは

RWKV(Receptance Weighted Key Value)はBo Peng(BlinkDL)らが開発したLLMアーキテクチャ。Transformerの学習並列性とRNNの線形推論効率を組み合わせた設計で「Transformer + RNNのハイブリッド」と呼ばれることが多い。

アーキテクチャ構成

RWKVの各レイヤーは2つのサブブロックで構成:

Time-Mixing(アテンション代替)

wt = exp(−exp(w))  # 時間減衰重み(学習可能)
kt = Wk · xt        # Key
vt = Wv · xt        # Value
rt = Wr · xt        # Receptance(ゲート)

WKVt = (Σ exp(u+kt) · vt) / (Σ exp(u+kt))  # Weighted Key-Value
ot = σ(rt) ⊙ WKVt
  • w(時間減衰): 位置に依存せずトークンの相対的古さを制御。学習可能。
  • u(ボーナス重み): 現在トークン専用の追加重み(アテンションのself-biasに相当)
  • Receptance: 過去情報をどれだけ取り込むかを制御するゲート

Channel-Mixing(FFN代替)

Time-Mixingで得た出力をチャンネル方向で変換。TransformerのFFNに相当するが、入力を前時刻と線形補間する差分機構を持つ。

学習と推論の二面性

フェーズ処理方式理由
学習並列スキャン(Transformer同様)WKV累積をprefixスキャンで一括計算
推論RNN再帰(O(1)メモリ)前状態のみ保持、KVキャッシュ不要

これにより学習はFlashAttention並みの効率で行いながら、推論は固定サイズの隠れ状態のみ保持してトークンを逐次生成できる。

バージョン履歴

バージョン改善点
RWKV-4最初の大規模公開版、14Bまで
RWKV-5(Eagle)多ヘッド化、多言語(World)対応
RWKV-6(Finch)LoRA学習効率向上、State Tuning
RWKV-7(Goose)学習ダイナミクス改善、2025年

性能

  • RWKV-6-14Bはwikitext-103・Pile perplexityでLlama 2 13B相当
  • 長文脈(>8K)ではKVキャッシュなしのメモリ優位性が顕著
  • 推論速度:A100上でTGI(vLLM)比同等〜1.5倍(短文脈は差少、長文脈でRWKV優位)

CPU推論:rwkv.cpp

Gerganov(llama.cpp開発者)の協力を得たrwkv.cppでCPU上でも実行可能。量子化(Q4_0〜Q8_0)適用でM2 MacBook Airで14Bモデルが数token/sで動作する。エッジ・オフラインLLMとして活用されている。

コミュニティ

RWKV-Worldシリーズは100+言語に対応した多言語モデルで、日本語を含む非英語圏コミュニティに人気がある。EleutherAIのThe Pile互換データで学習されており商用利用可能(Apache 2.0)。

この記事について
カテゴリーAI・機械学習
難易度上級
作成日2026/6/8