AI・機械学習
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xLSTMアーキテクチャ(エックスエルエスティーエムアーキテクチャ)

LSTMの発明者Sepp Hochreiterが2024年に発表した拡張LSTM。行列メモリ(mLSTM)とスカラーメモリ(sLSTM)の2ブロック、指数関数的ゲーティングを採用しGPT-3規模で競合するLLMを構築できる。

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2026/6/8 更新
関連タグ
LSTM
RNN
mLSTM
sLSTM
Beyond Transformer

xLSTM とは

xLSTM(Extended LSTM)はLSTMの共同発明者Sepp Hochreiterらが2024年5月に発表した、LSTMの根本的拡張版。30年前のアーキテクチャが現代的な工学的改良で最前線LLMと競合できることを示した点で象徴的な研究。

従来LSTMの限界

問題内容
スカラーメモリセルstはスカラー→表現容量に限界
並列化困難時間方向の依存性→GPU活用不足
記憶競合1スカラーセルに全情報詰め込みで干渉
指数爆発標準的ゲートでは勾配スケールが不安定

2つのブロック:mLSTMとsLSTM

mLSTM(matrix LSTM)

  • メモリ行列: スカラーcellをd×dの行列Cに拡張→格段に高い表現容量
  • 完全並列: Query/Key/Value(Attention類似)でメモリを読み書き→GEMMで並列化可能
  • 指数関数的忘却: 忘却ゲートfを指数スケール(exp(ft))で安定化
  • 計算量:O(L)再帰処理だが行列サイズ分のメモリ消費

sLSTM(scalar LSTM)

  • スカラーメモリ: 従来LSTMを改良、セル更新ルールを指数スケールゲートで安定化
  • マルチヘッド: 複数ヘッドで並列状態保持
  • 逐次処理: mLSTMより並列性は低いが、sLSTMを適切に配置することで長距離記憶を補完

xLSTMブロック構成

典型的なxLSTMネットワークはmLSTMブロックとsLSTMブロックを積層。比率は7:1程度(mLSTMメイン、sLSTMで記憶補完)が多い。各ブロックはLayer Normとresidual接続で安定化。

性能

モデルパラメータ比較対象
xLSTM 7B7BLlama 2 7B同等
XLSTM-1B1BMamba-1B・TinyLlama競合

wikitext-103・Pile・SlimPajama等のベンチマークでLlama/Mamba同規模モデルと競合。特に長系列(4K〜32K token)での記憶保持タスクで優位。

推論効率

xLSTMの強みは推論時の一定サイズ状態。KVキャッシュなし・状態サイズがO(1)(d²の定数)のため、文脈長が伸びても推論メモリが増えない。組み込み・エッジデバイスでの長文処理に有利。

2025年の動向

  • NX AIがxLSTMを商用採用・オントプレミス展開
  • EU AI Actへの対応でオープンなネイティブEU開発LLMとして注目
  • MambaやRWKVとのハイブリッド設計研究も進行中
この記事について
カテゴリーAI・機械学習
難易度上級
作成日2026/6/8