メモリ
初級
tRFC(ティーアールエフシー)
Row Refresh Cycle Time。メモリリフレッシュサイクル時間
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2026/4/25 更新
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tRFC(Row Refresh Cycle Time)
概要
tRFC(Row Refresh Cycle Time)は、DRAM のリフレッシュ動作にかかる最小時間を規定するタイミングパラメータです。DRAM セルは微小なコンデンサに電荷を蓄えてデータを保持しますが、時間経過と共に電荷が漏れるため、定期的なリフレッシュが必要です。tRFC はこのリフレッシュ1回分の実行時間を ns 単位で示します。
DRAM リフレッシュの基礎
- tREFI(Refresh Interval): リフレッシュ間隔(通常 7.8μs)
- tRFC: 1回のリフレッシュ実行時間
- バンク単位: 全バンクを順次リフレッシュ
DDR5 では 1 チャンネルあたり 32 バンクあり、tRFC が長いほどメモリアクセスの中断が長くなります。
tRFC の標準値
| 世代 | 標準 tRFC | 高性能 tRFC |
|---|---|---|
| DDR4-3200 | 560 ns | 280-320 ns |
| DDR5-4800 | 295 ns | 220-240 ns |
| DDR5-6000 | 295 ns | 220-280 ns |
| DDR5-7200 | 295 ns | 280-320 ns |
| DDR5-8000 | 295 ns | 300-340 ns |
tRFC とメモリ性能
tRFC を短縮すると:
- 帯域幅: 1〜3% 向上
- レイテンシ: 2〜5% 改善
- ゲーム FPS: 0〜2% 向上(タイトル依存)
- 安定性: 大幅に低下リスク
一般的な OC では tRFC は CL や tRCD ほど重要ではありませんが、極限 OC では無視できない要素です。
tRFC の最適化
手動調整の手順
- Memtest86 でベースライン確認
- BIOS で tRFC を 10-20 ns ずつ減少
- TestMem5 + Karhu で安定性テスト
- エラー発生時は前の値に戻す
DDR5 での注意点
DDR5 では On-Die ECC の影響で tRFC の最小値が DDR4 より長くなる傾向があります。また、温度依存性も高く、高温時は tRFC を長めに設定する必要があります。
メーカー別の特性
Samsung B-die(DDR4)
- 最短 tRFC: 220 ns
- 特徴: 低 tRFC で安定
- 代表品: G.Skill Trident Z Royal
SK Hynix A-die / M-die(DDR5)
- 最短 tRFC: 240-280 ns
- 特徴: 中程度、OC 余力あり
- 代表品: G.Skill Trident Z5 Neo
Micron B-die / 16H(DDR5)
- 最短 tRFC: 280-320 ns
- 特徴: tRFC 短縮に難あり
- 代表品: Crucial Ballistix(生産終了)
tRFC vs tREFI のトレードオフ
| 設定 | tRFC | tREFI | 効果 |
|---|---|---|---|
| デフォルト | 295 ns | 7.8μs | 標準安定 |
| OC A | 240 ns | 7.8μs | 高速・安定 |
| OC B | 295 ns | 16μs | 最大帯域・リスク高 |
| OC C | 240 ns | 16μs | 極限 OC |
tREFI を延長(例:16μs)すると、リフレッシュ回数が減り帯域が向上しますが、電荷漏れによるエラーリスクも増加します。
温度との関係
DRAM の電荷保持時間は温度に反比例します。85℃以上では:
- tREFI を半減(2x Refresh モード)
- tRFC は維持または延長
高温環境では BIOS が自動的に「Fine Granularity Refresh」モードに切り替わる場合があります。
関連用語
- tREFI(Refresh Interval)
- tCL、tRCD、tRP、tRAS(主要タイミング)
- Memory IC(Samsung B-die、SK Hynix A-die など)
- TestMem5、Karhu RAMTest