Truthear HEXA(トゥルースイヤーヘキサ)
TruthearがCrinacleとのコラボで設計した1DD+4BAハイブリッドIEM。$79でHarman-ishなニュートラルチューニングと多ドライバーの分離感を両立。2024年時点で$79帯最高評価のハイブリッド機。
Truthear HEXA 概要
Truthear HEXAは中国のTruthear(真耳)が著名オーディオレビュアーのCrinacle(Jared Chng)とのコラボレーションで設計した1DD+4BAハイブリッドIEM(定価$79)です。「HEXA」はギリシャ語で「六」を意味し、6極構造のクロスオーバー設計を示唆しています。
Crinacleは世界最大のIEM測定・レビューデータベース「In-Ear Fidelity」の運営者で、科学的なHarmanターゲット準拠のチューニングを重視することで知られています。HEXAはCrinacleが実測チューニングに関与した製品で、4kHz付近の存在感(presence peak)と低域の緩やかな減衰がHarmanカーブに近い設計となっています。
ドライバー構成とクロスオーバー
| ドライバー | 担当帯域 | 個数 |
|---|---|---|
| 10mm ダイナミックドライバー | 低域(〜400Hz付近) | 1基 |
| Knowles HODVTEC BA | 低中域〜中域 | 2基 |
| Knowles SWFK BA | 高域〜超高域 | 2基 |
| 合計 | 全帯域 | 5ドライバー |
DDが低域の質感を担当し、Knowles製BA×4が中高域の細部表現を受け持つ分業設計です。Knowles製BAは補聴器市場でも使用される高品質部品で、$79という価格帯への採用は珍しい。
主な特徴・仕組み
- 1DD+4BAハイブリッド構成: DDの自然な低域とBAの精細な中高域解像度を組み合わせ
- Crinacleコラボチューニング: Harman-ishターゲット準拠の科学的周波数応答
- インピーダンス22Ω / 感度110dB/Vrms: スマホ直差しで問題なく駆動可能
- Knowles製BA採用: 補聴器グレードの高品質BAドライバーを$79製品に採用
- 3Dプリントハウジング: 複雑な内部経路設計を可能にする製造手法
スペック詳細
| 仕様項目 | 値 |
|---|---|
| ドライバー構成 | 1DD + 4BA(計5ドライバー) |
| インピーダンス | 22Ω |
| 感度 | 110dB/Vrms |
| 周波数特性 | 5Hz〜20kHz |
| コネクター | 0.78mm 2-pin |
| ケーブル | 1.2m OFC・3.5mm TRS |
| 定価 | $79(約¥11,500) |
競合ハイブリッドIEM比較($79〜$150帯)
| 製品 | 構成 | インピーダンス | 感度 | 価格 | チューニング特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| Truthear HEXA | 1DD+4BA | 22Ω | 110dB/Vrms | $79 | Harman-ish ニュートラル |
| Moondrop Blessing 3 | 1DD+4BA | 22Ω | 112dB/Vrms | $319 | Harman準拠上位版 |
| KZ ZS10 Pro X | 1DD+4BA | 32Ω | 112dB/mW | $29 | V字型 |
| FiiO FH15 | 1DD+3BA | 32Ω | 112dB/mW | $129 | ウォームニュートラル |
よくある質問(FAQ)
Q1: 1DD+4BAのハイブリッドで音の繋がりが気になりますか? A: Crinacleの調整により中低域のクロスオーバー帯域(300〜600Hz付近)の不連続感は最小化されています。Moondrop Blessing 3($319)などと比較するとわずかな帯域繋ぎの不均一さを感じる場合がありますが、一般的なリスニングでは気にならないレベルです。
Q2: Moondrop Aria 2とどちらを選ぶべきですか? A: Aria 2は単一DDのシンプルな音で長時間リスニング疲労が少なく、ニュートラルかつスマホ直差しに優れます。HEXAはBA由来の解像感・分離感が加わり、複数の楽器が同時に鳴る音楽(オーケストラ・バンドアンサンブル)での楽器分離が明確に優れます。解像感重視ならHEXA、自然な音を重視するならAria 2が向いています。
Q3: Chi-Fi初心者がHEXAを購入して満足できますか? A: 十分満足できます。CrinacleのHarman準拠チューニングは科学的に「多くの人が好む」として研究された周波数応答であり、音楽ジャンルを選ばない汎用性があります。スマホ直差しで完結しイヤーピース交換(SpinFit CP155等)で低域の量感を調整できる余地もあります。
まとめ
- Truthear HEXAは$79の1DD+4BAハイブリッドでCrinacleコラボのHarman-ishチューニング
- Knowles製BAドライバー採用による精細な中高域解像度が$79帯では最高水準
- 22Ω/110dBでスマホ直差し対応。ジャズ・クラシック・ポップスの楽器分離に優れる
- 同価格帯のMoondrop Aria 2(ニュートラルDD)・Simgot EA500 LM(ウォームDD)と並ぶ三強
- ハイブリッドIEM入門として最適な1本