真空ポンプ多種類。1907年Wolfgang Gaede Rotary Vane発明+Edwards nXDS/Pfeiffer Vacuum HiPace/Leybold OERLIKON+油回転(10^-3 Pa)/ドライ/ターボ分子(10^-9 Pa)/イオン+排気速度3-3000 m³/h+半導体/真空蒸着/MS/EM必須
真空ポンプの中でもロッタリーベーン(回転ベーン)タイプは、油回転型と油無回転型(ドライ)を合わせて、低圧から超高真空まで幅広くカバーできる点が特徴です。
1907年にWolfgang Gaedeが発明したロッタリーベーン構造は、現在ではEdwards、Pfeiffer、Leybold の三大メーカーがそれぞれ独自の改良を重ね、業界標準となっています。
本稿では、1907年から2026年にかけての製品進化と、2025–2026年の最新動向を踏まえた選択基準を解説します。
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| ベーン構造 | 円筒内に配置されたベーンが回転し、ガス分子を外部へ排出。油回転型はベーン間に油を注入し、分子を捕捉・再循環。 |
| 油回転型 | 低圧(10⁻³ Pa 以上)で高い排気速度(3–3000 m³/h)を実現。油は分子捕捉と冷却に利用され、再循環システムで消費を抑制。 |
| ドライ型 | 油を使用せず、ベーンの摩擦を最小化した設計。10⁻⁶ Pa までの超高真空に対応し、汚染リスクがない。 |
| ターボ分子型 | 10⁻⁹ Pa までの超高真空を実現。高速回転(最大 10 000 rpm)で分子を直接排出。 |
| イオントンネル型 | 10⁻¹⁰ Pa までの真空を維持。イオン源で残留分子をイオン化し、電荷を持つイオンを排出。 |
| 排気速度 | 3 m³/h から 3000 m³/h まで、用途に応じて選択可能。 |
| 圧力範囲 | 10⁻³ Pa から 10⁻¹⁰ Pa まで、用途別に最適化。 |
| 温度耐性 |
| 最高 200 °C までの運転が可能。高温プロセスにも耐える。 |
| 油消費 | 0.5 L/h から 5 L/h。再循環率 95 % 以上で実質消費は 0.25 L/h 程度。 |
| エネルギー効率 | 2025年以降のモデルは 30 % 以上の消費電力削減を実現。 |
| 製品名 | 型番 | 主要スペック | 用途例 |
|---|---|---|---|
| Edwards VacIon 1907 | 1907‑VIO‑01 | 圧力範囲 10⁻³–10⁻⁶ Pa、排気速度 150 m³/h、油消費 1.2 L/h | 半導体製造、薄膜成膜 |
| Pfeiffer HiPace 1907 | 1907‑HP‑02 | 圧力範囲 10⁻³–10⁻⁸ Pa、排気速度 800 m³/h、油消費 2.0 L/h | 真空蒸着、MS |
| Leybold OERLIKON 1907 | 1907‑OL‑03 | 圧力範囲 10⁻³–10⁻⁷ Pa、排気速度 500 m³/h、油消費 1.5 L/h | 表面処理、EM |
| Edwards nXDS 1907 | 1907‑NXDS‑04 | 圧力範囲 10⁻⁶–10⁻⁹ Pa、排気速度 200 m³/h、油消費 0.8 L/h | 超高真空、イオントンネル |
| Pfeiffer Turbo-Molecular 1907 | 1907‑TM‑05 | 圧力範囲 10⁻⁶–10⁻⁹ Pa、排気速度 100 m³/h、最大回転速度 10 000 rpm | 超高真空、研究用途 |
| Leybold OERLIKON Dry 1907 | 1907‑OL‑DR‑06 | 圧力範囲 10⁻⁶–10⁻⁸ Pa、排気速度 120 m³/h、油無 | 汚染リスク低減、EM |
| Edwards HiPace 1907 | 1907‑HP‑07 | 圧力範囲 10⁻³–10⁻⁷ Pa、排気速度 600 m³/h、油消費 1.8 L/h | 半導体、MS |
| Pfeiffer HiPace 1907 | 1907‑HP‑08 | 圧力範囲 10⁻³–10⁻⁸ Pa、排気速度 900 m³/h、油消費 2.5 L/h | 真空蒸着、MS |
| Leybold OERLIKON 1907 | 1907‑OL‑09 | 圧力範囲 10⁻³–10⁻⁷ Pa、排気速度 550 m³/h、油消費 1.6 L/h | 表面処理、EM |
| Edwards nXDS 1907 | 1907‑NXDS‑10 | 圧力範囲 10⁻⁶–10⁻⁹ Pa、排気速度 250 m³/h、油消費 0.9 L/h | 超高真空、イオントンネル |
圧力要求
排気速度
油の有無
温度耐性
エネルギー効率
メンテナンス
拡張性
| 用語 | 主な違い | 代表例 |
|---|---|---|
| ロッタリーベーン | ベーンを回転させてガスを排出。油回転型とドライ型がある。 | Edwards VacIon 1907 |
| トラップ型 | ガス分子を物理的に捕捉。低圧で有効。 | Pfeiffer CryoTrap |
| アイソトロピック | 圧縮機を用いてガスを圧縮。高圧で有効。 | Leybold IsoPneumatic |
| ターボ分子 | 高速回転で分子を直接排出。超高真空に最適。 | Pfeiffer Turbo-Molecular 1907 |
| イオントンネル | イオン化してイオンを排出。極低圧に適応。 | Edwards HiPace 1907 |
Q1. 低圧(10⁻³ Pa 以上)で油回転型とドライ型のどちらがコストパフォーマンスが良いですか?
A1. 低圧で高速排気が必要な場合は油回転型が優れています。油消費を再循環で抑えつつ、排気速度が 800–3000 m³/h まで確保できるため、初期投資とランニングコストのバランスが取れます。ドライ型は排気速度が 300–800 m³/h 程度で、汚染リスクがない点がメリットです。
Q2. 2025年以降のロッタリーベーンポンプで最もエネルギー効率が高いモデルは?
A2. 2026年モデルの「Edwards nXDS 1907」は、再循環率 97 % と 30 % 以上の電力削減を実現。さらに、AIベースのモニタリングで運転条件を最適化し、無駄なエネルギー消費を抑えています。
Q3. 真空蒸着装置で複数段真空が必要な場合、ロッタリーベーンポンプとターボ分子ポンプを組み合わせるメリットは?
A3. ロッタリーベーンポンプが低圧段(10⁻³–10⁻⁶ Pa)を高速で処理し、ターボ分子ポンプが超高真空段(10⁻⁸–10⁻⁹ Pa)を安定供給。連結により、全体のシステム効率が向上し、装置の稼働時間が短縮されます。
ロッタリーベーン型真空ポンプは、1907年の発明以来、油回転型とドライ型の両方で多様な真空環境に対応できるよう進化してきました。2025–2026年の最新モデルは、エネルギー効率の向上、AIベースの診断、IoT連携により、運用コストとメンテナンス負担を大幅に低減しています。
選択時は、圧力範囲・排気速度・油の有無・温度耐性・エネルギー効率・メンテナンス性を総合的に評価し、必要に応じて多段構成を検討することが重要です。これらの要素を踏まえることで、半導体製造、真空蒸着、表面処理、超高真空研究といった幅広い分野で最適な真空環境を実現できます。