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veRL(Volcano Engine Reinforcement Learning)(ブイイーアールエル)

ByteDanceが開発したLLMの強化学習訓練フレームワーク。大規模分散環境でのGRPO・PPO等のRL訓練を効率化し、柔軟なモデル並列・データ並列構成でスループットを最大化する。

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2026/6/7 更新
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LLM強化学習
分散訓練
GRPOフレームワーク

veRL(Volcano Engine Reinforcement Learning)とは

veRL(Volcano Engine Reinforcement Learning)は、ByteDanceがVolcano Engine(火山エンジン)クラウドプラットフォーム向けに開発し、2025年にオープンソース公開したLLM強化学習訓練フレームワークです。GRPOやPPOなどのRL手法を使って数十億〜数千億パラメータのLLMをポストトレーニングするための、分散訓練インフラを提供します。

veRLが解決する課題

LLMの強化学習訓練は通常のSFT(Supervised Fine-Tuning)と異なる複雑さを持ちます:

  1. マルチモデル管理 — 訓練中に参照モデル・アクターモデル・クリティックモデルを同時に管理
  2. 非同期生成 — 応答サンプリング(推論)と方策更新(訓練)を効率的に交互実行
  3. メモリ管理 — アクティベーション・KVキャッシュ・勾配が同時にメモリを消費
  4. スケーラビリティ — 数百GPU規模での線形スケーリング

veRLはこれらをHybrid Parallel設計で解決します。

veRLのアーキテクチャ

Hybrid Parallel Engine(HPE)がveRLの核心で、訓練フェーズと生成フェーズで異なる並列戦略を動的に切り替えます:

訓練フェーズ(Megatron-LMバックエンド)ではテンソル並列(TP)で行列演算を複数GPU分割し、パイプライン並列(PP)でレイヤーを複数ノードに分散、データ並列(DP)でミニバッチを複数レプリカで処理します。生成フェーズ(vLLMバックエンド)ではPagedAttentionで高スループット推論を行い、Continuous Batchingで効率的なサンプリングを実現します。

Worker設計: veRLは以下のWorkerを疎結合で管理します:

  • ActorWorker — 方策モデルを保持し訓練と推論を担当
  • CriticWorker — PPO用のバリュー関数モデル
  • ReferenceWorker — KLペナルティ計算用の参照モデル(固定)
  • RewardWorker — 報酬関数の計算(カスタム拡張可能)

サポートするRLアルゴリズム

GRPOは報酬モデル不要でグループ相対報酬を使用します。PPOは標準的なCritic付きRLです。REINFORCEはシンプルなポリシーグラジェントで、ReMaxはPPOの軽量版です。

パフォーマンス特性

公式ベンチマーク(8×A100 80GB)での実測値:

  • Llama-3-8B + GRPO: 約2,000 tokens/sec/GPU
  • Qwen2.5-72B + GRPO: 約400 tokens/sec/GPU(16ノード)
  • メモリ効率: Actorのみ保持で参照モデルオフロード時 約30%削減

OpenRLHFとの使い分け

OpenRLHFはDeepSpeed/FSDPバックエンドとDP+ZeROを採用し7B〜70B規模を対象に使いやすさを重視します。一方veRLはMegatron-LM+vLLMでTP+PP+DP Hybridを採用し70B〜数百B規模を対象に大規模クラスタ最適化を重視します。どちらもApache 2.0ライセンスです。

まとめ

veRLはGRPOやPPOを使って大規模LLMをポストトレーニングするためのプロダクション品質のフレームワークです。ByteDanceの実運用ワークロードから生まれた設計で、特に70B以上のモデルへのRLを大規模クラスタで実行したい研究者・エンジニアにとって最有力の選択肢の一つです。

この記事について
カテゴリーAI・機械学習
難易度上級
作成日2026/6/7