VPI HW-17F(ブイピーアイエイチダブリュー17エフ)
米 VPI Industries が 1990 年に発売した民生プロ向けLPクリーニングマシン。スリットノズルで両面を同時に吸引する方式を採用し、米国の Audiophile コミュニティで定番機として長く使われてきた。
概要
VPI HW-17F は、米 VPI Industries(1980 年 New Jersey 創業)が 1990 年に発売した民生プロ向けの LP クリーニングマシンです。両面を同時に吸引できるスリットノズルと、業務級の耐久性を備えたスチール筐体が特徴で、米国の Audiophile コミュニティで長く定番機として使われてきました。
販売価格は当時 約 US$1,200(現代換算で 約 ¥250,000-350,000)、Vintage 完動品の中古相場は ¥80,000-180,000 程度です。後継機種として VPI HW-27 や Cyclone が販売されており、現在も VPI 社による純正サービスが継続しています。
主な特徴
- スリットノズル方式: 1 回の操作でレコードの両面を同時に吸引できる構造で、作業時間を短縮できます。
- 強力なバキューム: 産業用クラスの真空ポンプを内蔵し、洗浄液を素早く吸い取ります。
- 頑丈なスチール筐体: 業務利用にも耐える剛性があり、長時間運用しても歪みが少ない構造です。
- フェルトリップノズル: レコード盤面に直接触れる部分はフェルトで保護されており、盤面を傷つけにくい設計になっています。
- ターンテーブル駆動: 専用モーターでレコードを正確に回転させながら洗浄液を塗布できます。
仕様比較
| 製品 | 発売年 | メーカー | 方式 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| VPI HW-17F | 1990 | 米 VPI | 両面同時スリット吸引 | 業務級耐久性 |
| VPI HW-27 | 2010 | 米 VPI | スリット吸引(改良型) | HW-17F の後継 |
| Nitty Gritty Mini Pro 2 | 1990 | 米 Nitty Gritty | 両面同時スリット吸引 | 競合民生機 |
| Loricraft PRC4 | 1995 | 英 Loricraft | ポイントノズル吸引 | 業務用静音 |
使い方の流れ
- 専用洗浄液をブラシでレコード盤面に塗布する。
- ターンテーブルを回転させ、洗浄液を盤面全体に行き渡らせる。
- バキュームレバーを引き、スリットノズルで両面を同時に吸引する。
- 1 枚あたり 30-60 秒程度で完了する。
選び方・注意点
業務用途や中規模ショップでの大量洗浄を想定する場合は HW-17F または後継の HW-27 が適しています。家庭用ではより小型の Pro-Ject VC-S2 ALU や Nitty Gritty 系統が手頃です。35 年以上経過した個体ではバキュームポンプの劣化やフェルトリップの摩耗が起きやすいため、購入前にリップ交換とポンプ整備の状況を確認することをおすすめします。
関連用語との違い
| 用語 | 方式 | 主な用途 |
|---|---|---|
| VPI HW-17F | スリット吸引 | 業務〜民生プロ向け |
| Loricraft PRC4 | ポイントノズル吸引 | マスタリングスタジオ向け |
| Audio Desk Systeme | 超音波 | ハイエンド家庭用 |
| Pro-Ject VC-S2 | スリット吸引 | 入門・中級民生機 |
よくある質問
Q1. 1 枚あたりの洗浄時間はどのくらいですか? A. 洗浄液塗布から両面吸引までを含めて、おおむね 1 分前後で完了します。慣れれば 1 時間に 30-50 枚を処理できます。
Q2. 超音波式と比べてどちらが良いですか? A. 中古盤の指紋・皮脂など表面汚れの除去にはバキューム式の HW-17F で十分ですが、溝の奥深くに溜まったホコリまで落としたい場合は Audio Desk Systeme などの超音波式が有利です。両者を併用するユーザーもいます。
Q3. 保守部品は今でも入手できますか? A. VPI Industries が現役メーカーとして稼働しており、ノズルリップやベルト、洗浄液などの消耗品は今でも入手可能です。
まとめ
- 米 VPI Industries が 1990 年に発売した両面同時吸引方式の LP クリーニングマシン。
- スリットノズルとスチール筐体により、長時間の業務利用にも耐える耐久性を持つ。
- 当時 US$1,200、現在の中古相場は ¥80,000-180,000 程度。
- 米国 Audiophile コミュニティの定番機として長く使われ、現行モデル HW-27 へと引き継がれている。