Boston Audio Mat-1(ボストンオーディオマット1)
米 Boston Audio Design が 2005 年に発売したグラファイトカーボン製のターンテーブルマット。振動エネルギーを熱に変換する素材特性を活かし、ハイエンド Audiophile 向けに設計されている。
概要
Boston Audio Mat-1 は、米 Boston Audio Design(2003 年創業)が 2005 年に発売したグラファイトカーボン製のターンテーブルマットです。グラファイトという素材は内部摩擦が大きく、機械振動を熱に変換しやすい性質を持っています。Mat-1 はその特性を活かし、ターンテーブル再生時にプラッタとレコードの間で発生する不要な振動を吸収することを狙った設計になっています。
販売価格は当時 US$300 程度、現在も同社直販で US$350-400 前後の価格帯で販売が続いています。日本では一部のオーディオ専門店が並行輸入を扱っています。
主な特徴
- グラファイトカーボン素材: 高密度グラファイトをプレスして成形した板状のマットで、独特のしっとりとした手触りがあります。
- 高い内部損失: 振動を熱に変換する内部摩擦が大きく、共振ピークの平坦化に寄与します。
- 厚さ約 3mm: 純正のフェルト/ゴムマットと近い厚みで、VTA の再調整負担が比較的小さくなっています。
- 静電気の影響を受けにくい: 導電性のあるカーボン素材のため、盤面に静電気が溜まりにくくホコリ吸着が抑えられます。
- 経年劣化が少ない: ゴムやフェルトのように形状が変化しにくく、長期使用に耐えます。
仕様比較
| 製品 | 素材 | 厚み | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| Boston Audio Mat-1 | グラファイトカーボン | 約 3mm | US$300-400 |
| Boston Audio Mat-2 | カーボン強化複合 | 約 5mm | US$500 前後 |
| Funk Firm Achromat | アクリル発泡体 | 5mm | £100 前後 |
| TechDAS Air Mat | エアサスペンション | 8mm | ¥80,000 |
使い方
- ターンテーブルから純正マットを取り外す。
- プラッタに直接 Mat-1 を載せる(センタースピンドル穴が一致する向きに置く)。
- レコードを乗せ、必要に応じて VTA を再調整する。
選び方・注意点
純正マットがフェルト系のターンテーブル(Linn LP12、Rega 等)に Mat-1 を導入すると、不要振動の減衰が分かりやすく音色がタイトになります。一方、純正マットがゴム製で十分に重い機種(VPI、Pro-Ject の高級モデル等)では効果が小さい傾向があります。グラファイトの粉末が表面に付着する場合があるため、定期的に乾いたマイクロファイバークロスで拭き取るのが基本的なメンテナンスです。
関連用語との違い
| 用語 | 素材 | 主な狙い |
|---|---|---|
| Boston Audio Mat-1 | グラファイトカーボン | 振動エネルギーを熱に変換 |
| Funk Firm Achromat | アクリル発泡体 | 機械的共振の打ち消し |
| SAEC SS-300 | 銅メッシュ | 静電気の逃がし + 振動制御 |
| Linn Felt Mat | フェルト | 軽量・LP12 純正バランス重視 |
よくある質問
Q1. グラファイトカーボン素材はレコードを傷つけませんか? A. 表面は研磨されているため、レコード盤面とは滑らかに接します。粉末がわずかに付着することはありますが、傷の原因にはなりません。
Q2. どのターンテーブルに最も合いますか? A. アルミやガラス製のプラッタを持つ機種で効果が分かりやすい傾向があります。LP12 のようなフェルト純正の機種でも、音色傾向を変える用途で導入する Audiophile が多いです。
Q3. Mat-2 との違いは何ですか? A. Mat-2 は厚みが増し、複合素材を使った上位モデルです。低域の制動感がさらに強くなりますが、VTA の再調整幅も大きくなります。
まとめ
- 米 Boston Audio Design が 2005 年に発売したグラファイトカーボン製ターンテーブルマット。
- 振動を熱に変換する素材特性を活かし、共振の少ない再生を狙う。
- 価格は US$350-400 前後、現在も新品流通中。
- アルミ/ガラス系プラッタとの組み合わせで効果が分かりやすい。