Cable Certification(ケーブルサーティフィケーション)
TIA-568やISO/IEC 11801などの国際規格に準拠してネットワークケーブルの性能を認証試験すること。認証テスター(Certifier)を用いて挿入損失・NEXT・ACR等のパラメータを測定し、PASS/FAIL判定と認証レポートを発行する。
Cable Certificationとは
Cable Certification(ケーブルサーティフィケーション / ケーブル認証)は、構造化ケーブリングシステムが国際規格の性能要件を満たしていることを測定・証明するプロセスである。新規ネットワーク配線工事の完了検査、既存配線のアップグレード検証、トラブルシューティングの最終確認として実施される。
認証試験の結果はPASS/FAILの明確な判定で出力され、施工業者からクライアントへの品質保証書として機能する。メーカー延長保証(例: CommScope 25年保証、Panduit 25年保証)の取得条件にもなっている。
認証規格
TIA-568(北米規格)
米国のTelecommunications Industry Associationが策定する構造化ケーブリング規格。現行はTIA-568-D(2023年改訂)。
| サブ規格 | 対象 |
|---|---|
| TIA-568.2-D | 平衡ツイストペアケーブル(Cat 5e〜Cat 8) |
| TIA-568.3-D | 光ファイバーケーブル |
| TIA-568.5 | PoE配線要件 |
ISO/IEC 11801(国際規格)
ISOとIECが共同で策定する国際的な構造化ケーブリング規格。TIA-568と互換性があるがパラメータの定義が一部異なる。欧州・アジアでは主にこちらが参照される。
テストモデル
認証試験には2つのテストモデルがある。
| モデル | 測定範囲 | 用途 |
|---|---|---|
| Permanent Link | 壁面アウトレット〜パッチパネル間の固定配線 | 施工品質の認証 |
| Channel | パッチコードを含む全経路 | 運用環境の認証 |
Permanent Linkモデルは施工業者の責任範囲を明確にするため、新規工事の完了検査で主に使用される。
測定パラメータ
Cat 6A(TIA-568.2-D)の認証試験では以下のパラメータを測定する。
| パラメータ | 説明 | Cat 6A基準(100m, 500MHz) |
|---|---|---|
| Insertion Loss | 信号の減衰量 | ≤ 35.9dB |
| NEXT | 近端漏話減衰量 | ≥ 33.1dB |
| PS-NEXT | パワーサム近端漏話 | ≥ 30.2dB |
| ACR-F | 遠端漏話減衰比 | ≥ 14.1dB |
| PS-ACR-F | パワーサム遠端漏話減衰比 | ≥ 11.2dB |
| Return Loss | 反射損失 | ≥ 12.0dB |
| Propagation Delay | 伝搬遅延 | ≤ 555ns |
| Delay Skew | ペア間遅延差 | ≤ 50ns |
すべてのパラメータが基準を満たせばPASS、1つでも逸脱すればFAILとなる。マージン(基準値からの余裕度)がレポートに記録される。
認証テスターの主要製品
| 製品 | メーカー | 対応規格 | 価格帯 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| DSX-8000 | Fluke Networks | Cat 8/Class II | ¥1,500,000〜 | 業界標準、2GHz帯域 |
| DSX-5000 | Fluke Networks | Cat 6A/Class EA | ¥800,000〜 | 500MHz、コストパフォーマンス |
| SignalTEK NT | IDEAL/Softing | Cat 6A/Class EA | ¥300,000〜 | 10GbE性能検証、中価格帯 |
| WireXpert 4500 | Softing | Cat 8/Class II | ¥1,200,000〜 | タッチスクリーン、高速テスト |
| LanTEK IV-S 3000 | IDEAL | Cat 8 | ¥900,000〜 | 3GHz帯域、将来対応 |
認証レポートの活用
認証テスターはテスト結果をデジタル保存し、PDFまたはCSV形式でエクスポートできる。
- Fluke LinkWare Live — クラウドベースのレポート管理。現場テスターからリアルタイムにアップロード、プロジェクト管理者がブラウザで確認可能
- IDEAL AnyWARE Cloud — SignalTEKシリーズ対応のクラウドレポートプラットフォーム
認証レポートの保管期間はメーカー保証の期間(通常15-25年)と合わせるのが一般的である。
FAQ
Q: 認証試験は誰が実施すべきですか?
A: 施工業者(配線工事会社)が実施し、クライアントにレポートを提出するのが一般的。第三者認証が必要な場合はBICSI(Building Industry Consulting Service International)認定技術者が実施する。
Q: Cat 6Aの認証テスターでCat 5eのテストもできますか?
A: 可能。上位規格のテスターは下位規格のテストプロファイルも内蔵している。DSX-8000は Cat 3からCat 8まですべてに対応する。
Q: 認証テスターのキャリブレーション(校正)は必要ですか?
A: 年1回の工場キャリブレーションが推奨される。Fluke DSXシリーズの校正費用は¥50,000-80,000程度。校正切れのテスターで発行した認証レポートは無効とみなされる場合がある。