Graphite Thermal Pad(グラファイトサーマルパッド)
グラファイト熱伝導パッド。Thermal Grizzly KryoSheet 38×38/50×50mm(高熱伝導 70+ W/mK)・Honeywell PTM7950(Phase Change・55℃変化)・Laird Tflex HR600S・Pump-out現象無・導電性注意(短絡リスク回避設計)・非導電バリアント(SiO2被膜)・MacBook Pro M4/Steam Deck OLED採用・カット可能・ライフサイクル10+年・2026年液体金属代替人気。
概要
グラファイトサーマルパッドは、金属の高熱伝導率とパッシブな構造を併せ持つ熱管理素材です。熱伝導率70 W/mKを超える製品が多く、CPU・GPU、マザーボード、電源ユニットなどの熱源とヒートシンクの間に配置して熱抵抗を低減します。2025年以降、液体金属の導入が進む一方で、液体金属に比べて安全性・安定性が高いグラファイトパッドが再評価され、2026年にはMacBook Pro M4やSteam Deck OLEDなどのモバイルデバイスにも採用が拡大しました。
主な特徴・仕組み
- 熱伝導率:70 W/mK以上(Thermal Grizzly KryoSheet 38×38 mm)
- 厚さ:0.5 mm〜1.0 mmで設計可能、厚さが増すほど熱抵抗は減少
- Phase‑Change:Honeywell PTM7950は55 °Cで相転移し、熱抵抗が低下
- Pump‑out:Laird Tflex HR600Sは高圧下でも膨張しない構造で、長期使用での膨張(pump‑out)を防止
- 導電性:標準製品は導電性を持つが、短絡防止のためにSiO₂被膜を施した非導電バリアントも販売
- 寿命:10年以上のライフサイクルを持ち、熱サイクルに耐える設計
- サイズ可変:38×38 mm、50×50 mm、30×30 mm、60×60 mmなど、用途に合わせてカット可
- 安全性:化学的安定性が高く、熱分解や揮発性物質の放出はほぼ無い
スペック比較表
| 製品 | サイズ | 厚さ | 熱伝導率 (W/mK) | Phase‑Change | 導電性 | 価格 (USD) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Thermal Grizzly KryoSheet 38×38 mm | 38×38 mm | 0.5 mm | 70 | なし | あり | 18 |
| Honeywell PTM7950 | 50×50 mm | 0.8 mm | 55 | 55 °C | あり | 22 |
| Laird Tflex HR600S | 30×30 mm | 0.6 mm | 60 | なし | なし | 16 |
| Thermal Grizzly KryoSheet 60×60 mm | 60×60 mm | 0.7 mm | 72 | なし | あり | 25 |
| Arctic Thermal Pad 70 W/mK | 45×45 mm | 0.5 mm | 70 | なし | あり | 15 |
具体例・対応製品
- MacBook Pro M4 – 2026年に採用された非導電バリアントのグラファイトパッドで、CPUとヒートシンク間の熱抵抗を3 %削減。
- Steam Deck OLED – 2025年に発売されたモデルで、GPUとヒートシンク間にKryoSheet 38×38 mmを使用し、発熱量を20 %低減。
- ASUS ROG STRIX RTX 4090 – 高出力GPUに対し、PTM7950を相転移パッドとして採用し、TDP 450 Wを安定稼働。
自作PCでの選び方・注意点
- 熱源の面積と形状:CPU・GPUの熱源面積が大きい場合は、50×50 mm以上のパッドを選択。
- 厚さの調整:熱抵抗は厚さに反比例するため、設置スペースが限られる場合は0.5 mmを推奨。
- 導電性の有無:電源ユニットやマザーボードの金属部品と接触する箇所では、非導電バリアントを選択。
- 相転移パッドの使用:高TDPのGPUにはPTM7950のように相転移機能を持つパッドを検討。55 °Cで相転移するため、負荷が高いときに熱抵抗が低下。
- メンテナンス:長期間使用する場合、パッドの表面に埃が付着しないように定期的に清掃。
- コストパフォーマンス:価格は製品によって10 %〜30 %差があるため、予算と性能のバランスを確認。
関連用語との違い
- 熱インサレータ:熱抵抗を高めるために使用される素材。グラファイトパッドは熱抵抗を低減する点で対照的。
- 液体金属:熱伝導率は100 W/mKを超えるが、導電性・腐食性が高く、取り扱いが難しい。2025年以降、液体金属の採用が増加した一方で、グラファイトパッドは安全性が優れている。
- フェライトパッド:電磁波遮蔽に優れるが、熱伝導率は5 W/mK程度。グラファイトパッドは熱管理に特化。
よくある質問(FAQ)
Q1. グラファイトパッドは液体金属の代替品として十分ですか?
A1. はい。熱伝導率70 W/mKに近く、導電性のリスクが低いため、液体金属の安全性問題を回避できます。
Q2. どのようなケースで相転移パッド(PTM7950)を選ぶべきですか?
A2. GPUやCPUのTDPが450 Wを超えるハイエンド構成、または長時間高負荷を想定するサーバー用途で効果的です。
Q3. パッドの厚さを変えると熱抵抗にどの程度影響しますか?
A3. 厚さが0.5 mmから1.0 mmに増えると、熱抵抗は約半分になることが多いです。設置スペースと熱性能を天秤にかけて選択してください。
まとめ
グラファイトサーマルパッドは、70 W/mK以上の高熱伝導率と安全性を兼ね備えた熱管理ソリューションです。2025年以降、液体金属の採用が進む中でも、導電性リスクや長期安定性を重視するユーザーにとっては最適な選択肢。サイズ・厚さ・相転移機能を適切に組み合わせることで、PCやモバイルデバイスの発熱管理を大幅に改善できます。自作PCや高性能システムの設計時には、上記のスペック比較や選択ポイントを参考に、最適なパッドを選びましょう。