サーマルグリス(サーマルグリス)
CPU/GPUとヒートシンク間の熱伝導率を上げる熱伝導材。Arctic MX-6(8.5 W/m・K)・Thermal Grizzly Kryonaut(12.5 W/m・K)・PTM7950(13 W/m・K)が代表で、液体金属(73 W/m・K)は上級者向け。
概要
サーマルグリスは、CPUやGPUとヒートシンクの接触面に塗布することで熱抵抗を低減し、熱伝導率を向上させる熱伝導材です。主に半導体の発熱量が増大した現在、冷却効率を最大化するために不可欠なアイテムとなっています。代表的な製品としては、Arctic MX‑6(8.5 W /m·K)、Thermal Grizzly Kryonaut(12.5 W /m·K)、PTM7950(13 W /m·K)が挙げられ、液体金属(73 W /m·K)は高温環境やオーバークロックを行う上級者向けです。
主な特徴・仕組み
- 熱抵抗の低減
接触面に空気や不純物が残ると熱抵抗が増加します。サーマルグリスはこれらを埋め、熱伝導路を確保します。 - 熱伝導率の差
低い値(8.5 W /m·K)から高い値(13 W /m·K)まで幅広く存在し、使用環境に応じて選択が可能です。 - 安定した熱特性
70 °C以上の温度でも性能が落ちにくく、長期使用に耐えます。 - 液体金属の特殊性
73 W /m·Kという極端な高熱伝導率を持ちますが、導電性が高いため配線に注意が必要です。 - 環境適応性
低温から高温まで使用でき、特に2025年に登場した次世代CPUは発熱が増大するため、より高性能なグリスが求められます。
スペック/製品比較表
| 製品名 | 熱伝導率 (W /m·K) | 推奨温度範囲 | 粘度 | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|
| Arctic MX‑6 | 8.5 | 25 °C〜120 °C | 中 | 1,200円 |
| Thermal Grizzly Kryonaut | 12.5 | 25 °C〜120 °C | 低 | 2,500円 |
| PTM7950 | 13 | 25 °C〜120 °C | 低 | 3,000円 |
| Liquid Metal (GaInSn) | 73 | 25 °C〜120 °C | 高 | 4,500円 |
| Arctic MX‑4 | 7.5 | 25 °C〜120 °C | 中 | 1,000円 |
具体例・対応製品
- CPU
- Intel Core i9‑13900K(TDP 125 W)
- AMD Ryzen 9 7950X(TDP 170 W)
- Apple M2 Ultra(TDP 70 W)
- GPU
- NVIDIA RTX 4090(TDP 450 W)
- AMD Radeon RX 7900 XTX(TDP 300 W)
- マザーボード
- ASUS ROG Strix X670E‑E Gaming WiFi
- MSI MPG B650 Carbon Wi‑Fi
- ストレージ
- Samsung 990 Pro 2TB(NVMe PCIe 4.0)
- Seagate FireCuda 530 1TB(PCIe 4.0)
- 冷却システム
- Corsair H150i Pro(水冷)
- Noctua NH‑D15(空冷)
自作PCでの選び方・注意点
- 熱負荷を確認
CPUやGPUのTDPを基に、冷却性能を見積もります。 - 熱伝導率と粘度のバランス
高い熱伝導率でも粘度が高いと塗布が難しい場合があります。 - 液体金属の導電性
配線に接触しないように注意し、金属部品は絶縁処理が必要です。 - 使用温度範囲
2026年に発表される次世代チップは120 °Cを超える場合もあるため、耐熱性を確認します。 - 価格とコストパフォーマンス
高価な製品ほど熱伝導率が高いとは限りません。 - 塗布量
過剰に塗ると熱抵抗が増えるため、薄く均一に塗布します。 - メンテナンス頻度
3〜5年ごとに塗り直すことで性能を維持できます。 - 互換性
ヒートシンクのサイズや設計に合わせて選びます。
関連用語との違い
- サーマルパッド
厚さが一定で、熱伝導率は通常1–5 W /m·K。薄い部品に適しています。 - サーマルペースト
グリスと同義語で、主に一般用語として使われます。 - 液体金属
高熱伝導率を持つが、導電性が高く配線に注意。 - 熱シンク
CPUやGPUの熱を放散する金属部品。グリスはその接着面に使用します。
よくある質問(FAQ)
Q1: サーマルグリスはどのくらいの頻度で塗り直すべきですか?
A1: 3〜5年を目安に、熱負荷や環境条件によってはそれより早めに再塗布が推奨されます。
Q2: 液体金属は必ずしも必要ですか?
A2: 低〜中程度の発熱量なら一般的なグリス(MX‑6やKryonaut)で十分です。高温環境やオーバークロックを行う場合にのみ検討してください。
Q3: サーマルグリスの塗布方法にコツはありますか?
A3: 1mm四方の小さな円をヒートシンクの中心に置き、軽く広げるだけで十分です。過剰に塗ると逆に熱抵抗が増します。
まとめ
サーマルグリスは、CPUやGPUとヒートシンク間の熱抵抗を劇的に低減し、冷却効率を最大化するための不可欠なアイテムです。2025年に登場した次世代チップは発熱量が増大しているため、熱伝導率が高い製品(Kryonaut、PTM7950)を選択することで安定した動作が期待できます。液体金属は極端な高熱伝導率を誇りますが、導電性と塗布難易度を考慮すると、一般ユーザーには通常のグリスが最適です。自作PCを構築する際は、TDPや使用温度、価格帯を総合的に判断し、適切なグリスを選びましょう。