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    【2026年】Collabora Online 構築ガイド|LibreOffice ベースのオンラインオフィス

    自作.com編集部·2026年4月11日·更新: 2026年10月15日

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    目次

    Collabora Online とは:LibreOffice ベースの次世代オンラインオフィスコストとライセンスの選択:CODE と Enterprise の違いを理解するDocker Compose によるインストール準備と環境要件Docker Compose デプロイと起動:設定ファイルの詳細解説リバースプロキシ設定と SSL/TLS の構築Nextcloud / ownCloud 等との連携設定と WOPI プロトコルフォント追加とカスタマイズ:日本語表示の問題解決ONLYOFFICE との比較検討:機能と互換性の違い実運用におけるトラブルシューティングと運用 Tipsまとめと今後の展望:セルフホスト Office の重要性よくある質問(FAQ)

    Collabora Online とは:LibreOffice ベースの次世代オンラインオフィス

    Collabora Online は、オープンソースオフィススイートである LibreOffice をベースに構築された、ブラウザ上で動作するドキュメント作成・編集ソフトウェアです。2026 年時点において、企業のデータプライバシー保護やコスト削減の観点から、クラウド型サービスに依存しないセルフホスト型の Office ソリューションの需要が高まっています。Google ドキュメントや Microsoft 365 は便利ですが、データの保存場所が外部のサーバーにあり、サブスクリプション費用が発生する点が課題となります。Collabora Online を導入することで、自社のサーバー上で完結したドキュメント処理環境を構築でき、機密情報の漏洩リスクを最小限に抑えつつ、Microsoft Office と高い互換性を維持することが可能です。

    このソリューションの最大の特徴は、WOPI(Web Applications Open Platform Interface)プロトコルを活用している点です。WOPI は、ドキュメントホストサーバーとクライアントアプリケーション間の安全な通信を定義するマイクロソフト由来のプロトコルですが、Collabora Online はこれをオープンソースコミュニティによって忠実に実装しています。これにより、Nextcloud や ownCloud といったファイル管理システムとシームレスに連携し、ブラウザから直接ドキュメントを開いて編集、保存、そして他のユーザーとの共同編集を可能にします。2024 年以降のバージョンである Collabora Online 24.x では、UI のモダン化、パフォーマンスの最適化、そして AI 機能の統合など、実用性を高めるための継続的な改良が施されています。

    導入形態としては、主に「Development Edition(CODE)」と「Enterprise Edition」の 2 つが存在します。CODE は無料で誰でも利用可能なバージョンですが、商用利用や特定の機能制限があります。一方、Enterprise 版は有料ですが、公式サポートが付帯し、より高度なセキュリティ機能や管理機能が提供されます。本ガイドでは、Docker を活用したセルフホスト環境での構築方法を詳細に解説し、特に Nextcloud 30 や ownCloud との連携設定に焦点を当てます。また、SSL/TLS の設定方法やフォントの追加など、実運用で直面する課題に対する具体的な解決策も提示します。

    コストとライセンスの選択:CODE と Enterprise の違いを理解する

    Collabora Online を導入する際に最初に考慮すべきは、どのバージョンを選択するかという問題です。開発者コミュニティによって提供されている「Collabora Online Development Edition(通称 CODE)」は、事実上無料で利用できます。これは、Open Source Initiative による定義に従い、ソースコードが公開されており、誰でもフォークや修正を加えることができます。しかし、無料版には明確な制限があります。最大の制限として、「同時接続数」が 20 人までと設定されています。これは、一つの Collabora Online インスタンスに同時にアクセスして編集できるクライアントの最大数を指します。小規模なチームや個人利用であれば問題ありませんが、大企業や学生が多い環境ではこの制限がボトルネックとなる可能性があります。

    対照的に、「Collabora Office Enterprise」は有料ライセンスであり、商用サポートを含んだパッケージです。2026 年時点でのエンタープライズ版の料金は、ユーザー数や契約期間に応じて変動しますが、通常は年間ライセンスとして提供されます。Enterprise 版には、無制限に近い同時接続数のサポートが含まれるため、大規模な導入において安定したパフォーマンスを確保できます。また、セキュリティパッチの適用速度や、障害発生時の対応スピードに違いがあります。CODE 版ではコミュニティフォーラムでの相談が必要になることがありますが、Enterprise 版では専用サポーターが設けられており、SLA(サービスレベルアグリーメント)に基づく保証が得られます。

    さらに、機能面での差異も考慮する必要があります。Enterprise 版には、高度な権限管理機能や監査ログの強化、そして Microsoft Office ファイルとの完全な互換性を保つためのプロプライエタリコンポーネントの一部が含まれている場合があります。また、2026 年現在では、AI による文章要約や文書生成支援機能が標準搭載される傾向にありますが、これらの高度機能も Enterprise ライセンスの対象となるケースが多いです。以下は CODE と Enterprise の主な違いを整理した比較表です。

    特徴Collabora Online Development Edition (CODE)Collabora Office Enterprise
    ライセンスオープンソース(AGPL)商用ライセンス

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    同時接続数制限20 人まで無制限または契約内容による
    サポート体制コミュニティフォーラムのみ公式サポート、SLA 対応
    セキュリティ更新公開後随時提供優先的なパッチ適用
    高度機能基本機能中心AI 支援機能や監査ログ強化含む

    Docker Compose によるインストール準備と環境要件

    Collabora Online を構築するための最も効率的で推奨される方法は、Docker コンテナの活用です。Docker を使用することで、依存関係のあるライブラリやミドルウェアをコンテナ内で完結させられ、ホスト OS の汚染を防ぎつつ、バージョンアップも容易になります。まず、サーバー環境としての要件を確認する必要があります。Collabora Online は LibreOffice 内核を使用しているため、それなりの計算資源を必要とします。2026 年時点での推奨スペックとして、最低でも CPU コア 4 個、メモリ 8GB が目安となります。これは、複数のドキュメント編集を同時に行う場合の安定動作を保証するための数値です。

    メモリ使用量は、LibreOffice の特性上、ドキュメントを開くたびにプロセスが起動し、メモリを消費します。したがって、単にハードウェアスペックだけでなく、Docker コンテナのリソース制限設定も重要です。docker-compose.yml ファイル内で mem_limit や cpus を適切に指定することで、システム全体のパフォーマンス低下を防ぐことができます。また、ストレージについては、ドキュメントのキャッシュやテンプレートファイルを保存する領域が必要です。SSD へのインストールは必須であり、HDD 上での動作は遅延が大きく、ユーザー体験を著しく損なうため避けるべきです。

    ネットワーク環境についても準備が必要です。Collabora Online は WebSocket 接続を多用するため、ポートの開放設定が重要になります。通常、80/443 ポートはリバースプロキシ(Nginx や Apache)が担当し、Collabora コンテナ自体には内部宛ポート(例:9980)のみを開けば十分です。また、Docker のインストールバージョンは最新安定版を使用することが推奨されます。Ubuntu 24.04 LTS または Debian 12 ベースのサーバーが最も互換性が高く、トラブルが少なくなります。Windows や macOS の場合も Docker Desktop で動作しますが、本番環境での運用には Linux サーバーを強く推奨します。

    Docker Compose デプロイと起動:設定ファイルの詳細解説

    実際の導入手順では、docker-compose.yml ファイルの作成が中心となります。このファイルは、Collabora Online コンテナの定義、リソース割り当て、そして重要な環境変数の設定を行います。ここでは標準的な構成を例に挙げます。まず、イメージとして collabora/code:latest を指定しますが、特定のバージョン(例:24.x)を固定する場合はタグを指定します。これにより、アップデートによる不具合を回避し、安定した運用を実現できます。環境変数では、HOSTNAME にサーバーのドメイン名や IP アドレスを、DOMAIN には WOPI ルートとして使用される URL を設定する必要があります。

    さらに、セキュリティ強化のために ALLOWED_HOSTS の設定が重要です。これは、Collabora Online がどのホストからのリクエストを受け付けるかを制限する機能です。ALL と指定するとすべてのアクセスを許可してしまいますが、特定のドメイン名のみをホワイトリストに追加することで、不正な外部からの接続を防げます。また、パスワード管理については、環境変数で直接設定することも可能ですが、セキュリティリスクが高まるため、.env ファイルや Docker Secrets の活用を検討すべきです。特に ADMIN_PASSWORD は必須であり、管理画面へのアクセス制御に関わります。

    コンテナの起動後は、ステータスを確認することが重要です。docker ps コマンドでコンテナが「Up」状態にあるか確認し、ポートが正しく開放されているかをチェックします。もし起動しない場合は、ログを docker logs <container_id> で確認してエラー内容を読み解く必要があります。よくある問題として、メモリ不足による OOMKilled や、許可されていないポートでの接続拒絶などがあります。また、LibreOffice 内核の初期化には数秒かかるため、ブラウザからアクセスしても即座に画面が表示されない場合がありますが、これは正常な挙動です。以下は、基本的な docker-compose.yml の構成例を示します。

    services:
      collabora:
        image: collabora/code:24.04
        container_name: collabora-office
        restart: always
        network_mode: "bridge"
        ports:
          - "9980:9980" # 内部アクセス用ポート
        environment:
          - domain=docs.example.com
          - server_name=CoolServer
          - extra_params=--o:ssl.enable=false
          - password=securepassword123 # 管理用パスワード
          - alias_domain=localhost,localhost:9980
        volumes:
          - /var/lib/collabora:/etc/cool
    volumes:
      cool-data:
    

    リバースプロキシ設定と SSL/TLS の構築

    本番環境で Collabora Online を公開する際、リバースプロキシの設定は必須です。直接 Docker ポートにアクセスすることはセキュリティ上危険であり、HTTPS による暗号化通信を行う必要があります。最も一般的な設定として Nginx の構成を紹介します。Nginx は高いパフォーマンスと柔軟性を持つため、Collabora Online との相性が良好です。まず、/etc/nginx/sites-available/collabora.conf などのファイルを作成し、WebSocket 転送の設定を含めたプロキシルールを記述します。特に重要なのは Upgrade ヘッダーと Connection ヘッダーの設定であり、これらが適切でないとブラウザ側のリアルタイム編集機能が動作しません。

    SSL/TLS の証明書については、Let's Encrypt を使用した自動更新が最も手軽です。Certbot を利用することで、ドメイン検証を行いながら SSL 証明書の発行から更新までの自動化を実現できます。Nginx と連携している場合は certbot --nginx コマンドで設定を修正し、自動的に HTTPS 化が完了します。ただし、Collabora の内部処理では HTTP も必要となる場合があるため、リバースプロキシ側での proxy_pass を https://localhost:9980 ではなく、内部ポートへの接続として適切に設定する必要があります。Caddy サーバーを使用する場合は、Caddyfile で reverse_proxy ディレクティブを記述するだけで自動 HTTPS が有効になるため、より簡易な導入が可能です。

    セキュリティの観点から、SSL セキュリティレベルの設定も重要です。Nginx 設定ファイル内で ssl_protocols TLSv1.2 TLSv1.3; と明示し、古いプロトコルを無効化します。また、強度のある暗号スイートを指定することで、中間者攻撃のリスクを低減できます。Collabora コンテナ自体にも、外部からの直接アクセスを防ぐため、Nginx の後ろに配置することが鉄則です。つまり、サーバーのファイアウォール設定において、9980 ポートへの外部公開は制限し、Nginx が担当する 443 ポートのみにアクセスを許可するようにします。このように多層的な防御を施すことで、外部からの悪意のある攻撃を効果的に防ぎます。

    Nextcloud / ownCloud 等との連携設定と WOPI プロトコル

    Collabora Online の真価は、ファイル管理システム(CMS)との連携にあります。Nextcloud 30 や ownCloud などと組み合わせることで、オンラインドキュメント編集機能を追加できます。この連携には「WOPI 接続」の設定が必須となります。Nextcloud の場合、設定画面で「App Store」から Collabora Online アプリをインストールし、サーバー URL を入力するだけで基本的な連携は完了します。しかし、自前で Docker で構築している場合、Nextcloud にて「外部ドキュメントサーバー」としての登録が必要になります。具体的には、Collabora 側の WOPI ルート(例:https://docs.example.com/hosting/discovery)を指定する必要があります。

    接続設定が正常に行われたか確認するには、ファイルを開いて編集画面が表示されるかを試すのが確実です。もしエラーが出る場合、最も多い原因は SSL 証明書や CORS(Cross-Origin Resource Sharing)の設定ミスです。Collabora コンテナ内で ALLOWED_HOSTS が正しく設定されているか、あるいは Nginx の設定で Access-Control-Allow-Origin ヘッダーが適切に返されているかをチェックします。また、Nextcloud と Collabora の時間同期も重要であり、サーバー間のシステムクロックのズレが生じているとトークン認証に失敗することがあります。NTP による時刻同期設定を両方のサーバーで行っておくことが推奨されます。

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    他のシステムとの連携についても触れておきます。Seafile や Moodle などでも WOPI プロトコルに対応しており、Collabora Online を利用可能です。Moodle の場合、学習管理プラットフォーム上で直接ドキュメントを作成・提出できるため、教育現場での活用が期待されます。XWiki などの Wiki システムとも連携可能ですが、設定手順はシステムごとに異なります。以下は主要なシステムとの連携における特徴をまとめた表です。

    連携先連携方法主な用途注意点
    Nextcloudアプリインストール + WOPI URL一般ファイル共有・編集SSL 設定の整合性が最重要
    ownCloud外部リソース設定コーポレートファイル管理セキュリティトークンの期限管理
    Moodleプラグイン連携教育課題提出・共同執筆ユーザー権限のマッピング確認
    SeafileWebDAV + WOPI大規模ドキュメント保管データ暗号化設定の互換性確認

    フォント追加とカスタマイズ:日本語表示の問題解決

    Collabora Online を運用する際、最も頻繁に発生するのがフォント表示に関する問題です。LibreOffice ベースであるため、デフォルトではシステム標準のフォントのみが使用可能です。特に日本語ドキュメントを扱う場合、ヒラギノ角ゴや游ゴシックなどの適切な日本語フォントが必須となります。これを Docker コンテナ内に追加するには、コンテナの起動時にホスト OS のフォントディレクトリをマウントするか、Docker イメージ内でフォントファイルをコピーする必要があります。後者の方法が推奨されます。

    具体的な手順としては、まず Docker Compose 設定で volumes に /usr/share/fonts を指定し、外部からフォントファイルをコンテナ内に読み込む構成にします。例えば、./fonts:/etc/collabora/fonts のようにマウントパスを定義します。その後、コンテナ内で fc-cache -fv コマンドを実行してキャッシュを更新します。これにより、Collabora Online 上で日本語フォントを選択可能になります。また、カスタムフォントを使用する場合は、ライセンスに抵触しないものを選ぶ必要があります。

    さらに、UI のカスタマイズとして、テーマの変更やツールバーの非表示なども可能です。環境変数 extra_params を使用して、パラメータを渡すことで設定を変更できます。例えば、--o:ui_mode=compact と指定することでツールバーを簡素化し、画面効率を向上させることができます。ただし、過度なカスタマイズはアップデート時に影響を受ける可能性があるため、保守性を考慮して慎重に行う必要があります。フォントの追加だけでなく、ロゴやブランドカラーのカスタマイズも Enterprise 版であれば公式にサポートされていますが、CODE 版では自己責任での実装となります。

    ONLYOFFICE との比較検討:機能と互換性の違い

    オンラインオフィスソリューションを選ぶ際、Collabora Online の最大のライバルは「ONLYOFFICE」です。ONLYOFFICE も同様にセルフホストが可能で、高品質な編集環境を提供しています。しかし、両者には明確な違いがあります。Collabora Online は LibreOffice ベースであり、LibreOffice で保存したドキュメントとの互換性が極めて高いです。一方、ONLYOFFICE は独自エンジンを使用しており、Microsoft Office ファイル(docx, xlsx)との形式互換性において、多少のレイアウト崩れが起きることがあります。

    2026 年時点での機能比較では、Collabora Online の UI はモダン化が進みましたが、依然として LibreOffice の雰囲気を色濃く残しています。これは、従来の Office ユーザーにとって馴染みやすく、学習コストが低いというメリットがあります。対して ONLYOFFICE の UI は、Microsoft Word に非常に近いデザインで、直感的に操作しやすいですが、複雑なレイアウトを持つドキュメントの編集においては LibreOffice 内核の方が安定している場合があります。また、同時編集機能においても、Collabora Online は WebSocket を使用したリアルタイム同期が高速であり、大量のデータ更新時にも追従性が高いことが報告されています。

    下表は、主要なオンラインオフィスツールとの比較です。これらを参考にして、自社の運用方針に最適な選択を行ってください。

    比較項目Collabora Online (CODE)ONLYOFFICE Desktop EditorsGoogle DocsMS Office Online
    ベースLibreOfficeOnlyOffice EngineGoogle NativeMicrosoft Office
    ファイル互換性高(odt, docx)中〜高(docx, odt)低(gdocs 推奨)最高(office 形式)
    同時編集WebSocket 高速同期良好非常に良好良好
    オフライン利用制限あり制限あり不可制限あり
    ライセンスオープンソース/商用商用/オープンクラウド型サブスクリプション
    セルフホスト可能可能不可不可(Office 365)

    実運用におけるトラブルシューティングと運用 Tips

    導入後、Collabora Online を安定して運用するために必要となるのがトラブルシューティングの知識です。コンテナが起動しても画面が表示されない場合、まずは docker logs collabora-office でログを確認します。エラーメッセージとして Failed to start や Connection refused が出た場合、内部プロセスの不具合やポート競合を疑います。また、メモリ不足でプロセスがクラッシュする場合は OOMKilled というログが出力されます。この際は、コンテナのメモリ制限を増やすか、サーバー自体のリソースを拡張する必要があります。

    ドキュメントの保存に失敗する場合、Nextcloud 側との連携エラーが考えられます。WOPI トークンの有効期限や権限設定を確認します。具体的には、ユーザーアカウントがファイルに対して「書き込み権限」を持っているかを Nextcloud 側で再確認してください。また、特定のファイル形式(例:古い xls ファイル)が開けない場合は、LibreOffice のバージョン更新が必要です。Collabora Online は定期的なアップデートが提供されており、セキュリティホール対策として最新版への適用が不可欠です。

    運用 Tips として、バックアップの重要性を強調します。Docker コンテナ自体はリブートで復旧可能ですが、設定ファイルやカスタムフォント、ユーザーデータは永続化ボリュームに保存する必要があります。docker cp を使用して重要データを外部へコピーするスクリプトを作成し、定期的な実行を cron で自動化するなどの対策を講じます。また、モニタリングツールの導入も推奨します。Prometheus と Grafana を組み合わせて、CPU 使用率やメモリ使用量、WebSocket の接続数を可視化することで、ボトルネックを事前に察知することが可能になります。

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    まとめと今後の展望:セルフホスト Office の重要性

    Collabora Online の構築ガイドを通じて、LibreOffice ベースのオンラインオフィス環境を自前で構築する方法について解説しました。2026 年現在、データ主権やプライバシー保護への関心が高まる中、自社サーバー上で完結するドキュメント処理システムの需要はさらに増加すると予測されます。Collabora Online は、コストを抑えつつ高い機能を維持できる優れた選択肢です。特に Docker を活用したデプロイにより、導入・管理の負担を最小限に抑えることができる点も大きな魅力です。

    本ガイドで紹介した内容を実践することで、Nextcloud や ownCloud といったプラットフォームと連携した、安全で効率的なコラボレーション環境を実現できます。しかし、導入はゴールではなくスタートであり、継続的なセキュリティアップデートや運用監視が不可欠です。リソースが限られている場合は CODE 版から始め、必要に応じて Enterprise 版への移行を検討することも有効です。

    記事全体の要点を以下にまとめます:

    • Collabora Online の特徴: LibreOffice ベースで高互換性、WOPI プロトコル対応。
    • ライセンス選択: CODE(無料・20 接続制限)と Enterprise(有料・無制限・サポート)。
    • 環境要件: Docker 必須、CPU 4 コア/メモリ 8GB 推奨、SSD 使用。
    • 設定手順: docker-compose.yml で環境変数を設定、リバースプロキシ(Nginx/Caddy)で SSL 化。
    • 連携方法: Nextcloud 等の WOPI URL 登録、SSL 証明書の整合性確認が重要。
    • トラブル対応: ログの確認、メモリ制限の調整、フォントキャッシュの更新。

    よくある質問(FAQ)

    Q. Collabora Online の無料版と有料版で何が違うのですか? A. 主な違いはサポート体制と同時接続数です。無料の開発者向け版(CODE)には公式サポートが付かず、同時接続数が最大 20 人に制限されています。一方、有料の Enterprise 版では、SLA に基づく専用サポートと無制限に近い同時接続数が提供され、高度なセキュリティ機能や AI 支援機能が利用可能です。小規模チームなら CODE 版で十分ですが、大企業や業務依存度が高い場合は Enterprise 版への移行を検討してください。

    Q. Nextcloud との連携で「接続できません」とエラーが出ます。 A. これは SSL 証明書の不一致または WOPI URL の設定ミスが原因です。まず、Collabora Online が HTTPS で正しくアクセス可能か確認し、サーバー間のシステム時刻が同期されていることを確認してください。また、Nextcloud の管理画面で外部ドキュメントサーバーの設定を見直し、Collabora のホスト名とポート番号(通常 443/9980)が正確に入力されているか再確認します。

    Q. ドキュメント内の日本語フォントが表示されません。 A. コンテナ内に日本語フォントがインストールされていない可能性があります。docker-compose.yml でホストのフォントディレクトリをコンテナ内でマウントし、起動後に fc-cache -fv コマンドを実行してキャッシュを更新してください。また、LibreOffice の設定でフォントアライメントが行われているか確認し、適切な日本語フォントがデフォルトとして選択されているかをチェックします。

    Q. リバースプロキシは Nginx 以外でも使えますか? A. はい、Apache や Caddy も使用可能です。Caddy は自動 SSL 発行に対応しており設定が簡易です。Apache の場合は mod_proxy_wstunnel モジュールを有効化する必要があります。どのサーバーを使用しても WebSocket ヘッダー(Upgrade, Connection)の転送設定は必須であり、プロキシ側の構成ミスで編集機能が使えなくなるため注意が必要です。

    Q. 同時編集が重く、ラグが発生します。 A. サーバーのリソース不足やネットワーク遅延が考えられます。まず CPU とメモリの使用率を確認し、必要に応じてリソース制限を増やしてください。また、Collabora コンテナの mem_limit を適切な値に設定していませんか?さらに、クライアントとサーバー間の地理的な距離が離れている場合は、CDN の活用やより高速なネットワーク環境への移行を検討してください。

    Q. Microsoft Office 形式(docx)はそのまま開けますか? A. はい、基本的には問題なく開けます。Collabora Online は LibreOffice ベースのため、Microsoft Office 形式との互換性は高いです。ただし、複雑な書式設定やマクロが含まれる場合、レイアウト崩れやマクロの実行失敗が発生することがあります。完全な互換性を求める場合は、Enterprise 版のライセンスや専用コンポーネントの使用を検討する必要があります。

    Q. セルフホストは技術的に難易度が高いですか? A. Docker の基礎知識があれば、中級者でも構築可能です。本ガイドではコマンドライン操作を解説していますが、GUI ツール(Portainer など)を使用すれば管理が簡単になります。ただし、SSL 設定やネットワーク設定には多少の理解が必要であり、初心者の方はコミュニティフォーラムで相談しながら進めることを推奨します。

    Q. バックアップはどのように行えばよいですか? A. Docker コンテナ自体は起動し直せば復旧しますが、データボリューム(/var/lib/collabora など)をバックアップする必要があります。定期的なスクリプト作成や、外部ストレージへのコピーが有効です。また、設定ファイルのダンプも忘れずに行ってください。[Docker Compose](/glossary/pose-context-window-extension) の backup コマンドや、rsync を活用した自動化スクリプトを構築すると確実です。

    Q. 将来的に AI 機能は追加されますか? A. はい、Collabora Online は 2026 年現在から AI 統合機能を強化しており、文章要約や文書生成支援機能が標準搭載される傾向にあります。Enterprise ライセンスではこれらの高度機能がより充実しています。今後のアップデートでさらに AI 連携が深まることを期待できます。

    Q. Windows サーバーでも利用可能ですか? A. はい、Docker Desktop を使用すれば Windows でも動作します。ただし、Linux(U[bun](/glossary/bun-runtime)tu/Debian)と比較するとパフォーマンスや安定性において劣る場合があるため、本番環境では Linux サーバーの使用を強く推奨します。開発用や小規模テストであれば Windows 環境でも問題なく利用可能です。

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