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    NAS 2.5GbE化で転送高速化|ボトルネック解消ガイド

    自作.com編集部·2026年5月30日·更新: 2026年9月20日

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    目次

    1GbEの限界と2.5GbE/10GbEへの移行がもたらす実効スループットの変化ネットワークインターフェースにおけるチップセット選定とNICの判断軸転送速度を阻害する「落とし穴」:Jumbo FrameとSMB Multichannelの設定運用コストとパフォーマンスの最適化:SFP+ vs RJ45の最終判断ネットワークアップグレードにおける主要デバイスの徹底比較1. NAS拡張性・ベーススペック比較2. NICチップセットの性能・安定性比較3. スイッチングハブの接続規格・コスト比較4. 実効スループット vs 消費電力・コスト分析5. 機能互換性マトリクス(Jumbo Frame / LACP)よくある質問Q1. 2.5GbE対応スイッチを導入する際のコスト目安は?Q2. 1GbEから2.5GbEへ移行する費用対効果はどうですか?Q3. 2.5GbE NIC(ネットワークカード)を選ぶ際の注意点は?Q4. 10GbE構成にする場合、SFP+とRJ45(Base-T)どちらが良いですか?Q5. 既存のCat5eケーブルをそのまま2.5GbEで使用できますか?Q6. SMB Multichannelを設定すると、異なる速度のポートを混ぜても大丈夫ですか?Q7. 2.5GbEにアップグレードしたのに、速度が1GbEから変わりません。Q8. Jumbo Frame(ジャンボフレーム)を設定した後に通信が不安定になりました。Q9. 今後、家庭用NASの標準は10GbEに移行していくのでしょうか?Q10. Wi-Fi 7環境でも、NASの高速化の効果はありますか?まとめ

    4K/8Kの動画編集や大容量バックアップにおいて、1GbE(1000BASE-T)環境が引き起こす転送速度の頭打ち問題は深刻です。RAID 5で構成されたSeagate IronWolf Pro搭載のNASであれば、理論上500MB/sを超えるスループットも可能ですが、標準的な1GbEネットワークでは実効速度が約115MB/s付近で停滞してしまいます。Synology DS923+やQNAPの最新モデルを活用しつつも、ネットワーク経路にボトルネックが残っていてはストレージの真価を発揮できません。2.5GbEへのアップグレード、あるいは10GbE(SFP+/RJ45)への移行を検討する際、単にNASのポートを変えるだけでは不十分です。スイッチングハブやクライアント側のNIC選定、Realtek RTL8125とIntel I225-V/I226-Vといったチップセットによる安定性の違い、さらにはSMB MultichannelやJumbo Frame(9000バイト)の設定最適化まで、一貫した設計が求められます。ネットワーク全体の帯域を最大限に引き出し、iperf3を用いた実測値で性能を証明するための具体的な構成案と設定手法の解明を目指します。

    1GbEの限界と2.5GbE/10GbEへの移行がもたらす実効スループットの変化

    1GbEの限界と2.5GbE/10GbEへの移行がもたらす実効スループットの変化
    1GbEの限界と2.5GbE/10GbEへの移行がもたらす実効スループットの変化

    ネットワークストレージ(NAS)環境において、従来の1GbE(Gigabit Ethernet)は、理論上の最大転送速度が125MB/s、実効速度でも110MB/s程度という物理的な限界に直面しています。近年のNVMe SSDをキャッシュとして搭載したSynology DS923+やQNAP TS-464のようなNASでは、内部のディスクI/O性能が500MB/sを超えており、1GbEのネットワークは明らかなボトルネックとして機能します。この限界を打破するために導入されるのが2.5GbEおよび10GbEへのアップグレードです。

    2.5GbE環境へ移行した場合、理論値は312.5MB/sとなり、実効速度は280MB/s前後にまで向上します。これは、SATA SSDの単体転送速度をほぼカバーできる数値です。一方、10GbE(RJ45またはSFP+)を採用すれば、理論値は1,250MB/sに達し、NVMe SSD構成のNASであれば、ネットワークがボトルネックになることなく、ストレージ本来の性能を引き出すことが可能です。ただし、この高速化を実現するためには、NAS本体だけでなく、スイッチングハブ、NIC(ネットワークインターフェースカード)、およびLANケーブルのすべてを新しい規格に合わせて更新する必要があります。

    以下の表は、各通信規格における理論値と、一般的なファイル転送時における実効速度の比較です。

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    ネットワークインターフェースにおけるチップセット選定とNICの判断軸

    ネットワークインターフェースにおけるチップセット選定とNICの判断軸
    ネットワークインターフェースにおけるチップセット選定とNICの判断軸

    2.5GbE化を実現する際、最もコストパフォーマンスに影響するのがNIC(Network Interface Card)の選定です。現在、市場には主にRealtek製とIntel製の2つの系譜が存在します。安価な2.5GbEスイッチやUSB変換アダプタ、あるいは低価格帯のNASで使用されているのは、Realtek RTL8125B/R/BGといったチップセットです。これらはコスト面で非常に優れていますが、高負荷時(大量のパケット処理が発生する状況)においてCPUへの割り込み負荷が高く、スループットの低下や通信の不安定化を招くリスクがあります。

    対して、Intel I225-Vや最新のI226-Vといったチップセットを搭載したNICは、ハードウェアによるオフロード機能が充実しており、CPU負荷を低減させつつ安定したパケット処理を実現します。特に、iperf3を用いたネットワーク帯域テストにおいて、Realtek製は長時間高負荷をかけるとスループットに揺らぎ(ジッター)が生じやすい傾向がありますが、Intel製は極めて安定した線形的な速度推移を示します。

    NAS側の拡張性についても検討が必要です。例えば、Synology DS923+は標準で1GbEポートを2基備えていますが、10GbE化するには専用の拡張スロット(E10G22-T1-mini)を使用する必要があります。一方、QNAP TS-464などのモデルでは、標準で2.5GbEポートを搭載している場合が多く、導入コストを抑えつつ即座に高速化が可能です。

    NIC選定の際のチェックリストは以下の通りです。

    • チップセットの種類: 安定性を重視するならIntel I225-V/I226-V、コスト優先ならRealtek RTL8125B。
    • 拡張スロットの有無: NAS本体がSFP+や10GBASE-Tをサポートしているか(SynologyのE10G22-T1-mini等)。
    • インターフェース形態: 既存のスイッチに合わせる(RJ45による銅線、または低遅延・低消費電力なSorp/SFP+)。
    • PCIeレーン数: PC側に増設する場合、x1スロットでも動作するか、あるいはx4以上の帯域が必要か。
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    転送速度を阻害する「落とし穴」:Jumbo FrameとSMB Multichannelの設定

    転送速度を阻害する「落とし穴」:Jumbo FrameとSMB Multichannelの設定
    転送速度を阻害する「落とし穴」:Jumbo FrameとSMB Multichannelの設定

    ネットワーク帯域を広げただけでは、期待したパフォーマンスは得られません。実装時に陥りやすい最大の罠が「MTU(Maximum Transmission Unit)の不一致」です。高速転送を実現するために「Jumbo Frame(ジャンボフレーム)」を設定し、MTU値を標準の1500から9000へ引き上げる手法がありますが、これはネットワーク経路上のすべてのデバイス(NAS、スイッチ、PC、ルーター)で一貫して設定されていなければなりません。一部のデバイスが1500のまま残っていると、パケットの断片化(フラグメンテーション)が発生し、逆に通信遅延(レイテンシ)が増大し、実効速度が激減します。

    もう一つの強力な高速化技術が「SMB Multichannel」です。これはWindowsやmac力を含むSMBプロトコルにおいて、複数のネットワーク経路を同時に使用してデータを転送する機能です。例えば、NASに1GbEポートが2つ、PCに2.5GbEポートと1GbEポートがある場合、適切に設定されていれば、これらを束ねて理論上3.5Gbpsの帯域を利用できます。この機能を有効にするには、NAS側(Synology/QNAP)およびクライアントOS側のSMB設定で「Multichannel」を有効化する必要があります。

    また、物理層におけるケーブル規格の軽視も致命的です。2.5GbE以上を安定して運用するには、Cat5e(カテゴリ5e)でも動作はしますが、ノイズ耐性と長距離伝送を考慮すると、Cat6またはCat6Aが推奨されます。特に10GbE環境において古いCat5eケーブルを使用すると、パケットロスが多発し、再送制御によってスループットが極端に低下します。

    トラブルシューティング時に確認すべき項目:

    • MTU値の整合性: ping -f -l 8972 [IPアドレス] を実行し、断片化が発生しないか確認(9000バイト設定時)。
    • SMB Multichannelの状態: Windows PowerShellにて Get-SmbMultichannelConnection を実行し、複数の経路が認識されているか確認。
    • iperf3による検証: ディスクI/Oの影響を排除するため、まずはメモリ間転送(iperf3)で純粋なネットワーク帯域を測定。
    • NICドライバのバージョン: Intel I225-V等の既知の不具合を回避するため、最新のドライバへの更新。

    運用コストとパフォーマンスの最適化:SFP+ vs RJ45の最終判断

    10GbE環境へのアップグレードを検討する際、物理インターフェースとして「RJ45(銅線/BASE-T)」を採用するか、「SFP+(光ファイバー/DAC)」を採用するかは、運用設計における重要な分岐点となります。

    RJ45方式は、既存のLANケーブル(Cat6A等)をそのまま流用できるため、導入コストが極めて低く、既存のスイッチングハブからのアップグレードが容易です。しかし、10GBASE-Tは信号変換による熱量が多く、NICやスイッチの消費電力が高いという欠点があります。例えば、10GBASE-T対応のNICは、SFP+モジュールを使用する場合に比べ、ポートあたり3〜5W程度の追加消費電力が発生することがあります。

    対してSFP+方式(特にDACケーブルの使用)は、極めて低遅延かつ低消費電力(モジュール単体で1W未満)です。ラックマウント型のNASやサーバーを運用し、スイッチとの距離が数メートル以内であれば、DAC(Direct Attach Copper)ケーブルを用いることで、最も安価かつ高効率な10GbE環境を構築できます。ただし、長距離伝送には光トランシーバーと光ファイバーケーブルが必要となり、コストが増大します。

    以下の比較表に基づき、用途に応じた最適な構成を選択してください。

    ネットワーク規格理論最大速度 (Gbps)実効転送速度目安 (MB/s)主な用途・適正
    1GbE (Standard)1.0 Gbps~110 MB/s一般的な事務文書、バックアップ
    2.5GbE (High Speed)2.5 Gbps~280 MB/s4K動画編集、大量のRAWデータ転送
    10GbE (Ultra High)10.0 Gbps~1,150 MB/s8K映像制作、NVMe RAID構成の運用

    ネットワーク帯域を拡張する際、単に「速い」というだけでなく、通信プロトコルのオーバーヘッド(TCP/IPヘッダ等の付加情報)や、ディスクのシークタイム、CPUの割り込み処理負荷といった要素が複合的に絡み合うことを理解しておく必要があります。

    項目10GBASE-T (RJ45)10GBASE-SR (SFP+ 光)DAC (SFP+ 銅線)
    伝送距離最大100m (Cat6A)数百m〜数km1m 〜 7m 程度
    導入コスト低(既存ケーブル流用可)高(光モジュール・ケーブル代)中(専用ケーブル単体)
    消費電力/熱量高(発熱に注意が必要)低極めて低
    レイテンシやや高い非常に低い最も低い
    推奨シナリオ家庭内・小規模オフィスデータセンター・長距離接続同一ラック内のNAS-Switch間

    最終的な最適化の鍵は、ストレージの「読み出し速度」と「ネットワーク帯域」を一致させることにあります。いくら10GbE(1,250MB/s)を用意しても、NAS側のHDD RAID構成が300MB/sしか出せなければ、投資対効果は得られません。SSDキャッシュ(NVMe SSD搭載)を活用し、ネットワークの帯域幅に合わせたディスクI/O性能を確保することこそが、真の高速化への道となります。

    ネットワークアップグレードにおける主要デバイスの徹底比較

    2.5GbE化や10GbEへの移行を検討する際、単にNIC(Network Interface Card)を交換するだけでは不十分です。NAS本体の拡張スロット、スイッチングハブのバックプレーン容量、さらにはLANケーブルのカテゴリ(Cat6A以上が推奨)まで、ネットワーク経路上のすべてのデバイスがボトルネックなく動作するスペックを備えている必要があります。

    ここでは、アップグレードの核となるNAS、NIC、スイッチの各コンポーネントについて、2026年現在の市場流通モデルに基づいた詳細な比較を行います。

    1. NAS拡張性・ベーススペック比較

    まず検討すべきは、既存のNASがネットワーク増設に対応しているかどうかです。SynologyやQNAPのミドルレンジモデルでは、標準で1GbEポートしか備えていないケースが多く、PCIeスロットの有無や[[M.2 NVMe SSDを用いたネットワークブースト機能の可否が鍵となります。

    モデル名標準LAN構成拡張方法推奨最大帯域市場想定価格 (税込)
    Synology DS923+1GbE × 1E10G22-T1-S (PCIe)10GbE約85,000円
    QNAP TS-4642.5GbE × 22.5GbE標準搭載2.5GbE約72,000円
    Asustor AS6704T2.5GbE × 12.5GbE標準搭載2.5GbE約68,000円
    自作 TrueNAS機1GbE × 1PCIe NIC増設10GbE (SFP+)可変 (パーツ代依存)
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    Synology DS923+のようなモデルでは、標準の1GbEポートを使いつつ、PCIeスロットに10GbE NICを挿入することで、実効速度を劇的に向上させることが可能です。一方で、QNAP TS-464のように最初から2.5GbEを搭載しているモデルは、スイッチ側の整備だけで済むため導入コストを抑えられます。

    2. NICチップセットの性能・安定性比較

    NICの選定において最も重要なのは、Realtek製(RTL8125B等)とIntel製(I225-V/I226-V等)の特性の違いです。特にSMB Multichannelを利用して複数のストリームを束ねる場合、チップセットの処理能力がスループットの安定性に直結します。

    | チップセット | 最大転送レート | ドライバ安定性 | 発熱・負荷耐性 | 主な用途 | | :--- | :--- | :---承 | 高(低負荷時) | 汎用PC / ワークステーション | | Realtek RTL8125B | 2.5Gbps | 中(Windows/Linux) | 中(高負荷時に上昇) | 家庭用NAS / 低予算構築 | | Intel I225-V | 2.5Gbps | 高(極めて安定) | 低 | プロフェッショナル制作環境 | | Intel I226-V | 2.5Gbps | 極めて高 | 低 | 次世代標準・サーバー用途 | | Intel X550-T2 | 10Gbps | 最高 | 高(ヒートシンク必須) | 10GbE拠点間接続 |

    Realtek製はコストパフォーマンスに優れますが、iperf3による長時間負荷試験において、パケットドロップが発生しやすい傾向があります。一方、Intel I226-Vクラスはドライバの成熟度が高く、Jumbo Frame(9000バイト)設定時でもCPU負荷を低く抑えつつ、安定したスループットを維持できます。

    3. スイッチングハブの接続規格・コスト比較

    ネットワークの集約点となるスイッチの選択は、予算と将来性のトレードオフです。RJ45(銅線)による2.5G/10G通信は互換性が高い反面、消費電力と熱量が増大します。対してSFP+(光ファイバー/DAC)は、長距離伝送や低遅延に優れますが、専用のトランシーバー費用が必要です。

    | スイッチタイプ | インターフェース | 最大ポート数 | 導入コスト目安 | 推奨環境 | | :--- | :--- | :---GB | 低(普及型) | 家庭内・小規模オフィス | | 2.5G Unmanaged | RJ45 (Cat6) | 5〜8 Port | 1.2万円〜 | 既存LANの高速化 | | 2.5G Managed | RJ45 (Cat6) | 8〜24 Port | 4.5万円〜 | VLAN/LACP運用環境 | | 10G RJ45 Switch | RJ45 (Cat6A) | 4〜8 Port | 6.0万円〜 | 高速ストレージ共有 | | 10G SFP+ Switch | SFP+ / DAC | 4〜12 Port | 8.0万円〜 | データセンター/サーバーラック |

    10GbE RJ45スイッチは、既存のLANケーブルを流用できるメリットがありますが、ポートあたりの消費電力が5W〜10Wに達することもあり、設置場所の排熱設計が重要となります。

    4. 実効スループット vs 消費電力・コスト分析

    SMB Multichannelを利用して2.5GbE×2(合計5Gbps)を実現する場合と、単一の10GbEポートを使用する場合では、ネットワーク機器全体の消費電力とコストに大きな差が生じます。

    構成案実効速度 (MB/s)推定消費電力 (W)構築コスト比コストパフォーマンス
    1GbE 単一接続~110 MB/s低 (Base)1.0x低(ボトルネック)
    2.5GbE × 2 (SMB)~280 MB/s中 (+3-5W)1.8x高(バランス型)
    10GbE RJ45 単一~1,100 MB/s高 (+10-15W)3.5xプロフェッショナル向け
    10G SFP+ (DAC)~1,100 MB/s中 (+7-10W)4.2x大規模・低遅延重視

    SMB Multichannel構成は、既存の2.5GbEスイッチを活かしつつ、NICを増設するだけで済むため、予算が限られた中級者にとって最も「費用対効果」の高い選択肢となります。

    5. 機能互換性マトリクス(Jumbo Frame / LACP)

    アップグレードの成功は、すべての経路で共通の設定(MTU値など)が適用できるかにかかっています。特にJumbo Frame(9000 bytes)を有効にする場合、NAS、スイッチ、PCのすべてが対応している必要があります。

    デバイス構成SMB MultichannelJumbo Frame (9k)VLAN / LACP運用難易度
    家庭用ルーター + PC△ (限定的)× (非推奨)×低
    2.5G Unmanaged Switch○△ (設定注意)×低
    L3 Managed Switch◎◎◎高
    Enterprise Grade NIC◎◎◎中(ドライバ管理要)

    Jumbo Frameの設定は、一部のデバイスでMTU不一致が発生すると、逆に通信断や極端な速度低下を招くリスクがあります。信頼性を重視するなら、標準的な1500バイト設定のまま、SMB Multichannelによる帯域拡張を目指すのが2026年における定石です。

    よくある質問

    Q1. 2.5GbE対応スイッチを導入する際のコスト目安は?

    エントリークラスのアンマネージドスイッチであれば、TP-LinkのTL-SG105-M2などの製品が5,000円〜8,000円程度で購入可能です。既存の1GbE環境からアップグレードする場合、スイッチとLANケーブル(Cat6以上)の買い足しを含めても、1ポートあたriptあたりのコスト増は限定的です。ただし、10GbE SFP+構成にする場合は、DACケーブルや光トランシーバの費用が別途発生するため、予算設計には注意が必要です。

    Q2. 1GbEから2.5GbEへ移行する費用対効果はどうですか?

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    転送時間の短縮という観点では非常に高いと言えます。例えば、100GBの動画ファイルを転送する場合、1GbE(実効約110MB/s)では約15分かかりますが、2.5GbE(実効約280MB/s)なら約6分に短縮されます。数千円のスイッチ導入で作業待ち時間を半分以下にできるため、頻繁に大容量データを扱うクリエイターにとっては、非常に投資効率の良いアップグレードです。

    Q3. 2.5GbE NIC(ネットワークカード)を選ぶ際の注意点は?

    コスト重視ならRealtek RTL8125B搭載のPCIeカードが安価で手に入ります。一方、サーバー用途や安定性を極限まで求める場合は、Intel I225-VやI226-Vを搭載したNICを推奨します。iperf3による実測テストにおいて、高負荷時のパケットドロップ率やCPU使用率の低減においてIntel製チップの方が有利な傾向にあります。ただし、一般的なNAS利用であればRealtekでも十分な性能を発揮可能です。

    Q4. 10GbE構成にする場合、SFP+とRJ45(Base-T)どちらが良いですか?

    短距離(数メートル以内)で低遅延・低消費電力を求めるなら、SFP+によるDACケーブル接続が最適です。一方、既存のLANケーブルを活用し、長距離や多ポート展開を考慮するならRJ45方式が有利です。ただし、RJ45は熱を持ちやすく、10GBASE-Tは電力消費も大きいため、スイッチの冷却性能を確認してください。コストと設置環境の柔軟性で使い分けるのが正解です。

    Q5. 既存のCat5eケーブルをそのまま2.5GbEで使用できますか?

    理論上、Cat5eでも短距離であれば2.5GbEの通信は可能です。しかし、ノイズの影響や信号減衰のリスクを避けるため、規格上はCat6以上への交換を強く推奨します。特に10GbEを目指す場合は、Cat6A(カテゴリー6A)が必須となります。古いケーブルを使用し続けると、オートネゴシエーションが失敗して100Mbpsに落ち込んだり、通信断が発生したりするトラブルの原因になります。

    Q6. SMB Multichannelを設定すると、異なる速度のポートを混ぜても大丈夫ですか?

    はい、可能です。SMB Multichannelは、例えばNAS側に1GbEと2.5GbEの両方のリンクがある場合、それらを束ねて帯域を拡張できます。ただし、すべての通信経路(クライアントPC、スイッチ、NAS)がMultichannelに対応している必要があります。設定が正しく機能すれば、理論上の合計帯域(1Gbps + 2.5Gbps = 3.5Gbps)に近い実効速度を狙えますが、ネットワーク構成の複雑化による管理コストには注意してください。

    Q7. 2.5GbEにアップグレードしたのに、速度が1GbEから変わりません。

    まず、PC側のNICやスイッチのポートが「2.5Gbps Full Duplex」で正しくネゴシエーションされているかを確認してください。原因として多いのは、LANケーブルの品質不足や、途中のハブが1GbE止まりであるケースです。Windowsのデバイスマネージャーからネットワークアダプタのプロパティを開き、リンク速度が「2500/2500 Mbps」と表示されているか、物理層の不具合がないかをチェックしてください。

    Q8. Jumbo Frame(ジャンボフレーム)を設定した後に通信が不安定になりました。

    MTUサイズの設定不一致が原因である可能性が高いです。NAS側をMTU 9000に設定した場合、接続するPCのNICや途中のスイッチもすべてMTU 9000で統一しなければなりません。設定が食い違うと、パケットの断片化(フラグメンテーション)が発生し、通信速度の低下やセッションの切断を招きます。まずは全経路のデバイスを確認し、標準的な1500に戻して復旧するか試してください。

    Q9. 今後、家庭用NASの標準は10GbEに移行していくのでしょうか?

    動画編集などのクリエイティブなワークロードが増加する中、2.5GbEから10GbEへの移行は必然的な流れです。特に4K/8K素材を扱う環境では、1GbE(実効約110MB/s)では帯域不足が顕著です。Synology DS923+のように、PCIe拡張スロットを備え、将来的に10GbE NICを追加できるモデルを選定しておくことは、長期的な投資として非常に合理的と言えます。

    Q10. Wi-Fi 7環境でも、NASの高速化の効果はありますか?

    効果は十分に期待できます。Wi-Fi 7(802.11be)は数Gbps級の無線スループットを実現しますが、その恩恵を受けるためにはバックボーンとなる有線LAN側がボトルネックになっていてはいけません。NASとスイッチ間が2.5GbEや10GbEで高速化されていれば、[Wi-Fi](/glossary/wifi) 7対応クライアントに対して、無線帯域を最大限に活かした大容量データの転送が可能になります。

    まとめ

    • 1GbEの限界(約110MB/s)を打破するには、NAS・スイッチ・NICの全経路を2.5GbE以上で統一することが不可欠である。
    • Synology DS923+への10GbE拡張カード追加や、QNAPのネイティブ2.5GbE搭載モデルなど、既存環境に合わせたアップグレード計画が重要となる。
    • NICチップセットは、高負荷時の安定性やパケットドロップ防止を考慮する場合、Realtek RTL8125よりもIntel I225-V/I226-Vシリーズを選択するのが望ましい。
    • SMB Multichannelを有効化することで、複数リンクの帯域を集約し、単一ポートの物理限界を超えた実効スループットを実現できる。
    • Jumbo Frame(9000 MTU)の設定はCPU負荷軽減に寄与するが、ネットワーク内の全機器でMTU値を一致させなければ通信断の原因となるため注意が必要である。
    • SFP+は低遅延・低発熱という利点がある一方、既存の[Cat6](/glossary/cat6)A/7ケーブルをそのまま活用したい場合はRJ45(10GBASE-T)がコストパフォーマンスに優れる。

    まずはiperf3を用いて現在のネットワークスループットを正確に測定し、どのデバイスがボトルネックとなっているかを特定することから始めましょう。

    NAS 2.5GbE化で転送高速化|ボトルネック解消ガイド よくある質問

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