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HEVC・AV1エンコードを高速化するには、対応GPUを使い、アプリでNVENC・QSVなどのハードウェアエンコーダーを選びます。ただし素材の読み出し、デコード、エフェクト処理が遅い場合は、エンコーダーを切り替えるだけでは書き出し全体が速くなりません。
録画・動画変換で使う設定と確認手順を中心に説明します。コーデックの対応資料は2026年10月4日に確認しました。本記事で独自のエンコード速度やVMAFを測定したわけではなく、GPU間の性能順位や一律の容量削減率は示しません。
HEVCはH.265とも呼ばれる動画圧縮形式で、AV1、H.264も同じくコーデックです。NVENC、QSV、AMDのハードウェアエンコーダーは、対応する形式へ動画を圧縮する処理装置・機能です。MP4やMKVは映像と音声を入れるコンテナーなので、MP4という拡張子だけでは中身のコーデックは分かりません。
| 形式 | 検討する用途 | 先に確認すること |
|---|---|---|
| H.264 | 受け渡し・再生互換性を優先 | 納品先の仕様と画質 |
| HEVC | 4K/HDR録画、対応機器向け保存 | 再生・編集機器の対応 |
| AV1 | 対応環境での録画・圧縮保存 | GPU、アプリ、再生先の対応 |
同じビットレートでも画質は素材とエンコーダー設定で変わります。「AV1なら必ず半分」「HEVCより常に速い」とは言えません。配信では受け付けられる形式がサービスや接続方式で違うため、録画設定をそのまま流用せず接続先の仕様を確認してください。
デコードは入力動画を読み解く処理、エンコードは出力動画を圧縮する処理です。AV1動画を再生できるGPUでも、AV1のハードウェアエンコードには対応しない場合があります。
たとえばGeForce RTX 30シリーズの対応例は、AV1デコードに対応し、AV1エンコードには非対応です。RTX 40・50シリーズの対応例はAV1エンコードにも対応します。確認時は製品の「Encode」と「Decode」の欄を別々に見ます。
以下はデスクトップ向けの代表例です。世代の名前だけでノートPCや全製品へ広げず、実際の型番、ビット深度、色差形式を確認してください。
| GPUの例 | HEVCエンコード | AV1エンコード | 確認資料 |
|---|---|---|---|
| GeForce RTX 3060 | 対応 | 非対応 | NVIDIA対応表 |
| GeForce RTX 4060 | 対応 | 対応 | NVIDIA対応表 |
| GeForce RTX 5060 | 対応 | 対応 | NVIDIA対応表 |
| Radeon RX 7600 | 対応 | 対応 | AMD仕様表 |
| Radeon RX 9070 XT | 対応 | 対応 | AMD仕様表 |
| Intel Arc B580 | 対応 | 対応 | Intel製品仕様 |
NVIDIAはVideo Encode/Decode対応表、AMDはグラフィックス仕様表、IntelはArc B580仕様を参照します。表の「対応」はそのアプリで必ず利用できる保証ではなく、ドライバーとアプリ側の実装も必要です。
編集部の判断では、すでに対応GPUがある場合は、買い替えより先にアプリの設定を確認する方が合理的です。ゲーム性能が高いGPUほど、あらゆるコーデックの変換が比例して速いわけではありません。
HEVCやAV1の名前が同じでも、8bit/10bit、4:2:0/4:2:2、解像度によって対応が分かれます。カメラの10bit 4:2:2素材を扱う場合は、入力デコードと出力エンコードの両方の条件を照合してください。
CPU内蔵GPUのQSVも型番で機能が違います。内蔵GPUがないCPUや、BIOSで無効な構成では利用できない場合があります。ドライバーや認識状態を確認せず、Intel製CPUならすべて同じAV1対応だと判断しません。
「設定→出力」で出力モードを詳細にし、録画タブのエンコーダーを確認します。対応環境ではNVIDIA NVENC HEVC/AV1、Intel QSV、AMD系の項目などが表示されます。表示名はOS、OBS、ドライバーの版で違います。
録画用の選択肢が配信先でも使えるとは限りません。まず短いテスト録画を作り、実際の編集ソフトと再生機器で読み込めるか確認してください。
OBSの録画設定ガイドを出発点に、品質基準のレート制御とプリセットを確認します。NVENCのCQPなどは数値を下げると画質とファイルサイズが上がる設定がありますが、別のエンコーダーの同じ数字が同じ画質とは限りません。
| 項目 | 最初の確認 | 調整の方向 |
|---|---|---|
| エンコーダー | 目的のHEVC/AV1を選択 | ソフトウェア処理と区別 |
| 解像度・FPS | 必要な出力に合わせる | 4K/60fpsを無条件に選ばない |
| 品質・プリセット | 公式ガイドとUI説明を確認 | 重い設定は段階的に変更 |
| 保存先 | 空き容量と書き込み速度 | 遅い外付けやネット共有を切り分け |
| 色設定 | SDR/HDRと再生先を確認 | 10bitの指定だけでHDRとしない |
録画形式は、異常終了時の扱いと編集ソフトの対応も見ます。MKVで記録してOBSでMP4へリマックスする方式なら、対応する映像を再圧縮せずコンテナーを変えられます。リマックスは非対応コーデックを対応形式へ変換する操作ではありません。
「表示→統計」などからレンダリングの遅延とエンコードの遅延を確認します。ゲームがGPUを使い切っている場合は、ゲームのFPS上限や画質を調整します。ネットワーク由来の配信ドロップと録画のエンコード過負荷も別の問題です。
入力を開き、VideoタブのVideo Encoderで、環境に応じてH.265(NVEnc)やAV1(NVEnc)、QSV、AMD VCN系の項目を確認します。H.265を選んだだけでは、CPUのソフトウェアエンコーダーが使われる場合があります。
HandBrakeのNVENC説明は、GPUによるエンコードに加え、フィルターなどにCPU処理が残ることを説明しています。Intel環境はQSVの説明でOS・GPUの要件を確認してください。
ノイズ除去、デインターレース、拡大縮小、字幕の焼き込みが処理時間を使う場合があります。必要な機能を残した上で、1項目ずつ変更して時間と画質を比較します。フィルターを外せば必ず品質を維持できるわけではありません。
保存用なら容量・画質を優先し、急ぎの変換なら速いプリセットを候補にします。同じ画質設定でもコーデックやエンコーダーを変えると結果が違うので、30秒程度の代表的な場面から試すと無駄を減らせます。
素材の読み出し → デコード → フィルター・編集 → エンコード → 保存
SSD等 対応機能 CPU/GPU NVENC等 SSD等
タスクマネージャーなどでGPUのVideo Encode、Video Decode、CPU、ストレージを見ます。Video Encodeが動いていても、前段が遅ければ全体速度は制限されます。CPU使用率がゼロになることは、ハードウェアエンコードの成功条件ではありません。
| 症状 | 確認すること | 次の比較 |
|---|---|---|
| GPUエンコーダーが表示されない | 型番・ドライバー・アプリ版 | 公式対応条件を照合 |
| CPUだけ高負荷 | デコード・フィルター | フィルターを1つずつ比較 |
| 保存先が常に高負荷 | 書き込み速度と容量 | ローカルSSDで比較 |
| ゲーム録画で過負荷 | GPU描画とエンコードの余力 | FPS上限・プリセット |
| 出力が再生できない | コーデック・10bit・音声形式 | 対応プレーヤーやH.264出力 |
| 記録項目 | 残す内容 |
|---|---|
| 入力 | 長さ、解像度、FPS、コーデック、ビット深度 |
| 環境 | CPU、GPU、OS、ドライバー、アプリ版 |
| 出力 | コーデック、プリセット、品質、フィルター |
| 結果 | 処理時間、平均fps、容量、再生可否 |
| 画質確認 | 動き、細かい文字、暗部、輪郭の破綻 |
編集部の判断では、処理時間だけで選ばず、実際の納品先で再生できることと、重要な場面の画質を成功条件に含めます。短いサンプルで選んだ後に全編を書き出し、音ずれや欠落も確認してください。
GPUとエンコーダー実装、プリセットで変わります。同じ素材で時間・容量・画質を比較してください。
ソフトウェア処理や別世代のGPUと同じ画質になる保証はありません。同じビットレートでも、動きや暗部で差が出る場合があります。
配信先の対応形式、接続方式、ビットレートの上限を確認します。録画の対応とライブ配信の受付条件は別です。
現在のGPUが対応しているか、どの処理が遅いかを先に確認します。前段や保存先が原因なら、GPU追加だけでは解消しません。
GPUを買い替える前に、動画編集向けグラボの選び方で編集ソフトと素材形式の対応を照合してください。
短い素材で編集から出力まで確かめたい場合は、Shotcutの基本操作とMP4書き出しも参照できます。

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