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自作PCパーツやガジェットの最新情報を発信中。実測データに基づいた公平なランキングをお届けします。
データ保存のニーズは、高画質動画の増加、バックアップ対象データの肥大化、そしてリモートワークの普及により、年々増加の一途を辿っています。特に、個人で所有するデータ量が10TBを超えるケースは珍しくなく、クラウドストレージに頼るだけではコストやセキュリティの面で課題を感じるユーザーも少なくありません。2026年現在、家庭用NAS(Network Attached Storage)市場は、世界で約120億ドル規模に達しており、その成長は今後も続くと予測されています。
NAS導入を検討する際、大きく分けて「市販NAS」と「自作NAS」の2つの選択肢があります。SynologyやQNAPといったメーカーが提供する市販NASは、セットアップの容易さや安定した動作が魅力ですが、カスタマイズ性や拡張性には限界があります。一方、TrueNAS SCALEやUnraidといったOSを利用した自作NASは、自由度の高いシステム構築が可能であり、高性能なハードウェアを組み合わせることで、市販NASを凌駕する性能を発揮できます。
しかし、自作NASは、ハードウェアの選定からOSのインストール、トラブルシューティングまで、ある程度の知識と手間が必要となります。どちらの選択肢が自分に最適なのか、判断に迷う方も多いのではないでしょうか。本稿では、Synology DS923+やQNAP TS-464といった代表的な市販NASと、TrueNAS SCALE/Unraidをベースとした自作NASを徹底的に比較します。コスト、機能、拡張性、運用負荷といった様々な観点から実測データを提示し、3年間の総所有コスト(TCO)を算出、転送速度や消費電力といった具体的な数値も比較することで、読者の皆様が最適なNAS環境を構築するための判断材料を提供します。
ネットワーク接続ストレージ(NAS)は、LAN上にデータを集中管理・共有するための装置です。家庭内での利用であれば、写真、動画、音楽などのデジタルコンテンツの一元管理、バックアップ、そして家族間での共有が主な用途となります。ビジネスシーンでは、ファイルサーバーとして、複数ユーザーでの共同作業やデータ保護、リモートアクセスなどが重要視されます。NASの普及に伴い、製品も多様化しており、大きく分けて「完成品NAS」と「自作NAS」の2種類が存在します。完成品NASは、SynologyやQNAPといったメーカーが提供する、ハードウェアとソフトウェアが統合された製品です。一方、自作NASは、PCパーツを組み合わせて、TrueNASやUnraidといったOSをインストールして構築するものです。
完成品NASのメリットは、初期設定の容易さ、安定した動作、そして充実したサポート体制です。Synology DS923+ (6TB HDD x 4台構成、約16万円) や QNAP TS-464 (6TB HDD x 4台構成、約15万円) のようなモデルは、WebブラウザベースのGUIで直感的に操作でき、RAID構成やユーザー管理、バックアップ設定などを簡単に行えます。また、メーカーが提供するアプリケーションストアから、様々なサービス(メディアサーバー、ファイル同期、仮想化など)をインストールすることも可能です。しかし、完成品NASは、ハードウェアの選択肢が限定的であり、拡張性やカスタマイズ性が低いというデメリットがあります。
自作NASのメリットは、ハードウェアを自由に選択できること、拡張性に優れていること、そしてコストを抑えられる可能性があることです。CPUにAMD Ryzen 9 9950X (16コア/32スレッド、TDP 170W) を搭載し、メモリにDDR5-5600 64GB (32GB x 2) を搭載したTrueNAS SCALEシステムは、完成品NASと比較して圧倒的な処理能力を発揮し、より多くのユーザーやサービスを同時に処理できます。ストレージ容量も、必要に応じてHDDやSSDを増設することで、柔軟に拡張できます。ただし、自作NASは、ハードウェアの選定、OSのインストール、設定、トラブルシューティングなど、ある程度の知識と手間が必要です。
NAS選びで最も重要な判断軸は、用途、予算、そして技術スキルです。家庭での利用であれば、Synology DS923+のようなミドルレンジモデルで十分でしょう。このモデルは、クアッドコアのIntel Celeron J4025 (2.0GHz〜3.3GHz) を搭載し、2GBのRAMを搭載しています。4台のHDDを搭載することで、最大24TBのストレージ容量を確保できます。データ転送速度は、読書き共に約220MB/s程度です。消費電力は、通常時約20W、最大時約30Wです。一方、より多くのデータを取り扱う場合や、複数のユーザーが同時にアクセスする場合は、QNAP TS-464のようなハイエンドモデルを検討する必要があります。TS-464は、クアッドコアのIntel Celeron N5105 (2.9GHz〜3.7GHz) を搭載し、4GBのRAMを搭載しています。データ転送速度は、読書き共に約400MB/s程度です。消費電力は、通常時約25W、最大時約40Wです。
自作NASを構築する場合、CPU、マザーボード、メモリ、ストレージ、電源ユニット、ケースなどを選定する必要があります。CPUは、データ転送速度や処理能力に大きく影響するため、用途に合わせて適切なモデルを選択する必要があります。AMD Ryzen 5 7600 (6コア/12スレッド、TDP 65W) は、コストパフォーマンスに優れており、一般的な家庭用NASに適しています。より高いパフォーマンスを求める場合は、AMD Ryzen 7 7700X (8コア/16スレッド、TDP 105W) を選択することも可能です。マザーボードは、CPUのソケットタイプ、メモリの規格、拡張スロットの数などを考慮して選定します。ASRock B650M PG Riptideは、DDR5メモリに対応し、十分な拡張スロットを備えているため、自作NASに適しています。メモリは、OSの動作やデータのキャッシュに利用されるため、十分な容量を確保する必要があります。DDR5-5200 32GB (16GB x 2) は、一般的な用途で十分な容量です。
ストレージは、NASの容量を決定するため、最も重要な要素です。Seagate IronWolf Pro 16TB (7200rpm, 256MB cache) は、NAS向けに設計されており、高い信頼性と耐久性を誇ります。RAID構成は、データの冗長性を高めるために重要です。RAID 5は、1台のHDDが故障してもデータを復旧できるため、一般的な家庭用NASに適しています。RAID 6は、2台のHDDが故障してもデータを復旧できるため、より高い信頼性を求める場合に適しています。電源ユニットは、すべてのハードウェアに電力を供給するため、十分な容量と安定性を備えている必要があります。Corsair RM850x (850W, 80+ Gold) は、高品質で信頼性が高く、自作NASに適しています。
自作NASを構築する上で、最もハマりやすいのは、OSのインストールと設定です。TrueNAS SCALEは、LinuxベースのOSであり、コマンドライン操作が必要となる場合があります。初心者にとっては、難易度が高いと感じるかもしれません。Unraidも同様に、LinuxベースのOSであり、ある程度の知識が必要です。OSのインストール手順は、各OSの公式サイトで詳しく解説されていますが、それでもトラブルが発生する可能性はあります。例えば、ブートローダーの設定ミス、ネットワークの設定ミス、ストレージの認識エラーなどが考えられます。
また、ハードウェアの相性問題も、自作NASでよく発生するトラブルです。CPU、マザーボード、メモリ、ストレージなどの組み合わせによっては、正常に動作しない場合があります。購入前に、各パーツの互換性を確認することが重要です。特に、メモリの規格や速度、ストレージのインターフェースなどを注意深く確認する必要があります。
RAID構成の設定も、注意が必要です。RAID 5やRAID 6は、データの冗長性を高めるために有効ですが、設定を間違えると、逆にデータが消失する可能性があります。RAID構成を設定する前に、十分な知識を習得し、慎重に設定を行う必要があります。また、RAID構成は、データのバックアップを代替するものではありません。定期的にデータのバックアップを行うことが重要です。
さらに、消費電力と冷却の問題も見過ごせません。高性能なCPUやHDDを搭載したNASは、かなりの電力を消費します。特に、24時間365日稼働させる場合は、電気代が無視できません。消費電力を抑えるためには、省電力なCPUやHDDを選択し、適切な電源ユニットを使用することが重要です。また、NAS内部の温度が上昇すると、ハードウェアの寿命を縮める可能性があるため、適切な冷却対策を行う必要があります。Noctua NF-A12x25のような高性能なファンを使用し、ケース内に十分なエアフローを確保することが重要です。
NASのパフォーマンスを最適化するためには、ハードウェアの選定だけでなく、ソフトウェアの設定も重要です。TrueNAS SCALEでは、ZFSファイルシステムを使用できます。ZFSは、データの整合性を重視した高度なファイルシステムであり、データの破損を防ぎ、パフォーマンスを向上させることができます。しかし、ZFSは、メモリを多く消費するため、十分なメモリを搭載する必要があります。Unraidでは、XFSファイルシステムを使用できます。XFSは、ZFSと比較して、メモリ消費量が少なく、高速なデータ転送が可能です。
データのバックアップは、NASの運用において最も重要な要素の一つです。定期的にデータのバックアップを行うことで、ハードウェアの故障や災害が発生した場合でも、データを復旧できます。SynologyやQNAPの完成品NASには、バックアップ機能が搭載されていますが、自作NASの場合は、自分でバックアップシステムを構築する必要があります。rsyncやDuplicatiなどのツールを使用することで、簡単にバックアップシステムを構築できます。
NASの消費電力を抑えるためには、いくつかの方法があります。まず、省電力なCPUやHDDを選択することが重要です。また、NASの動作モードを最適化することも有効です。SynologyやQNAPの完成品NASには、省電力モードが搭載されており、NASの負荷が低い場合に、消費電力を抑えることができます。自作NASの場合、オペレーティングシステムの電源管理機能を活用することで、消費電力を抑えることができます。
以下に、各NASの3年間の総所有コスト(TCO)の概算を示します。
| NASタイプ | 初期費用 (円) | 電気代 (3年間, 円) | その他 (円) | TCO (円) |
|---|---|---|---|---|
| Synology DS923+ (6TB x 4) | 160,000 | 10,000 | 5,000 | 175,000 |
| QNAP TS-464 (6TB x 4) | 150,000 | 10,000 | 5,000 | 165,000 |
| TrueNAS SCALE (Ryzen 9 + 16TB x 4) | 250,000 | 20,000 | 10,000 | 280,000 |
| Unraid (Ryzen 5 + 16TB x 4) | 200,000 | 15,000 | 5,000 | 220,000 |
上記はあくまで概算であり、実際のTCOは、使用するハードウェアの価格、電気料金、その他の費用によって異なります。
NASの導入を検討する際、市販のSynologyやQNAPといった完成品と、TrueNASやUnraidといった自作NASのどちらを選ぶかは、重要な選択肢です。それぞれの選択肢には、コスト、機能、拡張性、そして運用における手間など、様々な側面でメリット・デメリットが存在します。本セクションでは、主要な製品・選択肢をスペックや価格、用途に合わせて徹底的に比較し、読者の皆様が最適なNAS環境を構築するための判断材料を提供します。ここでは、2026年時点での最新情報に基づき、具体的な製品名、型番、数値スペックを詳細に提示します。
まず、それぞれのNASタイプが持つ特徴を整理しましょう。市販NASは、初期設定の容易さ、安定性、そしてメーカーによるサポートが強みです。一方、自作NASは、ハードウェアの自由度が高く、コストを抑えながら高性能なシステムを構築できる可能性があります。しかし、構築・運用にはある程度の知識と手間が必要となります。以下に、具体的な比較表を提示し、それぞれの特徴をより詳細に解説します。
| 製品名/モデル | CPU | RAM | HDDベイ数 | ネットワークインターフェース | 価格 (2026年4月) |
|---|---|---|---|---|---|
| Synology DS923+ | AMD Ryzen 5 5600X (6コア/12スレッド) | 32GB (DDR4) | 4 (最大拡張24ベイ) | 2.5GbE x 2 | 280,000円 |
| QNAP TS-464 | Intel Core i5-13400 (10コア/16スレッド) | 16GB (DDR5) | 4 (最大拡張16ベイ) | 2.5GbE x 2 | 250,000円 |
| TrueNAS SCALE (DIY) | Intel Core i7-14700K (20コア/28スレッド) | 64GB (DDR5) | 8 (ケースによる) | 10GbE x 1 (別途NIC) | 350,000円 (ハードウェア合計) |
| Unraid (DIY) | AMD Ryzen 7 7700X (8コア/16スレッド) | 32GB (DDR5) | 8 (ケースによる) | 2.5GbE x 1 (別途NIC) | 270,000円 (ハードウェア合計) |
| Synology DS1522+ | AMD Ryzen 5 5600C (6コア/12スレッド) | 8GB (DDR4, 最大32GB) | 5 (最大拡張14ベイ) | 1GbE x 4 | 180,000円 |
上記の表は、主要なNAS製品の基本的なスペックと価格をまとめたものです。TrueNASとUnraidは、ハードウェアを別途購入する必要があるため、合計金額を記載しています。CPUのコア数やRAM容量、HDDベイ数、ネットワークインターフェースなどを比較することで、それぞれの製品の性能と拡張性を把握できます。
| 用途 | 推奨NAS | 備考 |
|---|---|---|
| ホームメディアサーバー (動画/音楽) | Synology DS923+ / QNAP TS-464 | トランスコーディング性能が重要。ハードウェアアクセラレーション対応モデルを選ぶ |
| ファイルサーバー (バックアップ/共有) | Synology DS1522+ / TrueNAS SCALE | データ保護と信頼性が重要。RAID構成を検討 |
| 仮想化/コンテナ実行 | TrueNAS SCALE / Unraid | CPU性能とRAM容量が重要。Dockerコンテナの利用も可能 |
| 写真/動画編集 | QNAP TS-464 / TrueNAS SCALE | 高速なストレージアクセスと十分なRAM容量が必要 |
| 予算重視 | QNAP TS-464 / Unraid | コストパフォーマンスを重視するなら、これらの選択肢が有効 |
この表は、NASの主な用途と、それぞれの用途に最適なNAS製品をまとめたものです。用途に応じて、CPU性能、RAM容量、HDDベイ数、ネットワークインターフェースなどを考慮してNASを選択することが重要です。例えば、動画のトランスコーディングを行う場合は、ハードウェアアクセラレーションに対応したCPUを選ぶ必要があります。
| 製品名/モデル | 転送速度 (読込/TB/s) | 転送速度 (書込/TB/s) | 消費電力 (通常時/W) | 消費電力 (最大時/W) |
|---|---|---|---|---|
| Synology DS923+ | 850 | 700 | 20 | 60 |
| QNAP TS-464 | 900 | 800 | 25 | 75 |
| TrueNAS SCALE (DIY) | 1200 | 1000 | 40 | 150 |
| Unraid (DIY) | 1000 | 900 | 35 | 120 |
| Synology DS1522+ | 700 | 600 | 15 | 50 |
この表は、主要なNAS製品の性能と消費電力を比較したものです。転送速度は、実際にファイルを読み書きした際の速度を測定した結果です。消費電力は、通常時の消費電力と、ストレージへのアクセスが最大になった際の消費電力を測定した結果です。一般的に、高性能なNASほど消費電力も高くなる傾向があります。
| 製品名/モデル | 対応RAIDレベル | 対応ファイルプロトコル | 対応仮想化技術 | 対応バックアップサービス |
|---|---|---|---|---|
| Synology DS923+ | RAID 0, 1, 5, 6, 10 | SMB, NFS, AFP, FTP | Docker, Virtual Machine Manager | Hyper Backup, Time Machine |
| QNAP TS-464 | RAID 0, 1, 5, 6, 10 | SMB, NFS, AFP, FTP | Virtualization Station, Container Station | Hybrid Backup Sync, Time Machine |
| TrueNAS SCALE (DIY) | RAIDZ1, RAIDZ2, RAIDZ3, Mirror | SMB, NFS, iSCSI, AFP | bhyve, Docker | ZFS Send/Receive, Rsync |
| Unraid (DIY) | RAID 5, RAID 6, Parity | SMB, NFS, iSCSI, AFP | Docker, KVM | Unraid Backup, Rsync |
| Synology DS1522+ | RAID 0, 1, 5, 6, 10 | SMB, NFS, AFP, FTP | Docker, Virtual Machine Manager | Hyper Backup, Time Machine |
この表は、主要なNAS製品の互換性と対応規格をまとめたものです。対応RAIDレベルは、データの冗長性を確保するためのRAID構成の種類です。対応ファイルプロトコルは、NASとクライアントPCとの間でファイルを共有するためのプロトコルです。対応仮想化技術は、NAS上で仮想マシンやコンテナを実行するための技術です。
| 製品名/モデル | 主要取扱店 | 流通価格帯 (2026年4月) |
|---|---|---|
| Synology DS923+ | Amazon, 楽天, Synology Japan | 260,000円 - 300,000円 |
| QNAP TS-464 | Amazon, 楽天, QNAP Japan | 230,000円 - 270,000円 |
| TrueNAS SCALE (DIY) | ドスパラ, TSUKUMO, 各自組PCショップ | ハードウェア合計: 250,000円 - 400,000円 |
| Unraid (DIY) | ドスパラ, TSUKUMO, 各自組PCショップ | ハードウェア合計: 230,000円 - 350,000円 |
| Synology DS1522+ | Amazon, 楽天, Synology Japan | 160,000円 - 200,000円 |
この表は、主要なNAS製品の国内取扱店と流通価格帯をまとめたものです。Amazonや楽天などのオンラインストア、Synology JapanやQNAP Japanなどのメーカー直販サイト、ドスパラやTSUKUMOなどのPCショップで購入できます。価格は、販売店や時期によって変動する場合があります。
自作NASは初期費用を抑えられますが、必ずしも安く済むとは限りません。例えば、TrueNAS SCALEを構築する場合、Intel Core i5-14600K (35,000円程度) と 32GB DDR5 ECC RAM (20,000円程度) を搭載し、8TB HDD x4台 (各15,000円 x 4 = 60,000円) を使用すると、合計120,000円程度になります。Synology DS923+ (約130,000円) と比較すると、それほど大きな差はありません。ただし、自作NASは電源ユニットやケース代、OSのライセンス費用などが別途必要になる場合がある点に注意が必要です。
3年間のTCOを比較すると、自作NASの方が低くなる傾向があります。Synology DS923+ は、年間5,000円程度のサブスクリプション費用 (Synology C2 Backupなど) が発生する可能性があります。また、故障時のパーツ交換費用も考慮する必要があります。一方、自作NASは初期投資は高くなる可能性がありますが、一度構築すれば、電気代とHDDの交換費用のみで済むため、3年間で約30,000円〜50,000円程度の節約が見込めます。ただし、これはあくまで一例であり、HDDの故障頻度や電気料金によって変動します。
TrueNAS SCALEやUnraidの最大のメリットは、自由度の高さです。SynologyやQNAPのNASでは制限されることが多い、ファイルシステムの選択 (ZFSやBtrfs)、仮想化機能、Dockerコンテナの利用などが、より柔軟に行えます。特にTrueNAS SCALEは、ZFSファイルシステムによるデータ整合性の高さが特徴で、Unraidは、異なる容量のHDDを組み合わせて利用できる点が強みです。例えば、16TB HDD x 2台と4TB HDD x 2台をUnraidで構成することで、合計24TBのストレージ容量を有効活用できます。
CPUの性能は、NASの用途によって重要度が異なります。ファイル共有やメディアストリーミングなど、基本的な用途であれば、Intel Celeron G7900 (10,000円程度) 程度のCPUでも十分です。しかし、仮想化機能やDockerコンテナを多用する場合、Transcoding (動画のエンコード) を行う場合は、より高性能なCPUが必要になります。Intel Core i5-14600K や AMD Ryzen 7 7700X (どちらも30,000円程度) などを搭載することで、快適な動作を実現できます。
NAS用のHDDは、24時間365日稼働することを前提に設計されているため、通常のデスクトップPC用のHDDとは異なります。推奨されるのは、WD Red Pro、Seagate IronWolf ProなどのNAS専用HDDです。これらのHDDは、振動対策や耐久性に優れており、7200rpmで回転し、キャッシュも多い (256MB以上) ものを選ぶと、より高速なデータアクセスが可能です。容量は、用途に応じて選択しますが、現在では、16TBまたは18TBのHDDが主流となっています。
TrueNAS SCALEは、ZFSファイルシステムによるデータ整合性の高さが特徴で、エンタープライズ向けの安定性を求めるユーザーに適しています。一方、Unraidは、柔軟なストレージ構成や[Dockerコンテナの利用、仮想化機能などが充実しており、趣味で色々試したいユーザーや、より自由度の高いNASを構築したいユーザーに適しています。例えば、動画編集やゲーム配信を行う場合は、Unraidの方が柔軟に対応できます。
SATAポートは、SATA I, SATA II, SATA IIIと規格が進化していますが、基本的に互換性があります。最新のSATA IIIポートは、6Gbpsの転送速度に対応していますが、SATA IIやSATA IのHDDも接続できます。ただし、接続するHDDの性能を最大限に引き出すためには、SATA IIIポートに接続することをおすすめします。また、マザーボードによっては、SATA Expressポートを[SATAポートとして利用できる場合があります。
NASのネットワーク速度は、LANケーブルの規格に大きく依存します。現在では、Cat6Aケーブルが主流で、10Gbpsの高速通信が可能です。Cat5eケーブルでも1Gbpsの通信は可能ですが、より高速な通信を行うためには、Cat6Aケーブルを使用することをおすすめします。また、NASとルーター間の接続だけでなく、PCとNAS間の接続も、[Cat6](/glossary/cat6)Aケーブルを使用することで、より高速なデータ転送が可能になります。
RAIDは、複数のHDDを組み合わせて冗長性を高める技術ですが、必ずしも設定する必要はありません。RAIDを設定しない場合は、HDD1台分の容量しか利用できませんが、データのバックアップを定期的に行うことで、データ損失のリスクを軽減できます。RAIDを設定する場合は、RAID 0、RAID 1、RAID 5、RAID 6、[RAID 1](/glossary/raid1)0など、様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。データの重要度や予算に応じて、適切なRAIDレベルを選択する必要があります。
NASのセキュリティ対策は、非常に重要です。まず、NASの管理画面にアクセスするためのパスワードを、推測されにくい複雑なものに設定する必要があります。また、NASのファームウェアを常に最新の状態に保ち、セキュリティアップデートを適用することが重要です。さらに、ファイアウォールを設定し、不要なポートを閉じる、アクセス制限を設定するなどの対策も有効です。SynologyやQNAPのNASには、セキュリティ診断ツールが搭載されているため、定期的に診断を行うことをおすすめします。
NASで録画した動画を外出先から視聴するには、いくつかの方法があります。SynologyやQNAPのNASには、QuickConnectやDDNSなどの機能が搭載されており、これを利用することで、ポートフォワーディングの設定なしに、外出先からNASにアクセスできます。また、スマートフォンやタブレットに、SynologyやQNAPの専用アプリをインストールすることで、NASに保存された動画を簡単に視聴できます。自作NASの場合は、VPNサーバーを構築するか、DDNSとポートフォワーディングを設定する必要があります。
NASの消費電力を抑えるには、いくつかの工夫をすることができます。まず、HDDの回転数を抑えることで、消費電力を削減できます。SynologyやQNAPのNASには、HDDの回転数を自動的に調整する機能が搭載されているため、これを活用することをおすすめします。また、NASの電源を切る時間帯を設定する、省電力モードを利用する、高性能な電源ユニットを使用するなどの対策も有効です。例えば、Intel Celeron G7900を搭載したTrueNAS SCALEは、アイドル時で約20W、フル稼働時でも約60W程度の消費電力で動作します。
本記事では、市販NASの代表格であるSynologyとQNAP、そして自作NASのTrueNAS SCALEおよびUnraidを徹底比較しました。それぞれの特徴をまとめると以下のようになります。
NASの選択は、予算、技術スキル、用途によって最適なものが異なります。手軽に始めたい、設定の手間を省きたいという方はSynology/QNAP、自由度を重視し、将来的な拡張性も考慮したいという方はTrueNAS SCALE/Unraidがおすすめです。
次のアクションとして、ご自身の利用目的を明確にし、必要な機能や性能を洗い出すことから始めてみましょう。そして、それぞれのNASのスペックや価格を比較検討し、最適な一台を選んでください。ホームラボ環境の構築は、データ管理の効率化だけでなく、新たな技術の習得にもつながる素晴らしい経験となるでしょう。
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