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AMD GPUでAIを動かすには、GPU名だけでなく、OS・ドライバー・ROCm・利用するフレームワークの組み合わせを確認します。2026年10月14日時点のROCm Core SDKは10.1.0です。Linux、Windows、WSL2では利用できる機能と導入経路が違うため、「Ubuntuならすべて動く」「Windowsでは使えない」と一括りにはできません。
この記事は公式資料に基づく環境選びと更新手順です。当編集部による各GPUでの推論・学習ベンチマークは実施していません。掲載コードも動作確認用の例であり、性能や全モデルの動作を保証するものではありません。
まず、画像生成、LLM推論、学習のどれを行うかを決めます。同じGPUでも、PyTorchの対応と、ComfyUIや推論エンジン全体の対応は別です。GPUのVRAM容量だけで購入を判断せず、使うアプリの対応表まで確認してください。
| 実行環境 | 導入前に確認するもの | 注意点 |
|---|---|---|
| Linuxネイティブ | GPU、ディストリビューション、カーネル、ドライバー、フレームワーク | Ubuntuという名前だけで互換性を判断しない |
| Windowsネイティブ | Windows向けSDK・フレームワークの対応GPUと機能 | Linux向け手順やパッケージをそのまま使わない |
| WSL2 | Windows側ドライバー、WSL環境、対象の配布物 | TheRockのWSL2対応には技術プレビューの制限がある |
出発点はAMDの互換性マトリクスです。GPUのシリーズ名だけでなく正確な型番を探し、利用したいバージョンのOSとAIフレームワークまで照合します。見つからない組み合わせは、他のGPUの成功例で対応済みと判断しません。
編集部の判断として、初めて環境を作る場合は、目的のアプリが公式に案内する組み合わせを優先します。自由度の高い構成より、問題が起きたときに同じ条件で再現できる構成のほうが復旧しやすいためです。
10.1.0は2026年10月5日公開です。注目すべきなのは、追加機能だけでなく既知の問題も同じリリースノートに記載されている点です。
| 項目 | 公式情報の要点 | 更新判断への使い方 |
|---|---|---|
| Radeonの学習処理 | RX 9070シリーズやAI PRO R9700などで報告された一部のリセット・クラッシュを修正 | 使用している学習処理と症状が一致するか確認 |
| W7900のComfyUI | 一部の画像・動画生成処理で以前より遅くなる既知の問題 | 処理時間の比較を行ってから更新を確定 |
| TheRockのWSL2配布物 | 技術プレビューとしてWSL2に対応 | 必要な開発・診断機能が含まれるか確認 |
修正の対象は特定の条件です。「Radeonならすべての学習が安定する」「新しい版ほど必ず速い」とは読み替えないでください。詳細と最新の既知問題はROCm 10.1.0リリースノートで確認できます。
TheRockのWSL2対応はU[bun](/glossary/bun-runtime)tu向けの配布物が対象で、RPMは対象外です。また、この技術プレビューではプロファイリング、デバッグ、KFDを使うツールに制限があります。Linuxネイティブと同じ診断環境を期待して移行すると、必要な解析ができない場合があります。
インストール前に、現在のGPU型番、OS、カーネル、ドライバー、アプリ、Python環境を控えます。Linuxでは次のコマンドでOSとカーネルを確認できます。これは設定を変更しない確認です。
cat /etc/os-release
uname -r
そのうえでAMDのインストール入口から対象OSの手順を選びます。古い記事のリポジトリURL、パッケージ名、別バージョンのドライバーを混ぜないでください。Python環境も既存の作業環境と分け、アプリが要求するPyTorchなどの版を揃えます。
フレームワークの導入先はAMDのAIエコシステム案内から選べます。PyTorchが導入できたことと、[vLLM](/glossary/llm)、llama.cpp、ComfyUIなどが同じ構成で動くことは別に確認します。
既存環境を更新するときは、現在のパッケージ一覧や設定、モデル保存先を残し、元の環境を再現できる状態を作ります。ドライバーとROCmとアプリを一度に変えると原因を切り分けにくいため、変更する層と比較する処理を決めてから進めるのが編集部の推奨です。
ROCm版PyTorchでもGPU確認には torch.cuda のAPIを使います。名前にcudaが含まれていても、それだけでNVIDIA向けの環境とは判断できません。HIP向けであることは torch.version.hip とあわせて確認します。
import torch
print("PyTorch:", torch.__version__)
print("HIP:", torch.version.hip)
print("GPU available:", torch.cuda.is_available())
if torch.cuda.is_available():
print("GPU:", torch.cuda.get_device_name(0))
この例は、実際にアプリを起動するPython環境で実行します。HIPの情報がなくGPUも見えていない場合は、PyTorchの配布物や実行環境を先に確認してください。GPUが見えても、必要なモデルがメモリに収まることや、長時間安定することまでは分かりません。PyTorchのHIP向け説明も参照できます。
次は小さな処理で、結果の正しさ、メモリ使用量、処理時間を確認します。比較時はモデル、量子化、入力、コンテキスト長、バッチ数を固定してください。条件が異なるベンチマークの数値を、そのまま手元の速度予測には使えません。
Lemonade v2026.41.1ではROCmバックエンドがROCm 10へ移り、更新後に初めてROCmモデルを読み込む際、約2.6GBのランタイムをダウンロードすると案内されています。これはLemonade側の配布の話であり、手動で導入するROCm 10.1.0と同一の環境だと決めつけないでください。Lemonadeのリリース情報
更新前にはネット接続と空き容量を確認し、最初の起動時間を通常の推論速度として測らないようにします。ダウンロード中の待ち時間とモデル実行の不具合を区別することが、切り分けの第一歩です。
Lemonade v2026.42.1は2026年10月14日22:59 JSTに正式公開されました。次の変更はROCmそのものの更新条件とは分けて確認します。
| 対象 | 変更点 | 更新前後の確認 |
|---|---|---|
| TheNoiseのROCm経路 | Windowsに対応し、同梱のポータブルCPythonで起動 | 対象GPU、バックエンド、モデルを確認して小さな処理から試す |
| extra_models_dir | Hugging Face/ModelScope形式のキャッシュ取込に対応 | 指定フォルダー、モデル名、参照リビジョンを確認 |
| FastFlowLMのNPU経路 | hy-mt2:1.8bをhy-mt2-flash:1.8bへ改名 | 旧名を固定している設定・スクリプトを点検 |
TheNoiseは同版の公式対応表でもexperimentalです。アプリが正式版であることと、機能が実験段階であることは両立します。全AMD GPUでの動作や、他の画像生成経路との同等性能は保証されません。
モデルが一覧に出ない場合は、GPU故障やVRAM不足と決めつけず、extra_models_dirの指定と配布キャッシュの構成を確認します。キャッシュ名だけでモデル本体と判断したり、見つからないことを理由に元ファイルを削除したりしないでください。
NPU側の変更も分けます。固定タグのバックエンド設定はFastFlowLM v1.0.7を指定しています。hy-mt2の改名を、ROCmを使うGPUモデル全般の改名として扱わないでください。旧タグで呼び出す処理がないか、更新前に控えておくと切り分けやすくなります。
編集部としては、GPU用ROCm、NPU用FastFlowLM、アプリ管理ランタイムを別々の欄で記録することを勧めます。更新後はモデル名、実際に選ばれた経路、初回ダウンロードの有無を確認してから、通常時の待ち時間を測ります。本記事ではTheNoiseやNPUの実機動作は未検証です。
いいえ。GPU、OS、ROCm、フレームワークの対応の組み合わせを確認してください。同じシリーズでも型番ごとの確認が必要です。
一律に使えないわけではありません。WindowsネイティブとWSL2にはそれぞれ対応経路があり、利用できるGPUや機能がLinuxと異なります。
同じではありません。TheRockのWSL2技術プレビューには配布形式や診断ツールの制限があります。必要な機能が使えるかを先に確認します。
一律には言えません。10.1.0にはW7900の一部処理で性能が下がる既知の問題があります。使っているワークフローで比較してください。

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