
2026 年現在、ゲーム配信は単なる趣味の範囲を超え、エンターテインメント業界における重要なコンテンツ制作プラットフォームとして確立されています。YouTube のライブ配信や Twitch での活動が一般化し、視聴者数だけでなく高画質・低遅延な映像品質への要求も年々高まっています。特に 2026 年の現在では、AV1 エンコードの普及により YouTube における動画の圧縮効率が劇的に向上しており、これまでよりも広い帯域で高画質な配信が可能となっています。しかし、一方でゲーム自体のグラフィック性能が向上したことで、PC への負荷もかつてないほど高くなっています。
このため、初心者が「とりあえず PC を組めば配信ができる」という時代は終わりを告げました。今や成功する配信を行うためには、ハードウェアの選定から OBS Studio の微調整まで、システム全体を最適化する知識が必要不可欠です。この記事では、2026 年時点での最新の構成要素に基づき、1PC 配信と 2PC 配信の違い、最適な CPU・GPU の選び方、OBS の詳細設定方法、そして予算に応じた具体的なパーツ構成案までを網羅的に解説します。
また、単にスペックを並べるだけでなく、なぜそのスペックが必要なのかという技術的な背景や、実際に設定を行う際のステップバイステップな手順も詳述します。例えば、エンコーダーの選択一つでゲーム中のフレームレートがどう変動するか、ビットレートを上げすぎた場合に視聴者の回線環境に与える影響など、実務レベルでの知見を提供します。この記事を読み終えた頃には、あなた自身で最適な配信環境を構築し、安定した高品質な配信活動を開始できる基礎力を身につけているはずです。
ゲーム配信を行う際、最も基本的な判断となるのが「1PC で行えるか」それとも「2PC(放送用 PC+ゲーム用 PC)で行うか」という構成の選択です。この選択は、予算、技術的な知識、そして求める配信品質によって大きく異なる結果をもたらします。特に 2026 年において、CPU と GPU の性能が向上したとはいえ、4K ゲームや高解像度のストリーミングを同時に処理するには依然として負荷が高いのが現実です。それぞれの構成には明確なメリットとデメリットが存在するため、自分の状況に合わせた最適な選択を行う必要があります。
まず「1PC 配信」とは、シングルマシンの PC でゲームの実行と配信のエンコードを同時に行う方式です。最も一般的な構成であり、初期費用を抑えられます。近年の高性能な PC では、最新の GPU に搭載された NVENC エンコーダー(ハードウェアエンコーダー)のおかげで、ゲームプレイに大きな負荷をかけずに配信が可能になっています。ただし、同時に高負荷なゲームを 4K で動作させる場合などには、CPU や GPU のリソースが逼迫し、フレームレートの低下やエンコードエラーのリスクが高まります。また、PC がフリーズした場合、ゲームと配信の両方が停止してしまうという致命的なリスクも抱えています。
一方「2PC 配信」は、一つの PC でゲームをプレイし、もう一つの PC でキャプチャーボードを通じて映像を収集・配信を行う構成です。これはプロフェッショナルな配信者や、高負荷な 4K ゲームを配信する際に好まれます。最大のメリットは、ゲーム用 PC のリソースがエンコード処理から解放されるため、ゲームのパフォーマンスを最大限に引き出せる点です。また、配信用の PC でトラブルが発生してもゲームは続行できるなど、冗長性(フェイルセーフ)が高いのも大きな利点です。ただし、キャプチャーボードや 2 つ目の PC の購入コストが数万円から数十万円増えるため、初期投資が大きくなるというデメリットがあります。
| 構成種類 | メリット | デメリット | 向いているユーザー層 |
|---|---|---|---|
| 1PC 配信 | 初期費用が安い(PC1 つで完結)<br>設定が比較的簡単<br>ケーブル類が少ない | ゲーム負荷と配信負荷が競合<br>PC フリーズ時のリスクがある<br>高画質配信の限界がある | ビギナー層<br>予算に限りがある層<br>1080p 以下の配信希望者 |
| 2PC 配信 | ゲーム性能への影響が少ない<br>配信トラブルの耐性が高い<br>4K/60fps 配信が可能 | 初期費用が高額(2PC+ボード)<br>設置スペースと配線が必要<br>遅延が発生しやすくなる傾向 | メディアプロ・中上級者<br>高画質配信を希望する層<br>予算に余裕がある層 |
[画像:1PC 構成と 2PC 構成の接続図比較。左側に PC1 つでゲームと OBS を接続した図、右側に HDMI ケーブルがキャプチャーボードを介して別 PC に繋がっている図]
2026 年の現在では、NVIDIA の RTX シリーズや AMD の新世代 GPU が高度なハードウェアエンコード機能を標準搭載しているため、1PC でも十分な品質の配信が可能です。特に「ゲーム用 PC」の GPU で NVENC や AV1 エンコーダーを利用する構成であれば、CPU のコア数を削らずに済みます。しかし、極端に重いタイトル(例:『Cyberpunk 2077』の光追跡 OFF など)や、4K 解像度での配信を日常的に行う場合は、物理的な負荷分散ができる 2PC 構成が依然として最強の選択肢となります。また、1PC で配信を行う場合でも、必要に応じてキャプチャーボードを介して配信用 PC に映像を送る「1.5PC」のようなハイブリッドな運用も、後述する OBS の設定次第で可能になります。
配信用 PC を構築する際に最も重要になるのは、どのパーツがボトルネックになりやすいかを理解することです。2026 年時点での標準的な推奨スペックを念頭に置きつつ、それぞれのコンポーネントが配信にどのような影響を与えるのかを詳しく解説します。特に CPU はエンコード処理の効率性に関与し、GPU はゲーム描写と映像出力を担当するため、バランスの良い選定が求められます。また、メモリ容量やストレージ速度も、OS の応答性や OBS の動作安定性に直結する重要な要素です。
まず「CPU」の選び方についてです。配信において CPU は主にゲーム処理と OBS によるエンコード(ソフトウェアの場合)を担当します。近年の主流である AMD Ryzen シリーズや Intel Core Ultra シリーズでは、コア数の多さが有利に働きます。推奨されるのは最低でも6 コア以上で、可能であれば12 コア以上の CPU を選ぶことです。例えば、Ryzen 7 9700X や、Core i5-14600K のようなミドルレンジ以上のプロセッサが安定して動作します。CPU が低性能だと、ゲーム自体のフレームレートが下がるだけでなく、OBS の処理が追いつかずに「エンコード遅延」が発生し、視聴者への映像がカクつく原因になります。特に AV1 エンコーダーを使用する場合でも、バックアップとしての x264 利用や、OS の管理タスクを考慮すると、コア数の余裕は不可欠です。
[画像:CPU のコア数と配信負荷の関係を示すグラフ。横軸にコア数、縦軸にゲーム FPS と CPU 使用率を表示]
次に「GPU(グラフィックボード)」の選定についてです。2026 年現在、配信用 PC において最も重要なパーツの一つは GPU です。特に NVIDIA GeForce RTX シリーズ(RTX 40 シリーズ以降または RTX 50 シリーズ)が推奨されます。その理由は、NVIDIA が独自に開発した NVENC エンコーダーの性能が他社製品と比較して圧倒的に高いためです。NVENC は GPU の一部を独立して使用し、ゲーム描写用リソースを消費せずに映像を圧縮できます。これにより、ゲームプレイ中のフレームレート低下を防ぎつつ、高品質な配信映像を生成することが可能になります。また、AMD Radeon RX シリーズも RDNA4 以降のアーキテクチャでエンコード性能を向上させていますが、NVIDIA の NVENC や AV1 エンコーダーとの互換性・安定性を考慮すると、配信特化用途では NVIDIA が依然として有利です。
「メモリ(RAM)」については、2026 年の標準として32GB を推奨します。かつては16GB で十分とされていましたが、Windows のベースライン消費量やゲーム自体のメモリアクセス量の増加により、16GB では配信中にメモリ不足によるスワップ発生(SSD への書き込み)が起きやすくなり、動作の重さの原因になります。特に OBS Studio はメモリを大量に使用する傾向があり、32GB を搭載することで、ゲーム・OS・配信ソフトがそれぞれの領域を確保して快適に動作します。もし予算に余裕があれば64GB に増設することも検討できますが、コストパフォーマンスの観点からは32GB(16GB×2)のデュアルチャネル構成が最もバランスが良い選択です。
[画像:メモリ容量ごとの OBS 起動時のリソース使用量比較図。16GB, 32GB, 64GB のグラフ]
最後に「ストレージ」についてです。SSD は必須であり、特におすすめなのは NVMe M.2 SSD です。配信中に録画ファイルを高速に書き込む必要があるため、HDD では遅延やデータ破損のリスクがあります。2026 年では Gen4 対応の SSD が一般的ですが、Gen5 も普及期に入っています。ゲーム用 PC のメインドライブとして 1TB または 2TB の高速 SSD を使用し、配信録画用のサブドライブ(または同一ドライブ内の別パーティション)を確保するのが理想的です。特に OBS の設定で「録画形式」を選ぶ際にも、NTFS などの高速フォーマット対応ディスクが求められます。遅延の少ない読み書きが可能かどうかが、配信中にファイルが書き込みきれずにエラーになるかどうかを分けます。また、SSD の健康状態(TBW:総記録バイト数)も確認し、長時間配信での耐性がある製品を選ぶことが重要です。
OBS Studio を使用して配信を行う際、最も設定項目として重要かつ誤解されやすいのが「エンコーダー」の設定です。ここでは、ソフトウェアエンコード(x264)とハードウェアエンコード(NVENC, AV1)の違い、そしてなぜ GPU の選択肢がこれほどまでに重要なのかを技術的な観点から解説します。正しいエンコーダーを選ぶことは、ゲームのパフォーマンス維持と配信画質の向上に直結するため、深く理解しておく必要があります。
まず「x264(ソフトウェアエンコード)」についてです。これは CPU の計算能力を使って映像を圧縮する方式です。かつてはこれが主流でしたが、現在では CPU に負荷が集中しすぎるため、ゲーム配信での利用は推奨されません。CPU が x264 で大量のコア数を消費すると、ゲーム自体の処理リソースが奪われ、フレームレートが低下します。特に低予算の PC や、コア数が少ない CPU を使用している場合、x264 の「Very Fast」や「Super Fast」プリセットでも CPU 使用率が 100% に達しやすくなります。ただし、NVENC が未対応の環境での代替手段として使われることはあります。また、最新の OBS では AI ベースのアップスケーリング機能と x264 の組み合わせで画質を向上させる実験的な設定も存在しますが、基本的なゲーム配信用途では避けるべきです。
[画像:x264 エンコード時の CPU 使用率グラフ。100% に達しやすく、ゲーム FPS が低下する様子を示す]
次に「NVIDIA NVENC(ハードウェアエンコード)」についてです。これは GPU の一部に用意された専用の回路ブロックを使用する方式です。GPU のレンダリング処理とは独立したエンジンであるため、ゲームの描画性能をほぼ損なわずに映像を圧縮できます。2026 年時点では、RTX 40 シリーズ以降のカードが標準で搭載しており、NVENC の性能は大幅に進化しています。特に「Quality」設定を選んでも GPU に大きな負荷をかけずに済むため、ゲームを快適にプレイしながら高画質配信を行うために不可欠です。また、NVIDIA の NVENC は低遅延モードもサポートしており、リアルタイム性の高いゲーム配信に適しています。
さらに重要なのが「AV1 エンコーダー」の普及についてです。2026 年現在、YouTube を中心に AV1 コーデックの利用が急速に進んでいます。従来の H.264(AVC)や H.265(HEVC)と比較して、AV1 はより高い圧縮効率を実現し、同じビットレートでも画質が向上します。つまり、視聴者の回線速度が限られていても、AV1 を使えば高画質な映像を届けることができます。ただし、AV1 エンコードには CPU/GPU のリソース消費がやや大きくなる傾向があるため、RTX 40 シリーズ以降や AMD RDNA4 以降の最新 GPU でないと十分に機能しません。また、YouTube が AV1 のデコードに対応している視聴者が増えていることが前提となります。2026 年では YouTube の主要な配信フォーマットとして AV1 を推奨する設定が主流になっています。
| エンコーダー種別 | 使用するハードウェア | メリット | デメリット | 推奨用途 |
|---|---|---|---|---|
| x264 | CPU | コードの互換性が非常に高い<br>設定次第で画質向上が可能 | CPU 負荷が極めて高い<br>ゲーム FPS が低下しやすい | 古い PC の代替手段 |
| NVIDIA NVENC (H.264) | GPU (RTX シリーズ) | ゲーム性能への影響が少ない<br>低遅延モードあり | H.265/AV1 より圧縮効率が劣る | Twitch, Discord など |
| NVIDIA AV1 | GPU (最新 RTX/Radeon 8000+) | 同一ビットレートで高画質<br>YouTube 配信に最適化 | CPU/GPU リソース消費増 | YouTube Live 配信 |
OBS の設定画面では、「出力」タブから「エンコーダー」の項目を選択できます。2026 年時点での推奨設定は、NVIDIA の GPU を搭載している場合は「NVENC H.264」または「AV1 Encoder」を選択することです。特に YouTube 配信を行う場合は、AV1 エンコードを有効にすることで視聴者側のデータ使用量を減らしつつ画質を維持できます。また、OBS の設定画面で「Preset(プリセット)」と呼ばれる項目があり、ここでは「Quality」「Balanced」「Slowest」などから選べます。「Quality」を選ぶと圧縮処理に時間をかけて高画質になりますが、GPU 負荷が微増します。ゲーム配信では「Balanced」または「Max Quality」を基準に試し、FPS が低下する場合は一つ下げるのが定石です。
OBS Studio(Open Broadcaster Software)は、配信を行う上で最も重要なソフトウェアです。2026 年現在ではバージョン 31 以降が主流で、AI によるノイズキャンセリングや自動フレームレート調整などの機能も強化されています。しかし、デフォルトの設定のままでは画質劣化や音質の悪化を招く可能性があるため、自身の PC スペックと配信環境に合わせて微調整を行う必要があります。ここでは、映像設定と音声設定の両方について、具体的な数値と共に詳細な手順を解説します。
まず「映像」タブの設定についてです。「ベース解像度(キャンバス)」はゲームが動作する画面サイズに合わせます。例えば PC モニターが 1920x1080(フル HD)であればこれを設定し、2560x1440 ならその値を入力します。次に「出力解像度」ですが、ここをベースより低くすることでエンコード負荷を下げられます。しかし 2026 年では多くの配信者が 1080p または 1440p を希望するため、基本はベース解像度と同じに設定し、必要な場合のみスケーリングを行います。特に OBS の「ビデオ」タブにある「スケールフィルタ」は、「Lanczos(高精度)」または「Bicubic(標準)」を選ぶことで、縮小時の画質劣化を抑えられます。また、「キーフレーム間隔」は 200 秒程度に設定するのが一般的で、Twitch や YouTube の仕様と整合性を保つために重要です。
[画像:OBS Studio の映像タブ画面截图。ベース解像度、出力解像度、スケールフィルタの設定箇所を矢印で示す]
「ビットレート」の設定は配信画質の生命線です。しかし、この数値は配信プラットフォームや視聴者の回線環境によって最適値が異なります。後述するプラットフォーム別設定にも触れますが、基本的には 6000kbps〜12000kbps の範囲で調整します。Twitch は 6000kbps が上限に近い推奨値であり、それ以上上げても視聴者の回線でバッファリングが発生するリスクがあります。一方 YouTube は 12000kbps まで許容されるため、より高画質な映像を配信可能です。OBS の「ビットレート」欄にこの数値を入力し、「エンコーダー」設定と連動させます。また、CQP(Constant Quantizer)というモードを使えば、動的に変化するビットレートを自動的に調整できますが、初心者には CBR(固定ビットレート)の方が安定した配信につながります。
音声設定については、ノイズキャンセリング機能の活用が必須です。OBS の「マイク/オーディオフィルター」において、「ノイズ抑制」を有効にすると、ファンやキーボードの雑音を除去できます。2026 年では AI ベースの「RNNoise」などが標準搭載されており、設定一つで劇的な音声品質向上が可能です。「圧縮器(コンプレッサー)」も使用し、声量のバラつきを抑えます。具体的には、ゲインを下げすぎない程度に設定し、静かな時でも聞き取りやすくします。また、「ノイズゲート」を使用することで、喋っていない間の無音部分を自動的にカットし、視聴者のストレスを軽減できます。
[画像:OBS の音声ミキサー画面。マイク入力、フィルター設定(ノイズ抑制・コンプレッサー)のアイコンが並んでいる様子]
さらに「録画機能」の設定も重要です。配信と同時に録画を残すことで、後で編集して YouTube 動画として公開できます。「出力形式」は MP4 が最も互換性が高く、多くの動画編集ソフトで扱えます。保存先フォルダは、高速な SSD に設定し、ファイルサイズが大きくなりすぎないよう「最大ファイルサイズ」を設定します(例:5GB で自動リネーム)。また、「録画時に音声を出力しない」オプションを適切に切り替えることで、ゲーム音声とマイク音声を分けて保存することも可能です。これらの設定は配信の質だけでなく、今後のコンテンツ運用にも影響するため、念入りに確認しておきましょう。
2026 年現在、主要な配信プラットフォームとして Twitch、YouTube Live、そして Kick が挙げられます。それぞれが独自の仕様や制限を持っており、OBS の設定を統一して行うのではなく、プラットフォームごとに最適なパラメータを設定する必要があります。特にビットレートの上限は厳格に守る必要があり、超過すると動画のアップロードエラーが発生したり、視聴者側のバッファリングによるラグの原因となります。ここでは各プラットフォームの特徴と推奨設定値を整理します。
まず「Twitch」についてです。Twitch は長らく 60fps の配信を制限してきた歴史がありますが、2026 年現在では多くのチャンネルで 1080p60 の配信が可能です。ただし、ビットレートは公式推奨が 6000kbps です。これを超えて設定しても Twitch のサーバー側で自動調整されるか、またはアップロードエラーになる可能性があります。特に「Partner」や「Affiliate」認定を受けている場合でも、推奨値を超えるのは避けるべきです。また、Twitch は H.264 コーデックを主軸としており、AV1 のサポートはまだ発展途上ですが、配信者側が AV1 でエンコードしても Twitch サーバー側で再エンコードされることがあります。そのため、安定性を優先すれば NVENC H.264 が無難な選択です。
[画像:Twitch 配信設定画面と OBS ビットレート設定画面を並べた比較図]
次に「YouTube Live」です。YouTube は Twitch と異なり、ビットレートを 12000kbps まで許容します。これは YouTube のコーデックが H.265 や AV1 をサポートしており、より効率的な圧縮が可能であるためです。特に AV1 エンコードを有効にすることで、同じ画質でもデータ量を半減できる可能性があります。YouTube は「高画質」志向のプラットフォームであり、視聴者側も回線速度が比較的速い傾向があります。したがって、OBS で 12000kbps を設定し、AV1 エンコーダーを有効にすることで、Twitch と比較して圧倒的な画質差を出せます。ただし、YouTube は配信開始までの準備時間が少し長くなる傾向があるため、事前に「テスト配信」を使って接続確認を行うことが重要です。
「Kick」という新たなプラットフォームも 2026 年には一定のシェアを持っています。Kick は比較的自由なビットレート設定を許容する傾向にあり、Twitch よりも高ビットレートを推奨する場合もあります。しかし、プラットフォームごとの視聴者層やチャット機能の違いを考慮する必要があります。また、Kick では「非公式の配信ツール」の使用制限などがないため、OBS の標準的な機能で問題なく動作します。
| プラットフォーム | 推奨解像度 | 推奨 FPS | 最大ビットレート | おすすめコーデック |
|---|---|---|---|---|
| Twitch | 1080p | 60fps | 6000kbps | NVENC H.264 |
| YouTube Live | 1080p/1440p | 60fps | 12000kbps | AV1 / H.265 |
| Kick | 1080p | 60fps | 8000kbps+ | NVENC H.264 |
ビットレートを設定する際は、自身のアップロード速度も確認する必要があります。例えば、自宅の回線が 50Mbps の場合、その半分を配信に割くと 25Mbps 程度しか出せません。OBS で 12000kbps(約 1.5MB/s)を設定していても、バックグラウンドのダウンロードや他のデバイスの通信によって不安定になる可能性があります。また、IPv6 の対応状況も 2026 年では重要であり、ルーターの設定を確認し、安定した IP アドレスを取得しておくことが推奨されます。
[画像:ネットワーク速度テスト結果画面と OBS ビットレート設定値の比較]
さらに「配信開始」のタイミングにおいて、OBS の「ライブ配信の開始」ボタンを押す前に、必ず「接続テスト」を行うべきです。OBS の右側の「ステータスバー」には現在のビットレートやフレームレートが表示されており、緑色で安定していることを確認してから配信を開始します。また、配信中に通信が不安定になった際のために、「自動再試行」の機能を有効にしておくことも重要です。これにより、一時的な通信エラーで配信が終了することを防ぎます。
先述した通り、2PC 構成(放送用 PC+ゲーム用 PC)は高負荷環境やプロフェッショナルな運用において非常に有効です。しかし、この構成を実現するには「キャプチャーボード」が不可欠です。キャプチャーボードは、ゲーム用 PC の HDMI や DisplayPort 出力を、放送用 PC が認識できるデータに変換するデバイスです。2026 年時点では USB Type-C や Thunderbolt を使用した高速な接続も一般的になっていますが、USB 3.0 または USB 3.1 Gen2 対応のキャプチャーボードが最もバランスが良い選択です。
「キャプチャーボード」を選ぶ際の重要なポイントは、4K 60fps の入力に対応しているかどうかです。近年の高解像度ゲームでは 4K モニターが普及しており、それを配信で共有したい場合、キャプチャーボードの対応スペックがボトルネックになります。また、HDMI 2.1 のサポートも重要であり、高帯域でのデータ転送が可能かどうかが画質や遅延に影響します。特に低遅延モード(passthrough)に対応しているモデルを選ぶと、ゲーム用 PC のモニターに映像を映しつつ、放送用 PC にも同時に信号を送れるため、設定が楽になります。
[画像:キャプチャーボードの接続図。ゲーム PC→HDMI→キャプチャーボード→USB→配信 PC]
代表的な製品として「Blackmagic Design」のハイブリッドモデルや、「Elgato」シリーズの最新機種が挙げられます。特に Elgato は 4K60 HDMI Capture や USB-C モデルなど、初心者でも扱いやすいラインナップを維持しています。2026 年では価格も安定しており、10,000 円〜30,000 円の範囲で高品質なモデルが入手可能です。また、OBS でキャプチャーボードを認識させる際、「メディアソース」や「デバイス入力」として設定し、解像度とフレームレートを一致させる必要があります。ここでのズレは、画面の歪みや遅延の原因となるため注意が必要です。
2PC 構成時の最大の課題は「音声の同期」です。ゲーム用 PC の音声をキャプチャーボード経由で放送用 PC に送る必要がある場合、AV 同期(オーディオとビデオがずれる)が発生する可能性があります。これを解決するには、OBS の設定で「Audio Delay(音声遅延)」を調整するか、キャプチャーボード側のドライバ設定を見直します。また、マイク音声を直接放送用 PC に繋ぎ、ゲーム音声をキャプチャーボード経由で取得することで、ミキシングの自由度が高まります。
高品質な配信を行うためには、PC のスペックだけでなく、映像や音声を収集する周辺機器も重要です。2026 年現在では、安価な商品でも十分な性能が得られますが、自分の環境に合った適切な製品を選ぶことが満足度の高い配信につながります。ここでは、マイク(音声)、カメラ(映像)、照明の 3 つのカテゴリーに分けて、具体的な選び方を解説します。
「マイク」については、ダイナミックマイクとコンデンサーマイクのどちらを選ぶかが最初のポイントです。ダイナミックマイクは音圧に強く、部屋の残響や環境音を拾いにくい特徴があります。特に自室が静寂ではない場合や、PC のファン音が気になる場合はダイナミックマイク(例:Shure SM7B や Audio-Technica AT2020USB)が推奨されます。一方、コンデンサーマイクは繊細な音質を録音できますが、周囲の雑音も拾いやすいため、吸音材のあるブースや静かな部屋での使用に適しています。OBS のフィルター機能を活用すればコンデンサーマイクでも環境音を低減できますが、根本的な解決としてはダイナミックマイクの方が手軽です。
[画像:ダイナミックマイクとコンデンサーマイクの比較図。形状の違いと用途を説明]
「カメラ」については、1080p60fps が標準となっています。2026 年では 4K カメラも普及しつつありますが、配信画質との整合性を考えると 1080p で十分です。特に Web カメラインタフェース(UVC)に対応した製品であれば、設定不要で OBS に認識させることができます。Logitech の C920 や C930c シリーズは長く愛用されており、2026 年でも中古や在庫として入手可能です。また、最近では AI フィルター機能内蔵のカメラもあり、背景ぼかしや顔追跡などの機能が標準で使えるようになっています。
「照明」については、配信中の映像品質を左右する重要な要素です。自然光よりも人工光源の方が安定しており、特に LED ライトが主流です。照明は被写体(自分)に対して正面から当てるか、斜め 45 度の位置に置くのが基本で、顔の凹凸を整えつつ影を作らないようにします。また、背景用の照明を別で設置することで、奥行きのある映像を作ることも可能です。RGB カラーの LED ライトも人気があり、配信テーマに合わせた演出が可能です。ただし、色温度(ホワイトバランス)が暗すぎると画面全体が暗く写ってしまうため、適切な明るさ設定が必要です。
最後に、2026 年時点での予算別におすすめの PC 構成案を提示します。これはあくまで 2026 年の市場状況を想定したものであり、実際の価格や在庫状況は変動しますが、パフォーマンスのバランスが取れた組み合わせです。各予算帯で重視するべきポイントを明確にし、無理のない選択ができるようサポートします。
「エントリー構成(約 15 万円〜)」では、コストパフォーマンスに優れた CPU と GPU を選びます。例えば AMD Ryzen 5 7600X または Intel Core i5-14400F に RTX 4060 Ti を組み合わせます。メモリは 32GB DDR5、SSD は 1TB NVMe M.2 SSD を搭載します。この構成では、1080p60fps のゲーム配信が可能ですが、高負荷なタイトルや 1440p 以上の解像度には注意が必要です。OBS では x264 ではなく必ず NVENC H.264 を使用し、ビットレートを 6000kbps に設定します。
「ミドル構成(約 25 万円〜)」では、より余裕のある性能を持たせます。CPU は Ryzen 7 9700X または Core i7-14700K を選びます。GPU は RTX 4070 Ti Super または同等の性能を持つモデルを選択します。メモリは 32GB DDR5(6000MHz)を標準搭載し、SSD は 2TB に増やすことで録画容量に余裕を持たせます。この構成なら、1440p60fps のゲーム配信や高負荷なマルチタスクも快適に行えます。OBS 設定では AV1 エンコードを利用可能になり、YouTube での高画質配信にも対応可能です。
[画像:エントリーとミドル構成の PC 内部写真。マザーボードや冷却ファンの配置を比較]
「ハイエンド構成(約 40 万円〜)」では、プロフェッショナルな運用を目指します。CPU は Ryzen 9 9950X または Core i9-14900K を選びます。GPU は RTX 4080 Super または RTX 4090 で、エンコードと描画を同時に高負荷で処理できます。メモリは 64GB DDR5 に増設し、SSD は Gen5 SSD を採用して録画の高速書き込みを実現します。この構成では、2PC 配信や 4K 配信も余裕を持って行えます。また、キャプチャーボードも高価なモデルを選択し、遅延を極限まで抑えます。
ゲーム配信向け PC 構成ガイドの要点を以下にまとめます。これを読み返しながら、自分の環境に合わせて設定を見直してください。
2026 年の配信技術は進化を続けていますが、基本となる「安定した映像」と「聞き取りやすい音声」を提供する姿勢に変わりはありません。この記事があなたの配信活動の成功に寄与することを願っています。

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