


PCパーツ・ガジェット専門
自作PCパーツやガジェットの最新情報を発信中。実測データに基づいた公平なランキングをお届けします。
マザーボードのVRM(電圧レギュレータ)を徹底解説。フェーズ数、MOSFETの品質、温度がCPU性能に与える影響。
VRMフェーズ数がCPU性能と安定性にどう影響するか技術的に解説。マザーボード選びで重要な電源回路の見方と比較ポイントを紹介。
VRM冷却最適化ガイド。ハイエンドマザーVRM発熱対策・追加ファン設置を具体例で解説する。
この記事で紹介したCPUをAmazonで確認できます。Prime対象商品なら翌日届きます。
Q: さらに詳しい情報はどこで?
A: 自作.comコミュニティで質問してみましょう!
PC を自作する際に、CPU や GPU のスペックばかりに目がいきがちですが、システム全体の安定性を決定づける重要な要素として VRM(Voltage Regulator Module)と呼ばれる電圧調整回路の存在があります。特に高性能な CPU を使用する場合、供給される電源が不安定であれば動作不良や破損のリスクが高まるため、その仕組みと設定方法に関する知識は必須となります。本記事では、自作 PC 初心者から中級者向けに、CPU 電圧レギュレーションの核心である VRM の設計思想、Vcore をはじめとする各電圧ラインの違い、および OC(オーバークロック)時の調整手法を具体的に解説します。2026 年 4 月時点での最新プラットフォームである Z890 や X870E チップセット搭載マザーボードと、Intel Core Ultra 9 285K、AMD Ryzen 9 9950X の組み合わせを事例に挙げながら、具体的な数値を用いて詳細を掘り下げます。
VRM とは Voltage Regulator Module の略称で、電源ユニットから供給される 12V の電圧を CPU が動作可能な低い電圧(例:0.7V〜1.4V)に変換して安定供給する回路です。この変換プロセスにおいて中心的な役割を果たすのが PWM コントローラと MOSFET です。PWM(パルス幅変調)コントローラは、CPU の負荷変動に合わせてスイッチのオンオフ比率を高速で制御し、平均電圧値を調整します。2026 年現在主流となっている PWM コントローラでは、Intel の Digi+ VRM や AMD の PCH 統合コントローラなどが採用されており、これらは BIOS を介して電圧値や動作モードの微調整を可能にしています。
MOSFET(金属酸化膜電界効果トランジスタ)は、電流の流れをオンオフするスイッチング素子です。VRM 回路では複数の MOSFET が並列または直列配置され、「High Side」と「Low Side」のペアとして動作します。High Side は電源入力側で電圧を下げるためのスイッチ、Low Side は接地側で電流のリターンパスを制御する役割を担います。近年はこれらを 1 つのパッケージに集約した DrMOS(Driven MOSFET)が標準となり、外部ゲートドライバとの配線損失を削減し、発熱を抑える設計が進化しています。例えば、ASUS ROG Maximus Z890 Hero に搭載される DrMOS は 100A の定格電流を各フェーズでサポートしており、高負荷時でも温度上昇を抑制します。
VRM のフェーズ数とは、この High Side/Low Side ペアのセット数を指し、多ければ多いほど電流分担による負荷分散が図れ、発熱とリップルノイズの低減に寄与します。ただし、単にフェーズ数が多いことが全てではなく、使用する MOSFET や DrMOS の定格能力や、ヒートシンクの放熱性能も同等に重要です。2026 年のハイエンドマザーボードでは、18〜24 フェーズの構成が主流となっており、CPU の TDP(熱設計電力)が 150W を超えるケースにおいても、VRM モジュール自体の温度が 90℃を下回るような設計が求められます。PWM コントローラの性能も進化しており、電圧フィードバックループの応答速度を向上させることで、CPU の負荷急変に対する電圧変動を抑える能力が高まっています。
CPU が動作するためには、単一の電圧だけでなく複数の電圧ドメインが同時に安定供給される必要があります。これらを統括して理解することは、OC やトラブルシューティングにおいて不可欠です。最も主要な Vcore(Core Voltage)は、CPU コアクロック回路への供給電圧であり、一般的に 0.8V〜1.4V の範囲で調整されます。Intel Core Ultra 9 285K ではブースト動作時に最大 1.35V を超えることがあり、AMD Ryzen 9 9950X でも同様に高負荷時は高い電圧を要求します。この Vcore が不安定だと、システムクラッシュやブルースクリーン(BSOD)の直接的な原因となります。
次に重要なのが VSoC(System on Chip Voltage)です。これは CPU インチクールの内部コントローラやメモリコントローラへの供給電圧であり、Intel では 1.0V〜1.35V、AMD では 1.0V〜1.2V の範囲で調整されるのが一般的です。特に Ryzen シリーズでは VSoC と VDDQ(IO Voltage)のバランスが OC 安定性に大きく影響します。VDDQ は CPU 内部の IO コントローラへの電圧で、メモリ周波数との相関性が高いため、高頻度化時には電圧調整が必要となる場合があります。これらの電圧は互いに独立して制御可能な場合と、相互依存する設定があるため、BIOS 上の各項目を個別に確認する必要があります。
さらに VCCIN-AUX(Auxiliary Input)のような補助入力電圧も存在します。これは CPU 内部の電源管理回路や特定の機能ブロックへの供給電圧であり、マザーボード側の VRM 制御ユニットや CPU の一部機能を動作させるために必要です。Intel プラットフォームでは特に重要で、電圧が不足するとシステム起動自体が行われなかったり、PCIe スロットや USB コントローラに異常が発生したりすることがあります。2026 年時点の Z890 や X870E チップセット搭載マザーボードでは、これらの電圧を監視するセンサーが多数実装されており、HWiNFO64 などを用いて各ラインごとの電圧値と温度を同時にモニタリングすることが推奨されています。以下に主要な電圧定義とその役割をまとめます。
| 電圧名称 | 主な供給先 | 典型的電圧範囲 (例) | 調整時の注意点 |
|---|---|---|---|
| Vcore | CPU コアクロック | 0.8V 〜 1.4V | 高すぎると発熱・寿命低下、低すぎると不安定 |
| VSoC | システムコントローラ | 1.0V 〜 1.35V (Intel) / 1.2V (AMD) | メモリ OC との関連性あり、安定性の鍵 |
| VDDQ | I/O コントローラ | 1.0V 〜 1.35V | メモリ周波数が高いほど電圧上昇傾向 |
| VCCIN-AUX | 補助機能・制御回路 | 3.3V 〜 12V (依存) | 不足すると起動不可や周辺機器故障のリスク |
VRM の品質を判断する際、各メーカーが採用しているフェーズ数や DrMOS の仕様が重要な指標となります。ここでは、2026 年春時点での主要なハイエンドマザーボード 4 機種を比較し、具体的な VRM 設計の違いを見ていきます。ASUS ROG Maximus Z890 Hero は、Intel プラットフォームの最高峰として知られ、22+1+2 フェーズ構成を採用しています。この「22」が CPU コア用、「1」が MCH(メモリコントローラ等)用、「2」が VCCIO/VCCAUX 用に対応しており、各フェーズには 90A または 100A グレードの DrMOS が使用されています。
MSI MEG Z890 Godlike は、さらに上位モデルとして位置づけられ、24+1+2 フェーズ構成を誇ります。この設計により、Intel Core Ultra 9 285K の瞬間的なピーク電流に対応する余裕を持たせています。特に Godlike では VRM ヒートシンクの厚みが他社製と比べて厚く、基板内部に銅箔が追加されているため、熱伝導率が優れています。これに対し、AMD プラットフォームの Gigabyte X870E Aorus Master は 18+2+2 フェーズ構成となっています。AMD CPU の電力特性に合わせて最適化されており、VRM モジュールの温度分布が均一になるよう設計されています。
ASRock X870E Taichi もまた AMD プラットフォームで高評価を得ており、24+2+1 フェーズ構成を採用しています。ASRock 独自の「Smart Fan」技術と組み合わせて制御されるため、負荷に応じてファン速度が動的に変化し、VRM 冷却効率を最大化します。各マザーボードの VRM 部品配置や DrMOS の定格電流能力の違いは、OC 時の動作安定性だけでなく、長期間使用した場合の信頼性にも影響を与えます。以下に具体的な製品ごとの仕様比較表を示します。
| マザーボードモデル | チップセット | CPU 用フェーズ数 | DrMOS 定格 (A) | VRM ヒートシンク材質 |
|---|---|---|---|---|
| ASUS ROG Z890 Hero | Intel Z890 | 22+1+2 | 90A / 100A | アルミ合金 + グラファイトパッド |
| MSI MEG Z890 Godlike | Intel Z890 | 24+1+2 | 100A (DrMOS) | 厚鋼板ヒートシンク + 銅基板 |
| Gigabyte X870E Aorus | AMD X870E | 18+2+2 | 90A / 105A | アルミ合金 + ファンコイル |
| ASRock X870E Taichi | AMD X870E | 24+2+1 | 90A / 100A | 厚板アルミ + グラファイト |
Load-Line Calibration(LLC)は、CPU の負荷変動に対する電圧安定性を保つための重要な機能です。本来、PWM コントローラは負荷が重くなると電圧値を低下させる「Vdroop」という特性を持っています。これは過剰な電圧印加を防ぐ安全装置ですが、OC においては動作不安定の原因ともなります。LLC はこの Vdroop を補正し、負荷がかかっても目標電圧値に近い値を維持しようとする機能です。BIOS 上の LLC レベルは通常 Level 0(オフ)から数値が高い順に設定され、レベルが上がるほど電圧上昇量が大きくなります。
LLC の動作を深く理解するためには、負荷時の電圧変動特性を知る必要があります。例えば、Intel Core Ultra 9 285K で OC を行う際、アイドル時は 1.30V に設定していても、全負荷テスト時に Vdroop が起こると 1.25V に低下することがあります。これを LLC Level 4 に設定すると、逆に負荷時にも電圧が上昇し、1.32V 程度に保つことができます。しかし、レベルを上げすぎると「Over-voltage」となり、CPU や VRM モジュールの過熱や寿命短縮を招くリスクがあります。AMD Ryzen 9 9950X でも同様で、Ryzen Master の自動調整機能と BIOS 設定の違いを理解し合う必要があります。
各マザーボードメーカーは独自の LLC アルゴリズムを採用しており、数値が同じでも実際の挙動は異なります。MSI では「Medium」や「High」という名称付けが多く、ASUS は数値レベル(1〜5)で表示されます。2026 年現在では、これらの設定をシミュレーションするソフトウェアも普及しており、負荷テスト中に電圧変動を追跡して最適な LLC レベルを選択することが可能です。LLC を調整する際は、アイドル時の電圧と全負荷時の電圧の差(Vdroop)を HWiNFO64 で確認しながら、CPU に負担をかけすぎない範囲で設定値を探っていくことが推奨されます。以下に一般的な LLC レベルごとの挙動傾向を示します。
| LLC レベル | 電圧変動傾向 (負荷時) | Vdroop 効果 | OC 安定性への影響 |
|---|---|---|---|
| Level 0 / Disable | 大きく低下する | 最大 | 不安定になりやすいが安全 |
| Level 1 / Low | やや低下 | 中程度 | オート OC では推奨される |
| Level 2 / Medium | ほぼ一定 | 小 | 安定 OC に最も適している場合が多い |
| Level 3 / High | 電圧上昇する | マイナス | 高負荷時に電圧が跳ね上がるリスクあり |
| Level 4+ / Extreme | 顕著に上昇 | 大 | 過電圧の恐れがあり、高温注意が必要 |
Vdroop(電圧ドロップ)は、CPU の負荷が増加した際に電圧が低下する物理現象です。これは電線やコンデンサの内部抵抗によるもので、オームの法則 $V = I \times R$ に従って発生します。OC においては、この Vdroop を補正するためにバイアス電圧をかける必要があります。しかし、LLC で補正しすぎると、負荷が軽い時に電圧が高くなりすぎて CPU が過熱する可能性があります。特に Intel Core Ultra 9 285K は、そのアーキテクチャの特性上、電圧応答性が敏感であるため、Vdroop の制御バランスが極めて重要です。
OC 時の安定性確保には、静的な電圧設定だけでなく、動的な電圧調整(Offset Voltage)も効果的です。Intel XTU(Extreme Tuning Utility)や Ryzen Master を使用して、負荷に応じた電圧変動を細かく制御できます。例えば、アイドル時は低電圧で省電力にし、負荷時には高電圧で動作させる「Adaptive Voltage」設定が有効です。2026 年時点の BIOS では、この Adaptive モードがデフォルトに近く、ユーザーが手動設定を行う際は注意が必要です。また、Vcore の最大許容値を超えないよう、マザーボード側の制限(Vmax)を正しく理解しておく必要があります。
さらに重要なのが温度との関係性です。電圧が高いほど発熱量は増大し、CPU の温度上昇が加速します。VRM 自体の温度も無視できません。ASUS ROG Maximus Z890 Hero のような高性能マザーボードでは VRM モジュールの温度センサーが実装されており、HWiNFO64 で 140℃を超えないように注意する必要があります。OC 設定を完了したら、Prime95 や Cinebench R23 などのベンチマークで長時間負荷をかけ、電圧値と温度の変化を確認します。もし電圧が急激に低下する場合や、温度が許容範囲を超える場合は、LLC レベルを下げるか、電圧自体を下げることによって安定化を図ります。
システムの状態を客観的に把握するために、HWiNFO64 は必須のツールです。このソフトウェアは、CPU のコア温度だけでなく、マザーボード VRM モジュールの温度、DrMOS の個別温度、電圧値などを詳細に記録できます。2026 年現在では、Z890 や X870E チップセットに対応するドライバが標準装備されており、最新のセンサーデータも正しく読み取れます。特に VRM モジュールの温度は、マザーボードのヒートシンク付近にあるセンサーや、VRM MOSFET の統合温度センサーから取得されます。
HWiNFO64 で VRM 温度を確認する際は、「Motherboard」または「CPU」セクション内の「VRM MOS Temp」や「VRM Temp」項目をモニタリングします。特に MSI MEG Z890 Godlike のようなモデルでは、各 DrMOS 群の温度分布が個別に表示されることもあり、どこが発熱源となっているかを特定できます。また、電圧値については「Vcore Actual」という項目で実際の供給電圧を確認でき、これと BIOS で設定した電圧を比較することで、LLC の効きを把握できます。
具体的な監視手順として、まず HWiNFO64 を起動し、センサーの表示オプションから VRM 関連の数値をオンにします。次にベンチマークソフトを起動し、負荷をかけながら温度と電圧の変化を観察します。もし VRM モジュールの温度が 100℃を超えると、マザーボード側で自動でスロットリング(動作速度制限)がかかる場合があります。2026 年の製品では、このスロットリング閾値も高くなっており、長時間の高負荷運用でも安全域を維持できるよう設計されています。しかし、ユーザーとして許容温度の上限を設定し、冷却ファンやケースエアフローを調整することが推奨されます。
CPU のオーバークロック設定には、各 CPU マニュアルメーカーが提供する専用ソフトウェアが利用可能です。AMD では「Ryzen Master」、Intel では「Intel Extreme Tuning Utility(XTU)」が代表的です。これらのツールは OS 上で動作するため、BIOS を再起動することなく電圧やクロックを微調整できます。ただし、BIOS 設定との競合や、再起動後のリセットが必要になるため、最終的な OC 設定の確立には BIOS メニューでの設定が必須となります。
Ryzen Master を使用して Ryzen 9 9950X の電圧を設定する場合、「Manual」モードを選択し、Vcore と VSoC を個別に調整します。AMD の CPU は IO デバイスの特性上、VSoC と VDDQ のバランスが重要視されます。例えば、メモリ周波数を 6400MT/s に設定した場合、VSoC を 1.25V に上げると安定性が増す傾向があります。Ryzen Master では、この調整をリアルタイムで確認でき、負荷時の電圧変動もグラフとして表示可能です。ただし、OS 上で OC 設定を行う場合、起動から BIOS の OC 設定値が適用されるまでの間に不安定になることがあるため注意が必要です。
Intel XTU を使用して Core Ultra 9 285K の調整を行う場合は、「Advanced Tuning」モードで Vcore Offset(オフセット電圧)を設定します。このツールは動的な電圧調整に優れており、アイドル時は低電圧、負荷時は高電圧になる「Adaptive Voltage」設定が可能です。2026 年時点の XTU は、Intel の最新のアーキテクチャに対応しており、電力管理ブロックの制御も自動化されていますが、高度な OC を行う場合は手動での電圧オフセット設定と VRM コントロールの設定が必要です。BIOS 設定との整合性を保つため、ソフト側で変更した値をメモし、再起動後に BIOS で同じ値を設定するのが安全です。
2026 年春の PC ハードウェア環境において、CPU の電力密度はさらに高まっています。Intel Core Ultra 9 285K は、従来の Arrow Lake アーキテクチャをベースに、電源管理の効率化が図られたモデルであり、ピーク時の電流値は 100A を超えることもあります。これに対し AMD Ryzen 9 9950X も同様に Zen 5 アーキテクチャにおいて電力効率が向上していますが、高負荷時の電圧変動特性は依然として VRM の性能に依存します。このため、2026 年時点のハイエンドマザーボードでは、VRM モジュールの容量がさらに肥大化しており、18〜24 フェーズ構成が標準となっています。
また、冷却技術の進化も VRM 設計に影響を与えています。従来のアルミヒートシンクに加え、銅製ヒートパイプやファンコイルを内蔵したモデルが増加しています。ASRock X870E Taichi のように、VRM ヒートシンク自体に小型ファンを搭載し、空気を強制送風する設計も 2026 年では一般的になっており、高負荷時の VRM モジュール温度上昇を抑える効果があります。これにより、ユーザーは OC 設定時に電圧を高く設定しても、VRM の過熱リスクを低減しながら運用することが可能になっています。
さらに、BIOS の進化も著しいです。2026 年時点の BIOS では、CPU とマザーボードの組み合わせに応じて自動的に VRM モジュールの最適化が行われる機能「Auto-VRM」が実装されています。ただし、この自動調整は保守的な設定であるため、OC を目指すユーザーは手動で制御することも可能です。各メーカーのサポート体制も強化されており、特定の CPU とマザーボードの組み合わせにおける電圧設定の推奨値やトラブルシューティング情報が、公式フォーラムやサポートページで詳細に公開されています。
VRM の品質を見極める際、フェーズ数だけを見るのではなく、DrMOS の定格電流やヒートシンクの実質的な放熱能力を確認することが重要です。例えば、ASUS ROG Maximus Z890 Hero はフェーズ数が多くても DrMOS が 90A である場合、MSI MEG Z890 Godlike の 100A DrMOS と比較すると電流余裕度が異なります。また、ヒートシンクの重量や接触面積も重要な指標です。厚い銅板が使われているマザーボードは熱容量が大きく、発熱を蓄積しにくく、周囲の空気へ放熱する能力が高い傾向があります。
選び方としては、まず使用予定の CPU の TDP と OC 計画を確認します。オーバークロックを行わない通常用途であれば、標準的な 16〜20 フェーズ構成のマザーボードで十分です。しかし、OC や長時間の高負荷作業を想定する場合は、24 フェーズ以上の構成や、DrMOS 定格電流が 100A を超えるモデルを選ぶべきです。また、マザーボードのレイアウトも重要で、VRM モジュールの近くに大型ファンがあるか、ケースエアフローの影響を受けやすい位置にあるかも考慮する必要があります。
価格と性能のバランスも考慮すべき点です。高価なマザーボードほど VRM 品質が高い傾向がありますが、必ずしもすべての機能が必要とは限りません。Gigabyte X870E Aorus Master のように、コストパフォーマンスに優れたモデルでも、適切な OC 設定を行えば Ryzen 9 9950X を安定して運用できます。最終的には、自分の予算と必要な性能のバランスをとりながら、信頼性の高いブランド製品の VRM 設計を採用することが推奨されます。
本記事では CPU 電圧レギュレーションの仕組みについて詳細に解説しました。VRM の設計は PC の安定性を支える重要な要素であり、単なるフェーズ数の比較だけでなく、DrMOS の性能や冷却能力を総合的に判断する必要があります。以下の要点を押さえることで、より安全で高性能な自作 PC を構築できます。
Q1. VRM のフェーズ数が多いほど性能が良いのでしょうか? A1. 基本的に多いほど有利ですが、DrMOS やヒートシンクのパフォーマンスも同等に重要です。フェーズ数が多くても DrMOS が安価な場合、発熱抑制効果は低くなります。
Q2. LLC レベルを高く設定しすぎるとどうなりますか? A2. 負荷時だけでなくアイドル時も電圧が高くなるため、CPU や VRM の温度が上昇し、過電圧による破損リスクが増加します。
Q3. AMD CPU と Intel CPU で Vcore の調整方法は同じですか? A3. 基本的な概念は似ていますが、AMD は VSoC と VDDQ のバランス、Intel は VCCIN-AUX の重要性など、細かい設定項目が異なります。
Q4. HWiNFO64 で VRM 温度が表示されない場合はどうすればよいですか? A4. マザーボードのドライバや BIOS が古いのかもしれません。最新版へアップデートするか、BIOS セットアップでセンサー機能を有効にしてください。
Q5. Ryzen Master と BIOS 設定ではどちらを優先すべきですか? A5. OS 上で調整するには Ryzen Master が便利ですが、再起動後の永続的な設定は BIOS メニューで行うことを推奨します。
Q6. VRM の温度が 100℃を超えるとどうなりますか? A6. 多くのマザーボードでは自動でスロットリングが働き、CPU クロックが低下して安定性を確保しようとします。冷却強化が必要です。
Q7. DrMOS と通常の MOSFET の違いは何ですか? A7. DrMOS はゲートドライバと MOSFET がパッケージ化されており、配線損失や発熱が低く、小型化・高効率に寄与しています。
Q8. 電源ユニットの容量は VRM に影響しますか? A8. 直接的な影響は少ないですが、電源からの 12V 供給電流の安定性が VRM の入力電圧に影響し、間接的に VRM 負荷に関わります。
Q9. 2026 年時点で推奨される OC 時の Vcore 上限は? A9. CPU によって異なりますが、Intel Core Ultra 9 285K は 1.35V〜1.4V、AMD Ryzen 9 9950X は 1.35V 程度を目安に安全性を確認してください。
Q10. VRM のヒートシンクを交換・追加することは可能ですか? A10. 一部モデルはマウント穴が共通化されていますが、保証対象外になる場合があるため、メーカーのサポートページで確認が必要です。
自作 PC を完成させる過程において、CPU の電圧管理は最も重要な技術的要素の一つです。2026 年春時点では、Z890 や X870E チップセットが普及し、VRM の制御精度も格段に向上しています。しかし、高機能であるほど設定の幅広さが増すため、ユーザー自身が VRM の仕組みを理解していることが求められます。本記事で紹介した具体的な製品情報(ASUS ROG Maximus Z890 Hero, MSI MEG Z890 Godlike, Gigabyte X870E Aorus Master, ASRock X870E Taichi)や CPU 情報(Intel Core Ultra 9 285K, AMD Ryzen 9 9950X)、そして HWiNFO64 を活用した監視手法を参考に、ご自身の PC に最適な電圧設定を見つけてください。安全かつ高性能な運用を目指し、VRM の能力を十分に引き出すことで、PC ライフの満足度をさらに高めていきましょう。
この記事に関連するCPUの人気商品をランキング形式でご紹介。価格・評価・レビュー数を比較して、最適な製品を見つけましょう。
CPUをAmazonでチェック。Prime会員なら送料無料&お急ぎ便対応!
※ 価格・在庫状況は変動する場合があります。最新情報はAmazonでご確認ください。
※ 当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者です。
Core i7-2600K、今でも使えるけど...
フリーランスとしてPCをメインで使うクリエイターです。このi7-2600K、価格を考えると正直、期待ほどではありません。良い点としては、まず、まだ8MBのL3キャッシュが搭載されていること、そして、オーバークロック対応で3.4GHzまで動作するという点です。古い世代ですが、現在でも軽いゲームや動画編...
Pentium Gold G6405、意外と快適!日常使いには◎
40代主婦の私、パソコン苦手なんですけどね、このPentium Gold G6405、まさかの概ね満足!パソコン教室で聞いたことのあるCPUで、ネットサーフィンや動画鑑賞、ちょっとした書類作成…そんな日常的な作業は、思ったよりスムーズでした。特に、起動が早くて良いですね。以前使っていたパソコンより全...
懐かしい感動!Pentium IIIで蘇るあの日の興奮
自作PCは初めてではありませんが、正直、Pentium IIIを選ぶなんて、完全に衝動買いでした。セールで29,857円という価格を見て、ふと学生時代に憧れたあのCPUが蘇り、ポチってしまいました。まさか今どきこんなものを買う人がいるのか…と自分でも思いましたが、結果、大満足です! 目的は趣味のレ...
Ryzen 5 9600X、マジで最強!学生ゲーマーには絶対おすすめ
ゲーマーです。ついにRyzen 5 9600Xを手に入れたんだけど、マジで買ってよかった!AM5プラットフォームへの対応も良いし、3.9GHzの6コア12スレッドはゲームもストリーミングも余裕で処理できる。特に、最新のゲームをフルHD高画質で快適にプレイできるのは感動!CPUクロックの高さもあって、...
期待した性能か、価格帯に落ち着いた印象のCPU
前回組んだ自作機から、今回は「さらに上を目指して」という感じで、思い切ってこのCore i5-11400Fを試してみました。正直、前のモデルからの大きな飛躍があるのかどうかは、使ってみたらなんとなく感覚的で判断が難しいです。まず箱を開けてみた時の印象は、パーツとしては標準的で、パッケージングなども特...
掘り出し物!Core i5-4570でPCが生まれ変わった話
以前使っていたCPUがとうとう寿命を迎え、PCの調子が悪くなってきたので、思い切って買い替えを決意しました。予算を抑えつつ、ある程度パフォーマンスを向上させたいと考え、Intel Core i5 4570を選びました。他の選択肢としては、Ryzen 5 1600あたりが候補に挙がりましたが、LGA1...
CPUの安心感が段違い!自作PCの必須アイテム
最近自作PCを組んで、Intel 13世代のCPUを搭載したんだけど、正直、CPUクーラーの取り付け時にちょっと不安があったんだよね。特にLGA1700ソケットって、CPUが少し浮きやすいって話を聞いてて。でも、このThermalrightの曲げ止め金具を付けてからは、その心配がほぼ無くなった。取り...
10年自作PCベテランも納得!安定した性能と懐かしさのi3-3220
自作PC歴10年の私ですが、最近、ちょっと昔のPCを引っ張り出してきて、いじくり回すのが楽しくて。その時に、CPUをIntel Core i3-3220にしてみたんです。以前はCore i5を使ってたんですが、ちょっとパワー不足を感じていたので、とりあえず安く済ませたいな、と思って。正直よくわからな...
目的が用途次第で評価が変わる、落ち着いた性能のCPU
以前使っていたものの寿命が来たので、このCore-I7 4771に買い替えてみました。正直なところ、ずっと使い慣れたメーカーの製品なので、まずは箱を開けてセットアップする段階から「まあ、こんなもんだか」という感覚でした。パッケージ自体は特に目立つものではありませんでしたが、必要なものだけが入っていて...
デスクがスッキリ!CPUの場所、自由自在!推せる!
以前使ってたCPUホルダーが壊れちゃって、買い替えました!エレコムのDPA-DPH01、めちゃくちゃ良かった!デスクの裏とか、モニターアームのポールの下とか、色んな場所にCPUを置けるから、デスク周りが本当にスッキリした! ちょっと重いCPUも、しっかり固定してくれるから安心。組み立ては簡単だった...