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ASUS ROG Maximus Z890のようなハイエンドマザーボードに、Corsair iCUE LINK対応ファンやG.Skill Trident Z5 RGBメモリを組み合わせたシステムを構築した際、多くのユーザーが直面するのが「ライティングの同期問題」です。各メーカーが独自の制御規格を採用しているため、Aura SyncとiCUEといった異なるエコシステムを混在させると、制御ソフトを複数常駐させる必要があり、結果としてメモリ消費量の増加やバックグラウンドプロセスによる動作の不安定化を招きます。
特に2026年現在の最新パーツでは、ARGB 5V規格の共通化が進んだ一方で、独自プロトコルの壁は依然として高く、意図した通りのカラーテーマを全パーツに1msのズレもなく適用させるには、単なる配線以上の高度な設定手順が求められます。本ガイドでは、メーカーの垣根を越えてライティングを統一し、視覚的なノイズを排除して洗練されたデスク環境を構築するための具体的な連携手順を解説します。ソフト間の競合を避けつつ、ハードウェアレベルで同期させる最適解を提示します。
PCライティングの制御方式は、大きく分けて「マザーボード直接制御(ARGB/RGB)」と「専用コントローラー制御(USBベース)」の2系統に分かれます。中上級者が最も混同しやすいのが、12V RGB(アナログ)と5V ARGB(デジタル)の物理的・電気的な違いです。12V RGBは4ピン構成で、接続されたすべてのLEDが同一の色に点灯する「シングルゾーン」制御です。対して5V ARGB(Addressable RGB)は3ピン(4ピン形状だが1ピン欠損)構成で、ICチップを介してLED1つひとつに個別の色・輝度を割り当てる「マルチゾーン」制御を可能にします。
2026年現在のトレンドは、マザーボードのヘッダーに直接接続する方式から、USB 2.0/3.0ヘッダーを介して独自の通信プロトコルで制御する「エコシステム型」への移行です。例えば、ASUSのAura Syncは伝統的にマザーボードの5V ARGBヘッダーを起点としますが、最近のハイエンドモデル(ROG MAXIMUS Z890シリーズ等)では、内部USBヘッダーを介した高度な同期機能が強化されています。一方、CorsairのiCUEは完全に独自のプロトコルを採用しており、専用のハブ(iCUE LINK System Hubなど)を介して、USB信号を独自のライティング信号に変換して各デバイスに配信します。
この通信方式の違いにより、制御可能なLEDの総数(LED Count)と電力供給量(Power Budget)に限界が生じます。一般的なマザーボードの5V ARGBヘッダーは、1ポートあたり最大3A(15W)程度の電力を供給でき、LED1つあたり約60mAを消費する場合、理論上は最大25個程度のLEDまでが安定圏内となります。これを上回る数のファン(例:Lian Li Uni Fan SL-Infinityを10基搭載など)を接続する場合、電力をブーストする「ARGBハブ(SATA電源供給型)」の導入が必須となります。
| 制御方式 | 電圧 | ピン数 | 制御単位 | 主なメリット | 主なデメリット |
|---|---|---|---|---|---|
| 12V RGB | 12V | 4-pin | 全体一括 | 配線が単純、安価 | 複雑な演出(虹色等)が不可 |
| 5V ARGB | 5V | 3-pin | LED個別 | 複雑なエフェクトが可能 | 電圧降下による末端の色化け |
| USB制御 (iCUE等) | 5V/12V | Proprietary | デバイス個別 | 高速レスポンス、詳細設定 | 専用ハブが高価、ソフト負荷大 |
また、最新の2026年モデルでは、PCIe 5.0/6.0対応の電源ユニットやマザーボードにおいて、ライティング専用の電力ラインを最適化し、電圧降下(Voltage Drop)を抑制する設計が取り入れられています。特に、長いケーブルで多数のLEDを数珠つなぎ(デイジーチェーン)にする場合、末端のLEDで赤みが強くなる現象が発生しますが、これは電圧が5Vから4.5V以下に低下することが原因です。これを防ぐには、信号を分岐させる「パラレル接続」のハブを利用し、各ラインの負荷を分散させることが定石となります。
ASUSのAura Syncは、業界で最も汎用性の高いライティング規格の一つです。その最大の強みは、多くのサードパーティ製パーツ(G.Skill Trident Z5 RGBメモリや、NoctuaのChromax Blackシリーズなど)がASUSの5V ARGB規格に準拠している点にあります。制御ソフトである「Armoury Crate」は、マザーボード(例:ROG STRIX Z890-E GAMING WIFI)を核として、GPU、CPUクーラー、ケースファン、さらには外部周辺機器までを一括管理します。
Aura Syncでライティングを構築する際の最適手順は、まずBIOSレベルで「Aura Lighting」を有効にし、その後OS上でArmoury Crateをインストールすることです。ここで注意すべきは、Armoury CrateのバックグラウンドプロセスがCPUリソースを消費することです。最新のRyzen 9 9950XやCore Ultra 9 285Kのような多コアCPUであっても、ライティングソフトのポーリング間隔が短すぎると、極稀にマイクロスタッター(微細なカクつき)の原因となることがあります。設定メニューから「ライティングの更新頻度」を最適化し、静的なパターンや緩やかなグラデーションを選択することで、システム負荷を最小限に抑えられます。
さらに、Aura Syncの拡張性を最大限に活かすには、「ARGBコントローラー」の導入が有効です。ASUS純正のコントローラーだけでなく、Lian LiのUNI FAN SL-Infinityのような、専用コントローラーを介してAura Syncと同期させる製品を組み合わせることで、配線を劇的に簡略化しつつ、ASUSのプリセットエフェクトを適用できます。この際、コントローラーの「同期モード」を有効にし、マザーボードのARGBヘッダーに接続することで、ソフト側から「マザーボード制御」として認識されます。
Aura Sync 構築時のチェックリスト
運用面では、CPU温度と連動させる「サーマル連携」設定が非常に有用です。例えば、CPU温度が60℃までは青、80℃を超えると赤に点灯させる設定にすることで、ケース内部を覗かなくてもシステムの負荷状況を視覚的に把握できます。この連携はArmoury Crateの「Aura Effects」タブから詳細にカスタマイズ可能です。
CorsairのiCUEは、単なるライティングソフトではなく、ハードウェア制御エコシステムとしての側面が強く、特に最新の「iCUE LINK」システムは、従来の配線地獄を解消する革新的なアプローチを採用しています。iCUE LINKでは、ファン(例:iCUE LINK QX120)やAIOクーラー(iCUE LINK H150i RGB)を専用のシングルケーブルでデイジーチェーン接続し、1本のケーブルで電力供給とデータ通信を同時に行います。
技術的な核心は、iCUE LINK System Hubが24Vの電力を供給し、各デバイス側で必要な電圧に降圧して利用する点にあります。これにより、従来の5V ARGBで問題視されていた電圧降下による色ムラが完全に解消され、最大14基までのデバイスを接続しても、全てのLEDが均一な輝度と色精度(Color Accuracy)を維持します。また、通信プロトコルが高速化されており、1ms単位の同期精度を実現しているため、非常に滑らかなライティングエフェクトが可能です。
iCUEの真価は、その圧倒的なカスタマイズ性にあります。「レイヤー」概念を用いた設定により、ベースの色の上に特定のパターンを重ねたり、音楽の波形に合わせてリアルタイムに反応させる「Audio Visualizer」機能を実装できます。例えば、Corsair Dominator Titaniumメモリ(DDR5-8000MHz等の高クロックモデル)を搭載している場合、メモリの各LEDバーに対して個別の色指定が可能であり、極めて精緻な演出が可能です。
iCUE LINK 構成のスペック例とコスト感
実装時の最大の落とし穴は、iCUEのソフトウェア負荷です。iCUEは高度な制御を行う分、メモリ消費量(RAM Usage)が多く、アイドル状態で数百MBから1GB以上のメモリを占有することがあります。これを最適化するには、「ハードウェアライティング」機能を利用することです。これは、iCUEソフトを終了していても、デバイス側のオンボードメモリに保存されたライティングパターンを維持させる機能です。これにより、ゲームプレイ中にソフトを完全に終了させ、CPU/RAMリソースを最大限にゲームへ割り当てることが可能になります。
また、iCUE LINKは独自のコネクタ形状を採用しているため、他社製ファンを直接混ぜることはできません。他社製ARGBファンをiCUEで制御したい場合は、Corsairの「Lighting Node PRO」などのコントローラーを使い、ARGBヘッダーを介して接続する必要がありますが、この場合はiCUE LINKほどの同期精度や簡単さは得られません。
ASUSとCorsairといった異なるエコシステムを混在させて運用する場合、最大の課題は「制御ソフトの乱立」によるシステムリソースの浪費と、ライティングパターンの不一致です。これを解決する究極の手段が、サードパーティ製の統合制御ソフト「SignalRGB」や「OpenRGB」の導入です。これらのソフトは、各メーカーの独自プロトコルをリバースエンジニアリングし、単一のインターフェースで全デバイスを制御することを可能にします。
SignalRGBを導入する場合、ASUSのAura SyncやCorsairのiCUEなどの純正ソフトはアンインストール、または自動起動をオフにする必要があります。そうしないと、複数のソフトが同時に同じハードウェア(例:RAMのRGB)に書き込み命令を送り、ライティングが激しく点滅したり、最悪の場合、制御ICがハングアップして再起動まで点灯しない状態になります。SignalRGBでは、PC内部を仮想的なキャンバスとして捉え、デバイスを配置することで、画面上のエフェクトが物理的なパーツを横断して流れる「スクリーン同期」などの高度な演出が可能です。
運用上の最適化において見落としがちなのが、電源ユニット(PSU)への負荷とノイズ対策です。10基以上のファンと多数のLEDストリップを搭載したハイエンド構成では、ライティングだけで30W〜50W程度の電力を消費します。これは数値上は小さいですが、安価なSATA電源ケーブルに過剰な負荷をかけると、ケーブルの過熱や電圧不安定による挙動不審を招きます。信頼性の高い[フルモジュラー電源](/glossary/modular-power-supply)(例:Corsair HX1200iやASUS ROG Thor 1200W)を使用し、電源系統を適切に分散させることが重要です。
ライティング運用におけるトラブルシューティング表
| 現象 | 推定原因 | 解決策 |
|---|---|---|
| 末端のLEDが赤くなる | 電圧降下(Voltage Drop) | パワードハブの導入、または接続数を減らす |
| 特定デバイスが認識されない | USB帯域の不足 / ドライバー競合 | USBヘッダーの分岐ボード導入、純正ソフトの削除 |
| 色がチカチカと点滅する | 制御ソフトの競合(Double Control) | 起動ソフトを1つに絞る、BIOSのAura設定を確認 |
| PCの起動時間が大幅に遅い | ライティングソフトの初期化待ち | Armoury Crate等の自動起動設定の見直し |
最後に、コストパフォーマンスの最適化について触れます。全てのパーツをiCUEやROGで統一すれば最高の一体感が得られますが、費用は跳ね上がります。現実的な解は、「視覚的影響が大きいパーツ(ケースファン、CPUクーラー)」を一つのエコシステム(例:iCUE LINK)に集約し、「視覚的影響が小さいパーツ(メモリ、[M.2ヒートシンク)」をマザーボードのAura Syncに任せ、最終的にSignalRGBなどの統合ソフトで色味だけを合わせる手法です。これにより、予算を抑えつつ、2026年基準のハイエンドなライティング環境を構築することが可能です。
PCライティングの構築において、最も重要な判断基準となるのが「どの制御エコシステムをベースにするか」です。ASUSのAura SyncやCorsairのiCUEといった主要ソフトウェアは、単なる色変更ツールではなく、ハードウェアの動作状況(CPU温度やGPU負荷)と連動した視覚的なフィードバック機能を有しています。しかし、メーカーが異なるパーツを混在させると、複数の常駐ソフトがメモリを消費し、挙動が不安定になるリスクがあります。
まずは、現在市場で主流となっている制御ソフトウェアの特性を比較します。2026年時点では、オープンソースのOpenRGBによる統合制御の普及が進んでいますが、メーカー純正ソフトでしか利用できない高度なライティングエフェクト(複雑なレイヤー設定や音楽同期)が存在するため、用途に応じた選択が必要です。
| ソフトウェア名 | 主な対応メーカー | CPU/メモリ負荷 (目安) | 特徴的な機能 | 同期互換性 |
|---|---|---|---|---|
| Armoury Crate (Aura Sync) | ASUS | 中 (200-400MB) | 広範なサードパーティ対応 | 非常に高い |
| iCUE | Corsair | 高 (400-800MB) | 緻密なピクセル単位制御 | エコシステム内完結型 |
| Mystic Light | MSI | 低 (100-200MB) | シンプルな操作性 | 中 (標準ARGB対応) |
| RGB Fusion | Gigabyte | 低 (100-200MB) | プリセットの豊富さ | 中 (標準ARGB対応) |
| OpenRGB | 汎用 (オープンソース) | 極低 (50MB以下) | メーカーを問わない統合制御 | 最高 (対応デバイスのみ) |
ハードウェア面では、配線の簡略化がトレンドとなっており、特にCorsairの「iCUE LINK」のようなデイジーチェーン(数珠つなぎ)方式の普及が顕著です。従来のARGB(Addressable RGB)は1つずつケーブルを接続し、ハブで集約させる必要がありましたが、最新のコントローラーは1本のケーブルで電力供給とデータ転送を同時に行い、配線量を劇的に削減しています。
以下に、現在入手可能な主要なRGBコントローラーのスペックをまとめます。特に最大制御デバイス数と電源供給能力(W)は、ファンを10基以上搭載するハイエンドケース構築において重要な指標となります。
| 製品名 | 接続方式 | 最大制御デバイス数 | 最大供給電力 | 推定実売価格 (税込) |
|---|---|---|---|---|
| iCUE LINK System Hub | 独自エコシステム | 14デバイス | 60W (PCIe/SATA) | 18,000円〜 |
| ROG Razer RGB Controller | USB 2.0 / ARGB | 6〜12ポート | 24W (SATA) | 12,000円〜 |
| NZXT RGB & Fan Controller | USB 2.0 / PWM | 10ポート | 30W (SATA) | 10,000円〜 |
| Razer Chroma Addressable RGB | USB 2.0 / 3-pin | 6ポート | 20W (SATA) | 11,000円〜 |
| Cooler Master RGB Controller | 3-pin ARGB | 6-10ポート | 18W (SATA) | 6,000円〜 |
ライティング構築で最も注意すべきは、電圧規格の不一致によるハードウェアの破損です。特に「12V RGB(非アドレス指定)」と「5V ARGB(アドレス指定)」を混同し、誤ったピンに接続するとLED素子が即座に焼損します。2026年現在、ほとんどの最新パーツは5V ARGBに移行していますが、一部の安価なケースファンや古いマザーボードでは依然として12V規格が採用されています。
以下の互換性マトリクスを確認し、自身のパーツがどの規格に準拠しているかを正確に把握してください。
| 規格名称 | 定格電圧 | ピン形状 | 制御単位 | 誤接続時のリスク |
|---|---|---|---|---|
| Standard ARGB | 5V | 3-pin (2+1) | LED 1灯ごと | 12V接続で即焼損 |
| Standard RGB | 12V | 4-pin | 全灯一括 | 5V接続で点灯せず |
| Corsair Proprietary | 5V | 独自形状 | LED 1灯ごと | 物理的に接続不可 |
| Lian Li Uni Fan | 5V | 独自 $\rightarrow$ 変換 | LED 1灯ごと | 変換ケーブル必須 |
| Razer Chroma | 5V | 独自/3-pin | LED 1灯ごと | 専用コントローラー推奨 |
次に、予算や目指すべき外観(ルック)に合わせた最適な選択肢を提案します。すべてのパーツを同一メーカーで揃える「フルエコシステム構成」は、設定が容易で視覚的な統一感が出ますが、コストが高くなる傾向にあります。一方で、標準的なARGB規格のパーツを組み合わせ、OpenRGBやマザーボードソフトで制御する「ミックス構成」はコストパフォーマンスに優れます。
| 構築ゴール | 推奨ソフト | 必須ハードウェア | 推定予算 (ライティング分) | 構築難易度 |
|---|---|---|---|---|
| 究極の統一感・簡便性 | iCUE | iCUE LINK対応パーツ一式 | 50,000円〜 | 低 (プラグ&プレイ) |
| ROGブランド統一 | Aura Sync | ROG製品 + ARGB Hub | 30,000円〜 | 中 (配線作業あり) |
| 低予算・高コスパ | OpenRGB | 汎用ARGBファン + 5V Hub | 10,000円〜 | 高 (ソフト設定が必要) |
| 静音・ミニマル構成 | 各社純正 | 控えめなRGBストリップのみ | 5,000円〜 | 低 (最小構成) |
| ショーケース展示級 | iCUE / Chroma | 液晶付きAIO + 多数のファン | 80,000円〜 | 高 (複雑な配線) |
最後に、日本国内における流通状況と価格帯について触れます。2026年現在、円安の影響により海外メーカー製(Corsair, NZXT等)のハイエンドコントローラーは高止まりしていますが、国内代理店経由の製品は保証期間が延長される傾向にあります。特に、電源供給能力が高いハブや、配線を隠すための専用スリーブケーブルなどは、専門店での取り扱いが中心となっています。
| カテゴリ | エントリー価格帯 | ハイエンド価格帯 | 主な流通ルート | 保証期間 (一般的) |
|---|---|---|---|---|
| RGBコントローラー | 5,000円 | 25,000円 | PCパーツショップ / Amazon | 1〜2年 |
| ARGBファン (3個セット) | 7,000円 | 22,000円 | 家電量販店 / 専門店 | 2〜5年 |
| RGB LEDストリップ | 3,000円 | 12,000円 | Amazon / 専門店 | 1年 |
| 専用ライティングケーブル | 2,000円 | 8,000円 | メーカー直販 / 専門店 | なし〜1年 |
| 外部同期ドングル | 8,000円 | 15,000円 | 専門店 / 海外輸入 | 1年 |
構成によりますが、中〜上級者向けの統一感あるライティングを実現する場合、追加で2万〜5万円程度を見込むのが現実的です。例えば、Lian Liの「UNI FAN SL-Infinity」3個パック(約15,000円)を3セット導入し、さらに専用コントローラーを揃えるだけで予算は跳ね上がります。安価な3ピンARGBファン(1個2,000円程度)を揃える方法もありますが、制御ソフトの統合や配線の簡略化を優先するなら、ハイエンドなエコシステムへの投資を推奨します。
マザーボード標準のARGBヘッダー(5V 3ピン)を最大限活用することです。高価な専用コントローラーを介さず、ASUSの「Aura Sync」やMSIの「Mystic Light」などの無料ソフトで一括制御すれば、ハードウェア費用を抑えられます。具体的には、1つ3,000円前後のARGB対応ケースファンをハブ(約2,000円)でまとめ、マザーボードの1つのヘッダーに接続する方法です。これにより、iCUEなどの高価な専用ハブなしで、十分な視覚効果を得られます。
汎用性を重視するならAura Sync、究極の制御精度を求めるならiCUEです。Aura Syncは多くのメーカーが準拠しているため、安価なパーツを混ぜても同期しやすい利点があります。一方、iCUEは「iCUE LINK」などの独自規格により、配線を極限まで減らしつつ、LED1つ単位での詳細な色指定が可能です。ただし、iCUEは専用ハードウェアが必要なためコストが高く、バックグラウンドで動作するソフトのCPU使用率が数%上昇する傾向にあります。
電圧と制御方式が根本的に異なります。12V RGB(4ピン)は回路全体の LED がすべて同じ色に光る仕様です。対して5V ARGB(3ピン)は「Addressable」の名の通り、LED1つひとつの色を個別に制御でき、レインボー波形などの複雑な演出が可能です。注意点として、12Vヘッダーに5Vデバイスを接続すると、過電圧によりLEDチップが即座に焼損し、物理的に破壊されます。端子の形状は異なりますが、無理に差し込まないよう厳守してください。
5V 3ピン ARGB規格に準拠していれば、物理的な接続と同期は可能です。例えば、ASUSのROG STRIXマザーボードに、Cooler MasterのARGBファンを接続し、Aura Syncで制御するといった運用です。ただし、CorsairやNZXTなどの独自エコシステム(専用コントローラー必須)製品は、そのままでは他社ソフトで制御できません。これらを統合するには、OpenRGBなどのサードパーティ製オープンソースソフトを利用し、ハードウェアレベルで強制的に同期させる手法が有効です。
まずはBIOS(UEFI)設定で、ライティング制御が「Disabled」になっていないか確認してください。また、G.Skill Trident Z5 RGBなどのメモリは、メーカー独自の制御ソフトとマザーボードソフト(ASUS Aura Sync等)が競合し、動作が不安定になることがあります。この場合は、どちらか一方のソフトのみをインストールし、最新のファームウェアに更新してください。特にDDR5メモリは、SPDハブの制御権をどちらのソフトが持つかで挙動が変わる傾向があります。
RGB制御ソフトは、バックグラウンドで常にハードウェアの状態を監視しているため、CPUリソースを消費します。特にiCUEやRazer Chromaなどは、ポーリングレートが高く、低スペックな環境では数%のパフォーマンス低下を招くことがあります。対策として、設定で「ハードウェアライティング」に保存し、Windows起動後にソフトを自動起動させない運用を検討してください。これにより、メモリ消費量を数百MB単位で削減しつつ、設定済みの色を維持できます。
マザーボードの[ARGBヘッダー](/glossary/rgb-header)(5V)には電流制限(一般的に3A程度)があるため、接続しすぎると故障や点灯不良の原因になります。LED 1個あたり約60mA消費する場合、単純計算で50個程度のLEDが限界です。大量のファンやLEDストリップを導入する場合は、マザーボード直結ではなく、SATA電源から直接電力を供給する「パワードハブ」を導入してください。12V SATA電源を利用することで、電力不足による色化けや電圧降下を防げます。
Lian Liの「UNI FAN TL LCD」に代表される液晶付きファンは、単なる光の演出を超え、CPU温度やGPU負荷などのシステム情報をリアルタイムで表示できる点が最大のメリットです。従来のLEDでは「色」で状態を判別していましたが、1.6インチ程度の液晶があれば、数値として正確な温度(例:CPU 65℃)を視認できます。ただし、消費電力が増加し、専用の高出力コントローラーが必須となるため、電源ユニットの容量に余裕を持たせる必要があります。
完全な統一は難しいですが、5V 3ピン ARGBという業界標準が定着したことで、相互互換性は向上しています。現在は「配線の簡略化」がトレンドであり、CorsairのiCUE LINKのように、ケーブル1本で電源と信号を同時に送るデイジーチェーン方式が主流になりつつあります。今後は、AIと連携してゲーム内の状況(HP減少時に赤く点滅など)にリアルタイムで反応するSDKの統合が進み、より動的なライティング体験へと進化すると予想されます。
まずは現在使用しているパーツの対応規格を再確認し、単一的な色指定から、音楽同期やシステム負荷連動などの動的な演出へとステップアップしてみてください。
ASUS Aura Sync・MSI Mystic Light・Gigabyte RGB Fusion・iCUE・ARGB対応製品を一元管理するRGB同期ソフトの設定方法と、OpenRGB(オープンソース)による全デバイス統合。
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