

AMDが2026年のCESで発表した「Ryzen AI 400シリーズ」は、ノートPC向けプロセッサの勢力図を大きく塗り替える可能性を持っています。
率直に言って、このシリーズには驚きました。最上位モデルの Ryzen AI 9 HX 475は60 TOPSのNPU性能を誇り、これはMicrosoftのCopilot+ PC認定基準(40 TOPS)を大幅に超えています。前世代のRyzen AI 300シリーズ(最大50 TOPS)からさらに20%の性能向上を達成しつつ、電力効率も改善されています。
しかし、「NPU性能が高いから良いプロセッサ」と単純には言えません。CPU性能、GPU性能、消費電力、対応ノートPCの価格帯——総合的に判断する必要があります。この記事では、Ryzen AI 400シリーズの全モデルを詳細に比較し、競合製品との違い、実際にどんな用途に向いているのかを解説します。
📌 本記事の情報はAMD公式発表(CES 2026)および AMD公式プレスリリース、AnandTechのレビューに基づいています。実機ベンチマークは製品出荷後に追記予定です。
Ryzen AI 400シリーズは、AMDの第4世代モバイル向けAIプロセッサです。「Zen 5」CPUアーキテクチャと「RDNA 3.5」GPU、そして強化された「XDNA 2+」NPUを統合したSoC(System on Chip)として設計されています。
| モデル | コア/スレッド | ベース/ブースト | NPU性能 | 内蔵GPU | TDP | 想定用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Ryzen AI 9 HX 475 | 12C/24T | 3.6 / 5.2 GHz | 60 TOPS | Radeon 890M (16CU) | 35-54W | ハイエンドノート |
| Ryzen AI 9 HX 470 | 12C/24T | 3.4 / 5.1 GHz | 55 TOPS | Radeon 890M (16CU) | 35-54W | クリエイター向け |
| Ryzen AI 7 460 | 8C/16T | 3.2 / 4.9 GHz | 55 TOPS | Radeon 880M (12CU) | 28-45W | メインストリーム |
| Ryzen AI 5 440 | 6C/12T | 3.0 / 4.7 GHz | 50 TOPS | Radeon 860M (8CU) | 28-45W | エントリー |
全モデルが50 TOPS以上というのは大きな意味があります。前世代のRyzen AI 300シリーズでは、エントリーモデル(Ryzen AI 5 340)が16 TOPSでCopilot+ PC基準を満たせませんでした。Ryzen AI 400シリーズでは、最廉価モデルでも50 TOPSを確保しており、どのモデルを選んでもCopilot+ PCの全機能が使える安心感があります。
前世代のRyzen AI 300シリーズからどう進化したのか、主要な違いを比較します。
| 項目 | Ryzen AI 300シリーズ | Ryzen AI 400シリーズ | 進化幅 |
|---|---|---|---|
| CPUアーキテクチャ | Zen 5 | Zen 5(改良版) | IPC約5%向上 |
| NPU最大性能 | 50 TOPS | 60 TOPS | +20% |
| NPU最小モデル | 16 TOPS(AI 5 340) | 50 TOPS(AI 5 440) | +213% |
| 内蔵GPU | RDNA 3.5 | RDNA 3.5(改良版) | 約10%性能向上 |
| メモリ対応 | LPDDR5X-7500 | LPDDR5X-8533 | +14%帯域 |
| 製造プロセス | 4nm | 4nm(改良版) | 電力効率改善 |
| Copilot+ PC対応 | 上位モデルのみ | 全モデル対応 | — |
私が最も注目しているのはエントリーモデルのNPU強化です。前世代ではRyzen AI 5 340(16 TOPS)だとCopilot+ PCの機能がまともに使えませんでした。400シリーズでは最廉価でも50 TOPSなので、「安いモデルを選んだらAI機能が使えなかった」という失敗がなくなります。これは消費者にとって非常に嬉しい改善です。
2026年のモバイルプロセッサ市場は、AMD・Intel・Qualcommの三つ巴です。それぞれの最新チップを比較します。
| 項目 | AMD Ryzen AI 9 HX 475 | Intel Core Ultra 200V(Lunar Lake) | Qualcomm Snapdragon X Elite |
|---|---|---|---|
| NPU性能 | 60 TOPS | 48 TOPS | 45 TOPS |
| CPUコア | 12C/24T(Zen 5) | 8C/8T(Lion Cove+Skymont) | 12C/12T(Oryon) |
| CPU性能(推定) | 最高 | 中程度 | 高い |
| 内蔵GPU | Radeon 890M(強力) | Arc GPU(中程度) | Adreno(低い) |
| TDP | 35-54W | 17W | 23W |
| バッテリー持ち | 良い | 最良 | 非常に良い |
| アプリ互換性 | ✅ x86ネイティブ | ✅ x86ネイティブ | ⚠️ ARM(エミュレーション) |
| 価格帯 | 中〜高 | 高い | 中〜高 |
💡 私の評価: 性能重視ならRyzen AI 400シリーズが現時点で最強です。ただし、1日中外出先で使うモバイルワーカーにはIntel Lunar Lakeの省電力性も魅力的。Snapdragon Xは互換性問題が解消されるまでは慎重に選ぶべきだと考えています。
「60 TOPSのNPU」と言われても、具体的に何ができるのかイメージしづらいですよね。Ryzen AI 400シリーズのNPUで実現できる主な機能を整理します。
| 機能 | 必要NPU性能 | Ryzen AI 400での動作 | 実用性 |
|---|---|---|---|
| Recall(画面検索) | 40 TOPS | ✅ 全モデル対応 | ★★★★☆ |
| Live Captions(リアルタイム翻訳字幕) | 40 TOPS | ✅ 全モデル対応 | ★★★★★ |
| Studio Effects(ビデオ通話強化) | 40 TOPS | ✅ 全モデル対応 | ★★★★★ |
| Cocreator(AI画像生成) | 40 TOPS | ✅ 全モデル対応 | ★★★☆☆ |
| 用途 | 必要NPU性能 | 60 TOPSでの体験 |
|---|---|---|
| 小型LLM実行(Phi-3 Mini 3.8B) | 30+ TOPS | 快適。トークン生成速度約20 tokens/秒 |
| 中型LLM実行(Llama 3 8B) | 45+ TOPS | 動作可能。約8-12 tokens/秒 |
| 音声文字起こし(Whisper) | 20+ TOPS | リアルタイム処理可能 |
| 画像認識・分類 | 15+ TOPS | 瞬時に処理完了 |
| 動画のAIアップスケーリング | 40+ TOPS | 720p→1080pがリアルタイム |
ここが意外と混同されがちなポイントです。
| 用途 | NPUが得意 | GPUが得意 |
|---|---|---|
| AI推論(テキスト生成等) | ✅ 省電力で高速 | △ 可能だが電力大 |
| AI学習(モデルトレーニング) | ❌ 非対応 | ✅ 必須 |
| 画像生成(Stable Diffusion等) | △ 小規模のみ | ✅ 高速 |
| ゲーム | ❌ 無関係 | ✅ 必須 |
| 動画エンコード | △ 一部対応 | ✅ 高速 |
NPUは「常時動いているバックグラウンドAI処理」に最適化されています。重い生成AI処理にはGPU(外付けdGPUまたは内蔵GPU)が必要です。
2026年前半に発売予定(一部発売済み)のRyzen AI 400シリーズ搭載ノートPCを紹介します。
| メーカー | モデル | プロセッサ | 画面 | 価格帯 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| ASUS | Zenbook S 16 (2026) | Ryzen AI 9 HX 475 | 16" OLED | ¥220,000〜 | 有機EL、薄型軽量 |
| Lenovo | ThinkPad T16 Gen 6 | Ryzen AI 7 460 | 16" IPS | ¥180,000〜 | ビジネス向け、堅牢性 |
| HP | EliteBook 845 G12 | Ryzen AI 9 HX 470 | 14" IPS | ¥200,000〜 | セキュリティ機能充実 |
| Lenovo | Yoga Slim 7 (2026) | Ryzen AI 5 440 | 14" OLED | ¥140,000〜 | コスパ重視 |
| Acer | Swift Go 16 (2026) | Ryzen AI 7 460 | 16" IPS | ¥150,000〜 | 大画面エントリー |
⚠️ 価格は予想価格を含みます。正式な価格は各メーカーの発売時発表をご確認ください。
| あなたの用途 | おすすめモデル | 理由 |
|---|---|---|
| ビジネス(Office・Web会議中心) | Ryzen AI 5 440 | 50 TOPSで全AI機能対応。コスト抑えめ |
| クリエイティブ(動画編集・写真加工) | Ryzen AI 9 HX 470 | 12コア+強力な内蔵GPU(890M) |
| AI開発・データサイエンス | Ryzen AI 9 HX 475 | 60 TOPS NPU+最高CPU性能 |
| 学生・コスパ重視 | Ryzen AI 5 440 | 必要十分な性能で最安価格帯 |
| モバイルワーカー(バッテリー重視) | Ryzen AI 7 460 | 28W TDPで省電力かつ十分な性能 |
💡 正直なところ、多くの人にとってRyzen AI 7 460が最もバランスの良い選択だと思います。8コアで十分な処理能力、55 TOPSのNPU、Radeon 880Mの内蔵GPU。これで14万円台のノートPCが買えるなら、かなりコスパが高いです。
Q: Ryzen AI 400シリーズはデスクトップPCにも搭載されますか? A: 2026年2月時点では、Ryzen AI 400シリーズはモバイル(ノートPC)専用です。デスクトップ向けにはRyzen 9000シリーズ(AM5ソケット)が別途ラインナップされていますが、NPU性能は低い(13 TOPS程度)ため、Copilot+ PC認定基準を満たしていません。
Q: Ryzen AI 300シリーズのノートPCを持っていますが、買い替えるべきですか? A: Ryzen AI 9 365/370をお持ちなら、NPU性能は50 TOPSでCopilot+ PC対応済みです。CPU/GPU性能の向上幅は10〜16%程度なので、買い替えの必要性は低いでしょう。ただし、Ryzen AI 5 340(16 TOPS)をお持ちの場合は、AI機能をフル活用するために買い替えを検討する価値があります。
Q: ゲーミングノートにRyzen AI 400シリーズは向いていますか? A: 内蔵GPUのRadeon 890Mは軽量ゲーム(Fortnite、Valorant等)なら十分ですが、AAA級タイトルには外付けdGPU(RTX 4060以上)搭載モデルが必要です。NPUはゲーム性能には関係ありません。
Q: Snapdragon X Eliteとどちらがおすすめですか? A: x86アプリの互換性を重視するならRyzen AI 400が安全です。Snapdragon XはARM版Windowsのため、Adobe Creative Suite等は動作しますが、専門的なソフトウェアで互換性問題が発生する可能性があります。バッテリー持ちを最優先するならSnapdragon Xも選択肢になります。
Q: NPU 50 TOPSと60 TOPSの体感差はありますか? A: 現時点のCopilot+ PC機能では、50 TOPSあれば十分で体感差はほぼありません。ただし、将来的により高度なローカルAI処理(大規模LLMの推論等)が普及した場合、60 TOPSの余裕が活きてくる可能性があります。
Q: Ryzen AI 400シリーズ搭載ノートPCの発売時期は? A: 2026年前半(3〜6月)に主要メーカーから順次発売予定です。CES 2026で発表されたモデルは、早ければ2026年3月から店頭に並ぶ見込みです。
AMD Ryzen AI 400シリーズは、「全モデルでCopilot+ PC対応」を実現した初のプロセッサファミリーです。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 最大NPU性能 | 60 TOPS(Ryzen AI 9 HX 475) |
| 最大の進化 | エントリーモデルでも50 TOPS(前世代16 TOPS→50 TOPS) |
| 競合との差別化 | x86互換+最強NPU+強力な内蔵GPU |
| おすすめモデル | Ryzen AI 7 460(バランス最良) |
| 価格帯 | 搭載ノートPC ¥140,000〜 |
| 発売時期 | 2026年3〜6月 |
Intel Lunar Lakeの省電力性やSnapdragon Xのバッテリー持ちにも魅力はありますが、性能・互換性・NPUの総合力ではRyzen AI 400シリーズが一歩リードしているというのが私の評価です。
PCの買い替えを検討している方、特にAI機能を活用したい方は、2026年前半のRyzen AI 400搭載モデルの発売を待つ価値は十分にあります。
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