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2026 年現在、PC パーソナライズ市場においてストレージ速度は極めて重要な要素となっています。特に PCIe Gen5 を採用した次世代 NVMe SSD は、シーク速度やランダムアクセス性能において前世代を凌駕するパフォーマンスを発揮しますが、その代償として顕著な発熱特性を示します。SSD の内部温度が許容範囲を超えた際、システムはデータ破損やハードウェアの物理的損傷を防ぐために自動的に動作速度を低下させます。これを「サーマルスロットリング」と呼びますが、ゲームプレイ中のロード時間増大や、動画編集時のレンダリング遅延など、体感性能に直結する問題を引き起こします。
この現象は、SSD コントローラーが高温を検知し、電圧を下げることでクロック周波数を抑制するメカニズムです。特に、PCIe 5.0 x4 のフルスピードでデータをやり取りする場合、コントローラーと NAND フラッシュメモリの双方から熱が発生します。2026 年時点の最新モデルでは、より高度な温度管理アルゴリズムが採用されていますが、ユーザー側での適切な冷却環境整備は依然として必須要件です。
本ガイドでは、SSD の正常動作温度範囲からスロットリング発生の臨界点までを数値ベースで解説し、具体的な製品名やツールを用いた測定方法を提示します。また、ケース内のエアフロー設計やヒートシンクの物理的選定基準について、自作 PC 中級者が陥りやすいミスを回避するための実践的な知見を提供します。2026 年春時点の最新ハードウェア事情を踏まえ、安定した高速ストレージ環境を構築するための完全な指針となることを目指します。
NVMe SSD の世代ごとに、発熱メカニズムと許容温度帯には明確な違いが存在します。理解すべきは、単に速度が速くなるだけでなく、データ転送に伴う電流増加と集積化による密度上昇が熱源となっている点です。各世代ごとの典型値を把握することは、適切な冷却対策を選択する上で不可欠な基礎知識となります。
まず、PCIe Gen3 の SSD です。2026 年現在でもエントリーモデルや一部のミドルレンジ製品に採用されていますが、発熱は比較的抑えられています。典型的な動作温度はアイドル時で 35℃前後、負荷時でも最大 60℃程度に収まる設計が一般的です。例えば Crucial P1 や Samsung 970 EVO Plus などの旧モデルでは、ヒートシンクなしでもマザーボードの基板熱拡散だけで十分耐えられるケースが多く見られます。しかし、2026 年時点での Gen3 ドライブも耐久性を考慮すると、継続使用における温度モニタリングは推奨されます。
次に、現在主流である PCIe Gen4 の SSD です。2025 年から普及が加速し、2026 年春には上位ミドルレンジおよびハイエンドの標準規格となっています。Kingston KC3000 や WD_Black SN850X などの代表的なモデルでは、連続読み書き時に 70℃から 80℃に達することが頻繁にあります。この温度帯は安全動作範囲(Safe Operating Temperature)の上限付近であり、スロットリング閾値である 70℃を超えるリスクが高まります。Gen4 では、コントローラーの高性能化により PCIe バスと内部バス間のデータ転送効率が上がりますが、その分熱密度が劇的に増加します。
そして、次世代かつ高発熱の代表格である PCIe Gen5 です。2026 年時点では、Phison E26 や Silicon Motion SM2508 などの最新コントローラーを搭載した Crucial T700 Gen5 や Corsair MP600 Pro XP が市場を席巻しています。これらの製品は、理論上最大 14GB/s の転送速度を持ちますが、負荷時の温度は 85℃を超えることが珍しくありません。Gen5 SSD は標準でヒートシンクなしでの運用が推奨されないレベルまで発熱し、場合によっては冷却ファンを内蔵するアクティブ型モデルでも限界に達することがあります。Gen5 の特性として、コントローラーと DRAMキャッシュチップの両方で発熱源が発生するため、厚みのあるヒートシンクによる接触面積の確保が生死を分けます。
| SSD 世代 | 代表製品例 (2026 年時点) | アイドル温度 | 負荷時最大温度 | スロットリング閾値 | ヒートシンク必要度 |
|---|---|---|---|---|---|
| Gen3 | Samsung 970 EVO Plus, Crucial P1 | 35-45℃ | 60-65℃ | 85℃以上 | 不要 (推奨は有) |
| Gen4 | WD_Black SN850X, Kingston KC3000 | 40-50℃ | 70-80℃ | 70℃以降 | 必須 |
| Gen5 | Crucial T700, Sabrent Rocket V2 | 50-60℃ | 85-95℃ | 70℃以降 | 強烈推奨 (アクティブ) |
このように世代が進むにつれ、温度管理の難易度は指数関数的に高まります。特に Gen4 と Gen5 の境界線は曖昧ですが、Gen5 は「冷却なしでは実用性が損なわれる」という点で明確に区別されます。ユーザーが製品選びを行う際、単なる読み書き速度の数値だけでなく、この温度特性を考慮に入れてマザーボードの M.2 スロット仕様やケースのエアフローと照らし合わせる必要があります。
SSD の温度を正確に把握するためには、信頼性の高い測定ツールを利用する必要があります。OS や環境によって利用可能なツールが異なるため、用途に合わせて適切なものを選択することが重要です。2026 年時点でも、定番のソフトからプロ向けのコマンドラインツールまで、多様な選択肢が存在します。
Windows ユーザーにとって最も一般的で使いやすいのは「CrystalDiskInfo」です。このツールは、SSD が持つ S.M.A.R.T. データを解析し、温度情報をユーザーに分かりやすい形で表示します。2026 年時点の最新版では、Gen5 SSD の詳細な温度センサー読み取りにも対応しており、個々の NAND ドライブごとの温度をモニタリングできる場合もあります。また、ヒートマップ機能により、時間経過に伴う温度推移をグラフで確認可能です。特に負荷テスト中に温度が急上昇する様子を可視化することで、サーマルスロットリングが発生するタイミングを特定しやすくなります。
より詳細なシステム情報を取得したい場合、「HWiNFO64」の利用が推奨されます。このツールはハードウェアの状態を極めて低レベルで監視でき、SSD コントローラー内部の温度センサーだけでなく、関連するマザーボード VRM の温度やケース内の風圧データまで取得可能です。設定画面で「S.M.A.R.T. データ」および「Temperature Sensors」を有効にすることで、リアルタイムで数値を確認できます。また、ログ機能を使用して長時間の負荷テストを行い、特定のアプリケーション起動時に温度がどう変動するかを記録することも可能です。
Linux ユーザーやコマンドライン操作に慣れた中級者向けには、「smartmontools」および「nvme-cli」が使われます。「smartctl -a /dev/nvme0」コマンドを実行すると、SSD の S.M.A.R.T. 情報をテキスト形式で出力できます。この際、Temperature_Celsius フィールドが該当する温度データとなります。また、nvme-cli を使用すれば、コントローラー固有の属性情報を取得できるため、より深いトラブルシューティングが可能です。例えば、特定の温度閾値設定を確認したり、ファームウェアレベルでの調整を試みる場合にも有効です。
| ソフト/ツール名 | OS 対応環境 | 特徴・強み | データ詳細度 | 初心者向け度 |
|---|---|---|---|---|
| CrystalDiskInfo | Windows | インターフェースが直感的、無料 | 標準 (S.M.A.R.T.) | ◎ |
| HWiNFO64 | Windows | システム全体を監視、詳細ログ | 高 (センサー多数) | ◯ |
| smartmontools | Linux/Windows | コマンドライン標準、自動化可能 | 高 (S.M.A.R.T. 詳細) | × |
| nvme-cli | Linux/macOS | NVMe 固有命令実行、制御可能 | 最高 (コントローラーレベル) | × |
| Mac SSD Monitor | macOS | 簡易監視アプリ、UI がシンプル | 標準 (温度のみ) | ◎ |
これらのツールを適切に使い分けることで、SSD の健康状態を常時チェックする習慣が身につきます。特に、負荷テストを行う前と後で温度データに大きな差がないかを確認することは、冷却対策の効果を評価する上で不可欠なプロセスです。また、スロットリングが発生した際のシステムログやイベントビューアーとの照合も、根本原因の特定には有効な手段となります。
SSD 用のヒートシンクを選ぶ際、多くのユーザーが「冷却性能」のみを重視しがちですが、物理的な適合性とケース内のスペース確保の方が重要になるケースが多々あります。2026 年時点での PC ケースやマザーボード設計は多様化しており、単純に大きいヒートシンクを選べば良いわけではありません。
まず考慮すべきなのが厚み制限です。M.2 スロットの上部には PCIe スロットが並んでおり、そこへグラビアカードを挿入する際、SSD ヒートシンクと干渉しないように設計する必要があります。一般的なマザーボードでは、ヒートシンクの厚みが 15mm を超えると、PCIe x16 スロット上の GPU が挿入できなくなるリスクがあります。特に、大型の空冷クーラーやハイエンドグラビッドカードを使用する場合、M.2 SSD の位置が GPU の背面と重なる配置(通常は M.2_2 または M.2_3 スロット)では、厚み 10mm〜12mm 以内に抑えることが必須となる場合があります。
素材選定においては、「アルミニウム」と「銅」の特性を理解する必要があります。アルミニウムヒートシンクは軽量で安価であり、表面積を大きくすることで冷却性能を向上させます。対して銅製ヒートシンクは熱伝導率が高い(約 400W/mK)ため、SSD コントローラーからの熱を素早く引き抜く能力に優れています。しかし、重量があり価格も高騰します。2026 年時点では、アルミニウム基盤に銅板を貼り付けたハイブリッド構造や、内部にヒートパイプを組み込んだモデルが増加しており、コストと性能のバランスが取れた製品が主流です。
形状については「L 字型」と「平板型」の違いがあります。マザーボードの背面側に M.2 スロットがある場合(一部のデスクトップマザーボード)、背面から空気が流れるように設計された「L 字型」ヒートシンクが効果的です。一方、前面からの空気を利用する場合は、SSD の表面と底面の両方を冷やすことができる「平板型」や「両面対応型」が推奨されます。また、近年ではマザーボード付属のヒートシンクも高機能化しており、特に Gen4 SSD 以上の冷却には、純正の大型フィンを持つモデルでも十分な性能を発揮する場合があります。
市場に出回っている様々なヒートシンクを比較し、それぞれの特性と適したユーザー層を明確にします。2026 年春時点での代表的な製品群について、価格帯や冷却性能を数値ベースで評価しました。予算と用途に応じて最適な選択肢が見つけられるよう、具体的な製品名を挙げています。
まず、マザーボード純正のヒートシンクです。ASUS ROG STRIX や MSI MEG などの上位モデルには、SSD 用の大型ヒートシンクが標準添付されています。これらは PCB 上の配線パターンと熱拡散板として機能するため、追加コストなしで十分な冷却効果が得られます。しかし、Gen5 SSD のような高発熱ドライブでは、ファンのないパッシブ型のマザーボード製は限界を迎えることがあります。
次に、市販のミドルレンジヒートシンクです。Gigabyte Aorus HEATSHIELD や Teamgroup Cardea A440 プロの専用クーラーなどが該当します。これらの製品は、M.2 SSD と直接接触する部分に高品質なサーマルパッドを貼り付けており、装着手順が明確になっています。また、デザイン性も優れており、RGB コントローラーと連動して発光するモデルもあります。冷却性能としては Gen4 であれば十分対応可能ですが、Gen5 では温度差が 20℃程度になることがあります。
ハイパフォーマンスかつ高価な選択肢として、Sabrent のアクティブファン付き SSD クーラーがあります。これは小型のファンを内蔵しており、強制的に空気を吹き付けることで温度を大幅に下げます。実測では裸の状態から 30℃以上の低下が確認されています。しかし、ノイズ発生やファンの故障リスク、そしてケース内の風圧阻害という欠点も存在します。静音性を最優先するユーザーには不向きですが、 overclocking を行い最大性能を引き出したい層には最適です。
自作派向けとしては、銅板を切り抜いて自作する手法や、3D プリンターで造形したヒートシンクが挙げられます。特に 2026 年では金属 3D プリント技術の進歩により、複雑なフィン形状を持つ軽量アルミ製パーツも入手可能になっています。コストは安価ですが、熱伝導率や接触圧力の調整には高いスキルが必要となるため、自作 PC の中級者以上が対象となります。
| 製品名 | タイプ | 素材 | 重量 (g) | 推奨用途 | 価格帯 (円) | 冷却効果 (差) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Samsung OEM | パッシブ | アルミ合金 | 25 | Gen3, Gen4 | 0 (添付) | 基準 |
| Gigabyte Aorus HEATSHIELD | パッシブ | アルミ合金 | 45 | Gen4, Gen5 | 3,000〜 | +15℃ |
| Teamgroup Cardea | パッシブ | 銅/アルミ | 35 | Gen4 | 2,500〜 | +20℃ |
| Sabrent SSD-Cooler | アクティブ | アルミ + ファン | 60 | Gen5, OC | 4,000〜 | +30℃ |
| DIY Copper Block | パッシブ (自作) | 純銅 | 80 | 実験/特殊 | 1,000〜 | +25℃ |
この表からも分かるように、アクティブタイプは冷却効果が高い代わりに重量とノイズの問題を抱えます。一方、マザーボード付属品やミドルレンジ製品はバランス型です。Gen5 SSD を使用する場合でも、ケース内のエアフローが良好であればパッシブで十分な場合が多くあります。必ずしも高価なアクティブクーラーが必要とは限りませんが、温度計測を行ってスロットリングが発生しないかを確認した上で最終判断を下す必要があります。
2026 年時点において、PCIe Gen5 SSD の普及に伴い、アクティブ冷却(ファン付きヒートシンク)の重要性が再認識されています。パッシブ型のヒートシンクでも十分に動作するケースが多い一方で、連続的な大規模データ転送や、高温環境下での運用では、強制的な空冷が必要となる場面が増えています。
Gen5 SSD の特徴として、熱容量に対する冷却効率の低下があります。これは、発熱量が急激に増加し、パッシブ冷却だけでは放熱速度が追いつかないためです。特に、SSD コントローラーが 85℃を超える温度を検知すると、システムは自動的にスロットリングを実行します。これを回避するためにアクティブファンを導入する場合、風量(CFM)と静圧のバランスに注意する必要があります。
ファン付きヒートシンクには、SSD の上面から直接空気を送るタイプと、ケース内部の空気循環を利用するタイプがあります。前者は Fan 120mm のような小型ファンを搭載しており、風圧が高く熱を強制的に逃がします。しかし、このファンの回転音がケース内に響き渡るリスクがあり、特に静寂性を求めるユーザーには不向きです。また、ファンの耐久性も考慮する必要があり、3〜5 年単位での交換時期が到来することがあります。
環境要因も無視できません。夏季の室内温度が 30℃を超える場合や、エアコンのない高温な部屋で PC を稼働させる場合は、空気の密度が下がり冷却効率が落ちます。このような過酷な環境では、アクティブ冷却は単なるオプションではなく必須装備となります。また、M.2 SSD の位置が GPU の熱風排出経路にある場合、GPU からの熱気が直接 SSD に影響を与えるため、ファンによる排気または吸気の調整が必要です。
実測データによると、Gen5 SSD に Sabrent などのアクティブクーラーを装着した場合、負荷時温度が裸の状態より約 30℃低下し、スロットリング閾値(70-85℃)を超えないように維持できます。ただし、この冷却性能はケース内のエアフローに依存します。吸気ファンと排気ファンのバランスが悪い場合、ヒートシンク自体が内部の熱気を吸収してしまい、効果が半減する可能性があります。
SSD の温度管理において、個別の冷却だけでなくケース全体の風通しを考慮することが不可欠です。2026 年時点の PC ケースデザインは多様化しており、前面吸気から背面・上面排気へと流れる空気の経路が設計されています。このエアフローの最適化が SSD の温度低下に大きく寄与します。
特に注意すべきは、GPU と M.2 SSD の位置関係です。多くのマザーボードでは、M.2 スロットが PCIe x16 スロット(グラビッドカード挿入用)の直下または直上に配置されています。この場合、GPU から排出される熱気が M.2 SSD に直接流れ込む構造になります。特に、大型の空冷クーラーや水冷クーラーを搭載している GPU は、排気方向がケース上面に向く場合が多く、その熱気が M.2 スロットに蓄積されやすくなります。
対策として推奨されるのが、M.2 SSD の位置変更です。可能であれば、GPU から離れた位置にある第 2 または第 3 の M.2 スロットを使用します。また、マザーボードの背面に M.2 スロットがあるモデルでは、そこへ SSD を装着してケース内の空気の流れと切り離す方法もあります。さらに、ケースファンを前面から大量に吸気し、排気を上面・後面に集中させる「正圧」設計により、熱気が SSD に滞留するのを防ぎます。
GPU の背面にある M.2 スロットへの影響も考慮します。最近のグラビアカードには背面ヒートシンクや温度センサーが搭載されており、場合によっては GPU 自体から発散された熱を SSD が受けることがあります。この場合は、M.2 SSD に装着したヒートシンクが「二次放熱板」として機能し、GPU の熱気を分散させる役割も果たします。しかし、これは SSD を過熱させるリスクもあるため、ケースファンの排気方向を SSD から遠ざけるよう調整することが重要です。
| エアフロー構成 | 吸気ファン位置 | 排気ファン位置 | SSD への影響 | 推奨度 |
|---|---|---|---|---|
| コンベンショナル | 前面・左側 | 後面・上面 | GPU 熱気混入リスクあり | ◯ |
| 正圧 (Positive) | 前面・左側 | 後面・上面 | 外部塵埃流入防止、冷却良好 | ◎ |
| 負圧 (Negative) | 後面・上面 | 前面 | SSD 冷却効果低く、塵埃侵入多 | × |
| バランス型 | 前面・背面 | 後面・上面 | 風速安定、温度均一化 | ◎ |
また、2026 年時点のケースには「M.2 スロット専用エアダクト」が内蔵された製品も登場しています。これはファンから直接空気を M.2 SSD に導く構造で、物理的な接触なしに冷却効果を得られる画期的な設計です。高価ですが、特に静音性と冷却効率を両立させたい上級ユーザーには最適な選択肢となります。
SSD にヒートシンクを装着する際、熱伝導性の高いインターフェース材が必須です。一般的に「サーマルパッド」と呼ばれる素材を使用しますが、これは CPU 冷却で使われるグリスとは異なる特性を持っています。2026 年時点の製品では、高熱伝導率かつ電気絶縁性を兼ね備えた素材が標準的です。
サーマルパッドとグリスの違いは、「粘度」と「圧力分散」にあります。SSD の NAND フラッシュメモリの表面は凹凸がある場合があり、グリスだと隙間から漏れるリスクがあります。一方、サーマルパッドは固定形状であり、ヒートシンクと SSD 本体の間に挟むことで隙間を埋めます。また、電気絶縁性が高いため、SSD の基板に付着してもショートする心配がほぼありません。
熱伝導率(Thermal Conductivity)の数値も重要です。一般的なパッドは 3〜4 W/mK が相場ですが、高性能な製品では 10W/mK を超えるものもあります。Gen5 SSD のような高発熱ドライブには、高い数値を持つパッドを推奨します。ただし、厚みには注意が必要です。SSD の NAND チップや DRAM キャッシュの位置はモデルごとに異なり、ヒートシンクが接触できないと冷却効果が得られません。
貼り付け時の注意点として、「厚みの許容範囲」があります。多くの SSD は 0.5mm〜1.0mm のパッドを想定しています。これを厚すぎるパッドで充填すると、ヒートシンクが SSD に強く押し付けられず、熱伝導効率が低下します。逆に薄すぎると接触不良を起こし、温度センサーの誤作動やスロットリングの原因となります。2026 年時点では、SSD モデルに合わせた厚みのパッドセットを付属するヒートシンクが主流です。
施工手順としては、まず SSD の表面とヒートシンクの底面をアルコールで清拭し、塵埃や油分を除去します。次に、パッドの厚みを測定し、必要に応じてカッターで切り込みを入れます。SSD 本体に貼り付けた後、ヒートシンクを装着してネジを締めます。この際、過剰な力で締めすぎると SSD の基板が破損する可能性があるため、トルク管理が必要です。
| パッド厚み (mm) | 適用 SSD モデル例 | 冷却効果 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 0.5 | Samsung 980 Pro, WD SN770 | 標準 | 薄すぎ接触不良リスク |
| 1.0 | Kingston KC3000, Gen4 | 最適 | 汎用性が高い |
| 2.0 | Crucial T700 (Gen5) | 高 | 厚すぎて押し付け不足要注意 |
| 3.0 | DIY Custom Block | 特化 | 専用設計が必要 |
最後に、パッドの耐久性について触れます。経年劣化により硬化する傾向があり、5 年後には熱伝導率が低下することがあります。定期的な温度チェックを行い、冷却性能が落ちてきたと感じたら交換を検討しましょう。2026 年では、耐老化性が向上したシリコン系パッドも市場で入手可能です。
SSD の温度管理について、ユーザーからよく寄せられる質問に専門家として回答します。具体的なトラブル例や解決策を提示し、実践的な知識を提供します。
SSD の温度が常に 80℃を超えますが、危険な状態ですか? はい、危険です。2026 年時点の Gen5 SSD でも許容上限は 70-80℃程度とされています。これを超えるとサーマルスロットリングが発生し、速度が低下します。ヒートシンクの再装着やケースファンの変更を検討してください。
グラビアカードを挿入すると SSD の温度が上がりますか? はい、上がる傾向があります。GPU から排気される熱気が M.2 スロットに流れ込むためです。M.2 SSD を GPU から離れたスロットへ移動するか、ケースのエアフローを見直してください。
サーマルパッドは必須ですか?なくても大丈夫ですか? パッシブヒートシンクを使用する場合、パッドは必須です。接触不良により熱が伝わりません。ただし、マザーボード付属のヒートシンクには最初から貼り付けられている場合が多いです。
Gen5 SSD を使うならアクティブファンが必要ですか? 使用環境によります。冷却性能の高いケースやエアフローが良い場合はパッシブでも OK です。しかし、夏季や密閉ケースではアクティブファンの導入が推奨されます。
温度を下げると寿命は延びますか? いいえ、直接的に寿命が延びるわけではありませんが、スロットリングによる負荷変動が減り、安定稼働に寄与します。熱ストレスが少ない方が電子部品の劣化は緩やかになります。
ヒートシンクを装着すると SSD の保証は無効になりますか? メーカーによります。多くのメーカーではユーザー交換可能なヒートシンクなら保証対象外とはなりません。ただし、SSD を分解して基板を傷つけた場合は対象外となる場合があります。
マザーボードの付属ヒートシンクで十分でしょうか? Gen3, Gen4 の SSD では十分です。Gen5 では限界があるため、専用ハイエンドヒートシンクの購入が推奨されます。製品仕様の確認が必要です。
温度計測ソフトはどれを使うのが正しいですか? CrystalDiskInfo が最も一般的ですが、HWiNFO64 で詳細を確認できます。両方使い分けて数値に乖離がないか確認するのが安全です。
SSD の温度が急激に上がります。これは故障の予兆ですか? 負荷時(ファイルコピー中など)は正常ですが、アイドル時に高すぎる場合は異常です。ファームウェアの更新やマザーボード BIOS のアップデートを試してください。
ヒートシンクを自作するメリットはありますか? コスト削減と専用設計による最適化が可能です。ただし、熱伝導率や接触圧力の調整にスキルが必要であり、初心者には非推奨です。
2026 年春時点の PC パーソナライズ環境において、NVMe SSD の温度管理はパフォーマンス維持の要となります。本ガイドでは以下の要点をまとめました。
SSD の温度管理は、単なるメンテナンスではなく、システム全体の安定性を支える重要な要素です。本記事を参考にして、最適な冷却環境を整え、快適な PC ライフを実現してください。
PCIe Gen5 SSDサーマルスロットル対策。ヒートシンク比較・ファン統合を具体例で解説する。
Gen5 NVMe SSDの発熱を抑えるためのヒートシンク/ヒートパイプ/アクティブクーラー/ケース風量設計を実測データで比較。静音と冷却の両立を図る。
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