Cinebenchは、CPUレンダリングのベンチマークとしてRyzenとCoreなどを比較できますが、版とCPUシングル/マルチのテストをそろえて使います。2026、2024、R23は採点尺度やレンダラーが異なるため、版をまたいだスコア比較はできません。
2026年10月時点で確認したMaxon公式ダウンロード一覧には、Cinebench 2026、2024、R23が別の版として掲載されています。配布条件や対応OSを同じページで確認し、数値は同一版の同じテストで比較してください。
この記事では、各版を区別しながら、テストの選び方、再現性を意識した測定、スコアの読み取り方を説明します。ここに特定CPUの記録値や順位は載せていません。実測していないスコア、価格、個人の使用結果は記載しません。
目次
Cinebenchで何を測るのか
Cinebenchは、シーンをレンダリングする処理を使って性能を測定します。CPUのマルチスレッドテストは多数のCPU実行スレッドを使うレンダリング、シングルスレッドは一つの実行スレッドを使うレンダリングです。対応する版にはGPUテストもあります。Maxonはこのテストを、レイトレーシング、シェーダー、ジオメトリ、照明などを含む3D制作向けのレンダリング負荷として説明しています(Maxon: Cinebenchの測定方法)。
そのため、Cinebenchはすべての用途を代わりに測るものではありません。たとえばGPUテストの結果だけでゲームのフレームレートが分かるわけではなく、CPUレンダリングの結果だけで動画編集、コンパイル、AI処理などの完了時間も決まりません。CPUのシングルスレッド/マルチスレッドの違いを知りたい場合はシングルスレッドとマルチスレッドの解説も参考にしてください。
2026・2024・R23の違い
| 版 | 位置づけ | 比較で注意すること |
|---|
| Cinebench 2026 | 2026年の現行版。MaxonのRedshiftを使い、CPUと対応GPUの描画を測定 | 採点尺度が更新されており、2024以前の値とは比較できない |
| Cinebench 2024 | 2023年公開の版。Redshiftを用いたCPU/GPUテスト | R23とは描画エンジンやシーンなどが異なる。点数を直接比較しない |
| Cinebench R23 | 旧世代の版。過去のレビューやPC構成記録で見かける | 現行版と処理や採点が異なる。R23同士の比較で版と条件をそろえる |
Maxonは2024年版の説明で、Redshiftの導入、シーン、メモリ使用量などがR23と異なるためスコアを直接比較できないと案内しています。さらに2026年版も新しい採点尺度を使い、以前のCinebench版との比較対象ではないと明記しています(Maxon: Cinebench 2024の発表、Maxon: 2026年の測定方法)。
古い記事や動画のスコアを見るときは、数字の前に「Cinebenchのどの版か」を確認してください。版が書かれていないランキングは、現行機種との性能比較には使えません。
公式版を入手して実行する
- Maxonのダウンロード一覧を開き、Cinebenchの欄から使う版を選ぶ。
- 比較するレビューや測定記録に合わせ、Cinebench 2026、2024、R23のどの版を使うか決める。新しく測る場合は、対象CPU/GPUとOSが対応している版の中から現行の2026を選ぶ。
- 自分のOSとCPUアーキテクチャに合う公式ダウンロード項目を選び、同じページのシステム要件を確認する。
- 起動後、測りたい対象に応じてCPU(シングルスレッド/マルチスレッド)または対応GPUのテストを選ぶ。
- テスト名、アプリの版、表示されたスコアを記録する。
Maxonは2026版を無償提供すると案内しており、公式ダウンロード一覧には2024とR23も別バージョンの項目として掲載されています。配布条件、対応OS、対応ハードウェアはページ上の最新案内を確認してください。非公式配布サイトや出所が分からない再配布ファイルは避けます。
測定条件をそろえる
Cinebenchの点数は、PC本体だけでなく、実行中の処理や冷却状態でも変動します。Maxonも、バックグラウンド処理がCPU/GPUへ負荷をかけると測定結果に影響しうると説明しています(Maxon: 一貫した測定のための案内)。構成を比べるなら、次を記録してください。
- Cinebenchの版とテスト名(CPUシングル、CPUマルチ、GPUなど)
- CPU/GPUの正確な型番、メモリ構成、PCまたはマザーボードの構成
- OSの版、電源モード、ドライバーなど、比較に関わるソフトウェア条件
- 冷却装置、ケース、ファン設定、室温など、温度に関わる条件
- メモリプロファイルやCPU設定を変更している場合は、その内容
- 測定時に動いていたアプリや、更新・ウイルススキャンなどの高負荷処理
再現性を高める基本手順は次のとおりです。
- Windows Updateやアプリ更新など、測定に割り込む処理が終わるまで待つ。
- OSを再起動し、測定対象以外のアプリを閉じる。セキュリティ機能を無効にする必要はない。
- タスクマネージャーやアクティビティモニタで、CPU/GPUに継続した負荷がないことを確認する。
- 同じ版・テスト・設定で複数回測り、各回の値をそのまま記録する。差が大きい場合は、条件やバックグラウンド負荷を見直して再測定する。
- 公開する場合は、スコアだけでなく測定条件とすべての測定値を添える。
電源設定やBIOS設定を変えてスコアを上げることが目的ではありません。設定を変えた比較を行う場合は、変更点を明示し、変更前後でテスト版や条件を揃えます。
スコアの読み方
同じ版、同じテスト、同じ条件のスコアを比較するのが基本です。CPUマルチスレッドは、並列化された長時間のレンダリング処理での傾向を見ます。シングルスレッドは一つの実行スレッドでの処理傾向です。GPUテストは対応GPUで同じレンダリングシーンを実行します。これらは異なる測定なので、CPUシングルの値をCPUマルチやGPUの値と横並びにして優劣を決めません。
他人の記録と比べるときは、少なくともベンチマーク版、テスト、CPU/GPU型番、メモリや電力設定、冷却条件が揃っているか確認します。条件が不明なランキングは目安にもならない場合があります。メーカー公称値やSNSの一件だけで、自分のPCに異常があるとは判断できません。
編集部の判断: RyzenとCoreのCPUを比べる場合も、CPUシングルとマルチは別のテストとして扱います。用途が分からない一つの総合順位を作らず、目的のアプリに近い処理の結果を確認してください。
低い値が出たときに確認すること
測定値が想定と違う場合は、すぐに電圧や電力制限を変えず、まず次を確認します。
- テスト版と項目: 比較相手とバージョン・テスト名が一致しているか。
- バックグラウンド負荷: 更新、ブラウザー、録画、同期などが動いていないか。
- 冷却: CPU/GPU温度、ファンの動作、ケースの吸排気に問題がないか。
- 電源モードと構成: ノートPCのAC接続、OSの電源モード、メモリ構成、BIOSの変更内容が記録と一致しているか。
- 対応状況: Maxonのシステム要件に対象プロセッサー、GPU、OSが含まれるか。
Cinebench 2026のCPUマルチテストは、CPUと冷却装置に長時間の負荷をかけます。温度やクロックの確認には使えますが、短時間のシングルスレッドテストと同じ挙動ではありません。原因の切り分けで設定を変更するときは一つずつ行い、元の値と復旧手順を確保します。
ゲームや普段の作業との違い
ゲームの快適さは、ゲームエンジン、GPU、解像度、画質設定、シーン、ドライバーなどで変わります。Cinebenchはゲームを実行せず、フレームレートやカクつきを直接測りません。ゲーム性能を比較したいときは、対象ゲームと設定を使ったゲームベンチマークや実プレイの計測を別に行ってください。3DMarkを使った測定の考え方もあわせて読めます。
動画書き出し、写真編集、コンパイルなども、そのアプリが使う処理やGPU支援の有無によって結果が変わります。Cinebenchは3Dレンダリング性能の参考値として扱い、購入や設定変更を決める前に実際に使うアプリでも比較するのが適切です。3DMarkとCinebenchのベンチマークツール案内では、用途ごとの違いを確認できます。
編集部の判断: ゲーム用PCの選定では、CinebenchをFPSの代わりにせず、対象ゲーム・解像度・画質をそろえた別の測定を優先します。レンダリング性能だけでゲーム性能を断定しません。
よくある質問
Q1. Cinebench 2026は無料ですか?
Maxon公式はCinebench 2026を無償でダウンロードできると案内しています。公式ダウンロードページでOSや対応システム、配布条件を確認してください。
Q2. Cinebench 2026とR23のスコアを比べられますか?
直接は比較できません。シーンやレンダラー、採点尺度が異なるため、同じバージョンとテスト同士で比べます。
Q3. Cinebench 2024とR23のスコアは同じ単位ですか?
見た目が数値でも、異なる版のスコアに共通の換算基準はありません。Maxonも2024とR23の直接比較を案内していません。
Q4. CPUマルチのスコアが高ければゲームも速いですか?
そうとは限りません。ゲーム性能はGPUやゲーム固有の処理、解像度や設定にも依存します。実際に遊ぶゲームで別に測定してください。
Q5. Cinebenchは何回測ればよいですか?
一度の値で決めつけず、同じ条件で複数回実行して全て記録すると、測定のばらつきを把握しやすくなります。結果が大きく変動する場合は、バックグラウンド処理や温度などを確認します。
Q6. 高い点数を出すために電圧や電力制限を変えるべきですか?
一律の推奨設定はありません。変更は安定性、温度、騒音、消費電力などに影響しうるため、目的とメーカーの仕様を理解し、元に戻す方法を確保できる場合だけ検討してください。
必要になった部品を確認する
Cinebenchのダウンロードや測定には、通常、部品の購入は必要ありません。冷却部品やCPUの交換が必要だと判断した場合も、型番、ソケット、ケース寸法、マザーボードの対応を確認してから候補を比較します。以下は商品検索リンクで、価格、在庫、性能、互換性を保証しません。
参考資料
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