1. 【効果大】ゲーム内グラフィック設定の最適化
効果の大きさ:★★★★★
FPS 向上において最もインパクトが大きく、かつ最も手軽に実施できるのがゲーム内のグラフィック設定の見直しです。多くのゲームはデフォルトで「高」や「最高」に設定されていますが、見た目の差がほとんどわからない項目を下げるだけで、FPS が劇的に改善されるケースは珍しくありません。
1-1. レンダリング解像度
効果:★★★★★
GPU に最も大きな負荷をかけるのがレンダリング解像度です。解像度が上がると描画するピクセル数が指数関数的に増加するため、FPS への影響は甚大です。
| 解像度 | 総ピクセル数 | 4K 比の負荷 |
|---|
| 1920x1080 (FHD) | 約 207 万 | 約 25% |
| 2560x1440 (WQHD) | 約 368 万 | 約 44% |
| 3440x1440 (UWQHD) | 約 495 万 | 約 60% |
| 3840x2160 (4K) | 約 829 万 | 100% |
4K から WQHD に下げるだけで FPS が 1.5 倍~2 倍になることも珍しくありません。ただし、ネイティブ解像度を下げると画像がぼやけるため、後述する DLSS や FSR などのアップスケーリング技術と組み合わせるのが現代的なアプローチです。
また、多くのゲームには「レンダースケール」や「解像度スケール」という項目があり、UI の解像度はそのままに 3D レンダリングの解像度だけを変更できます。70~80% に下げるだけで、見た目の劣化をほぼ感じることなく大幅な FPS 向上が見込めます。
1-2. 影の品質(シャドウ)
効果:★★★★☆
影の描画はゲームの中でも特に GPU 負荷が高い処理の一つです。リアルタイムシャドウはシャドウマップの解像度と光源の数に比例してコストが増大します。多くのゲームでは「最高」から「中」に下げても、プレイ中に気づくことはほとんどありません。
具体的な設定項目としては以下があります。
- シャドウ品質(Shadow Quality): 「中」推奨。「低」にすると影の描画がなくなり不自然に見えることがある
- シャドウ距離(Shadow Distance): 遠距離の影は小さく見えるため効果は微小。「中」以下で十分
- コンタクトシャドウ(Contact Shadows): 近距離の微細な影。負荷の割に効果が大きいため、パフォーマンスが厳しい場合はオフ
- レイトレーシングシャドウ(RT Shadows): 非常に高負荷。競技目的ならオフ一択
1-3. アンチエイリアシング(AA)
効果:★★★★☆
アンチエイリアシングはオブジェクトの輪郭に現れるギザギザ(ジャギー)を滑らかにする処理です。方式によって負荷が大きく異なります。
| 方式 | 負荷 | 品質 | 推奨度 |
|---|
| FXAA | 極低 | 低(ぼやけやすい) | パフォーマンス重視なら可 |
| SMAA | 低 | 中(FXAAより鮮明) | バランス型でおすすめ |
| TAA | 中 | 高(動的シーンに強い) | 一般的なプレイに最適 |
| MSAA (2x/4x/8x) | 高~極高 | 高(エッジが鮮明) | 倍率が上がると激重 |
| SSAA | 極高 | 最高(スーパーサンプリング) | FPS を犠牲にする覚悟が必要 |
| DLAA | 中 | 高(AIベース) | NVIDIA RTX ユーザー向け |
FPS 重視であれば TAA か SMAA が最もバランスが良い選択です。MSAA の 4x 以上は FPS への影響が非常に大きいため、FPS が足りない場合は真っ先に下げるべき項目です。なお、DLSS や FSR を有効にすると、これらのアップスケーリング技術自体にアンチエイリアシング効果が含まれるため、AA を別途かける必要がない場合もあります。
1-4. テクスチャ品質
効果:★★★☆☆
テクスチャ品質は VRAM(ビデオメモリ)の使用量に最も影響する設定ですが、GPU の演算負荷自体はそこまで大きくありません。VRAM に十分な余裕がある場合、テクスチャ品質を「高」にしても FPS にほとんど影響しないことが多いです。
- VRAM 6GB 以下: テクスチャ「中」推奨
- VRAM 8GB: テクスチャ「高」でも大丈夫なことが多い
- VRAM 12GB 以上: テクスチャ「最高」でも問題なし
ただし、VRAM の使用量がビデオカードの搭載量を超えると、システムメモリへのスワップが発生し、FPS が激しく低下(スタッター)します。タスクマネージャーや GPU 監視ツールで VRAM 使用量を確認しながら調整してください。
1-5. ポストプロセス効果
効果:★★★☆☆
ポストプロセスとは、3D レンダリング後の画面全体に適用される視覚効果の総称です。個々の負荷は小さくても、積み重なると無視できない影響を及ぼします。
- モーションブラー: FPS 向上を目指す場合はオフ推奨。競技プレイでは視認性が下がるためオフが定番
- 被写界深度(DOF): 映像的な美しさに貢献するが、FPS 重視ならオフまたは低
- ブルーム: 光の拡散効果。負荷は低いため好みで設定
- 色収差(Chromatic Aberration): レンズのような歪み効果。負荷はほぼゼロだが好みが分かれる
- フィルムグレイン: 画面にノイズを加える効果。負荷はゼロに近いが、視認性が下がるためオフ推奨
- アンビエントオクルージョン(AO): 物体の隙間に落ちる柔らかい影。SSAO は低負荷、HBAO+ は中負荷、RTAO は高負荷
1-6. レイトレーシング
効果:★★★★★(オフにした場合の FPS 向上幅が極めて大きい)
レイトレーシングは光の物理的な挙動をシミュレートする技術で、リアルな反射・屈折・影・グローバルイルミネーションを実現しますが、FPS への影響は甚大です。2026 年の最新 GPU でもレイトレーシングを有効にすると FPS が 30~50% 低下することは珍しくありません。
FPS を最優先する場合はレイトレーシング関連の設定をすべてオフにすることを強く推奨します。特に RT リフレクションと RT グローバルイルミネーションは負荷が非常に大きいため、これらをオフにするだけでも大幅な改善が見込めます。
1-7. 描画距離・LOD(Level of Detail)
効果:★★☆☆☆
描画距離は遠くのオブジェクトをどこまで詳細に表示するかを決定します。オープンワールドゲームでは影響が大きいですが、室内戦メインの FPS タイトルではほとんど影響しません。
- 描画距離: 「中」で十分。遠方の草木やオブジェクトが見えなくなるが、競技プレイでは問題ない
- LOD バイアス: 遠方のモデルをいつ低ポリゴンに切り替えるかの閾値。「中」推奨
- 草木・植生密度: オープンワールドでは大きな影響。FPS 優先なら「低」
1-8. VSync(垂直同期)
効果:★★★☆☆(遅延の削減として重要)
VSync はモニターのリフレッシュレートに FPS を同期させ、画面のティアリング(水平方向のズレ)を防止する機能です。しかし VSync を有効にすると入力遅延が増加し、FPS がリフレッシュレートを下回った際にフレームレートが半減する「ダブルバッファリング問題」が発生することがあります。
- 競技プレイ: VSync オフ推奨。ティアリングよりも低遅延を優先
- カジュアルプレイ: VSync オンまたは G-SYNC / FreeSync を利用
- G-SYNC / FreeSync: 可変リフレッシュレート技術。VSync のデメリットなくティアリングを防止。対応モニターを所持している場合は最優先で有効化
ゲーム内設定の最適化まとめ
効果の大きい順に見直す推奨手順は以下のとおりです。
- レイトレーシングをオフにする
- レンダリング解像度を確認し、必要ならレンダースケールを下げる
- シャドウ品質を「中」にする
- AA を TAA または SMAA に変更する
- ポストプロセス効果のうち不要なものをオフにする
- テクスチャ品質は VRAM に合わせて調整する
- 描画距離を「中」にする
- VSync をオフにする(G-SYNC / FreeSync がある場合は併用)
2. 【効果大】GPU ドライバーの最適化
効果の大きさ:★★★★★
GPU ドライバーはゲームと GPU の間の翻訳者であり、最適なドライバー設定はゲーム内設定の変更と同等かそれ以上の効果をもたらすことがあります。ドライバーのバージョンが古い場合、新しいゲームで最適化が適用されず、本来のパフォーマンスが発揮されていない可能性があります。
2-1. NVIDIA GeForce ドライバーの最適化
ドライバーの更新
NVIDIA は新作ゲームのリリースに合わせて「Game Ready ドライバー」を公開しており、特定のタイトルに対する最適化が含まれています。2026 年 4 月時点の最新ドライバーは GeForce Game Ready Driver 576 系です。
ドライバーの更新方法は以下のとおりです。
- GeForce Experience(または NVIDIA App)を開く
- 「ドライバー」タブで最新版を確認
- 「カスタムインストール」を選択し、「クリーンインストールを実行」にチェックを入れる
- インストール完了後に PC を再起動
クリーンインストールは、古いドライバーの設定が残って不具合を起こすのを防ぐために重要です。より徹底的にクリーンな状態にしたい場合は、DDU(Display Driver Uninstaller)を使用してセーフモードで旧ドライバーを完全削除してから新しいドライバーをインストールします。
NVIDIA コントロールパネルの推奨設定
NVIDIA コントロールパネル(デスクトップ右クリック → NVIDIA コントロールパネル)の「3D 設定の管理」から、グローバル設定を以下のように調整します。
| 設定項目 | 推奨値 | 解説 |
|---|
| 電力管理モード | パフォーマンス最大化を優先 | GPU が省電力モードに入るのを防ぐ |
| テクスチャフィルタリング - 品質 | ハイパフォーマンス | テクスチャフィルタリングの品質を下げて FPS 向上 |
| テクスチャフィルタリング - 異方性サンプル最適化 | オン | 角度のあるテクスチャのフィルタリングを効率化 |
| テクスチャフィルタリング - ネガティブ LOD バイアス | 許可 | テクスチャの鮮明さを維持 |
| テクスチャフィルタリング - トリリニア最適化 | オン | パフォーマンス向上 |
| スレッドした最適化 | 自動 | マルチスレッド対応ゲームの最適化 |
| 低遅延モード | ウルトラ | NVIDIA Reflex 非対応ゲームで遅延を削減 |
| 最大フレームレート | モニターのリフレッシュレート +3 | GPU 負荷の安定化と電力削減 |
| 垂直同期 | オフ | ゲーム内で個別に制御するため |
| 異方性フィルタリング | アプリケーション側で制御 | ゲーム側で設定するほうが安定 |
| アンチエイリアシング - モード | アプリケーション側で制御 | ゲーム側で設定するほうが安定 |
| シェーダーキャッシュサイズ | ドライバーのデフォルト | シェーダーのコンパイル結果を保持して次回起動を高速化 |
| CUDA - GPU | すべて | 複数 GPU がある場合に使用する GPU を指定 |
さらに、ゲームごとに個別設定を行いたい場合は「プログラム設定」タブから対象ゲームの実行ファイルを選択して微調整できます。競技タイトルでは低遅延モードを「ウルトラ」に設定し、シングルプレイヤーの美麗なタイトルでは品質寄りの設定にするなど、使い分けが可能です。
NVIDIA Reflex の活用
NVIDIA Reflex は、ゲームエンジンと GPU ドライバーが連携して入力遅延を最小限に抑えるフレームワークです。対応タイトルは 2026 年時点で 100 タイトル以上に拡大しており、Apex Legends、VALORANT、Fortnite、Call of Duty シリーズ、Overwatch 2 などの主要な競技タイトルのほぼすべてが対応済みです。
対応ゲームでは、ゲーム内設定に「NVIDIA Reflex」の項目が表示されます。「オン」または「オン+ブースト」を選択してください。「オン+ブースト」は GPU クロックを高い状態に維持するため、電力消費は増えますが遅延がさらに短縮されます。
2-2. AMD Radeon ドライバー(AMD Software: Adrenalin Edition)の最適化
ドライバーの更新
AMD も新作ゲーム向けの最適化を含むドライバーを定期的にリリースしています。2026 年 4 月時点の最新版は Adrenalin Edition 26.3 系です。
- AMD Software: Adrenalin Edition を起動
- 「設定」→「システム」→「ソフトウェアとドライバー」でアップデートを確認
- ダウンロード時に「出荷時リセット」オプションを選択してクリーンインストール
AMD Software の推奨設定
AMD Software: Adrenalin Edition の「ゲーミング」→「グラフィックス」タブで以下を設定します。
| 設定項目 | 推奨値 | 解説 |
|---|
| Radeon Anti-Lag 2 | 有効 | 入力遅延を低減。NVIDIA Reflex の AMD 版 |
| Radeon Boost | 有効 | 高速移動時に解像度を動的に下げて FPS を向上 |
| AMD FidelityFX Super Resolution (FSR) | ゲーム内で設定推奨 | グローバル有効化よりゲーム個別が安定 |
| Radeon Chill | 無効 | FPS を動的に制限するため、最大 FPS を出したい場合は無効 |
| テクスチャフィルタリング品質 | パフォーマンス | テクスチャの品質をわずかに下げて FPS 向上 |
| 表面フォーマットの最適化 | 有効 | 一部テクスチャの精度を下げてパフォーマンス向上 |
| テッセレーションモード | アプリケーション設定を使用 | ゲーム側の設定に従う |
| 垂直同期を待機 | 常にオフ | 入力遅延削減。ゲーム内で個別制御 |
| フレームレートターゲットコントロール | 無効またはモニター Hz +3 | 必要に応じて FPS 上限を設定 |
Radeon Anti-Lag 2 の活用
Radeon Anti-Lag 2 は 2025 年に登場した AMD の最新低遅延技術で、NVIDIA Reflex と同様にゲームエンジンレベルで動作します。対応タイトルではゲーム内設定から有効化でき、対応していないタイトルでは AMD Software 側のグローバル設定(旧 Anti-Lag)が適用されます。
対応タイトルは VALORANT、Counter-Strike 2、Fortnite、Apex Legends など主要競技タイトルをカバーしています。遅延低減効果は NVIDIA Reflex と同等クラスで、フレームレートへの影響はほぼゼロです。
2-3. Intel Arc ドライバーの最適化
Intel Arc GPU を使用している場合は、Intel Arc Control パネルから設定を行います。2026 年時点では Intel Arc Battlemage シリーズ(B シリーズ)が登場しており、ドライバーの成熟度も初期と比較して大幅に向上しています。
基本的な設定方針は NVIDIA や AMD と同様で、垂直同期をオフにし、テクスチャフィルタリングをパフォーマンス寄りに設定します。Intel XeSS(後述)対応タイトルではゲーム内から有効化することで FPS を大きく向上させることが可能です。
3. 【効果中】Windows OS の最適化
効果の大きさ:★★★★☆
Windows 11 にはゲーミングパフォーマンスに影響するさまざまなバックグラウンドプロセスや設定が存在します。OS レベルの最適化はゲーム内設定ほど劇的な効果はありませんが、安定した FPS の維持とフレームタイムのばらつき(スタッター)の低減に大きく寄与します。
3-1. ゲームモードの有効化
効果:★★★☆☆
Windows 11 のゲームモードは、ゲームプレイ中にバックグラウンドの Windows Update やドライバーのインストールを抑制し、ゲームプロセスに CPU と GPU のリソースを優先的に割り当てる機能です。
設定手順は以下のとおりです。
- 「設定」→「ゲーム」→「ゲームモード」を開く
- ゲームモードを「オン」にする
2026 年の Windows 11 ではゲームモードの動作がさらに改善されており、以前のバージョンで報告されていた一部ゲームでの FPS 低下問題はほぼ解消されています。基本的にはオンのままで問題ありません。
3-2. 電源プランの最適化
効果:★★★★☆
Windows の電源プランは CPU のクロック制御やスリープポリシーに直接影響します。デフォルトの「バランス」プランでは省電力のために CPU クロックが動的に変動しますが、ゲーム中にクロックが下がると FPS が不安定になります。
設定手順は以下のとおりです。
- 「コントロールパネル」→「電源オプション」を開く
- 「高パフォーマンス」を選択する(表示されない場合は「追加プランの表示」で展開)
- さらに「プラン設定の変更」→「詳細な電源設定の変更」から以下を確認
| 詳細設定項目 | 推奨値 |
|---|
| プロセッサの電源管理 → 最小のプロセッサの状態 | 100%(ゲーム中) |
| プロセッサの電源管理 → 最大のプロセッサの状態 | 100% |
| PCI Express → リンク状態の電源管理 | オフ |
| USB 設定 → USB のセレクティブ サスペンド | 無効 |
デスクトップ PC であれば「高パフォーマンス」をゲーム中の常用プランとして問題ありません。ノート PC の場合はバッテリー消費に注意が必要ですが、電源接続時のみ「高パフォーマンス」に切り替えるのが良いでしょう。
AMD Ryzen プロセッサーを使用している場合は、AMD 提供の「AMD Ryzen High Performance」電源プランが自動的にインストールされていることがあります。この専用プランは Ryzen の ccx 構造とスケジューリングに最適化されているため、こちらを使用することを推奨します。
3-3. 不要なバックグラウンドプロセスの停止
効果:★★★☆☆
バックグラウンドで動作するアプリケーションは、CPU サイクル、メモリ、ディスク I/O を消費し、ゲームのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。
スタートアップアプリの無効化
- 「設定」→「アプリ」→「スタートアップ」を開く
- 不要なアプリのトグルをオフにする
無効にすることを推奨するアプリの例は以下のとおりです。
- クラウドストレージの同期クライアント(OneDrive、Google Drive、Dropbox):ゲーム中の同期を避ける
- メッセージングアプリ(Slack、Teams、Discord):Discord は使用する場合のみ有効に
- ハードウェアメーカーのユーティリティ(Corsair iCUE、NZXT CAM など):RGB 制御だけなら不要
- プリンター管理ソフト
- アップデートチェッカー(Adobe Update Manager など)
バックグラウンドアプリの制限
Windows 11 では、アプリごとにバックグラウンドでの動作を制限できます。
- 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」
- 対象アプリの「...」→「詳細オプション」
- 「バックグラウンド アプリのアクセス許可」を「電力の最適化」または「しない」に設定
3-4. 仮想メモリ(ページファイル)の最適化
効果:★★☆☆☆
物理メモリ(RAM)が不足するとディスク上のページファイルが使用され、パフォーマンスが大幅に低下します。現代のゲームは 16GB 以上を推奨するタイトルが増えており、32GB あれば多くの場合ページファイルへのスワップを回避できます。
仮想メモリの設定手順は以下のとおりです。
- 「システムの詳細設定」→「パフォーマンス」→「設定」→「詳細設定」タブ
- 「仮想メモリ」の「変更」をクリック
- 「すべてのドライブのページングファイルのサイズを自動的に管理する」のチェックを外す
- OS がインストールされた SSD を選択
- 「カスタムサイズ」で初期サイズと最大サイズの両方を同じ値に設定(RAM の 1.5 倍を推奨、例:32GB RAM なら 49152MB)
- 「設定」をクリックし、PC を再起動
初期サイズと最大サイズを同じにすることで、ページファイルの断片化を防ぎ、動的な拡張によるパフォーマンス低下を回避できます。SSD にページファイルを配置することも重要です。
3-5. Windows のビジュアルエフェクトの無効化
効果:★★☆☆☆
Windows のウィンドウアニメーションや透明効果は CPU と GPU のリソースを微量ながら消費します。ゲーム中は最小化されていることが多いですが、Alt+Tab での切り替え時などに影響する場合があります。
- 「システムの詳細設定」→「パフォーマンス」→「設定」
- 「パフォーマンスを優先する」を選択、または個別に不要なエフェクトのチェックを外す
特に効果が大きいのは以下の項目です。
- ウィンドウを最小化・最大化するときにアニメーションを表示する → オフ
- デスクトップのアイコン名に影を付ける → オフ
- 半透明の [選択] ツールを表示する → オフ
- ヒントをフェードまたはスライドで表示する → オフ
3-6. ハードウェアアクセラレーテッド GPU スケジューリング(HAGS)
効果:★★★☆☆
Windows 11 に搭載されている HAGS は、GPU のスケジューリング処理を CPU から GPU 自体に移管する機能です。これにより CPU のオーバーヘッドが削減され、フレームタイムの安定性が向上する可能性があります。
- 「設定」→「システム」→「ディスプレイ」→「グラフィック」
- 「デフォルトのグラフィックス設定を変更する」をクリック
- 「ハードウェアアクセラレーテッド GPU スケジューリング」を「オン」にする
- PC を再起動
2026 年時点では NVIDIA、AMD ともに HAGS への対応が成熟しており、ほとんどのゲームでプラスの効果が得られます。ただし、ごく一部の古いタイトルでは逆効果となるケースが報告されているため、有効にした後に問題が生じたらオフに戻してください。
3-7. Windows Update の制御
効果:★★☆☆☆(安定性への影響)
Windows Update がゲーム中にバックグラウンドでダウンロードやインストールを行うと、ディスク I/O と CPU 使用率が急上昇し、FPS の急激な低下を招きます。
完全に無効にするのはセキュリティ上推奨しませんが、以下の設定で影響を最小限に抑えられます。
- 「設定」→「Windows Update」→「詳細オプション」
- 「アクティブ時間」を設定し、ゲームプレイ時間帯に更新が行われないようにする
- 「配信の最適化」→「他の PC からダウンロードを許可する」をオフにする
3-8. 通知の無効化
効果:★☆☆☆☆
通知のポップアップはオーバーレイとして表示され、一部のゲームでフレームドロップを引き起こすことがあります。
- 「設定」→「システム」→「通知」
- 「応答不可」をゲーム中にオンにする、または不要なアプリの通知をオフにする
- ゲームモードを有効にしている場合は、自動的に通知が抑制される
4. 【効果中】DLSS / FSR / XeSS アップスケーリング技術の活用
効果の大きさ:★★★★☆
アップスケーリング技術は、低い解像度でレンダリングした映像を AI やアルゴリズムで高解像度に復元する技術です。ネイティブ解像度を下げるのと異なり、画質の低下を最小限に抑えながら FPS を大幅に向上させることが可能で、2026 年現在のゲーミングにおいて最も注目される最適化手法の一つとなっています。
4-1. NVIDIA DLSS(Deep Learning Super Sampling)
対応GPU: NVIDIA GeForce RTX シリーズ全般(RTX 20/30/40/50)
DLSS は NVIDIA の Tensor コアを活用した AI ベースのアップスケーリング技術です。2026 年時点の最新バージョンは DLSS 4 で、マルチフレーム生成(Multi Frame Generation)に対応しています。
| モード | 内部レンダリング解像度(4K出力時) | FPS 向上の目安 | 画質への影響 |
|---|
| DLSS Quality | 2560x1440 | +40~60% | ほぼネイティブと同等 |
| DLSS Balanced | 2227x1251 | +60~80% | 微細なディテールでわずかな差 |
| DLSS Performance | 1920x1080 | +80~120% | 動きの激しいシーンでは気にならない |
| DLSS Ultra Performance | 1280x720 | +150%以上 | 静止画では劣化が目立つ |
DLSS 4 のマルチフレーム生成は RTX 50 シリーズ限定の機能で、GPU が実際にレンダリングしたフレームの間に AI が補間フレームを生成することで、見かけ上の FPS を 2~4 倍に引き上げます。ただし、補間フレームは実際にはゲームエンジンが計算したものではないため、入力遅延がわずかに増加する点に注意が必要です。この遅延は Reflex との併用で大幅に緩和されます。
推奨設定は以下のとおりです。
- 4K モニター: DLSS Quality または Balanced
- WQHD モニター: DLSS Quality
- FHD モニター: DLSS Balanced または Performance
- 競技プレイ: DLSS Performance + Reflex オン
4-2. AMD FSR(FidelityFX Super Resolution)
対応GPU: GPU メーカー不問(NVIDIA、AMD、Intel すべてで動作)
FSR は AMD が開発したオープンソースのアップスケーリング技術です。2026 年時点の最新バージョンは FSR 4 で、AI ベースの超解像処理に進化しています(FSR 4 の AI 機能は Radeon RX 9000 シリーズ以降で利用可能)。
| モード | FPS 向上の目安 | 画質 |
|---|
| FSR Quality | +30~50% | ネイティブに近い |
| FSR Balanced | +50~70% | 良好 |
| FSR Performance | +70~100% | 動きの多いシーンでは十分 |
| FSR Ultra Performance | +100%以上 | 静止画で劣化あり |
FSR の最大の利点は GPU メーカーを問わず利用できることです。NVIDIA GPU で FSR を使用することも可能であり、DLSS 非対応タイトルでの選択肢として有効です。ただし、DLSS と比較すると同じモードでの画質はやや劣る傾向があります。
また、FSR 3 以降にはフレーム生成(Frame Generation)機能が搭載されており、DLSS のマルチフレーム生成と同様に補間フレームで見かけの FPS を向上させます。こちらも対応 GPU であれば NVIDIA 環境でも利用可能です。
4-3. Intel XeSS(Xe Super Sampling)
対応GPU: 主に Intel Arc GPU で最適動作。他社 GPU でも DP4a 対応なら利用可能
XeSS は Intel が開発したアップスケーリング技術で、Intel Arc GPU では専用の XMX(Xe Matrix eXtensions)エンジンで処理されます。他社 GPU でも DP4a(Dot Product Accumulate 4-bit to 8-bit)命令に対応していれば利用可能ですが、画質とパフォーマンスは Intel Arc GPU 使用時が最も高くなります。
対応タイトルは DLSS や FSR に比べると少ないですが、2026 年時点では主要なタイトルの多くが対応しています。
4-4. アップスケーリング技術の選択指針
| あなたの GPU | 第一選択 | 第二選択 |
|---|
| NVIDIA RTX 50 シリーズ | DLSS 4 + MFG | FSR 4 |
| NVIDIA RTX 40 シリーズ | DLSS 3 + FG | FSR 3 + FG |
| NVIDIA RTX 20/30 シリーズ | DLSS(Super Resolution のみ) | FSR |
| AMD Radeon RX 9000 シリーズ | FSR 4(AI) | DLSS(一部タイトル対応) |
| AMD Radeon RX 7000 シリーズ | FSR 3 + FG | ― |
| Intel Arc Battlemage | XeSS | FSR |
| GTX 16 シリーズ以前 | FSR | ― |
基本的に、対応している中で最も高品質なアップスケーリング技術を選び、画質が許容範囲に収まる最もアグレッシブなモードを使用するのが FPS 向上の近道です。
5. 【効果中】メモリ・ストレージの最適化
効果の大きさ:★★★☆☆
メモリとストレージはゲームのロード時間だけでなく、プレイ中の FPS やスタッターにも影響します。特にメモリの動作速度と構成は、CPU のパフォーマンスに直結するため軽視できません。
5-1. デュアルチャネルの確認
効果:★★★★☆
メモリがシングルチャネル(1 枚挿し)で動作している場合、メモリ帯域幅が半分になり、特に CPU ボトルネックのシナリオで FPS が 10~30% 低下することがあります。
メモリが正しくデュアルチャネルで動作しているか確認する方法は以下のとおりです。
- タスクマネージャー → 「パフォーマンス」タブ → 「メモリ」を選択
- 「スロットの使用」で何枚のメモリが何スロットに挿さっているか確認
- 「速度」の横に表示されるチャネル情報を確認
デュアルチャネルにするには、同じ容量・同じ速度のメモリを 2 枚(または 4 枚)使用し、マザーボードの指定されたスロットに装着する必要があります。通常、2 枚の場合は A2 と B2 スロット(2 番目と 4 番目のスロット)に装着します。正確なスロット配置はマザーボードのマニュアルを参照してください。
5-2. XMP / EXPO プロファイルの有効化
効果:★★★★☆
市販のメモリはパッケージに DDR5-6000 や DDR5-7200 などと記載されていても、初期状態では JEDEC 標準の低い速度(DDR5 の場合 4800MHz 程度)で動作していることがほとんどです。定格速度で動作させるには、BIOS で XMP(Intel プラットフォーム)または EXPO(AMD プラットフォーム)プロファイルを有効にする必要があります。
設定手順は以下のとおりです。
- PC の電源投入時に Del キーまたは F2 キーで BIOS に入る
- メモリ設定(OC 設定)のセクションを探す
- XMP Profile または EXPO Profile を有効にする
- 保存して再起動
XMP/EXPO を有効にするだけで、メモリ速度が 50% 以上向上し、それに伴って FPS も 5~15% 程度改善されるケースがあります。特に AMD Ryzen プロセッサーは Infinity Fabric の動作クロックがメモリ速度に連動するため、メモリ速度の恩恵が大きくなります。
DDR5 環境での推奨メモリ速度は以下のとおりです。
| プラットフォーム | 推奨メモリ速度 | 備考 |
|---|
| Intel Core Ultra 200 (Arrow Lake) | DDR5-5600~6400 | Gear 2 モードでの安定動作を優先 |
| Intel 14世代 (Raptor Lake) | DDR5-5600~6000 | Gear 1 での動作が理想 |
| AMD Ryzen 9000 (Zen 5) | DDR5-6000~6400 | Infinity Fabric 1:1 が安定する上限付近 |
| AMD Ryzen 7000 (Zen 4) | DDR5-6000 | FCLK 2000MHz で 1:1 同期が最適 |
5-3. メモリ容量の確認
効果:★★★☆☆
2026 年のゲームでは 16GB が最低ラインとなりつつあり、一部のオープンワールドタイトルや高解像度テクスチャパックを使用する場合は 32GB が推奨されます。メモリが不足するとページファイル(ディスク上の仮想メモリ)へのスワップが発生し、甚大なスタッターを引き起こします。
ゲーム中のメモリ使用量はタスクマネージャーで確認できます。使用量が搭載量の 80% を超えている場合は、メモリの増設を検討してください。
5-4. ストレージの配置と最適化
効果:★★☆☆☆(ロード時間に大きな影響、FPS への直接影響は限定的)
ゲームを NVMe SSD にインストールすることで、ロード時間は劇的に短縮されます。また、一部のオープンワールドゲームではプレイ中にテクスチャやアセットをストリーミングで読み込むため、SSD の読み取り速度が FPS のスタッターに影響する場合があります。
- NVMe SSD (PCIe Gen4/Gen5): 最適。ゲームのインストール先として最推奨
- SATA SSD: 良好。NVMe ほどではないが HDD に比べて大幅に改善
- HDD: 非推奨。ロードが極端に遅く、テクスチャストリーミングでスタッターが発生する
DirectStorage 対応タイトルでは、GPU がストレージからの圧縮データを直接展開する技術が利用でき、NVMe SSD の性能をフルに活用できます。2026 年時点で対応タイトルは増加傾向にあり、今後のゲームでは NVMe SSD が実質的な必須要件となっていく見込みです。
SSD の空き容量にも注意が必要です。SSD は空き容量が少なくなると書き込み速度が低下する特性があるため、少なくとも全容量の 20% 程度は空きを確保しておくことを推奨します。
6. 【効果小】CPU 最適化
効果の大きさ:★★☆☆☆
CPU のボトルネックが原因で FPS が伸びないケースは確かに存在しますが、ソフトウェア的な CPU 最適化で得られる効果は一般的に限定的です。ここで紹介するテクニックは、CPU がボトルネックであることが明確に判明している場合にのみ有効です。
6-1. ゲームプロセスの優先度を変更する
効果:★★☆☆☆
Windows のタスクスケジューラはプロセスの優先度に基づいて CPU 時間を配分します。ゲームのプロセスを「高」に設定することで、他のバックグラウンドプロセスよりもゲームに CPU リソースが優先的に割り当てられます。
- ゲームを起動する
- Ctrl+Shift+Esc でタスクマネージャーを開く
- 「詳細」タブでゲームの実行ファイルを右クリック
- 「優先度の設定」→「高」を選択
注意点として、「リアルタイム」は選択しないでください。システムの安定性に重大な問題を引き起こす可能性があります。
なお、この設定はゲームを再起動するとリセットされます。常に適用したい場合は、ゲームのショートカットにコマンドラインオプションを追加するか、専用のユーティリティソフトを使用します。
6-2. コアパーキングの無効化
効果:★☆☆☆☆
コアパーキングは、低負荷時に一部の CPU コアをスリープ状態にして消費電力を削減する機能です。ゲーム中にコアがパーキングされるとマイクロスタッターの原因となる可能性がありますが、2026 年の Windows 11 と最新のチップセットドライバーでは、ゲーム中に適切にコアが起動するようスケジューリングが改善されています。
電源プランを「高パフォーマンス」に設定している場合は、コアパーキングは自動的に無効になります。前述の電源プラン設定を行っていれば、追加の対応は不要です。
6-3. CPU アフィニティの設定
効果:★☆☆☆☆
特定のゲームが特定の CPU コアに処理を集中させてしまう場合、タスクマネージャーからアフィニティ(使用する CPU コアの割り当て)を手動で設定することで改善される場合があります。ただし、これは非常にニッチなケースであり、一般的には不要です。
Intel のハイブリッドアーキテクチャ(P コア + E コア)を採用した CPU では、Thread Director がゲームの高負荷スレッドを自動的に P コアに割り当てるため、手動でのアフィニティ設定は通常推奨されません。
6-4. BIOS での CPU 設定
効果:★★★☆☆(オーバークロック可能な環境の場合)
オーバークロック対応の CPU とマザーボードを持っている場合は、BIOS から以下の設定を確認・調整できます。
- PBO(Precision Boost Overdrive): AMD Ryzen では PBO を「Advanced」に設定し、電力制限を引き上げることで自動的にブーストクロックが向上
- Thermal Velocity Boost / Turbo Boost Max: Intel 環境で、温度に余裕がある場合にブーストクロックが上昇する機能
- C-State の無効化: 省電力ステートを無効にすることで CPU のレスポンスを改善。ただし消費電力が増加
オーバークロックや電力制限の変更は、システムの安定性に影響を与える可能性があるため、十分な知識を持った上で自己責任で行ってください。
7. 【効果小】ネットワーク最適化
効果の大きさ:★★☆☆☆
ネットワーク最適化は FPS 自体の向上よりも、オンラインゲームにおけるラグ(遅延)やパケットロスの低減が主な目的です。ただし、ネットワーク起因のスタッターが FPS 低下として体感されるケースもあるため、オンラインゲームをプレイするならば一通り確認しておく価値があります。
7-1. 有線接続の優先
効果:★★★★☆(Wi-Fi から有線に変えた場合)
Wi-Fi は利便性が高いものの、遅延の安定性では有線 LAN に大きく劣ります。Wi-Fi 7 の登場で無線の帯域幅は飛躍的に向上しましたが、遅延のジッター(ばらつき)は物理的な限界があり、有線接続に比べて不利です。
対戦ゲームでは、可能な限りイーサネットケーブル(Cat6 以上推奨)で直接ルーターに接続してください。これだけでラグの安定性が大幅に改善されることがあります。
7-2. Nagle アルゴリズムの無効化
効果:★★☆☆☆
Nagle アルゴリズムは、小さなパケットをまとめて送信することでネットワーク効率を上げる仕組みですが、ゲームではパケットの送信遅延を引き起こします。無効化することで、入力がより即座にサーバーに送信されるようになります。
Windows のレジストリから無効化する手順は以下のとおりです。
- レジストリエディター(regedit)を管理者権限で開く
- 以下のパスに移動する
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters\Interfaces
- 各インターフェースのサブキーを確認し、使用しているネットワークアダプターのサブキーを特定する(IPAddress や DhcpIPAddress で判断)
- そのサブキー内に以下の DWORD 値を新規作成する
- 名前:
TcpAckFrequency / 値: 1
- 名前:
TCPNoDelay / 値: 1
- PC を再起動する
レジストリの変更はシステムに影響を与える可能性があるため、変更前にレジストリのバックアップを取ることを推奨します。
7-3. DNS の最適化
効果:★☆☆☆☆(ゲーム中の FPS には直接影響しない)
DNS(Domain Name System)の応答速度は、ゲームサーバーへの初回接続時の遅延に影響しますが、接続確立後のゲーム内ラグや FPS には直接影響しません。ただし、高速な DNS を使用することでゲームのアップデートやダウンロードが高速化される場合があります。
おすすめの DNS サーバーは以下のとおりです。
| DNS サービス | プライマリ | セカンダリ |
|---|
| Cloudflare | 1.1.1.1 | 1.0.0.1 |
| Google | 8.8.8.8 | 8.8.4.4 |
| Quad9 | 9.9.9.9 | 149.112.112.112 |
設定方法は以下のとおりです。
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「イーサネット」(または Wi-Fi)
- 「DNS サーバーの割り当て」→「編集」
- 手動を選択し、上記の DNS アドレスを入力
7-4. ネットワークアダプターの詳細設定
効果:★☆☆☆☆
デバイスマネージャーからネットワークアダプターの詳細設定を変更することで、微小ながら遅延を改善できる場合があります。
- 「デバイスマネージャー」→「ネットワークアダプター」→ 使用中のアダプターを右クリック →「プロパティ」
- 「詳細設定」タブで以下を確認
| 設定項目 | 推奨値 | 解説 |
|---|
| Interrupt Moderation | Disabled | 割り込みの遅延を削減 |
| Receive Buffers | 最大値 | 受信バッファサイズを増加 |
| Transmit Buffers | 最大値 | 送信バッファサイズを増加 |
| Energy Efficient Ethernet | Disabled | 省電力による遅延を防止 |
| Flow Control | Disabled | パケットの一時停止を防止 |
| Speed & Duplex | 1.0 Gbps Full Duplex | 自動ネゴシエーションの不安定さを排除 |
注意:これらの設定は環境によって逆効果になる場合もあるため、変更前の値を記録しておき、問題が発生したら元に戻せるようにしてください。
8. 最終手段:ハードウェアアップグレードの判断基準
ソフトウェア的な最適化をすべて行っても FPS が目標に達しない場合は、ハードウェアのアップグレードを検討する必要があります。ただし、闇雲にパーツを交換するのではなく、ボトルネックを正確に特定したうえで投資対効果の高いパーツから優先的にアップグレードすることが重要です。
ボトルネックの特定方法
ゲーム中にタスクマネージャーやサードパーティの監視ツール(MSI Afterburner + RivaTuner Statistics Server が定番)を使用して、CPU 使用率と GPU 使用率をオーバーレイ表示で確認します。
| 状況 | 診断 | 対策 |
|---|
| GPU 使用率 95~100%、CPU 使用率 50% 以下 | GPU ボトルネック | GPU のアップグレードが最も効果的 |
| CPU 使用率 90~100%(一部コア)、GPU 使用率 70% 以下 | CPU ボトルネック | CPU のアップグレード(マザーボード交換も必要な場合あり) |
| 両方とも使用率が低い | FPS リミッター、VSync、その他の制限 | ソフトウェア設定を再確認 |
| メモリ使用率 90% 以上 | メモリ不足 | メモリの増設 |
| ディスク使用率が高い | ストレージボトルネック | SSD への換装 |
アップグレードの優先順位(2026 年 4 月時点)
1. GPU(グラフィックカード)
FPS に最も直接的に影響するパーツです。2026 年 4 月時点での推奨 GPU は以下のとおりです。
| 予算帯 | 推奨 GPU | 想定解像度 |
|---|
| ~3 万円 | Radeon RX 9060 / GeForce RTX 5060 | FHD 高設定 |
| 3~6 万円 | Radeon RX 9060 XT / GeForce RTX 5060 Ti | WQHD 高設定 |
| 6~10 万円 | Radeon RX 9070 XT / GeForce RTX 5070 | WQHD 最高設定~4K |
| 10~15 万円 | GeForce RTX 5070 Ti | 4K 高設定 |
| 15 万円以上 | GeForce RTX 5080 / RTX 5090 | 4K 最高設定 |
2. CPU
CPU ボトルネックが確認された場合のみアップグレードを検討します。2026 年時点では AMD Ryzen 9000 シリーズと Intel Core Ultra 200 シリーズが主流です。
ゲーミング用途では、コア数よりもシングルスレッド性能が重要です。Ryzen 7 9700X や Core Ultra 7 265K は、ゲーミングにおいて十分な性能を発揮します。
3. メモリ
容量が 16GB 未満の場合は 32GB への増設を最優先で行ってください。容量が足りている場合は、前述の XMP/EXPO プロファイルの有効化とデュアルチャネル構成の確認を先に行います。
4. ストレージ
HDD にゲームをインストールしている場合は、NVMe SSD への移行で劇的なロード時間短縮とスタッター低減が見込めます。
アップグレードの費用対効果の見極め
無駄な出費を避けるために、ベンチマークサイトやレビュー動画で「自分がプレイするゲーム」「自分が使用する解像度」でのパフォーマンスを確認してから購入することを強く推奨します。総合ベンチマークスコアが高くても、特定のゲームでは差が小さいことがよくあります。
9. トラブルシューティング:FPS が急に下がった場合のチェックリスト
これまで問題なく動いていたゲームで突然 FPS が低下した場合、何らかの設定変更やシステムの変化が原因となっている可能性が高いです。以下のチェックリストを上から順に確認していってください。
チェックリスト
直近の変更を確認する
- Windows Update が適用されていないか確認する(「設定」→「Windows Update」→「更新の履歴」)
- GPU ドライバーが更新されていないか確認する(デバイスマネージャー → ディスプレイアダプター → プロパティ → ドライバータブ)
- ゲーム自体のアップデートがなかったか確認する
- 新しいソフトウェアをインストールしていないか確認する
ハードウェアの状態を確認する
- GPU の温度を確認する(90度を超えていたらサーマルスロットリングの可能性。冷却の改善やグリスの塗り直しが必要)
- CPU の温度を確認する(同上)
- タスクマネージャーで異常に CPU やディスクを使用しているプロセスがないか確認する
- GPU が正しく認識されているか確認する(デバイスマネージャーで「!」マークがないか)
電源関連を確認する
- ノート PC の場合、電源に接続されているか確認する(バッテリー駆動では省電力モードになり FPS が低下する)
- 電源プランが「高パフォーマンス」になっているか確認する
- GPU の補助電源ケーブルが正しく接続されているか確認する(デスクトップの場合)
ソフトウェア環境を確認する
- バックグラウンドで重いプロセスが動いていないか確認する(ウイルススキャン、ファイルのインデックス作成など)
- オーバーレイソフトが競合していないか確認する(Discord オーバーレイ、GeForce Experience オーバーレイ、Xbox Game Bar、Steam オーバーレイが同時に有効になっていると問題が起きることがある)
- ゲームの設定ファイルが破損していないか確認する(設定をリセットして改善するか確認)
ドライバーの再インストール
上記すべてを確認しても改善しない場合は、DDU(Display Driver Uninstaller)を使用して GPU ドライバーを完全に削除し、最新版をクリーンインストールしてください。
手順は以下のとおりです。
- DDU をダウンロードする
- Windows をセーフモードで起動する
- DDU を実行し、GPU ドライバーを完全に削除する
- 通常モードで再起動する
- GPU メーカーの公式サイトから最新ドライバーをダウンロードしてインストールする
Windows の再インストール
最終手段として、Windows のクリーンインストールは多くの問題を解決します。特に OS を長期間使用している場合、蓄積されたレジストリの不整合や不要なサービスの残骸がパフォーマンスに影響している可能性があります。
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10. まとめ:効果別早見表
最後に、本記事で紹介したすべてのテクニックを効果の大きさ順にまとめます。上から順に実施していくことで、効率よく FPS を向上させることができます。
【効果大】最優先で実施すべきテクニック
| テクニック | 効果 | 難易度 | 所要時間 |
|---|
| レイトレーシングをオフにする | ★★★★★ | 簡単 | 1 分 |
| レンダリング解像度を下げる | ★★★★★ | 簡単 | 1 分 |
| GPU ドライバーを最新版にクリーンインストール | ★★★★★ | 簡単 | 10 分 |
| シャドウ品質を下げる | ★★★★☆ | 簡単 | 1 分 |
| AA を TAA/SMAA に変更 | ★★★★☆ | 簡単 | 1 分 |
| GPU コントロールパネルを最適化 | ★★★★☆ | 中 | 10 分 |
| DLSS/FSR/XeSS を有効化 | ★★★★☆ | 簡単 | 2 分 |
【効果中】基本的な最適化テクニック
| テクニック | 効果 | 難易度 | 所要時間 |
|---|
| 電源プランを「高パフォーマンス」に変更 | ★★★★☆ | 簡単 | 2 分 |
| XMP/EXPO を有効化 | ★★★★☆ | 中 | 5 分 |
| デュアルチャネルメモリの確認 | ★★★★☆ | 簡単 | 1 分 |
| HAGS を有効化 | ★★★☆☆ | 簡単 | 2 分 |
| ゲームモードを有効化 | ★★★☆☆ | 簡単 | 1 分 |
| ポストプロセス効果を無効化 | ★★★☆☆ | 簡単 | 2 分 |
| 不要なバックグラウンドアプリを停止 | ★★★☆☆ | 中 | 10 分 |
| VSync をオフにする | ★★★☆☆ | 簡単 | 1 分 |
【効果小】上級者向け・細かなチューニング
| テクニック | 効果 | 難易度 | 所要時間 |
|---|
| NVIDIA Reflex / Anti-Lag 2 を有効化 | ★★★☆☆ | 簡単 | 1 分 |
| 仮想メモリの最適化 | ★★☆☆☆ | 中 | 5 分 |
| ビジュアルエフェクトの無効化 | ★★☆☆☆ | 簡単 | 3 分 |
| 描画距離・LOD を下げる | ★★☆☆☆ | 簡単 | 1 分 |
| ゲームプロセスの優先度変更 | ★★☆☆☆ | 中 | 2 分 |
| Nagle アルゴリズム無効化 | ★★☆☆☆ | 上級 | 10 分 |
| ネットワークアダプター詳細設定 | ★☆☆☆☆ | 上級 | 10 分 |
| DNS 設定の変更 | ★☆☆☆☆ | 中 | 5 分 |
| コアパーキング無効化 | ★☆☆☆☆ | 中 | 5 分 |
よくある質問(FAQ)
Q1. FPS を上げるのに最も効果的な方法は何ですか?
最も効果が大きいのは「ゲーム内グラフィック設定の最適化」です。特に描画解像度の変更、影品質の低減、アンチエイリアスの調整は、GPU 負荷に直結するため即座に大きな効果が得られます。次いで DLSS / FSR / XeSS などのアップスケーリング技術の活用が効果的です。ハードウェア変更なしで 30〜50% の FPS 向上が期待できるケースもあります。
Q2. GPU 使用率が 100% なのに FPS が低いのはなぜですか?
GPU がボトルネックになっている状態です。この場合、ゲーム内の描画設定(解像度、影、テクスチャ品質など)を下げることで改善します。逆に GPU 使用率が 50〜70% 程度で FPS が頭打ちの場合は CPU ボトルネックの可能性が高く、CPU の最適化やアップグレードが必要になります。タスクマネージャーや MSI Afterburner で CPU と GPU の使用率を同時に監視して判断してください。
Q3. NVIDIA Reflex と AMD Anti-Lag 2 の違いは何ですか?
どちらもシステムレイテンシ(入力遅延)を低減する技術ですが、仕組みが異なります。NVIDIA Reflex はゲームエンジンと GPU ドライバーが連携して CPU のレンダリングキューを最適化します。AMD Anti-Lag 2 はドライバーレベルでフレームペーシングを調整します。対応ゲームが異なるため、お使いの GPU メーカーに対応した技術を有効にしてください。両者とも 20〜40% の遅延削減効果があります。
Q4. 電源プランは「高パフォーマンス」にすべきですか?
ゲーミング中は「高パフォーマンス」または「究極のパフォーマンス」の使用を推奨します。「バランス」プランでは CPU がアイドル時にクロックを下げるため、ゲーム中にクロック変動によるカクつきが発生することがあります。ただし、ノート PC では消費電力と発熱が増えるため、デスクトップ PC での使用を前提としています。
Q5. ゲームごとに最適化設定を変える必要がありますか?
はい、ゲームエンジンや描画方式が異なるため、タイトルごとに最適な設定は変わります。ただし、GPU ドライバー設定や Windows の最適化は全ゲーム共通で適用できます。NVIDIA コントロールパネルでは「プログラム設定」タブでゲームごとに個別の設定プロファイルを作成できるため、ゲームに応じた微調整が可能です。
Q6. FPS 制限(フレームレートキャップ)は設定すべきですか?
モニターのリフレッシュレートに合わせた FPS 制限は推奨されます。例えば 144Hz モニターなら 141fps に制限することで、フレームタイムが安定し、GPU の無駄な発熱と消費電力を抑えられます。G-Sync / FreeSync を使用する場合は、リフレッシュレートの 3fps 下に設定するのがベストプラクティスです。
Q7. メモリの XMP / EXPO を有効にすべきですか?
必ず有効にしてください。DDR5 メモリの場合、XMP / EXPO を有効にしないとデフォルトの 4,800MT/s で動作してしまい、本来の性能(6,000MT/s 以上)を発揮できません。特に AMD Ryzen プラットフォームではメモリ速度が FPS に直結するため、有効化するだけで 5〜15% の FPS 向上が見込めます。BIOS の起動直後に XMP / EXPO プロファイルを選択するだけの簡単な設定です。
Q8. Windows のゲームモードは有効にすべきですか?
Windows 11 ではゲームモードを有効にすることを推奨します。ゲームモードは、ゲーム中のバックグラウンドプロセスの優先度を下げ、Windows Update の再起動を抑制し、ドライバーのインストールを延期する効果があります。Windows 10 の初期バージョンではパフォーマンス低下の報告がありましたが、Windows 11 では改善されており、有効化によるデメリットはほぼありません。
まとめ
FPS の向上は一つの魔法のような設定で劇的に改善されるものではなく、複数のテクニックを組み合わせることで着実に改善されていくものです。本記事で紹介した手順を効果の大きい順に実施し、それぞれの変更後にベンチマークや実際のゲームプレイで効果を測定しながら進めることで、最も効率的に目標の FPS に到達できます。
また、FPS は単に数値を上げれば良いというものではありません。フレームタイムの安定性(1% Low、0.1% Low)も同様に重要です。平均 FPS が高くても、一瞬のフレームドロップが頻発するとカクつきとして体感されます。MSI Afterburner などの監視ツールで平均 FPS だけでなくフレームタイムのグラフも確認し、スパイク(急激な変動)がないことを確認してください。
最適化は環境によって効果が大きく異なるため、他の人のベンチマーク結果が自分の環境に直接当てはまるとは限りません。自分の環境でのボトルネックを正確に把握し、それに対応したテクニックを適用することが、最も確実な FPS 向上への道筋です。快適なゲーミングライフをお楽しみください。